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職員ブログ

再入荷しました! ~オリジナルロゴマーク入り トートバック~  

H29.10..15
 【ショップコーナーより】

 一昨年あっという間に完売してしまいました記念館オリジナルロゴマーク入りトートバック、
 遂に再入荷いたしました! 

 
トートバック 鏡花が自身の干支(酉)の向かい干支である兎(卯)の置物などを蒐集したことにちなみ、鏡花とうさぎのイメージを一筆書き風に表現した遊びごころあふれるロゴマーク入りのトートバック。デザインは『絵本 化鳥』のアートディレクター・泉屋宏樹さんです。A4サイズが入る大きさ(タテ38.5㎝×ヨコ33㎝)でコットン生地に仕上げました。お買い物バックとしてもすぐご利用いただけます^^


▲トートバック/1,080円(税込)


 通信販売も対応いたしますので、詳しくは記念館までお気軽にお問い合わせください!

 

スタッフK 

ギャラリートーク開催のお知らせ

H29.5.27
 来年5月まで続く(!)連動展の情報満載な年間チラシなるものを作成したために、細かなイベント情報を記載することができなくなってしまった今回の企画展。無事初日もあけ、何となく先のスケジュールも見えてきたところで、ギャラリートーク等のミニイベントの開催日などはその都度発信させていただく予定です。

加賀友禅燈ろう流し ……というわけで、今企画展第1回目のギャラリートークを開催いたします。開催日は6月2日(金)の夜間開館日、17時から40分程度(といいつつ多分1時間弱……)を予定しております。
 当日は金沢百万石まつりの協賛事業として毎年恒例の加賀友禅燈ろう流しの日。あちらは19時からの開始ですので、当館をご観覧後、ちょっとどこかでお茶を飲んでからでも十分間に合います。
 鏡花の母鈴が埋葬された卯辰山のふもとを流れる浅野川をほのかに照らす幻想的な風景と合わせておたのしみいただけましたら幸いです。事前申し込み不要、入館料のみいただきます。イベント紹介ページをご確認の上、ご参集ください


←浅野川界隈が幻想的な非日常空間と化す加賀友禅燈ろう流し
(写真提供:金沢市)

学芸員 

講座「KYOKA 1907―怪談の親玉となる日まで―」

H29.5.27
 さて、昨日より無事開幕したしました企画展「1907―明治40年の鏡花」。
 関連講座も予定されており、今月30日(火)からはその第1弾である怪談専門誌「幽」編集顧問の東雅夫氏による講座の申し込み受付が始まります。これに先立ち、東さんから講座のご紹介を兼ねた特別寄稿をいただきました!


「明日のために──怪談の親玉となる日まで」
                                  
 明治40年(1907)は、鏡花にとって散々な一年だった。元日から開始した長篇「婦系図」の連載に疲弊して体調を崩し、「中央公論」への寄稿をドタキャンする為体【ていたらく】。職人気質の鏡花にしては珍しい。そもそも逗子に滞在していたこと自体、静養のためだったのだから、無理が祟ったのだろう。東京では不粋で田舎臭い自然主義が、文壇を席巻していた。盟友の登張竹風と共訳した「沈鐘」は長谷川天渓から、これまた不粋な難癖をつけられる始末。柳川春葉夫人の病気見舞に添えた「萩桔梗枕あげさせたまへかし」の句は、鏡花自身の心境でもあったと忖度される。
 とはいえ、次なるステージ、反転攻勢への準備は着々と調いつつあった。
 何よりこの年には、前年冬の「春昼」「春昼後刻」に続いて「草迷宮」の構想・執筆が進められていた(翌41年の元日に春陽堂から書き下ろし刊行)。まさに苦衷と逼塞のさなか、鏡花幻想譚の二大傑作が生まれ出たわけで、ここには文芸という営みの秘鑰が垣間見られる気がしてならない。鏡花自身、並々ならぬ手応えを内心感じていたのであろう、逗子に来訪した中村武羅夫に対して、一種の幻想作家宣言というべき記念碑的談話「おばけずきの謂れ少々と処女作」(平凡社ライブラリー版『おばけずき』巻頭に収録)を熱く語っている。ちなみに鏡花はこのあと「たそがれの味」「ロマンチックと自然主義」「予の態度」「怪異と表現法」「旧文学と怪談」など、みずからの文学観・創作観・怪談観を表明した談話やエッセイを相次ぎ発表、これらは後世、幻想と怪奇の文学に志す人々の得がたき指針となってゆく。
 鏡花の心酔者は同時代にもいた。鏡花に憧れ岩手の遠野から上京した文学青年・佐々木喜善は、この年、鏡石という雅号を用いた幻想譚「長靴」を発表、上田敏に激賞される。そして前年の秋に出会って「おばけずき」で意気投合した水野葉舟とともに、同世代の文学青年たちを巻きこみ、盛んに怪談会に興じることとなる。翌41年(1908)春にかれらは「怪談研究会」を旗揚げ(と推測)、余勢を駆って両人は柳田國男に接近、同年11月に柳田邸で遠野の怪談話を披露し、それが柳田による怪談実話本『遠野物語』に結実するのは、すでに有名な話だろう(拙著『遠野物語と怪談の時代』参照)。
 同じ41年の7月、鏡花は新派劇の盟友・喜多村緑郎らと向島で、その名も「化物会」を開催する。以後、毎年のように盛大に開催されることとなる、鏡花一党による怪談会の嚆矢である(ちくま文庫版『鏡花百物語集』参照)。時期を同じくして、柳田國男は宮崎の秘境・椎葉村を探訪して土俗の神秘を体感、また夏目漱石は「東京朝日新聞」に文学的百物語の試みともいうべき連作「夢十夜」の連載を開始した……。
 史上空前の「おばけずき」黄金時代が、ここに幕を開けようとしていたのである。
 大正8年(1919)夏、「都新聞」に連載されたコラム「怪談の会と人」(無署名だが平山蘆江による記事と推測)において、鏡花は「怪談の親玉」と呼ばれている。鏡花先生、苦笑しつつ、まんざらでもなかったろうと、忖度する次第である。

東雅夫(平成29年5月10日)


鏡花書簡 東さんが指摘されるように、逗子滞在期は実は〝おばけずき〟な生涯の盟友たちとの出会いが相次ぎ、親交を深めた時代。その交友は〝鏡花会〟をはじめとする各種交流会に発展し、現在、稀覯書として知られる『怪談会』(明治42.10 柏舎書楼)もこのような流れの中で成立したといえるでしょう。


(←喜多村と逗子で夜通し怪談に興じたことを記した鏡花の書簡。明治40年4月20日付 泉豊春宛)




 怪談史という、既存の文学研究とは異なる視点からの鏡花文学へのアプローチを長い年月をかけて積み上げてこられた東さんならではの、興味深いお話が伺えそうな90分です。
 開催日時は6月17日(土)13時半から15時まで。お申し込み等はイベント紹介ページにてご確認ください♪

学芸員 

新企画展「1907―明治40年の鏡花」開幕です!

