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職員ブログ

謹賀新年

H28.1.6
 あけましておめでとうございます! 館内整理に追われて出遅れましたが、スタッフ一同、元気に新年を迎えています。
 さて、本日もたくさんのご来館をお待ちしております!……と言いたいところですが、当館は2月5日(金)まで空調工事のため休館中です。平成11年の開館から毎日、休まずフル稼働してきた空調設備もさすがに限界に達し、昨年から今年にかけ二回に分けて総取り替えを行っております。長期休館でご迷惑をおかけしますが、今しばらくお待ちください。
 
鏡花本 そして、休館明けの2月6日(土)から5月15日(日)までは企画展「鏡花本 装幀の美―清方・英朋・雪岱」を予定しております。内容としては収蔵品展ですが、昨年の北陸新幹線開業で新たなご来館者も増えたため、あらためて当館所蔵の鏡花本を通してその魅力に触れていただこうという展覧会です。各施設へのチラシ配布は今月末頃を予定しておりますが、すでに4日から開館している三文豪仲間の徳田秋聲記念館さん、室生犀星記念館さんにはいち早くお届け済み。両館に足を運ばれた際にはぜひお手に取ってご覧下さい。
 休館中ではありますが、日々の情報は公式FB等で発信中です。こちらもぜひチェックしてみてください。 記念館はしばらくお休みですが、周辺には鏡花ゆかりの地がいっぱい! この冬はお天気に恵まれたせいか、午前中早い時間からそぞろ歩きを楽しまれる方もたくさんいらっしゃるようです。通常の観光では気づかない、金沢の隠れた名所の発見があるかもしれません。
  それでは本年も泉鏡花記念館をよろしくお願い申し上げます♪
学芸員 

特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」第3期まもなく終了です!

H27.12.22
 9月19日(土)から開催中の特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」も残すところあと5日。あっという間の三箇月が過ぎ去ろうとしています。昭和20年5月の空襲でかろうじて難を逃れた鏡花の現存蔵書をすべて展示してみたい!……という思いではじまった今回の特別展。戦後70年の節目の時にこのような企画を思い立ったのも、何かの因縁かも知れませんが、 時には〝前近代〟と批判された鏡花の物語世界の源泉である草双紙の数々を目にするたび、よくぞ焼け残ってくれました!と彼らの強運に感謝せざるを得ません。
 
怪異の泉 さて第3期では、鏡花が晩年愛用した机や、〝お清め〟用のお神酒徳利とともに、主に国貞画の草双紙を中心に展示させていただいています。
 まずご注目いただきたいのは、愛用の机。螺鈿で源氏香図の意匠が施されていますが、図案は〝紅葉賀〟ではなく〝花宴〟。他にもこの机に用いたと思われる布(多分ホコリ除け)には〝蓬生〟が使われていたことがすでに確認済みです。二十代の若き日から黒紋付きには家紋代わりに〝紅葉賀〟を用いていた鏡花。師紅葉を敬いつつ、愛読した「偐紫田舎源氏」において装幀や挿絵に源氏香図が多用されていることを実生活でもなぞらえて、このような意匠を施したと思われます。

怪異の泉  そして今回、鏡花作品とその素材としては、「化鳥」と「釈迦八相倭文庫」に注目。母と二人、橋銭を取って暮らす少年廉が猿をからかって川に転落し、〝羽の生えた美しいねえさん〟に救われるというシーンは、「釈迦八相倭文庫」で鬼子母神の夫である具足夜叉が狒々(ひひ)を獲ろうとして川に流され、〝青だく〟と呼ばれる女性の顔を持つ霊鳥に救い出される場面に酷似しています。挿画は主に国貞が手掛けていますが、能画にあたる箇所は浮世絵師の中でも特に能に造詣が深い河鍋暁斎が担当するなど、他にも見どころの多い作品です。
 

怪異の泉 さらに第3期はは月岡芳年画の「奥州安達がはらひとつ家の図」がケース内から壁面に移動。この一枚に集約された版画技術の粋を心ゆくまでご鑑賞いただけます。また、同じく芳年が挿画を手掛けた「霜夜鐘十字辻占」など、明治期の作品も展示。輸入された人口顔料による鮮烈な赤が印象的な作品群が展示室内でひときわ異彩を放っています。
 当館は27日(日)の最終日以降、2月5日(金)まで年末年始&空調工事のため長期休館いたします。明日23日は今年最後の祝日。今回が初公開となった鏡花蔵書の見納めに、みなさまぜひ足をお運びください♪
 
学芸員 

シンポジウム&特別展第2期終了のご報告

H27.11.27
 金沢は昨夜から〝霰ふる〟天候となり、冬の到来をひしひしと感じさせる一日となっています。
 開催中の特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」は大盛況のうちに第2期も無事終了し、昨日からは最終の第3期に突入しております。後の祭りで大変恐縮ですが、10月18日(日)に開催したシンポジウムと合わせて、遅まきながらご報告させていただきます!
 さて、10月18日のこの日は、金沢市内の至る所で大型イベントが開催されるという特異日。石川県民であれば、県内のほぼすべての文化施設に無料で入館できる「県民文化の日」ということもあり、当館でも関連する催しが被るなど、はっきり言って非常事態。そんななか、SNS等で広報にご協力いただいた多くの方々のご厚意のおかげをもちまして、たくさんの方にご来場いただくことができました。
 イベントタイトルは特別展と同じく「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」。鏡花が描いた〝怪異〟について、鏡花の旧蔵書をはじめとする素材―源泉にジャンルを越えて迫ってみましょう!ということで、近世怪談研究から堤邦彦氏(京都精華大教授)、主に錦絵を中心とする日本美術史研究から藤澤紫氏(國學院大教授)、国内外の幻想文学及び怪談史研究から東雅夫氏(怪談専門誌「幽」編集顧問)、そして和本書誌研究から纐纈くり氏(大屋書房四代目)が一堂に会するという、稀有の事態です。

怪異の泉 シンポジウムは最初に学芸員から慶應義塾大学所蔵の鏡花遺品についてご紹介したのち、パネラーのみなさんが一人ずつ基調講演を行い、最後にディスカッションするというもの。トップバッターは神田神保町で和書と錦絵の専門店を営む纐纈さん。近年では近世の〝妖怪資料〟の取り扱いでは並ぶもののない存在となりつつあります。
(左から堤邦彦氏、藤澤紫氏、東雅夫氏、纐纈くり氏。)

 神田神保町の歴史に始まり、和書の見どころ、そして明治大正期の古書店番付をもとに鏡花が足を運んだ可能性のある店舗を推定するなど、まさに鏡花の現存蔵書をほぼ全点公開する今回の特別展のど真ん中を行くご講演。お話の一つ一つが展示内容ともリンクして、客席からの注目度も俄然高まります。

怪異の泉  纐纈さんのお話を引き継ぎ、草双紙に描かれた挿絵をはじめ、鏡花が特に愛好した浮世絵師歌川国貞の作品との関係に言及した藤澤先生。美しく、そしてわかりやすく作りこまれたパワーポイントを追いつつ進められるご発表は、それ自体がすでに〝作品〟の域で、パネラーの皆さんも壇上にあるのを忘れて食い入るようにスクリーンを見つめてしまうほど。(笑) 鏡花研究における今後の草双紙&錦絵調査の重要性があらためて認識される内容でした。
 そして、いよいよ鏡花が描いた〝怪異〟の内容について、影響を及ぼしたと思われる近世怪談との関わりをお話し下さった堤先生。鏡花の蔵書目録の中からピックアップしつつ、可能性の高い作品に言及していく中、ご披露いただいたのは慶應義塾御出身の堤先生が同学の大学院生であった頃、実は改修工事に備えて慶應義塾図書館旧館の通称〝鏡花室〟から蔵書の草双紙を他所へ移動する作業にあたったという驚きのエピソード! 実は多忙を極めてシンポジウム当日に直接会場入りし、まだ特別展をご覧になれていなかった堤先生。「あのとき、草双紙に藁がたくさん挟まっていたのが印象的で……。」と語った先生を、シンポジウム終了後に記念館にご案内し、〝藁談義〟でひとしきり盛り上がったことはいうまでもありません。

怪異の泉 ……と、ここまで3人のパネラーの方にお話しいただいた時点で、すでに終了予定時刻の16時を優に超えておりました。開始からあっという間に2時間20分が経過、トリを務める東さんが「ご予定のある方は遠慮なくご退室ください。」とお気遣いくださったものの、誰一人席を立つ方はいらっしゃいません。各界のエースによる高い専門性と熱意と分かりやすさをあわせ持つご発表に、実は客席も静かに燃えていたのです!

