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常設展

近代日本を支えた偉人たち 【高峰 譲吉

近代バイオテクノロジーの父
高峰 譲吉 (たかみね じょうきち)
嘉永7(1854)年~大正11(1922)年
富山県高岡市生まれ
業績

 高峰譲吉は36歳の時にアメリカに渡り、タカジアスターゼとアドレナリンという二つの薬を発明した化学者です。
 譲吉は発明した薬の特許を世界中で取得し、特許を管理する会社をつくったことから、ベンチャー企業の先駆けとも評価されています。
 また、日米外交を陰から支え日米親善大使とも呼ばれました。

■タカジアスターゼとアドレナリン
 タカジアスターゼはコウジに含まれる酵素の分解作用を利用した消化薬で、酵素を使った世界で最初の薬です。
 アドレナリンはホルモンの一種で、純粋な結晶を世界で初めて抽出したものです。アドレナリンには止血作用があるため、現在も外科手術の時などに使用されています。
 バイオテクノロジーの基本となる酵素とホルモンの分野で二つの世界初を成し遂げていることから、「近代バイオテクノロジーの父」と呼ばれています。

■ベンチャー企業家・日米親善大使
 譲吉は発明したタカジアスターゼやアドレナリンの特許を取得しました。薬の販売は製薬会社が行い、譲吉は特許料を得ます。さらに、アメリカではタカミネ研究所を設立し、日本では理化学研究所の設置を提唱しています。このような方法は現在の開発型ベンチャー企業と同じ方法で、その先駆けとも言えるでしょう。
 日露戦争の頃よりアメリカで日米親善に尽力し、日本とアメリカの橋渡し役として活躍します。ワシントンのポトマック河畔の桜は東京市が、ニューヨークの桜は在住邦人会が贈ったものですが、タフト大統領夫人と共に企画し、資金を援助したのは譲吉です。
 

豆知識
 譲吉は、日本酒を造るときに使用される麹(こうじ)をウイスキーの醸造にも応用しようと考え、36歳でアメリカに渡ります。残念ながら、彼のウイスキー造りは様々な妨害もあって上手くいきませんでしたが、お酒ができるまでの変化を見て、これは消化薬として使えるのではないかと考えました。そうやってできた薬が「タカジアスターゼ」です。

展示品
ゆかりの地
高峰公園
高峰譲吉は1854(嘉永7)年、富山県高岡市御馬出町で生まれました。
現在、その生家跡地は「高峰公園」として整備され、高峰譲吉の顕彰碑と銅像が建っています。
高峰譲吉住居跡(石屋小路)
幕末から1872(明治5)まで高峰家があった場所です。
現在は、ビルの壁に「高峰譲吉住居跡」の銘板がはめ込まれています。
高峰譲吉旧邸跡(大手町、旧・梅本町)
1872(明治5)年に高峰家が移った場所で、現在は道路脇に「高峰譲吉旧邸跡」の石柱が建っています。当時の建物の一部は「黒門前緑地」に移築されており、見学することができます。
旧高峰邸/黒門前緑地
金沢城の黒門前にある「旧検事正官舎」横に、旧・梅本町にあった高峰邸の一部が移築され、「黒門前緑地」として一般公開されています。
ここには、2004(平成16)年にアメリカから里帰りした桜も植樹されています。
高峰桜/金沢21世紀美術館
2004(平成16)年、高峰譲吉がアメリカに贈った桜の子孫が、金沢市内の5ヵ所に植樹されました。金沢21世紀美術館の敷地内にある茶室「松涛庵(しょうとうあん)」の横にあります。
高峰桜/金沢大学医薬保健学域医学類
2004(平成16)年、高峰譲吉がアメリカに贈った桜の子孫が、金沢市内の5ヵ所に植樹されました。金沢大学医薬保健学域医学類の入口脇の緑地にあります。
高峰桜/大乗寺丘陵公園
2004(平成16)年、高峰譲吉がアメリカに贈った桜の子孫が、金沢市内の5ヵ所に植樹されました。公園上部駐車場の近くにあります。
高峰桜/金沢城公園
2012(平成24)年、高峰譲吉が桜をアメリカに贈って100周年を記念して、高峰桜の子孫が植樹されました。金沢城公園の新丸広場内に3ヵ所あります。
「化学肥料創業記念碑」「尊農」/釜屋堀公園
高峰譲吉は1886(明治19)年に「東京人造肥料株式会社」を設立しました。その最初の工場跡地に整備された公園には2つの記念碑が建っており、「尊農」という記念碑には、「…欧米ニ於ケル化学肥料ノ研鑽者タル 高峰譲吉氏ノ協力ヲ得テ 明治二十年 初メテ此ノ地ニ 東京人造肥料会社ヲ設立シ…」という碑文が刻まれています。
参考文献
『高峰博士』 塩原又策、1926
『高峰博士の面影』 高峰譲吉博士顕彰会、1961
『高峰譲吉とその妻』 飯沼信子、1993、新人物往来社
『かなざわ偉人物語』 金沢こども読書研究会、1997、金沢市立泉野図書館
『堂々たる夢』 真鍋繁樹、1999、講談社
『高峰譲吉の生涯』 飯沼和正・菅野富夫、2000、朝日選書
『日本科学の先駆者 高峰譲吉』 山嶋哲盛、2001、岩波ジュニア文庫
『譲吉は行く波のりこえて』 ふるさと偉人絵本館編集委員会、2007、北國新聞社
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