H29.5.26
 本日より平成29年度の新企画展「1907―明治40年の鏡花」が開幕いたしました!
 「1917―大正6年の鏡花」(9/30-12/3 ※10/31-11/2一部展示替えのため休館)、「1927―昭和2年の鏡花」(12/9-5/13)と、向こう一年掛けて開催する連動企画の第1期展の始まりでもあります。
 明治36年の尾崎紅葉の死、そして明治38年の最愛の祖母の死を経て、心身の不調に陥った鏡花は38年夏から逗子に移住、明治42年までの約4年を過ごします。自然主義文学隆盛期にもあたり、文壇的には逆境といえる鏡花でしたが、この時間が自己の文学と向き合い、深化させる重要なひとときであったことは、この期に発表された「春昼」「春昼後刻」、そして「草迷宮」といった作品にも明らか。苦境に立たされるほどに前人未踏の境地に分け入っていくのが鏡花です。
 そんな逗子時代を中心に、明治40年の前後5年ほどを俯瞰する「1907」展は会期中無休ですが、前後半で入れ替わる資料がありますので、ちょっとご案内。まず5月26日(金)から7月23日(日)までの限定展示の岡田三郎助画「草迷宮」口絵原画、そして7月24日(月)から9月24日(日)まで展示予定の「雨声会寄書扇面軸」(徳田秋聲記念館蔵)です。

雨声会寄書扇面幅 「雨声会寄書扇面軸」は明治40年6月から7回にわたって開催された、時の首相・西園寺公望を囲む文士懇談会〝雨声会〟参加者による寄せ書き。同会は公望主催による初回の返礼として開催された同年10月の回より〝雨声会〟と命名、これを第2回と数えましたが、寄せ書きはこの際のものとみられています。
(←他館さんの収蔵品のため画像サイズ控えめです)

 寄せ書きの面々は国木田独歩、幸田露伴、田山花袋、島崎藤村、そして徳田秋聲、泉鏡花など、かなり豪華。巖谷小波の箱書があることなどから小波の旧蔵品であることが推測されますが、現在は〝川向こうさん〟こと徳田秋聲記念館で大切に保管されているこの資料。今回の「1907」展にふさわしい展示品として、期間限定でご出品いただくことになりました! 折角ですから秋聲ファンの方々は7月24日からの後半展示にご来館いただくと良いかもしれません。
 その他の展示品につきましては、当館公式FBなどでもご紹介しておりますので、ぜひこちらでご覧ください。
 なお、8月5日(土)には、秋聲館の前学芸員であり、現在は山梨大学で秋聲研究を続ける大木志門氏による講座「1907年の秋聲と鏡花―〝文学〟の二筋道」を開催。お申し込み等はイベント紹介ページをご確認ください。
 たくさんのご来館&お申込み、お待ちしております!
学芸員 

泉鏡花記念館図録「鏡花」改訂増刷版発行です!

H29.3.20
 昨年5月から完売による品切れが続いておりました当館図録「鏡花」の改訂増刷版をようやく発行、本日からミュージアムショップにて販売を開始しました!

泉鏡花記念館図録 平成21年の初版発行から8年、この間の研究成果を反映し、各所で加筆訂正を施したほか、2年前のリニューアル工事に基づく館内案内の更新、さらにコラム陣営に種田和加子藤女子大学教授、大木志門山梨大学准教授をあらたに迎え、それぞれ「父清次の功績」「鏡花と秋聲」をご寄稿いただいております。
 モチロン、主要参考文献ページも更新! 鏡花研イチの目録作成の鬼・田中励儀同志社大学教授による単行本・雑誌特集・図録等の参考文献目録を収録。最新刊はなんと!平成29年3月2日発行書。ギリギリまでねばりました。
 なお、通信販売の受付は21日(火)からとなっております。詳しくはショップ紹介ページをご覧ください。

学芸員 

泉鏡花記念館文庫『爪びき・道陸神の戯』発刊です!

H29.2.24
 作品の知名度にこだわらず、鏡花短篇の佳作を紹介することを旨に泉鏡花記念館オリジナル編集でお届けする文庫〝いつか読んでみたい一冊〟第3集『爪びき・道陸神の戯(どうろくじんのたわむれ)』を発行しました! 平成24年に発行した第2集の完売を受け、旧版の増刷か、あるいは新刊発行か悩むところでしたが、知られざる佳品に触れていただくため、新刊を世に送り出す方に舵を切りました!
 第1集『化鳥・夫人利生記』、第2集『絵本の春・寸情風土記』ともに、鏡花の郷里金沢を中心に北陸三県を舞台とする作品を重点的に選んできましたが、第3集は視点を変え、〝芸術の使徒〟として、〝現実を現実としてのみ描きたくは無い、現実を通して更に最う一層大きな力に到りたいのだ〟と、論を得意としないながらも自己の文学的姿勢について鏡花なりの言葉で表明した「予の態度」を巻頭に、その作風をよく体現した佳品6篇を収録しました。