 お客様の後押しを受けて、東さんがラストスパート! 大正12年8月に東京・井の頭公園の翠紅亭で行われた怪談会に取材した鏡花の「露萩」を取り上げ、その背景に迫る平山蘆江の新資料をご紹介いただくなど、長年の怪談研究のご研鑽あってのご発表で、シンポジウムを締めくくってくださいました。
 終了時刻ではなく、会場撤収予定時刻の17時まであと10分というところまで、ねばりにねばった今回のシンポジウム。残念ながらディスカッションの時間は取れず、しかしこれ以上長くてはお客様の方が……と反省しきりでいたところ、「時間が短すぎて残念! 次は倍の時間でもいいよ。」と、ありがたいご要望が続々と! また機会がありましたら再度スペシャルメンバーで、今度は蜷川幸雄演出の舞台さながら半日がかりでやらせていただきます。

怪異の泉 特別展の方は展示替え休館を一日いただきまして、10月20日(火)から11月24日(火)まで開催した第2期では、纐纈さん&藤澤先生イチオシの〝国貞尽くし〟で勝負! 鏡花愛蔵の「偐紫田舎源氏」の貼り交ぜ屏風をメインに草双紙も総入れ替え。特に和書を専門に扱う纐纈さんから「これまで目にした中でもっとも美しい刷り」と絶賛された鏡花愛読の「田舎源氏」には、来館者のみなさまも興味津々のご様子でした。
 遅れ遅れの事後報告でまことに申し訳ありませんが、前述の通り特別展はすでに第3期に突入。鏡花の初期の名作「化鳥」の素材として知られる「釈迦八相倭文庫」をはじめ、所狭しと並んだ草双紙は会期中最大数です! ぜひ足をお運びください♪
 
学芸員 

特別展開幕&シンポジウム開催のご案内

H27.9.26
 みなさま、今年二回目の大型連休〝シルバーウィークは〟いかがお過ごしでしたでしょうか? 北陸新幹線開業から半年、金沢の街はゴールデンウィーク以上の賑わいを見せたところもあったようです。
 さて、9月19日(土)から開幕いたしました特別展「怪異の泉―鏡花 幻影の本棚」。当館としては平成20年冬の「幽霊と怪談の展覧会」、そして翌平成21年冬の「幽霊と怪談の展覧会Ⅱ」に続いて三度目の〝鏡花〟と〝怪異〟をテーマとする展覧会です。鏡花の怪異小説を広くご紹介した初回、そして前期を「湯宿の怪」、後期を「金沢奇譚」と題して、〝怪異〟を生み出す〝場〟に注目した第二回とは異なり、今回は鏡花が描く〝怪異〟の源泉ともいうべき蔵書―つまり読書体験に焦点をあてた展覧会です。
 昭和14年9月7日、65歳で冥界に旅立った鏡花。自筆原稿や愛用品など、その遺品の多くは昭和16年と17年の2回に分けて鏡花の盟友・水上滝太郎の出身校である慶應義塾大学の図書館に寄贈され、特別展示室が設置される予定でしたが、戦況の悪化によって叶わず、また昭和20年5月の空襲で寄贈された蔵書の大半が焼失するなどの苦難が続きました。それでも蔵書以外の貴重な資料はその後も大切に守られ、現在も同館で保存されています。
 戦火を免れ、鏡花世界の様相を今に伝える遺品類のうち、これまであまり光をあてられることのなかった鏡花の蔵書―幻影の本棚。今回の特別展では焼け残った現存蔵書を3期に分けて全点展示、鏡花の〝想像〟と〝創作〟の〝泉〟を目前でご覧いただけます。

怪異の泉 まずは、鏡花愛蔵の草双紙全55件、500冊以上が収められていた「大草双紙本棚」。このたびが初公開です。草双紙の大きさに合わせて細かく中が仕切られた、おそらく特注品。前蓋に描かれた優美な桔梗と菊の花はなんと! 鏡花とは草双紙蒐集仲間であったとされる絵師・鰭崎英朋の麗筆によるもの。この二人が東京の古書店を荒らしたために、草双紙の値が上がったとの都市伝説?もあるほどです。そして、同じケース内に並ぶのが、この本棚に収められていた草双紙の数々。現在は総数の4分の1ほどを展示中。特に今回は〝怪異〟がテーマということで、異類のモノが跋扈する挿画を選んで展示しています。第1期は10月18日(日)までです。

怪異の泉 そして、こちらは鏡花の死後も泉家に残された通称「八犬伝の箱」。愛読書として知られる馬琴の「八犬伝」をはじめ、〝犬つながり〟の草紙が収められています。こちらの本箱もおそらく特注品。意匠の担当者はわかりませんが、前蓋の白い犬はおそらく象牙、周囲の八つの珠は螺鈿と思われます。鏡花の死後、書斎の愛用品のほとんどは慶應に寄贈されましたが、特に鏡花にとって(そしてすず夫人にとって)愛着の深いもののいくつかは泉家に残されました。紅葉先生の手紙などもその一つです。こちらは鏡花没後に泉家の養女に迎えられた姪の泉名月氏の旧蔵品。全期間展示予定です。


怪異の泉 そして、特に鏡花作品への影響が認められるものについては、別途ご紹介中。第1期は鏡花の幻想小説の代表作として名高い「高野聖」と、馬琴の「殺生石後日怪談」。妖孤〝九尾の狐〟で知られる殺生石伝承の、その名の通り後日談。旅の僧が山中の孤家で出会った美女への思慕に耐え切れず、引き返そうとしたところで美女の正体を明かす老爺の〝ものがたり〟の原型が描かれており、比べれば比べるほど唸らざるを得ない二作品。近世怪談を素材としながら、他の追随を許さない幻想小説へと物語を昇華させた鏡花の〝筆の力〟にあらためて驚愕です。(※出品予定だった鏡花旧蔵の『全世界一大奇書』は資料の状態を考慮し、他所蔵品を展示中です。)

怪異の泉 そして、創作の世界だけでなく、実生活でも〝おばけ〟との交流?を楽しんだ鏡花。明治37年に東海道線で郷里金沢に帰郷する際、経由駅で幻視した?おばけを描いた手帳も展示。館内には鏡花筆のおばけと記念写真を撮影できるコーナーもあります! その他、鏡花が多大なインスピレーションを受けたとされる月岡芳年の発禁画「奥州安達がはらひとつ家の図」の他、鏡花が実際に参加した怪談会関連の資料など、〝鏡花〟と〝怪異〟をテーマとする貴重資料が目白押し! かたくなに〝鏡花怪談のオンシーズンは秋冬でしょ!〟の姿勢を貫く当館ならではの、マニア好みのラインナップです。
 なお、第1期の最終日である10月18日(日)にはシンポジウムを開催。近世文学、日本美術史、怪談実話、和本書誌研究の各界のエースをパネラーに迎え、約2時間〝鏡花〟と〝怪異〟をテーマに語りつくします(要申込/参加費無料)。詳しくはイベント情報ページ、または記念館公式FB等でご確認の上、お電話でお申込み下さい。
 まもなく10月。世間は〝西洋おばけ〟で活気づく季節ですが、〝和製おばけ〟もまだまだ元気です! 展覧会&シンポジウムともにたくさんのご来場をお待ちしております♪
 
学芸員 

新商品のご案内 ~オリジナルロゴマーク入り トートバック~  

H27.7.31
 【ショップコーナーより】

 このたび泉鏡花記念館オリジナルロゴマーク入りトートバックが完成しました! 

 
トートバック 鏡花が自身の干支(酉)の向かい干支である兎(卯)の置物などを蒐集したことにちなみ、鏡花とうさぎのイメージを一筆書き風に表現した遊びごころあふれるロゴマーク入りのトートバック。デザインは『絵本 化鳥』のアートディレクター・泉屋宏樹さんです。A4サイズが入る大きさ(タテ38.5㎝×ヨコ33㎝)でコットン生地に仕上げました。お買い物バックとしてもすぐご利用いただけます^^


▲トートバック/1,080円(税込)


 通信販売も対応いたしますので、詳しくは記念館までお気軽にお問い合わせください!

