金沢蓄音器館

館長ブログ ほっと物語

2017年4月

その239ペギーさん、歌の天国へ

 

平成29413日、新聞にペギー葉山さんの訃報が載った。

今年もペギーさんから年賀状をいただき、変わらぬ達筆で一言添えられていたのでお元気で活躍されているものと思っていた。

 

今年の賀状は、「賀春」と書かれ、その一面のバックに「御題」として「野」の字が大きく書かれていた。

さらに「歌手生活65周年の今年の干支は酉。私は7回目の年女。野に(さえず)る鳥たちに負けないように美しい歌を歌い続けます」と書かれ、小生には「又、楽しい歌や(蓄音器の)音楽を聞かせてください」と一言自筆で添えられていた。

 

例年、ペギーさんからの賀状はこの「御題」が変わり、昨年は「人」だった。「素晴らしい人々に支えられ歌の人生を歩いて来ました。これからも人一倍努力して美しい歌を歌ってまいります」。
そしてやはり万年筆で「古賀(政男音楽)博物館では楽しいひとときでした!」と一緒に蓄音器での音楽談義に花が咲いたイベントのお礼がしたためられていた。

 

思えば平成162月に故岩城宏之マエストロと一緒に来館され、「南国土佐を後にして」のSPレコードをお渡しして以来のお付き合いだった(館長ブログ114)。
平成279月には、飯田久彦当館名誉館長と共に古賀政男音楽博物館で蓄音器とSP盤を楽しむ会(館長ブログ198)で久しぶりにご一緒でき、一層その偉ぶらないお人柄に惚れた。
レコードメーカーを転々とする歌手が多い中で、デビュー以来キングレコード一筋に活躍した。

きっと最愛のご主人根上淳さんと岩城マエストロなど多くのかたがたと天国で歌っているのに違いない。ご冥福を心から願ってやまない。

 

 



ペギーさんからいただいた色紙

2017年の賀状

2016年の賀状

ペギーさん、飯田久彦名誉館長と
その238その時代の音は、その時代の再生機で

 それは16時からの「蓄音器の聴き比べ」が終わった1640分ごろのことだった。

 一人旅の若い女性が話しこんできた。

「東京から金沢に初めて来ました。音楽好きで一度昔の曲を聞いてみたく思い16時をめがけて来ました。蓄音器の音ってすごいですね!3Fでは、LPレコードも選んで聴けるんですよね」。

当館ではLP盤が7,000枚程あり、自由に聴けるようになっている。

「どうぞお好きなアーティストの盤をご自身でLPプレーヤーにかけて聴いてください。クラシック、ポピュラー、歌謡曲、童謡、落語などいろいろありますよ」

と勧めた。

 17時半の閉館間際、その女性は目に涙をためて階段を下りてきた。

「サザン・オールスターズの曲が好きで、CDは全部持ってます。でもサザンのLPを聴いたのは初めてでした。
CDでは聞こえない音が聴こえました。サザンの音ってほんとはこんな音だったんですね!
新しい感動を与えてもらいました。すごい!と思ったら涙ぐんでしまいました。蓄音器の音色も、LPの音のリアル感も両方実感出来ました。必ず又、来ます!最高でした」

 
オーディオもビデオもデジタル信号処理の技術が進み、原音探求というより、より緻密で精度の高いことが求められてきた。
数字上のスペックの良さが求められてきたが、それはすべての人に心地よさを決してもたらさなかった。精度、コスト、生産性などの方が強く求められていた。


知人のアナウンサーは
「地デジではない昔のアナログテレビ、ラジオの音楽番組のほうが聴いてて疲れないんです。耳に優しかったのでは?」
と話していたことを思い出す。

 

「録音されている音の情報量に見合ったその時代の装置で聴いた方がバランスのとれた聴きやすい音がするし、音楽的にもはるかに居心地がいい」
と音楽録音プロデューサー、相沢昭八郎氏はレコード解説書に書いている。


LPレコードプレーヤーが2台。4人で聞ける。
収蔵されているLP盤のコーナー

いろんなジャンルのレコードに出会える

サザン・オールスターズのLP盤

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