泉鏡花記念館文庫 「予の態度」は明治41年(1908)7月、「新声」(隆文館)第19巻第1号に掲載された談話。体調不良のため、明治38年7月から妻すゞをともなって移り住んだ逗子滞在期に当たります。心身の静養を図りつつ執筆活動を続けていた鏡花ですが、のちに幻想小説の代表作となる『草迷宮』を41年1月に書き下ろし出版、また同年3月には当時「新潮」の記者だった中村武羅夫の取材を受けての談話が、4月発行の同誌に「ロマンチックと自然主義」と題して掲載されています。「予の態度」も当時の文壇を席巻していた自然主義文学の対極にある作家として取材を受けたものと見られますが、この逆境の時代が鏡花が自己の文学を再確認する意味でいかに重要であったかは、もはや論を俟(ま)たないでしょう。
 明治32年(1899)1月1日、「雪の山家」のタイトルで「読売新聞」に発表後、明治34年12月の『短篇奇談勢揃ひ』(晴光館)収録の際に現行の如く改題された「立春」は、郷里金沢の父母の墓を訪れる様子を描いた〈墓参小説〉と称される作品群の一つであり、作中の地名を辿るまでもなく、舞台は鏡花9歳の時に死去した母鈴が埋葬されたという卯辰山を想起させます。世俗から取り残されたように旧暦にしたがい日々を営んできた集落にまで近代化の波が及ぶのを惜しみつつ、それでも変わることのない滝の音に耳を傾ける末尾の一文が印象的な作品です。
 収録作中、最長篇となった「爪びき」は、明治44年(1911)12月、「文芸倶楽部」(博文館)第17巻第16号に発表されました。明治42年2月に逗子から東京に戻り、翌43年5月に終の棲家となる麹町区下六番町の家に転居した頃を写した作品。逗子移住前―師尾崎紅葉に隠れてすゞと同棲していた神楽坂時代から逗子滞在期を経て、麹町区土手三番町、そして同区下六番町と居を移した鏡花の実生活と、帰京の遠因ともされるすゞの大病を背景とし、当時の鏡花夫妻を支えた〝鏡花先生の小説を愛読する人々の集(あつま)り〟である〝鏡花会〟の面々を思わせる人々が登場するなど、生身の鏡花に接近した作品でありながらも、夫妻の知人として登場する三味線の名手の女性をめぐる、まるで〝音楽の神様〟に見込まれたかのような不思議を描いた、鏡花幻想譚と世話物双方の魅力をあわせ持つ佳編といえるでしょう。
 大正14年(1925)1月、「サンデー毎日」(大坂毎日新聞社)第4年第1号に発表された「道陸神の戯」は、鏡花の初恋の相手として知られる2歳年上の幼なじみ湯浅しげを思わせる女性への主人公の尽きせぬ思慕をコミカルに描いた作品。従来ならば母恋いに重ね合わせ、情感豊かに描き出すことが多かったモチーフを、諧謔味(かいぎゃくみ)あふれる短篇に仕上げてみせたところに、齢五十を過ぎた鏡花の筆の円熟が感じられます。
 母鈴亡き後の泉家と幼少時の鏡花を彷彿(ほうふつ)とさせる「霰ふる」は、大正元年(1912)11月、「太陽」第18年第15号に発表されました。これに先立つ同年5月、「新文壇」(日本文章学院)第7巻第2号に「幼い頃の記憶―人から受けた印象―」として掲載された小品とともに、鏡花幻想の原風景的な作品として注目度が高く、他の四篇とは異なりこれまでにも文庫収録歴がみられますが、鏡花の創作の原動力を〝みつめなおす〟意味で、本書を締めくくるにふさわしい必読の二作として敢えて巻末に据えています。
 世に言う〝代表作〟のみで作家を語ることはできません。知られざる優品を通して鏡花のあらたな魅力に触れていただければ幸いです。
  ※販売は当館ミュージアムショップ限定。通信販売は3月1日からスタートの予定です。
学芸員 

企画展「酉TORI/卯USAGI―錦絵で愉しむ向かい干支」

H28.12.11
 久々にブログを更新しようと開いたら、何と!前回のタイトルは「謹賀新年」。とんだ筆不精ぶりをさらすこととなり、前回記事の「あけましておめでとうございます!」の文字が疲れ目に突き刺さります……。
 来る成立百年を記念し、開催いたしました特別展「宇野亞喜良×山本タカト『天守物語』」は先ほど無事終了いたしました。たくさんのご来館、ありがとうございました! 東京展でスタートし、鏡花のふるさと・金沢に里帰り巡回しました同展は、明くる1月5日より作品の舞台・姫路城のお膝元である姫路文学館にて開幕! ある意味、故郷に錦を飾ります。姫路文学館の展示室面積は当館の5倍近く、最も大規模な展示会場となります。ぜひ足をお運びください。
 
 さて、富姫一行を泣く泣く?姫路へと送り出した当館の次なる企画展は、「酉TORI/卯USAGI―錦絵で愉しむ向かい干支」。来る酉年、鏡花が年男であることにちなんだ展覧会です。

向かい干支 生涯で百点を優に超える兎の置物を蒐集し、兎グッズコレクターとして知られた鏡花。そのきっかけは、彼が9歳の年に亡くなった最愛の母から、明治6年(1873)の酉年生まれの鏡花の〝向かい干支〟に当たる卯(うさぎ)のものを集めると縁起が良いとして、水晶の兎の置物をお守りとして授けられたことにあります。そして、鏡花亡き後、泉家の養女となった鏡花の姪の泉名月氏もまた、鏡花にちなんで兎のものを蒐集、特に錦絵を愛好したこともあり、兎と鳥をモチーフとした作品を数多くコレクションしています。
 折しも平成29年(2017)は鏡花生誕から数えて13回目の酉年。本展では主に名月氏が後年蒐集した貴重な錦絵に、鏡花遺愛の兎グッズを交え、泉家二代にわたって愛好された向かい干支の世界をおたのしみいただきます。
 会期は前期展が12月17日(土)から2月28日(火)まで、そして後期展が3月3日(金)から5月14日(日)まで。前後期で錦絵は総入れ替えとなります。12月12日(月)から16日(金)までと3月1日(水)2日(木)は展示替えのため休館となりますのでご注意ください。
 それでは次回企画展もたくさんのご来館、お待ちしております♪
学芸員 