 

スタッフK 

新企画展&関連講座のご案内

H27.6.24
 たいへんご無沙汰しております。
 前回の更新から2ヶ月も経ってしまいましたが、記念館スタッフ一同、みな元気です。
 3月7日のリニューアル開館、3月14日の北陸新幹線開業、ゴールデンウィーク、百万石まつり……と、たくさんのご来館にうれしい悲鳴を上げるなか、リニューアル開館記念特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」も無事終了し、6月20日からは新企画展「鏡花と〝旅〟する金沢・石川―明治・大正・昭和を辿る」が開幕、鏡花ファン&郷土史マニアの方にご来館いただき、ようやく落ち着きを取り戻した記念館です。

泉鏡花記念館 今回の企画展は、主に金沢を舞台とする鏡花作品を関連資料(自筆原稿、草稿、初版本)当時の古写真とともに鑑賞していただこうというもの。展示室には記念館スタッフが手書きで作成した〝てくてく文学散歩マップ〟も設置、記念館を出たあとは<てくてく●分>で作品の舞台に赴いていただく仕掛けとなっています。

▲手前のステッキの柄は象牙のうさぎ。
 その可愛らしさは展示室でご確認ください♪

 一見、点数が多い写真パネルが目を引く展覧会ですが、展示中の自筆資料のなかには一昨年の泉家旧蔵遺品展で新発見・初公開された貴重資料(「卯辰新地」自筆原稿/「山海評判記」草稿)も! 鏡花愛用の可愛いうさぎのステッキも展示中です。きっと、鏡花と一緒に〝てくてく〟したくなりますよ。
 今回は関連講座も充実! すでにご予約を開始しているものもあります。イベント情報ページでご確認の上、お電話でお申し込みください♪
学芸員 

朗読イベントのご案内

H27.4.11
 例年よりも1週間ほど早く開花を迎えた金沢の桜でしたが、さいわい?にも文字通りの〝花冷え〟の日々が続き、今年はいつもよりゆっくりと満開の花を楽しむことができました。
 3月7日(土)のリニューアル開館からはや一ヶ月が過ぎ、開催中の特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」にもたくさんの方にご来場いただいております。もともとのキャパが小さいためでもありますが、おかげをもちまして当初から予定していた関連イベントもすべて定員に達し、リニューアル記念展にふさわしい展覧会となっております。
 とはいえ、せっかくお申し込みのお電話をいただいたにも関わらず、満席でお入りいただけないお客さまも多いため、急遽、各種朗読イベントを企画しましたので、ご案内いたします!

泉鏡花記念館 朗読イベントの開催場所は、いずれも記念館受付前のエントランススペース。そう、見上げれば〝蛭(ひる)の森〟が妖しくかがやくあの場所です。
 まず、この空間での初公演をかざるのは、4月18日18時からのMROアナウンサー朗読ライブ「義血俠血」。アナウンサーさんたちが自ら研鑽を積むため、これまでにも各会場で行われてきたこの朗読ライブ。今回はリニューアルを記念して当館での開催となりました!朗読は長田哲也さん、川瀬裕子さん、白崎あゆみさん、福島彩乃さん、そして望月太満衛さんの鳴物でお届けします。なお、朗読は後日、ラジオ番組で放送されるとか。リスナーのみなさん、必見&必聴ですよ! こちらはすでに予約受付が始まっておりますので、お早めにお申し込みください。
 そして5月からは開催中の澁澤龍彦展の関連イベントとして朗読会「澁澤龍彦訳で楽しむペロー童話」を3回にわたって開催します!
 第1回は5月9日(土)18時から。作品はみなさまよく御存じの「赤頭巾ちゃん」、朗読は7色の声による一人語りでおなじみの野上裕章さんです! 野上さんといえば、妖艶な女形をイメージしますが、ご存じの通りこの作品の登場人物は女の子とオオカミ。あの野上さんがこの二役をどう演じ分けるのか、とても楽しみですね♪ 実は野上さんが外語大学出身ということもあって、この日はフランス語原文朗読の特典付き! 初回にふさわしい華やかなイベントとなりそうです。
 続く第2回は5月31日(日)18時から。かの有名な「サンドリヨンあるいは小さなガラスの上靴」(シンデレラ)を当館初登場の研聲舎・林恒宏さんに朗読していただきます! 朗々とした声が魅力の林さん、テレビCMのナレーションや「平家物語」などの文学作品の朗読で近年ますますご活躍ですが、今回はあの「サンドリヨン」。林さんの知られざる新たな魅力に出会えるかも? 乞うご期待です!
 そして、第3回は6月5日(金)18時から。トリを飾るのは、浅野川倶楽部代表・髙輪眞知子さん。鏡花作品の朗読では超ベテランの髙輪さんにお願いするのは、上記2作品に比べればマイナー作品といえる「驢馬の皮」です。「驢馬の皮」は王妃を亡くした王様が、王妃よりも美しい実の娘である姫君を新たな奥方に迎えようとする物語。実の父の想いに戸惑い、城を去ったお姫様の行く末は? 人間の心の機微に迫る難作にあえて挑んでいただきます!
 朗読会「澁澤龍彦訳で楽しむペロー童話」はそれぞれ予約受付開始日が異なります。イベント情報ページでご確認の上、お電話でお申し込みください♪
 ※なお、朗読ライブ・朗読会ともに参加費は無料ですがイベントのみの開催であり、展示室の観覧はできません。
   あらかじめご了承ください。
学芸員 

鏡花ゆかりの山陰の地をめぐる

H27.3.29
 春休みのご旅行でしょうか、記念館周辺の浅野川・東山界隈も連日多くの方がそぞろ歩きを楽しんでおられます。
 3月も終わりに近づき、日ごとに春が近づくような、と思うと不意に遠のくような、不安定なお天気が続きていますが、3月某日、陽気に誘われたが如く、山陰の鏡花ゆかりの地めぐりに出かけてまいりました!
 昭和女子大に事務局を置く泉鏡花研究会恒例の春の合宿として行われた今回の旅。大正13年5月に鏡花がすず夫人を伴って挙行した山陰旅行をなぞらえるもので、まず訪れたのは兵庫県の城崎温泉。志賀直哉「城の崎にて」で知られる当地ですが、鏡花も上記の旅で大阪経由で城崎、そして島根県の玉造温泉・出雲大社などを訪れ、その旅の様子を紀行文「玉造日記」や「城崎を憶ふ」などに記しています。

城崎温泉 なかでも大正15年発表の「城崎を憶ふ」は、前年14年5月に起きた但北地震を受け、その一年前の同じ5月に訪れた城崎の復興を願い、思いを寄せた作品。同作の末尾の一文、〈今は、柳も芽(めぐ)んだであろう―城崎よ。〉の通りに、温泉街を流れる大溪川両岸で新緑を芽吹かせる柳の風情がたいへん美しい温泉街でした。...
大正13年の旅行時に鏡花が宿泊した宿は不明ですが、7つの外湯めぐりを楽しめる、若い方たちにも人気のスポットです♪

鎧 大正13年の山陰旅行に基づく作品は他にもあります。大正14年2月発表の短篇「鎧」。山陰本線第一の嶮所と称された鎧駅、鏡花も同作で〈鎧駅を出た千仞の崖道〉と表現しています。
 鉄道ファンにひそかに人気の秘境駅を下りると、ホームの向こう側には美しい海が。〈この鎧駅に汽車の留った時、旅客は石の火の見櫓の最上層に立つ思いがしよう。〉と記したように、約90年前に鏡花も目にした鎧の〈幽僻なる絶海の漁村〉の風景に思わず息をのみました。
鎧 文字通りの崖道を下りて小さな港に降り立ち、あらためて鎧駅を見上げると)、40メートルの崖上のホームから怖々としつつも絶景に目を奪われている鏡花の姿が目に浮かぶようです。
 車掌さんに「本当にここで下りるんですか?」と何度も念押しされた鎧駅。くれぐれも季節を選んで、時刻表をご確認の上、ご探訪下さい。



餘部鉄橋 次の列車が来るまで約1時間、鎧集落を散策し、再び鎧駅から乗車して向かったのは余部(餘部)の駅。全長309メートル、高さ41メートルの旧余部鉄橋の最寄り駅として知られる、通称「空の駅」です。同じく鏡花の短篇「鎧」に登場し、列車による渡橋の様子は〈人は飛行機によらずして居ながら青天を飛ぶのである〉と表現されています。
 


餘部鉄橋 現在は並行してコンクリート橋が架けられ、旧余部鉄橋は3分の1ほどが見学用に残されるのみとなりましたが、安全柵に守られつつ、その尖端まで行くことができます。橋下には公園が整備され、昭和34年4月に余部駅が開駅される以前は、地域の人々がとなりの鎧駅まで長い鉄橋の上を歩いて行き来していた様子などが解説されています。
 城崎、鎧、余部ともに〝てくてく〟で行ける場所ではありませんが、番外編としてご旅行兼ねていかがでしょうか?