謹賀新年

H28.1.6
 あけましておめでとうございます! 館内整理に追われて出遅れましたが、スタッフ一同、元気に新年を迎えています。
 さて、本日もたくさんのご来館をお待ちしております!……と言いたいところですが、当館は2月5日(金)まで空調工事のため休館中です。平成11年の開館から毎日、休まずフル稼働してきた空調設備もさすがに限界に達し、昨年から今年にかけ二回に分けて総取り替えを行っております。長期休館でご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちください。
 
鏡花本 そして、休館明けの2月6日(土)から5月15日(日)までは企画展「鏡花本 装幀の美―清方・英朋・雪岱」を予定しております。内容としては収蔵品展ですが、昨年の北陸新幹線開業で新たなご来館者も増えたため、あらためて当館所蔵の鏡花本を通してその魅力に触れていただこうという展覧会です。各施設へのチラシ配布は今月末頃を予定しておりますが、すでに4日から開館している三文豪仲間の徳田秋聲記念館さん、室生犀星記念館さんにはいち早くお届け済み。両館に足を運ばれた際にはぜひお手に取ってご覧下さい。
 休館中ではありますが、日々の情報は公式FB等で発信中です。こちらもぜひチェックしてみてください。 記念館はしばらくお休みですが、周辺には鏡花ゆかりの地がいっぱい! この冬はお天気に恵まれたせいか、午前中早い時間からそぞろ歩きを楽しまれる方もたくさんいらっしゃるようです。通常の観光では気づかない、金沢の隠れた名所の発見があるかもしれません。
  それでは本年も泉鏡花記念館をよろしくお願い申し上げます♪
学芸員 

特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」第3期まもなく終了です!

H27.12.22
 9月19日(土)から開催中の特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」も残すところあと5日。あっという間の三箇月が過ぎ去ろうとしています。昭和20年5月の空襲でかろうじて難を逃れた鏡花の現存蔵書をすべて展示してみたい!……という思いではじまった今回の特別展。戦後70年の節目の時にこのような企画を思い立ったのも、何かの因縁かも知れませんが、 時には〝前近代〟と批判された鏡花の物語世界の源泉である草双紙の数々を目にするたび、よくぞ焼け残ってくれました!と彼らの強運に感謝せざるを得ません。
 
怪異の泉 さて第3期では、鏡花が晩年愛用した机や、〝お清め〟用のお神酒徳利とともに、主に国貞画の草双紙を中心に展示させていただいています。
 まずご注目いただきたいのは、愛用の机。螺鈿で源氏香図の意匠が施されていますが、図案は〝紅葉賀〟ではなく〝花宴〟。他にもこの机に用いたと思われる布(多分ホコリ除け)には〝蓬生〟が使われていたことがすでに確認済みです。二十代の若き日から黒紋付きには家紋代わりに〝紅葉賀〟を用いていた鏡花。師紅葉を敬いつつ、愛読した「偐紫田舎源氏」において装幀や挿絵に源氏香図が多用されていることを実生活でもなぞらえて、このような意匠を施したと思われます。

怪異の泉  そして今回、鏡花作品とその素材としては、「化鳥」と「釈迦八相倭文庫」に注目。母と二人、橋銭を取って暮らす少年廉が猿をからかって川に転落し、〝羽の生えた美しいねえさん〟に救われるというシーンは、「釈迦八相倭文庫」で鬼子母神の夫である具足夜叉が狒々(ひひ)を獲ろうとして川に流され、〝青だく〟と呼ばれる女性の顔を持つ霊鳥に救い出される場面に酷似しています。挿画は主に国貞が手掛けていますが、能画にあたる箇所は浮世絵師の中でも特に能に造詣が深い河鍋暁斎が担当するなど、他にも見どころの多い作品です。
 

怪異の泉 さらに第3期はは月岡芳年画の「奥州安達がはらひとつ家の図」がケース内から壁面に移動。この一枚に集約された版画技術の粋を心ゆくまでご鑑賞いただけます。また、同じく芳年が挿画を手掛けた「霜夜鐘十字辻占」など、明治期の作品も展示。輸入された人口顔料による鮮烈な赤が印象的な作品群が展示室内でひときわ異彩を放っています。
 当館は27日(日)の最終日以降、2月5日(金)まで年末年始&空調工事のため長期休館いたします。明日23日は今年最後の祝日。今回が初公開となった鏡花蔵書の見納めに、みなさまぜひ足をお運びください♪
 
学芸員 

シンポジウム&特別展第2期終了のご報告

H27.11.27
 金沢は昨夜から〝霰ふる〟天候となり、冬の到来をひしひしと感じさせる一日となっています。
 開催中の特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」は大盛況のうちに第2期も無事終了し、昨日からは最終の第3期に突入しております。後の祭りで大変恐縮ですが、10月18日(日)に開催したシンポジウムと合わせて、遅まきながらご報告させていただきます!
 さて、10月18日のこの日は、金沢市内の至る所で大型イベントが開催されるという特異日。石川県民であれば、県内のほぼすべての文化施設に無料で入館できる「県民文化の日」ということもあり、当館でも関連する催しが被るなど、はっきり言って非常事態。そんななか、SNS等で広報にご協力いただいた多くの方々のご厚意のおかげをもちまして、たくさんの方にご来場いただくことができました。
 イベントタイトルは特別展と同じく「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」。鏡花が描いた〝怪異〟について、鏡花の旧蔵書をはじめとする素材―源泉にジャンルを越えて迫ってみましょう!ということで、近世怪談研究から堤邦彦氏(京都精華大教授)、主に錦絵を中心とする日本美術史研究から藤澤紫氏(國學院大教授)、国内外の幻想文学及び怪談史研究から東雅夫氏(怪談専門誌「幽」編集顧問)、そして和本書誌研究から纐纈くり氏(大屋書房四代目)が一堂に会するという、稀有の事態です。

怪異の泉 シンポジウムは最初に学芸員から慶應義塾大学所蔵の鏡花遺品についてご紹介したのち、パネラーのみなさんが一人ずつ基調講演を行い、最後にディスカッションするというもの。トップバッターは神田神保町で和書と錦絵の専門店を営む纐纈さん。近年では近世の〝妖怪資料〟の取り扱いでは並ぶもののない存在となりつつあります。
(左から堤邦彦氏、藤澤紫氏、東雅夫氏、纐纈くり氏。)

 神田神保町の歴史に始まり、和書の見どころ、そして明治大正期の古書店番付をもとに鏡花が足を運んだ可能性のある店舗を推定するなど、まさに鏡花の現存蔵書をほぼ全点公開する今回の特別展のど真ん中を行くご講演。お話の一つ一つが展示内容ともリンクして、客席からの注目度も俄然高まります。

怪異の泉  纐纈さんのお話を引き継ぎ、草双紙に描かれた挿絵をはじめ、鏡花が特に愛好した浮世絵師歌川国貞の作品との関係に言及した藤澤先生。美しく、そしてわかりやすく作りこまれたパワーポイントを追いつつ進められるご発表は、それ自体がすでに〝作品〟の域で、パネラーの皆さんも壇上にあるのを忘れて食い入るようにスクリーンを見つめてしまうほど。(笑) 鏡花研究における今後の草双紙&錦絵調査の重要性があらためて認識される内容でした。
 そして、いよいよ鏡花が描いた〝怪異〟の内容について、影響を及ぼしたと思われる近世怪談との関わりをお話し下さった堤先生。鏡花の蔵書目録の中からピックアップしつつ、可能性の高い作品に言及していく中、ご披露いただいたのは慶應義塾御出身の堤先生が同学の大学院生であった頃、実は改修工事に備えて慶應義塾図書館旧館の通称〝鏡花室〟から蔵書の草双紙を他所へ移動する作業にあたったという驚きのエピソード! 実は多忙を極めてシンポジウム当日に直接会場入りし、まだ特別展をご覧になれていなかった堤先生。「あのとき、草双紙に藁がたくさん挟まっていたのが印象的で……。」と語った先生を、シンポジウム終了後に記念館にご案内し、〝藁談義〟でひとしきり盛り上がったことはいうまでもありません。

怪異の泉 ……と、ここまで3人のパネラーの方にお話しいただいた時点で、すでに終了予定時刻の16時を優に超えておりました。開始からあっという間に2時間20分が経過、トリを務める東さんが「ご予定のある方は遠慮なくご退室ください。」とお気遣いくださったものの、誰一人席を立つ方はいらっしゃいません。各界のエースによる高い専門性と熱意と分かりやすさをあわせ持つご発表に、実は客席も静かに燃えていたのです!

 お客様の後押しを受けて、東さんがラストスパート! 大正12年8月に東京・井の頭公園の翠紅亭で行われた怪談会に取材した鏡花の「露萩」を取り上げ、その背景に迫る平山蘆江の新資料をご紹介いただくなど、長年の怪談研究のご研鑽あってのご発表で、シンポジウムを締めくくってくださいました。
 終了時刻ではなく、会場撤収予定時刻の17時まであと10分というところまで、ねばりにねばった今回のシンポジウム。残念ながらディスカッションの時間は取れず、しかしこれ以上長くてはお客様の方が……と反省しきりでいたところ、「時間が短すぎて残念! 次は倍の時間でもいいよ。」と、ありがたいご要望が続々と! また機会がありましたら再度スペシャルメンバーで、今度は蜷川幸雄演出の舞台さながら半日がかりでやらせていただきます。

怪異の泉 特別展の方は展示替え休館を一日いただきまして、10月20日(火)から11月24日(火)まで開催した第2期では、纐纈さん&藤澤先生イチオシの〝国貞尽くし〟で勝負! 鏡花愛蔵の「偐紫田舎源氏」の貼り交ぜ屏風をメインに草双紙も総入れ替え。特に和書を専門に扱う纐纈さんから「これまで目にした中でもっとも美しい刷り」と絶賛された鏡花愛読の「田舎源氏」には、来館者のみなさまも興味津々のご様子でした。
 遅れ遅れの事後報告でまことに申し訳ありませんが、前述の通り特別展はすでに第3期に突入。鏡花の初期の名作「化鳥」の素材として知られる「釈迦八相倭文庫」をはじめ、所狭しと並んだ草双紙は会期中最大数です! ぜひ足をお運びください♪
 
学芸員 

特別展開幕&シンポジウム開催のご案内

H27.9.26
 みなさま、今年二回目の大型連休〝シルバーウィークは〟いかがお過ごしでしたでしょうか? 北陸新幹線開業から半年、金沢の街はゴールデンウィーク以上の賑わいを見せたところもあったようです。
 さて、9月19日(土)から開幕いたしました特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」。当館としては平成20年冬の「幽霊と怪談の展覧会」、そして翌平成21年冬の「幽霊と怪談の展覧会Ⅱ」に続いて三度目の〝鏡花〟と〝怪異〟をテーマとする展覧会です。鏡花の怪異小説を広くご紹介した初回、そして前期を「湯宿の怪」、後期を「金沢奇譚」と題して、〝怪異〟を生み出す〝場〟に注目した第二回とは異なり、今回は鏡花が描く〝怪異〟の源泉ともいうべき蔵書―つまり読書体験に焦点をあてた展覧会です。
 昭和14年9月7日、65歳で冥界に旅立った鏡花。自筆原稿や愛用品など、その遺品の多くは昭和16年と17年の2回に分けて鏡花の盟友・水上滝太郎の出身校である慶應義塾大学の図書館に寄贈され、特別展示室が設置される予定でしたが、戦況の悪化によって叶わず、また昭和20年5月の空襲で寄贈された蔵書の大半が焼失するなどの苦難が続きました。それでも蔵書以外の貴重な資料はその後も大切に守られ、現在も同館で保存されています。
 戦火を免れ、鏡花世界の様相を今に伝える遺品類のうち、これまであまり光をあてられることのなかった鏡花の蔵書―幻影の本棚。今回の特別展では焼け残った現存蔵書を3期に分けて全点展示、鏡花の〝想像〟と〝創作〟の〝泉〟を目前でご覧いただけます。