学芸員 

ミニアチュール・ドラコニア

H27.3.24
 ようやく春めいてきたと思っていたら、昨日は雪が舞い飛ぶお天気となり、今朝は3月初旬に逆戻りしたような肌寒い一日となっています。
 特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」には、県内外からたくさんの方にご来館いただき、意外と知られていない澁澤氏と金沢とのゆかりなどに驚かれる方も少なくないようです。
 過去に各地で行われた澁澤展のように、決して大規模なものではありませんが、泉鏡花記念館で行われる澁澤龍彦展に意義を見出して足を運んでくださる方も多く、本当にうれしいかぎりです。
 2年後には没後30年を迎えるにもかかわらず、世代を超えて新たなファンが生まれ続けている澁澤龍彦氏。記念館ではこのたびの展覧会の記念に澁澤邸内部やコレクション、旅の思い出の写真を絵はがきにしたポストカードセットを販売しています!
 
ポストカード オープニングギャラリートークにお越しいただいた四谷シモン先生の「機械仕掛の少女」や金子國義先生の初期作品で澁澤氏の著作の装画にも用いられた「エロティシズム」をはじめ、居間や書斎、オブジェ棚の様子、そして龍子夫人との旅行先で撮影されたお写真など、お部屋に飾ればご自宅でミニアチュール・ドラコニアをお楽しみいただけるセレクトとなっています!

▲12枚セット/1,296円(税込)



 なお、右手前のお写真は1974年のヨーロッパ旅行の際、イタリアのサン・ジミニャーノで龍子夫人が撮影した、澁澤氏お気に入りの一枚。北鎌倉の澁澤邸の書斎では、今も大きなパネルに仕立てて、まさに目の前で澁澤氏がポーズをとっているかのように飾られています。
 現金書留での対応のみとなりますが、通販も可能ですので、ご購入を希望される方は記念館までお問い合わせください。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

特別展「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」開幕いたしました!

H27.3.18
 みなさま、本当にごぶさたしております。 
 ご報告が遅くなり、たいへん恐縮ですが、おかげをもちまして3月7日に無事リニューアル開館&特別展開幕の時を迎えることができました! オープニング記念プレミア内覧会&ギャラリートークでは、澁澤龍彦氏の友人で、今も北鎌倉の〝ドラコニア・ワールド〟の客人でいらっしゃる人形作家・四谷シモン氏をお迎えし、在りし日の澁澤氏との思い出や、その後も続くご友人のみなさまとのご交流のことなど、近しくお付き合いされた方ならではのお話を伺い、シモン先生にとっては宝もののような、大切な記憶を参加者の皆さんと共有することができました。お忙しい中、金沢にお越しくださったシモン先生、そしてお集まりいただいた皆さまに心より御礼申し上げます!
 
澁澤龍彦展 オープンから一週間後の3月14日に北陸新幹線が開業したこともあり、生家跡に建つ小さな記念館にも連日たくさんの方にお越しいただき、毎日がめまぐるしく過ぎていきましたが、今後は1月に始動した公式FBとあわせてこちらも更新していきたく思いますので、ひき続きよろしくお願いいたします。
▲「龍の国から吹く風―澁澤龍彦展」
左から四谷シモン作「機械仕掛の少女」
金子國義画「エロティシズム」



 なお、澁澤氏の著書の装幀挿画を手掛けられ、四谷シモン氏を澁澤氏にご紹介されたことでも知られる金子國義先生が、昨日3月17日未明、急な病で急逝されたとのお知らせをいただきました。このたびの作品展示に関わるご厚情に感謝いたしますとともに、心よりご冥福をお祈り申し上げます。
 ちいさな会場ではありますが、展覧会開催に際し、さまざまにご高配を賜りました皆さまのよき思い出となるよう、努めていきたいと思います。
 昨日から電話申込受付を開始いたしました4月25日開催の記念講演会「澁澤龍彦―小説の旅」も、残席わずかとなっております。講師はやはり澁澤氏のご友人で、同じフランス文学者として、そして文筆家としてお仕事のパートナーでもあられた巖谷國士先生です。参加希望の方はイベント情報ページをご確認の上、お電話にてお早めにお申し込みください。※定員に達しました。以降はキャンセル待ちにて受付中です。(3/20)
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

~北陸新幹線開業記念 図録3点セット~好評発売中!

H27.3.16
図録3点セット
みなさま こんにちは^^ 大変ごぶさたしております。
リニューアル開館以来たくさんのみなさまがご来館くださり
本当にありがとうございます!!




 【ショップコーナーより】

 ~北陸新幹線開業記念 図録3点セット~ 2,700円(税込)

 「番町の家慶應義塾図書館所蔵泉鏡花遺品展」(図録)

「鏡花」(泉鏡花記念館図録)

「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」(図録)   

 鏡花の生涯と作家活動、また貴重な遺愛品などを紹介する図録3点を、北陸新幹線開業と当館のリニューアル開館を記念し、3点で2,700円(税込)の特別価格にて販売いたします!
(通常価格
3点で3,690円(税込))限定50セットとなっております。

泉鏡花入門セットとしてはじめてご来館されるお客様はもちろん、いつもご来館くださるお客様もこの機会にぜひお買い求めください。通信販売も対応させていただきます。

図録セットのほかに新たなオリジナル商品としてクリアファイルも完成いたしました。
詳しくは当館までお問い合わせください
^^


スタッフK 

オープニング記念プレミア内覧会&ギャラリートークのご案内

H27.1.26
ロゴマーク 3月7日(土)のリニューアル開館まで、約40日となりました。
 リニューアル開館記念特別展は「龍の国(ドラコニア)から吹く風―澁澤龍彦展」。1968年11月4日に行われた三島由紀夫との対談「泉鏡花の魅力」以降、その歪みなき〝眼〟で汲み上げた鏡花世界の秘めたる魅力を卓抜な〝言葉〟で表現し、70年代以降の鏡花再評価を牽引した澁澤龍彦(1928-1987)。展覧会では、その類い希なる生涯を主亡き邸宅で今なお〝龍彦の領土(ドラコニア)〟をまもり続ける遺愛品を通してたどります。



▲イタリア サン・ジミニャーノにて(1974年5月 澁澤龍子氏撮影)

 その初日である7日、14:00のリニューアル開館に先立つ13:00から、生前の澁澤氏とも交流が深く、現在も北鎌倉の〝龍彦の領土(ドラコニア)〟の客人であり続けている人形作家・四谷シモンさんをお招きしてのプレミア内覧会&ギャラリートークを開催いたします!
 二十歳の頃、雑誌『新婦人』に掲載されていた澁澤龍彦の紹介によるハンス・ベルメールの球体関節人形を見て衝撃を受け、それまでの手法を捨てて独学で人形の制作の道を模索し、新しい人形表現の地平を切り拓いてきた四谷シモン氏。ギャラリートークではご自身の作品『機械仕掛の少女』をはじめとする澁澤氏の遺愛品を前に、その思い出をお話しいただく予定です。
 再度の記載になりますが、開催日時は3月7日(土)13:00から40分程度。実際の展示品を参加者の方々とご一緒に、ゆっくりとご覧になりながらのトークであることから、定員は20名(要入館料)とさせていただきます。参加申込は2月3日(火)9:30から、お電話のみの受付となります。
 泉鏡花記念館公式HPのイベント情報ページでご確認の上、お申し込みください。
   *** 定員に達しました。ありがとうございました!(2/3) ***

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学芸員 

ロゴマークを作りました!

H27.1.22
 北陸新幹線開業を前に、3月7日(土)にリニューアル開館する泉鏡花記念館。
 これを機に、利用者の皆さまに当館により親しんでいただくため、記念館のPR用のロゴマークを新たに作成いたしました!