怪異の泉 まずは、鏡花愛蔵の草双紙全55件、500冊以上が収められていた「大草双紙本棚」。このたびが初公開です。草双紙の大きさに合わせて細かく中が仕切られた、おそらく特注品。前蓋に描かれた優美な桔梗と菊の花はなんと! 鏡花とは草双紙蒐集仲間であったとされる絵師・鰭崎英朋の麗筆によるもの。この二人が東京の古書店を荒らしたために、草双紙の値が上がったとの都市伝説?もあるほどです。そして、同じケース内に並ぶのが、この本棚に収められていた草双紙の数々。現在は総数の4分の1ほどを展示中。特に今回は〝怪異〟がテーマということで、異類のモノが跋扈する挿画を選んで展示しています。第1期は10月18日(日)までです。

怪異の泉 そして、こちらは鏡花の死後も泉家に残された通称「八犬伝の箱」。愛読書として知られる馬琴の「八犬伝」をはじめ、〝犬つながり〟の草紙が収められています。こちらの本箱もおそらく特注品。意匠の担当者はわかりませんが、前蓋の白い犬はおそらく象牙、周囲の八つの珠は螺鈿と思われます。鏡花の死後、書斎の愛用品のほとんどは慶應に寄贈されましたが、特に鏡花にとって(そしてすず夫人にとって)愛着の深いもののいくつかは泉家に残されました。紅葉先生の手紙などもその一つです。こちらは鏡花没後に泉家の養女に迎えられた姪の泉名月氏の旧蔵品。全期間展示予定です。


怪異の泉 そして、特に鏡花作品への影響が認められるものについては、別途ご紹介中。第1期は鏡花の幻想小説の代表作として名高い「高野聖」と、馬琴の「殺生石後日怪談」。妖孤〝九尾の狐〟で知られる殺生石伝承の、その名の通り後日談。旅の僧が山中の孤家で出会った美女への思慕に耐え切れず、引き返そうとしたところで美女の正体を明かす老爺の〝ものがたり〟の原型が描かれており、比べれば比べるほど唸らざるを得ない二作品。近世怪談を素材としながら、他の追随を許さない幻想小説へと物語を昇華させた鏡花の〝筆の力〟にあらためて驚愕です。(※出品予定だった鏡花旧蔵の『全世界一大奇書』は資料の状態を考慮し、他所蔵品を展示中です。)

怪異の泉 そして、創作の世界だけでなく、実生活でも〝おばけ〟との交流?を楽しんだ鏡花。明治37年に東海道線で郷里金沢に帰郷する際、経由駅で幻視した?おばけを描いた手帳も展示。館内には鏡花筆のおばけと記念写真を撮影できるコーナーもあります! その他、鏡花が多大なインスピレーションを受けたとされる月岡芳年の発禁画「奥州安達がはらひとつ家の図」の他、鏡花が実際に参加した怪談会関連の資料など、〝鏡花〟と〝怪異〟をテーマとする貴重資料が目白押し! かたくなに〝鏡花怪談のオンシーズンは秋冬でしょ!〟の姿勢を貫く当館ならではの、マニア好みのラインナップです。
 なお、第1期の最終日である10月18日(日)にはシンポジウムを開催。近世文学、日本美術史、怪談実話、和本書誌研究の各界のエースをパネラーに迎え、約2時間〝鏡花〟と〝怪異〟をテーマに語りつくします(要申込/参加費無料)。詳しくはイベント情報ページ、または記念館公式FB等でご確認の上、お電話でお申込み下さい。
 まもなく10月。世間は〝西洋おばけ〟で活気づく季節ですが、〝和製おばけ〟もまだまだ元気です! 展覧会&シンポジウムともにたくさんのご来場をお待ちしております♪
 
学芸員 

新商品のご案内 ~オリジナルロゴマーク入り トートバック~  

H27.7.31
 【ショップコーナーより】

 このたび泉鏡花記念館オリジナルロゴマーク入りトートバックが完成しました! 

 
トートバック 鏡花が自身の干支(酉)の向かい干支である兎(卯)の置物などを蒐集したことにちなみ、鏡花とうさぎのイメージを一筆書き風に表現した遊びごころあふれるロゴマーク入りのトートバック。デザインは『絵本 化鳥』のアートディレクター・泉屋宏樹さんです。A4サイズが入る大きさ(タテ38.5㎝×ヨコ33㎝)でコットン生地に仕上げました。お買い物バックとしてもすぐご利用いただけます^^


▲トートバック/1,080円(税込)


 通信販売も対応いたしますので、詳しくは記念館までお気軽にお問い合わせください!

 

スタッフK 

新企画展&関連講座のご案内

H27.6.24
 たいへんご無沙汰しております。
 前回の更新から2ヶ月も経ってしまいましたが、記念館スタッフ一同、みな元気です。
 3月7日のリニューアル開館、3月14日の北陸新幹線開業、ゴールデンウィーク、百万石まつり……と、たくさんのご来館にうれしい悲鳴を上げるなか、リニューアル開館記念特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」も無事終了し、6月20日からは新企画展「鏡花と〝旅〟する金沢・石川―明治・大正・昭和を辿る」が開幕、鏡花ファン&郷土史マニアの方にご来館いただき、ようやく落ち着きを取り戻した記念館です。

泉鏡花記念館 今回の企画展は、主に金沢を舞台とする鏡花作品を関連資料(自筆原稿、草稿、初版本)当時の古写真とともに鑑賞していただこうというもの。展示室には記念館スタッフが手書きで作成した〝てくてく文学散歩マップ〟も設置、記念館を出たあとは<てくてく●分>で作品の舞台に赴いていただく仕掛けとなっています。

▲手前のステッキの柄は象牙のうさぎ。
 その可愛らしさは展示室でご確認ください♪

 一見、点数が多い写真パネルが目を引く展覧会ですが、展示中の自筆資料のなかには一昨年の泉家旧蔵遺品展で新発見・初公開された貴重資料(「卯辰新地」自筆原稿/「山海評判記」草稿)も! 鏡花愛用の可愛いうさぎのステッキも展示中です。きっと、鏡花と一緒に〝てくてく〟したくなりますよ。
 今回は関連講座も充実! すでにご予約を開始しているものもあります。イベント情報ページでご確認の上、お電話でお申し込みください♪
学芸員 

朗読イベントのご案内

H27.4.11
 例年よりも1週間ほど早く開花を迎えた金沢の桜でしたが、さいわい?にも文字通りの〝花冷え〟の日々が続き、今年はいつもよりゆっくりと満開の花を楽しむことができました。
 3月7日(土)のリニューアル開館からはや一ヶ月が過ぎ、開催中の特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」にもたくさんの方にご来場いただいております。もともとのキャパが小さいためでもありますが、おかげをもちまして当初から予定していた関連イベントもすべて定員に達し、リニューアル記念展にふさわしい展覧会となっております。
 とはいえ、せっかくお申し込みのお電話をいただいたにも関わらず、満席でお入りいただけないお客さまも多いため、急遽、各種朗読イベントを企画しましたので、ご案内いたします!