ロゴマーク デザインを担当したのは、当館の企画・編集で平成24年に刊行し、第47回造本装幀コンクールで読書推進運動協議会賞を、そしてアジアデザイン賞2013でメリット賞を受賞した『絵本 化鳥』のアートディレクター・泉屋宏樹さん。絵本製作をご縁にこのたびのデザインを依頼、鏡花が自身の干支(酉)の向かい干支である兎(卯)の置物などを蒐集したことにちなみ、鏡花と兎のイメージを一筆書き風に表現した、遊びごころあふれるロゴマークです。
 このロゴは今後、記念館の封筒やミュージアムショップ用の包装紙やシールなどに掲載するほか、リニューアル開館やその他のイベントに合わせて制作するグッズや記念品にも使用し、記念館のPRに一役買っていただく予定です。
 
 なお、リニューアルオープン当日の3月7日(土)は、当館は14:00からの開館となります(※14:00までは諸準備のため閉館となり、館内にはご入館いただけませんのであらかじめご了承ください)。当日はご入館者先着100名様に上記ロゴマーク入りのクリアファイル(非売品)をプレゼントいたします!(お一人様一枚限り)  また、当日は事前申込者限定のプレミア内覧会&ギャラリートークを開催予定! 詳細はあらためてご案内いたしますので、今しばらくお待ちください。
 3月が待ち遠しい記念館からのお知らせでした♪
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学芸員 

公式Facebookの「いいね!」が50を超えました♪

H27.1.16
 記念館がFacebookに参加して一週間が経ちました。3月7日(土)のリニューアル開館に向け、展覧会情報やイベントのお知らせなど、みなさまに少しでも早く、わかりやすくお伝えできるよう、スタッフ一同日々練習を重ねております。
 そして今朝、Facebookを開いてみたところ、ページへの「いいね!」が50を超えていました。応援して下さったみなさま、ありがとうございます!
 記念館はただいまリニューアル工事のため休館しておりますので、しばらくは金沢を舞台とする鏡花作品と館周辺のゆかりの地をご紹介させていただいております。

絵本化鳥


▲浅野川にかかる〝一文橋〟をモデルに描かれた鏡花の短編「化鳥」を原作とする『絵本 化鳥』の挿画(©中川学)

 ほぼ毎日更新しておりますので、ひき続きご注目のほど、よろしくお願いいたします!
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学芸員 

公式Facebookをはじめました!

H27.1.8
 新しい年を迎えて一週間が過ぎました。みなさま、昨日は七草がゆを召し上がって、無病息災を願われたのではないでしょうか?
 突然ですが、標題の如く、このたび泉鏡花記念館公式Facebookを始動いたしました!

鏡花本





▲HPと同じく、美しい鏡花本がめじるしです♪

 現在、改装工事のため休館中の当館ですが、3月7日(土)のリニューアル開館に向け、展覧会やイベント、また鏡花関連のお知らせなど、さまざまな情報を発信していきたいと考えております。
 はじめたばかりで、まだまだよちよち歩き、しばらくはのんびり更新のFBですが、ご支援のほど、よろしくお願い申し上げます!
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学芸員 

お年玉?到来

H27.1.7
 おはようごさいます。
 金沢は今朝から冷え込みが強くなり、雪の気配が感じられます。道路に設置された融雪装置も備えあれば……の意気込みなのか、朝からフル稼働!一部、季節外れの〝滝の白糸〟状態のものもありますので、雪道に慣れていない観光客の方は金沢散策の際にはこちらにも十分ご注意ください。

 昨年一年、「山海評判記」に始まり、「草迷宮」で終わった記念館。
 山本タカト画『草迷宮』はおかげをもちましてたいへんご好評をいただき、今月13日からは京都で原画展も開催されますが、もう一つ、当館が企画に関わった国書刊行会さんの『初稿 山海評判記』が本の情報誌であるその名も「本の雑誌」1月特大号の特集「2014年度 私のベスト3」で作家の北村薫さん、評論家の紀田順一郎さん、そして装幀家ユニットのクラフト・エヴィング商會さんのお三方からベスト3の一冊に挙げられ、ふたたび注目を集めています!

山海評判記 この嬉しいお知らせをわざわざ雑誌を添えて届けてくださったのは、上記企画の選者のお一人でもある作家の嵐山光三郎さん。「ちょっと高額な本だから敢えて外したんだけど、こんなことならボクも挙げておけばよかったねー!」と、たいへん恐縮なお言葉とともに、「でも記念館の人が喜ぶだろうからボクの分をあげるよ!」と、該当ページに付箋までつけて送ってくださいました! 記事はもちろん、何よりそのお心遣いに大感激です。

 本の雑誌は月刊誌ですので、もう店頭では次号に変わっているかもしれませんが、図書館などで閲覧できるかも? ちなみに〝高額本〟ながら、じわじわとその存在感を示しつつある『初稿 山海評判記』の方は、まだ購入可能です。よほどこだわりのある?書店さんでなければ店頭には置けないと思われますので(笑)、ご関心を持たれた方は、どうぞ版元の国書刊行会さんにご注文ください♪

学芸員 

鏡花と犀星の金沢を歩く

H27.1.5
 おはようございます。年明け2日めの記念館です。
 昨日は記念館スタッフ一同、揃って久保市乙剣宮に初詣、宮司さんにお祓いをしていただき、この一年の無事と記念館のさらなる発展を祈念して、玉串を捧げて参りました。

久保市乙剣宮 リニューアルオープンまであと2ヶ月。3月7日(土)からの記念特別展「龍の国(ドラコニア)から吹く風―澁澤龍彦展―」では、今も北鎌倉の自宅に遺る澁澤氏の自筆原稿や翻訳の原書である愛蔵本、あのあまりにも有名な居間の壁を飾る美術品や貴重資料、そして愛玩の品々を展示。また、関連イベントとして、生前交流のあった文化人の方々や澁澤氏の日常を知る方による講演会やトークイベントを開催予定です。詳細は後日あらためてご案内いたしますので、どうぞお楽しみに。

 さて、北陸新幹線開業に向け、ますます盛り上がりを見せる金沢ですが、1月10日発売予定の「サライ」2月号で〝鏡花と犀星の金沢を歩く〟と題する特集で当館もご紹介いただけることになりました!
 当館は改装工事中なので、中の様子はリニューアル開館後のお楽しみ!ですが、泉家の養女であった泉名月氏旧蔵の鏡花愛玩のうさぎの置物や愛用のうさぎステッキ、鏡花がすず夫人と差し向かいで例の塩入番茶を飲んだ火鉢などが掲載されています。
 また金沢市内やその周辺に位置する鏡花ゆかりの場所なども取材されているので、鏡花ファンの皆さまには春の金沢散歩のよき手引きとなるかと存じます。
 潔癖症からくる偏食で知られた鏡花ですが、郷土の味覚については数々の作品で紹介していますので、ゆかりの地に赴き、「これが〝紅葉先生に誉められた!〟と鏡花も自慢していた金沢の味か!」と思いながらいただくと、その味わいも一層深みを増すかもしれません。
 「サライ」2月号は発売日まであと少し! ぜひお手にとってご覧ください。

学芸員 

仕事始め。

H27.1.4
 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
 3月6日(金)までリニューアル休館中の記念館ですが、本日、仕事始めとなっております。スタッフ一同、一週間ぶりに顔を合わせ、さっそく新年のミッションを始動! ちなみに学芸員の新年初仕事は、6日間もの年末年始休館の間、降りやまぬ雪に気丈に耐え抜いた雀のお宿の雪下ろしでした。(笑)

泉鏡花記念館







▲和栗100%の高級モンブラン状態の雀のお宿。
 怪しげなキノコのようにも見えます。

 キノコといえば、「茸の舞姫」の舞台でもある地域の氏神・久保市乙剣宮。今年もさまざまな大仕事が待っている記念館。雪かきが一段落したら、揃って初詣に行ってきます。
 北陸新幹線開業まで、あと69日! そして当館のリニューアルオープンまでは、あと62日! 残り2ヶ月となりました。それまで皆さまにはご不便をおかけしますが、今年も泉鏡花記念館をよろしくお願い申し上げます!