泉鏡花記念館 朗読イベントの開催場所は、いずれも記念館受付前のエントランススペース。そう、見上げれば〝蛭(ひる)の森〟が妖しくかがやくあの場所です。
 まず、この空間での初公演をかざるのは、4月18日18時からのMROアナウンサー朗読ライブ「義血俠血」。アナウンサーさんたちが自ら研鑽を積むため、これまでにも各会場で行われてきたこの朗読ライブ。今回はリニューアルを記念して当館での開催となりました!朗読は長田哲也さん、川瀬裕子さん、白崎あゆみさん、福島彩乃さん、そして望月太満衛さんの鳴物でお届けします。なお、朗読は後日、ラジオ番組で放送されるとか。リスナーのみなさん、必見&必聴ですよ! こちらはすでに予約受付が始まっておりますので、お早めにお申し込みください。
 そして5月からは開催中の澁澤龍彦展の関連イベントとして朗読会「澁澤龍彦訳で楽しむペロー童話」を3回にわたって開催します!
 第1回は5月9日(土)18時から。作品はみなさまよく御存じの「赤頭巾ちゃん」、朗読は7色の声による一人語りでおなじみの野上裕章さんです! 野上さんといえば、妖艶な女形をイメージしますが、ご存じの通りこの作品の登場人物は女の子とオオカミ。あの野上さんがこの二役をどう演じ分けるのか、とても楽しみですね♪ 実は野上さんが外語大学出身ということもあって、この日はフランス語原文朗読の特典付き! 初回にふさわしい華やかなイベントとなりそうです。
 続く第2回は5月31日(日)18時から。かの有名な「サンドリヨンあるいは小さなガラスの上靴」(シンデレラ)を当館初登場の研聲舎・林恒宏さんに朗読していただきます! 朗々とした声が魅力の林さん、テレビCMのナレーションや「平家物語」などの文学作品の朗読で近年ますますご活躍ですが、今回はあの「サンドリヨン」。林さんの知られざる新たな魅力に出会えるかも? 乞うご期待です!
 そして、第3回は6月5日(金)18時から。トリを飾るのは、浅野川倶楽部代表・髙輪眞知子さん。鏡花作品の朗読では超ベテランの髙輪さんにお願いするのは、上記2作品に比べればマイナー作品といえる「驢馬の皮」です。「驢馬の皮」は王妃を亡くした王様が、王妃よりも美しい実の娘である姫君を新たな奥方に迎えようとする物語。実の父の想いに戸惑い、城を去ったお姫様の行く末は? 人間の心の機微に迫る難作にあえて挑んでいただきます!
 朗読会「澁澤龍彦訳で楽しむペロー童話」はそれぞれ予約受付開始日が異なります。イベント情報ページでご確認の上、お電話でお申し込みください♪
 ※なお、朗読ライブ・朗読会ともに参加費は無料ですがイベントのみの開催であり、展示室の観覧はできません。
   あらかじめご了承ください。
学芸員 

鏡花ゆかりの山陰の地をめぐる

H27.3.29
 春休みのご旅行でしょうか、記念館周辺の浅野川・東山界隈も連日多くの方がそぞろ歩きを楽しんでおられます。
 3月も終わりに近づき、日ごとに春が近づくような、と思うと不意に遠のくような、不安定なお天気が続きていますが、3月某日、陽気に誘われたが如く、山陰の鏡花ゆかりの地めぐりに出かけてまいりました!
 昭和女子大に事務局を置く泉鏡花研究会恒例の春の合宿として行われた今回の旅。大正13年5月に鏡花がすず夫人を伴って挙行した山陰旅行をなぞらえるもので、まず訪れたのは兵庫県の城崎温泉。志賀直哉「城の崎にて」で知られる当地ですが、鏡花も上記の旅で大阪経由で城崎、そして島根県の玉造温泉・出雲大社などを訪れ、その旅の様子を紀行文「玉造日記」や「城崎を憶ふ」などに記しています。

城崎温泉 なかでも大正15年発表の「城崎を憶ふ」は、前年14年5月に起きた但北地震を受け、その一年前の同じ5月に訪れた城崎の復興を願い、思いを寄せた作品。同作の末尾の一文、〈今は、柳も芽(めぐ)んだであろう―城崎よ。〉の通りに、温泉街を流れる大溪川両岸で新緑を芽吹かせる柳の風情がたいへん美しい温泉街でした。...
大正13年の旅行時に鏡花が宿泊した宿は不明ですが、7つの外湯めぐりを楽しめる、若い方たちにも人気のスポットです♪

鎧 大正13年の山陰旅行に基づく作品は他にもあります。大正14年2月発表の短篇「鎧」。山陰本線第一の嶮所と称された鎧駅、鏡花も同作で〈鎧駅を出た千仞の崖道〉と表現しています。
 鉄道ファンにひそかに人気の秘境駅を下りると、ホームの向こう側には美しい海が。〈この鎧駅に汽車の留った時、旅客は石の火の見櫓の最上層に立つ思いがしよう。〉と記したように、約90年前に鏡花も目にした鎧の〈幽僻なる絶海の漁村〉の風景に思わず息をのみました。
鎧 文字通りの崖道を下りて小さな港に降り立ち、あらためて鎧駅を見上げると)、40メートルの崖上のホームから怖々としつつも絶景に目を奪われている鏡花の姿が目に浮かぶようです。
 車掌さんに「本当にここで下りるんですか?」と何度も念押しされた鎧駅。くれぐれも季節を選んで、時刻表をご確認の上、ご探訪下さい。



餘部鉄橋 次の列車が来るまで約1時間、鎧集落を散策し、再び鎧駅から乗車して向かったのは余部(餘部)の駅。全長309メートル、高さ41メートルの旧余部鉄橋の最寄り駅として知られる、通称「空の駅」です。同じく鏡花の短篇「鎧」に登場し、列車による渡橋の様子は〈人は飛行機によらずして居ながら青天を飛ぶのである〉と表現されています。
 


餘部鉄橋 現在は並行してコンクリート橋が架けられ、旧余部鉄橋は3分の1ほどが見学用に残されるのみとなりましたが、安全柵に守られつつ、その尖端まで行くことができます。橋下には公園が整備され、昭和34年4月に余部駅が開駅される以前は、地域の人々がとなりの鎧駅まで長い鉄橋の上を歩いて行き来していた様子などが解説されています。
 城崎、鎧、余部ともに〝てくてく〟で行ける場所ではありませんが、番外編としてご旅行兼ねていかがでしょうか?