学芸員 

仕事納め。

H26.12.28
 学芸員です。
 本日の金沢は朝から空気も清らかに晴れ上がり、すがすがしい一日の始まりとなっています。
 リニューアル休館に入って20日が過ぎた当館、外目には眠っているかのようですが、ここぞとばかりにあっちガサゴソこっちガサゴソ、大掃除に励んでいた〝中の人〟たちは、がんばりの甲斐あって年内の目標にしていた通称〝バックヤードA〟の片付けも無事終わり、心穏やかな年の瀬を迎えようとしています。

泉鏡花記念館 一方、がらんどうの展示室内で日々スーパー職人技を繰り広げ、記念館スタッフを瞠目せしめていた改装工事の方も、年内のミッションは予定どおり達成したようで、先日チラ見せさせていただいた通称〝展示エリアB-6〟の白壁に相対する黒壁も艶やかに完成、居住まいを正してお披露目の時を待っています。



▲新たな展示空間として生まれ変わった〝展示エリアB-6〟の壁面コーナー。
 〝黒壁〟とはいえ天狗は出ませんので、念のため。

 北陸新幹線開業まで、あと76日! ということは当館のリニューアルオープンまでは、あと69日! とうとう70日を切りました。当館は3月6日(金)までリニューアル休館中ですが、当館の開館15周年記念特別展のために描き下ろされた山本タカトさんの「草迷宮」の原画が展示される「山本タカト展」の京都展が恵文社・一乗寺店(ギャラリーアンフェール)で来年1月13日(火)から 1月19日(月)まで、東京展が紀伊国屋書店新宿本店4階(紀伊国屋フォーラム)で2月6日(金)から 2月19日(木)まで開催されるほか、鏡花関連のイベントや雑誌掲載などが相次ぎ、新たな年も鏡花世界にどっぷりの一年となりそうです。諸々のご案内は年明けからのお楽しみ♪ですが、新年早々の1月2日(金)には、金沢ケーブルテレビで16:00から「金沢名物 鏡花好み」という5分間番組が放送予定、当館館長の秋山稔が鏡花の随筆「寸情風土記」をベースに鏡花が描いた金沢の風物詩をご紹介させていただきます。華やかなお正月番組の合間のほっと一息……にご覧いただければ幸いです。
 気づけばトップページのカウンターも10万ヒット目前! このペースだと99999のぞろ目とともに記念すべき瞬間は本日深夜となるもよう。99999番目&100000番目&100001番目の閲覧者の方、年末年始休館のため何のお構いもできませんが、これをご縁と思われて3月7日(土)リニューアル開館後の記念館にぜひ足をお運び下さい。
 最後になりましたが、この一年もたくさんの方に当館をご愛顧いただき、心より御礼申し上げます。それでは、みなさま、よいお年を!
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学芸員 

壁の穴は壁で塞げ。

H26.12.23
 学芸員です。
 リニューアル休館に入って2週間が過ぎ、今年も残すところ10日を切りました。ここのところ、嵐の毎日だった金沢ですが、今日は朝から日が差す時間帯もあり、穏やかな冬の晴れ間となっています。
 3月6日(金)まで、約3ヶ月のリニューアル休館中の記念館。クリスマス目前の本日も、〝中の人〟はリニューアル開館準備の合間に通常の開館時にはできない書類整理に追われたり……と、ある意味、閉館前以上に濃密な時間を過ごしています。
 改装工事の方ももちろん順調。先日はあまりに〝劇的〟すぎてお目にかけられなかったエリアも、その一部が美しく仕上がりつつあります。

泉鏡花記念館 あれれ、何にもないよ?……と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、当館のような狭小施設では〝何にもない〟=〝何でもできる〟壁面を確保することすらひと苦労。逆にこの壁一枚あれば、これまでスペースがなくてあきらめざるを得なかったさまざまな展示が可能となります。そう。全長8メートルにもわたる、まさに〝夢の壁〟の出現です!


▲補修が終わり、装いも新たとなった壁面。
  どのエリアかわかった人はかなりの〝記念館通〟です!


 この壁面を使ってどのような企画をしようか、今から考えるだけでワクワクしますが、リニューアルオープン記念の特別展では、〝あの方〟の在りし日の姿でいっぱいになる予定です。
 3月14日(土)の北陸新幹線開業まで、あと81日。その1週間前、3月7日(土)の当館のリニューアルオープンまでは、あと74日となりました。記念館スタッフは、みんな元気でオープン準備に邁進中です。みなさまもお風邪など召されないよう、くれぐれもお気を付けて楽しいクリスマスをお過ごしください♪
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学芸員 

本に生涯を捧げた人。

H26.12.16
 学芸員です。
 リニューアル休館に入って10日が経とうとしています。館内では資料はもちろん、展示設備や什器類の撤去が進み、日々〝からっぽ度〟が高まっています。
 平成の浮世絵師・山本タカト氏による「草迷宮」描き下ろし挿画29点も無事返却、これらの原画は来年1月13日(火)から 1月19日(月)までの京都展(恵文社 一乗寺店 ギャラリーアンフェール)、2月6日(金)から 2月19日(木)までの東京展(紀伊国屋書店 新宿本店 4階 紀伊国屋フォーラム)でふたたびお目見えします。京都展のタカトさん在廊日は1月17日(土)の予定とか。詳細は山本タカト公式HPなどでご確認下さい。

 さて、改装工事と並行して、リニューアルオープン記念の次回特別展の準備も着々と進んでいる記念館。3月7日(土)から開催予定の「龍の国(ドラコニア)から吹く風―澁澤龍彦展」では、澁澤龍彦によって紹介された文学・アートをはじめ、いまも北鎌倉の澁澤邸に残る愛蔵書や遺愛品、自筆の原稿やメモなどを通して、70年代以降の鏡花再評価の大きな〝風〟となった澁澤の圧倒的な存在感とその魅力に触れていただく予定です。
 2017年の没後30年を前にして、なお色あせることなく新たなファンを獲得し続けている澁澤龍彦。その読書生活と執筆活動を在りし日のままに伝える澁澤邸の書斎写真が、澁澤龍子夫人のインタビューとともに「ミセス」1月号に掲載されています。

澁澤龍彦












▲「本に生涯を捧げた人―澁澤龍彦」掲載面。撮影場所は……ひみつです。

 3月に当館で展示予定の資料も、ひょっとしたら写り込んでいるかも?しれません。
 今はなき主を慕って訪れる人々を、生前と変わることなく迎え入れる澁澤邸の不思議な空気感を誌面を通して感じていただけたら幸いです。
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学芸員 

劇的ビフォー?

H26.12.09
 学芸員です。
 来春3月6日(金)までの3ヶ月にわたるリニューアル休館二日目。すべての展示品の撤収を終えた館内は、静かに変身の時を待っています。

泉鏡花記念館泉鏡花記念館







▲空っぽになった第1展示室と第3展示室。どう生まれ変わるかはリニューアルオープンまでのお楽しみ♪
 ちなみに第2展示室はあまりに〝劇的〟過ぎてお見せできません。(笑)

  何日も、いえ準備を含めれば何ヶ月もかかった展示も、撤去は本当にあっという間。しかし、感傷に浸る間もなく、空になれば早く何か入れたくなるのが、この仕事のかなしい?性。とはいえ、今回ばかりはちょっと長めの〝お色直し〟が済むまで、じっとガマンの毎日です。
 前任者から館を引き継いではや7年。さまざまな趣向を凝らして造られた記念館ですが、開館から15年の間に演劇・映像、そして絵画などのアート作品へと驚異的な展開を見せ、多様化した泉鏡花の美と幻想の世界。リニューアル後は、狭小な展示スペースをフルに活用して、より広く深く鏡花の魅力に触れていただけるようにしたい!……と、夢はふくらむばかり。外観は静かに冬眠しているようですが、スタッフは中で沸々と燃えています。(笑)
 燃えているのは館内だけではありません! 3月14日の北陸新幹線開業に向け、鏡花をご紹介いただく機会もますます増える気配。休館中も関連情報などの発信はできる限り続けていく予定。直近では今年の菊池寛賞の受賞を記念して再放送される女優・白石加代子さんの舞台「百物語」のファイナル公演「天守物語」を取り上げたETV特集のアンコール放送。次回は12月13日(土)0:00~(金曜深夜)となります。どうぞお見逃しなく!
   ※休館中の各種ご案内につきましてはコチラをご覧ください。
学芸員 

リニューアル休館に入りました!

H26.12.08
 学芸員です。
 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は昨日ぶじ閉幕いたしました。平成の浮世絵師・山本タカト氏による描き下ろし挿画29点をはじめ、洋画家・岡田三郎助による『草迷宮』の口絵原画、泉名月氏旧蔵の筆者不明「稲生物怪録」、逗子滞在期の鏡花の直筆書簡などをご紹介したこの特別展、先月11月が過去5年に於けるひと月あたりの最多入館者数を記録したことは先日ご報告しましたが、昨日の最終日をもちまして、展覧会一日あたりの入館者が過去10年における最多人数を記録いたしました! つまり、「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は、この10年でもっとも多くの方にご来場いただいた展覧会ということになります。九州や四国、新潟、横浜など、遠路お運びいただいた方も大勢いらした展覧会でした。皆さまのおかげをもちまして、盛況のうちに展覧会を終えることができました! 心より感謝申し上げます。
 なお、山本タカトさんの「草迷宮」の原画は、来年1月13日(火)から 1月19日(月)までの京都展(恵文社 一乗寺店 ギャラリーアンフェール)、2月6日(金)から 2月19日(木)までの東京展(紀伊国屋書店 新宿本店 4階 紀伊国屋フォーラム)で展示されます。こちらにもぜひたくさんの方に足をお運びいただき、ため息が出るほど美しいタカト氏の挿画を通して、鏡花渾身の一作である「草迷宮」の世界の魅力に触れていただきたく思います!

 さて、本日から来年3月6日(金)まで、向こう3ヶ月にわたるリニューアル休館に入った当館。3月7日(土)のリニューアルオープン記念特別展は「龍の国(ドラコニア)から吹く風―澁澤龍彦展」と題して、70年代以降の鏡花再評価の気運において絶大な存在感を放った澁澤龍彦の足跡をご紹介する展覧会を開催すべく、ただいま準備を進めております。

澁澤龍彦 展覧会内容の詳細につきましては、またあらためてご紹介しますが、リニューアルオープン日の3月7日には澁澤氏とゆかりの深い素敵なゲストをお迎えしてのギャラリートークを予定しております。その他、やはり澁澤氏と生前ご交流の合った方をお招きしての各種イベントも開催予定! 準備が整い次第、コチラのブログその他にてご案内します。
 長期の休館となりますが、今後も当館HPにご注目ください!
   ※休館中の各種ご案内につきましてはコチラをご覧ください。

学芸員 

本日、最終日です!

H26.12.07
 学芸員です。
 今日の金沢もやっぱり雪。とはいえ、雪国生まれでなければ描けない、鏡花の〝冬の怪談〟を体感するには格好の機会。静かな土蔵の外でいきなり雪が落ちる音や、融けた水がすらすらと流れる音を聞きながら、鏡花の怪談小説の傑作〝眉かくしの霊〟を思い起こすのも、また一興かもしれません。

 さて、本日最終日となりました開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。昨日も雪の中、ご遠方からもたくさんの方にお運びいただきました。ありがとうございました! 明日からは向こう3ヶ月のリニューアル休館に入る記念館。思えばこの半年、特別展の準備をしつつ、同時進行でリニューアルに向けて構想を練るという、かなりハードな日々でしたが、経験豊富な同業者さんたち、特にリニューアル先輩館である室生犀星記念館前田土佐守家資料館中村記念美術館さんにはありとあらゆる局面で経験者ならではの貴重なアドバイスをいただきました! 心より御礼申し上げます。3月6日(金)までの当館休館中は、ぜひ上記3館をはじめとする金沢市文化施設にひき続き足をお運びいただきたく思います。

泉鏡花記念館 記念館では、昨日の湯沸かしポットに触発されたのか、展示物の電球が切れたり、モニターが止まったり、勝手口の引き戸がガタガタいい始めたりと、さまざまな館内設備がまさに〝モノノケ〟の如く、「15年がんばりました!」感をモーレツにアピール中。(笑)  「もう一日、あるんだからね!」といいきかせながら、電球を換えたり、電源を入れ直してみたり、引き戸をはめ直したりしながら、今日一日を過ごしております。(休館中の各種ご案内につきましてはコチラをご覧ください。)

▲15年前の開館当初の第1展示室。
  リニューアル後は映像コーナーに生まれ変わります!

 そして、その間も春までの別れを惜しんでご来館くださるたくさんのお客さま方! 館内ガイドペーパーはすでに在庫が切れてコピー対応ですが、記念館リーフレットもこの春から刷新予定! 初めてのお客さまも常連のお客さまも開館以来15年間、記念館の顔としてその美の世界を体現してくれた鏑木清方画「神鑿」口絵を装画とするリーフレットを、ぜひ記念にお持ち帰りください。なお、この旧リーフレットは、来年1月~2月にかけて京都・東京で開催される「山本タカト展」でも設置予定。ご来沢がかなわなかった方は、ぜひ会場でご入手ください。

 それではリニューアル休館前の最後の一日も、たくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

雪の金沢でお待ちしてます♪

H26.12.06
 学芸員です。
 金沢は昨日の午後から雪となり、日付が変わってからも静かに降り続けています。

泉鏡花記念館 開催中の開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」もこの土日でフィナーレ、閉幕とともに向こう3ヶ月にわたるリニューアル休館に入る記念館。冬眠中は当館冬の風物詩〝プチ白川郷〟もご覧いただけなくなるなぁ……と、ちょっぴり残念に思っていましたが、なんと! その気持ちが通じたように〝雀のお宿〟はこんもり綿帽子をかぶっておりました。大雪時には屋根に30センチもの雪を積もらせ、その重みにけなげに耐えている〝プチ白川郷〟。降り始めとて少しボリュームが足りませんが、これも長い長い冬眠を前にしての天の配剤、ご来館の際にはちょっと足を止めてご覧になってみて下さい。

 話は変わりますが、記念館ではリニューアルを前にして、色々なものがなくなり始めています。
 まず館名の入った封筒がなくなり、ショップ用の包装紙がなくなり、シールがなくなり、展示室のガイドペーパーがなくなり……と、あれ?来春まで足りるはずだったよね??というスタッフの意表を突いて、ありとあらゆるものが在庫切れに。
 実はリニューアルにあわせてデザインを刷新する予定だったこれらの備品。とはいえ、休館後に余ったからといって処分するのももったいなく、何かよい使い道は……とあれこれ思案していたのですが、まるで「かような情けは無用にござりまするっ!」といわんばかりに、あれもこれもたくさんのお客さまとともに開館15周年の館から巣立っていきました。
 果ては日々、来客をあたたかくもてなしてくれていた湯沸かしポットが休館まで2日を残して壊れる始末。ラベルには〝購入:平成11年〟の文字が。開館以来15年の皆勤賞です。そう思うと、満身創痍で息も絶え絶えに「武運長久をお祈りいたします……。」と言いながら、細かい傷やこすれの一つ一つで「ボク、がんばったよね?!」と訴えかけているようで、何だかポットまでけなげにみえてまいりました。

 そんなふうに休館&リニューアルに向け、備品もスタッフも一丸となってラストスパートに入った記念館。鏡花も描いた北國空のもと、本日もみなさまのご来館、お待ちしております!  
学芸員 

となりは何をする人ぞ。

H26.12.05
 学芸員です。
 秋深し……どころか、午後からしんしんと雪が降り積もり、銀世界となりつつある金沢。開催中の開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も残すところあと3日となり、週明けの12月8日(月)からは文字通りの〝冬眠〟となるリニューアル休館に入ります。それまでは、しばしの別れを惜しみにいらしてくださる皆さまをお迎えしつつ、春に向けての準備を着々と進めております。
 休館といえば、兼六園横の坂を上がった出羽町にある石川県立歴史博物館さんも、北陸新幹線開業に向け、来年春までリニューアル工事のため休館中。そんななか、石川県博物館協議会の会議で、石川歴博の学芸員さんが目下進行中のリニューアルについてご報告の上、なんと! 工事中の館内を特別に見学できるとお聞きし、もう手遅れかもしれないながら、何か参考になることがあればと冷たい雨風をしのぎつつ、行ってまいりました!
 実は石川歴博さんはリニューアルの先輩として、当館が「リニューアル工事にともなう休館のご案内」作成の際、こっそり(笑)参考にさせていただいた文化施設。かつては旧陸軍兵器庫、戦後は金沢美術工芸大学に使用されていた本多の森公園の赤煉瓦棟3棟からなる博物館です。そのうち、第3棟と通称されている建物は国の重要文化財に指定されています。
 石川県立美術館のレクチャールームでリニューアル案の説明を受けた後、この日参加した44施設、計60名の博物館関係者がリニューアル中の歴博さんへ。石川の歴史をわかりやすく、少しでも馴染みやすくご紹介する常設展示や時には重文級の資料も展示する特別展示室などを同業者の今後の参考に……という強いお気持ちから、たいへん丁寧で行き届いたご説明を受けつつ見学。「どうぞ、写真もどんどん撮ってください。そしてどんどん宣伝してください!」というお言葉に甘えて撮影してきた画像がコチラです。