学芸員 

ミニアチュール・ドラコニア

H27.3.24
 ようやく春めいてきたと思っていたら、昨日は雪が舞い飛ぶお天気となり、今朝は3月初旬に逆戻りしたような肌寒い一日となっています。
 特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」には、県内外からたくさんの方にご来館いただき、意外と知られていない澁澤氏と金沢とのゆかりなどに驚かれる方も少なくないようです。
 過去に各地で行われた澁澤展のように、決して大規模なものではありませんが、泉鏡花記念館で行われる澁澤龍彦展に意義を見出して足を運んでくださる方も多く、本当にうれしいかぎりです。
 2年後には没後30年を迎えるにもかかわらず、世代を超えて新たなファンが生まれ続けている澁澤龍彦氏。記念館ではこのたびの展覧会の記念に澁澤邸内部やコレクション、旅の思い出の写真を絵はがきにしたポストカードセットを販売しています!
 
ポストカード オープニングギャラリートークにお越しいただいた四谷シモン先生の「機械仕掛の少女」や金子國義先生の初期作品で澁澤氏の著作の装画にも用いられた「エロティシズム」をはじめ、居間や書斎、オブジェ棚の様子、そして龍子夫人との旅行先で撮影されたお写真など、お部屋に飾ればご自宅でミニアチュール・ドラコニアをお楽しみいただけるセレクトとなっています!

▲12枚セット/1,296円(税込)



 なお、右手前のお写真は1974年のヨーロッパ旅行の際、イタリアのサン・ジミニャーノで龍子夫人が撮影した、澁澤氏お気に入りの一枚。北鎌倉の澁澤邸の書斎では、今も大きなパネルに仕立てて、まさに目の前で澁澤氏がポーズをとっているかのように飾られています。
 現金書留での対応のみとなりますが、通販も可能ですので、ご購入を希望される方は記念館までお問い合わせください。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」開幕いたしました!

H27.3.18
 みなさま、本当にごぶさたしております。 
 ご報告が遅くなり、たいへん恐縮ですが、おかげをもちまして3月7日に無事リニューアル開館&特別展開幕の時を迎えることができました! オープニング記念プレミア内覧会&ギャラリートークでは、澁澤龍彦氏の友人で、今も北鎌倉の〝ドラコニア・ワールド〟の客人でいらっしゃる人形作家・四谷シモン氏をお迎えし、在りし日の澁澤氏との思い出や、その後も続くご友人のみなさまとのご交流のことなど、近しくお付き合いされた方ならではのお話を伺い、シモン先生にとっては宝もののような、大切な記憶を参加者の皆さんと共有することができました。お忙しい中、金沢にお越しくださったシモン先生、そしてお集まりいただいた皆さまに心より御礼申し上げます!
 
澁澤龍彦展 オープンから一週間後の3月14日に北陸新幹線が開業したこともあり、生家跡に建つ小さな記念館にも連日たくさんの方にお越しいただき、毎日がめまぐるしく過ぎていきましたが、今後は1月に始動した公式FBとあわせてこちらも更新していきたく思いますので、ひき続きよろしくお願いいたします。
▲「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」
左から四谷シモン作「機械仕掛の少女」
金子國義画「エロティシズム」



 なお、澁澤氏の著書の装幀挿画を手掛けられ、四谷シモン氏を澁澤氏にご紹介されたことでも知られる金子國義先生が、昨日3月17日未明、急な病で急逝されたとのお知らせをいただきました。このたびの作品展示に関わるご厚情に感謝いたしますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 ちいさな会場ではありますが、展覧会開催に際し、さまざまにご高配を賜りました皆さまのよき思い出となるよう、努めていきたいと思います。
 昨日から電話申込受付を開始いたしました4月25日開催の記念講演会「澁澤龍彦―小説の旅」も、残席わずかとなっております。講師はやはり澁澤氏のご友人で、同じフランス文学者として、そして文筆家としてお仕事のパートナーでもあられた巖谷國士先生です。参加希望の方はイベント情報ページをご確認の上、お電話にてお早めにお申し込みください。※定員に達しました。以降はキャンセル待ちにて受付中です。(3/20)
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

~北陸新幹線開業記念 図録3点セット~好評発売中!

H27.3.16
図録3点セット
みなさま こんにちは^^ 大変ごぶさたしております。
リニューアル開館以来たくさんのみなさまがご来館くださり
本当にありがとうございます!!




 【ショップコーナーより】

 ~北陸新幹線開業記念 図録3点セット~ 2,700円(税込)

 「番町の家慶應義塾図書館所蔵泉鏡花遺品展」(図録)

「鏡花」(泉鏡花記念館図録)

「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」(図録)   

 鏡花の生涯と作家活動、また貴重な遺愛品などを紹介する図録3点を、北陸新幹線開業と当館のリニューアル開館を記念し、3点で2,700円(税込)の特別価格にて販売いたします!
(通常価格
3点で3,690円(税込))限定50セットとなっております。

泉鏡花入門セットとしてはじめてご来館されるお客様はもちろん、いつもご来館くださるお客様もこの機会にぜひお買い求めください。通信販売も対応させていただきます。

図録セットのほかに新たなオリジナル商品としてクリアファイルも完成いたしました。
詳しくは当館までお問い合わせください
^^


スタッフK