石川県立歴史博物館 こちらは歴博さんの正面向かって左側と真ん中の棟の間にできる〝ほっとサロン〟。全面ガラス張りのたいへん明るいフリースペースです。奥に見事な枝振りを覗かせているのが枝垂れ桜。春には煉瓦造りのクラッシックな博物館を背景に少し濃いめのピンクに花開いた桜を眺めつつ、ひなたぼっこができそうです。
▲オープンの際には自動販売機も設置して、
  ほっこりとくつろげるスペースとなるとか。

石川県立歴史博物館石川県立歴史博物館 そして、こちらは第3棟の内部。大木の枝の如き梁と、これを支える煉瓦の支柱が、強化ガラスの床面から拝見できる仕様となっています。
 ほかにも見どころ満載でしたが、あとは開館してのお楽しみ♪ 工事中のがらんどう状態でもおなかいっぱい楽しめましたから、これでパネルや資料などが搬入・展示されたら満腹すぎてその場から動けなくなってしまいそう! 寝袋持って泊まり込みたくなること請け合いです。
 オープンは来年春ということで、詳細の発表はこれから。開館の暁にはぜひ当館、そして同じくリニューアル休館中の徳田秋聲記念館とともに足をお運び下さい。

 そうそう。秋聲さんといえば。
 休館前の特別展は菊池寛賞がテーマでしたが、今年、奇しくもその菊池寛賞を受賞した女優の白石加代子さんがライフワークとする舞台「百物語」のファイナル公演「天守物語」を取材したETV特集のアンコール放送が決まりました! 放送日は12月6日(土)23:00から、そして再放送が12月13日(土)0:00からです。当館も制作にご協力しておりますので、ぜひご覧ください。
 それでは休館まであと少し。たくさんのご来館、お待ちしております!  
学芸員 

リニューアル休館にかかわる各種お知らせについて

H26.12.03
 学芸員です。

泉鏡花記念館 金沢は連日、雨、風、霰(あられ)の荒れ模様。鏡花が金沢の冬の味覚〝かぶら寿司〟の糀(こうじ)を霰(あられ)に見立てた表現で知られる随筆「寸情風土記」が注目を浴びる季節となりました。 本日はさっそく午前中に「寸情風土記」の取材1件を終了。ふるさと金沢を素材とする数多くの作品と名文を遺した鏡花。ファンの方にとっては荒ぶる季節なりの楽しみ方も金沢にはあるものです。


▲〝霰ふる〟で雀のお宿の足元にもつぶつぶ糀。


 12月8日(月)からのリニューアル工事にともなう長期休館まであと5日なりました記念館。3月6日(金)までの休館中はご入館・ご観覧(常設展示&企画展示)はもちろん、工事内容によっては安全重視のため、中庭などの敷地内にもお入りいただけなくなります。また、リニューアル開館に向けた資料整理のため、取材等も制限させていただくことになります。
 各種ご案内につきましてはコチラにまとめさせていただきましたので、ご不便をおかけしますがご理解とご協力の程よろしくお願い申し上げます。最終日の今月7日(日)には館長も出勤予定ですので、ぜひしばしのお別れを惜しみにいらしてください。
 それでは本日もご来館お待ちしております!  
学芸員 

「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」最終日まで1週間を切りました!

H26.12.02
 学芸員です。
 12月に入り、いよいよ冬本番!と心構えする間もなく、金沢は昨夜から強烈な嵐にみまわれ、今朝になってもその勢いは収まる様子がありません。本日もたくさんのご来館を……と申し上げたいところですが、予定して下さっている方々はくれぐれも道中お気を付けてお越し下さい。

山本タカト「草迷宮」 さて、会期も残すところ一週間を切りました泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。開幕からたいへんご好評をいただき、多くの方にお運びいただいておりますが、集計の結果、なんと! 先月11月の入館者数が少なくとも過去5年間における1ヶ月あたりの最多人数を記録していたことがわかりました! おかげをもちまして15周年にふさわしい、華やかな展覧会とすることができました。ご来場いただきました皆さま、ありがとうございました!
 先日もご案内しましたが、会期は12月7日(日)まで、そして特別展終了と同時に当館は来年3月6日(金)まで、リニューアル工事のため約3ヶ月の長期休館に入ります。残り約1週間、より多くの方にご来場いただき、現代の鏡花絵師ともいうべき山本タカト氏描く美麗な挿絵を通して、鏡花の幻想世界の魅力を堪能していただくとともに、過去10年の展覧会としては最多となるお客様をお迎えしてフィナーレとし、来春の新生・泉鏡花記念館にむけての活力とさせていただきたく存じます。天候が回復しましたら、ぜひ足をお運び下さい。
 それでは今週もたくさんのご来館、お待ちしております!
  
学芸員 

リニューアル工事にともなう休館のご案内

H26.11.28
 学芸員です。
 開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も残すところ10日となり、当館での特別展のために約1年をかけて描き下ろしていただいた山本タカト氏の原画とも、あと少しでお別れです。「帰したくなくなった、もう帰すまいと私は思う。」(by富姫@天守物語)と、いくら展示室でつぶやいてみてもお別れ、来年1月から2月にかけて京都そして東京で開催される「山本タカト展」を心待ちにしておられる方たちのために、当館は涙をのんで残された日々をタカト画とともに過ごし、会期終了の暁には笑って送り出す所存です……。
 京都展そして東京展にも多くの方に足を運んでいただきたく思います。

 さて、トップページでもさりげなくお知らせしておりますが、当館は現企画展終了後、12月8日(月)から来年3月6日(金)まで、リニューアル工事にともなう長期休館に入ります!

泉鏡花記念館 平成11年11月の開館以来、15年にわたってみなさまに親しんでいただいた記念館ですが、来春3月の北陸新幹線開業に向け、よりフレキシブルな展示&普及活動をめざしていく所存です。
 長期のお休みはそのためのお直し&準備期間。
 みなさまにはご不便をおかけしますが、何とぞご理解の上、よろしければ残り10日間、休館までに現記念館とのしばしの別れを惜しみにいらしてください。
 特別展ともに最終日は12月7日(日)。通常どおり午後5時まで開館しております。
 なお、休館にかかわる各種お知らせにつきましては、後日あらためてHP上でご案内いたします。

 リニューアル休館といえば。川をはさんでいつも楽しく遊んで?いただいている徳田秋聲記念館も、やはり新幹線開業に向けリニューアル休館予定。あちらはひとあし早く、12月1日(月)からの長期休館となります。つまり、展示を拝見できるのは11月30日(日)まで。そう、あと数日です。しまった、まだ行けてない!……という方、今週末はぜひ徳田秋聲記念館と当館、2館併せて足をお運びいただきたく思います。
 それでは快晴のなか、本日もたくさんのご来館、お待ちしております!  
学芸員 

寺山修司×山本タカト「身毒丸」と「東北和綴じ自由帳展」

H26.11.27
 学芸員です。
 金沢は朝から真っ青な爽秋の空が広がっています。
 さて、本日は素敵なニュースをご紹介。鏡花の「草迷宮」を映画化したことで開催中の特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』でもご紹介させていただいている寺山修司さんの戯曲「身毒丸」が演劇実験室・万有引力によって来年1月に再演されることになり、何と、山本タカトさんがそのメインビジュアルを担当され、すでに大きな反響を呼んでいます!
 
山本タカト「身毒丸」 「身毒丸」といえば、近年では蜷川幸雄演出の舞台が広く知られていますが、原作者・寺山修司率いる演劇実験室・天井桟敷によって初演されたのは昭和53年(1978)のこと。その際、音楽担当だったJ・A・シーザー氏がこのたび演出をも手掛け、シーザー版の音楽で36年ぶりに甦ることとなったそうです。
 「草迷宮」ほどではありませんが、「身毒丸」も鏡花作品からの引用が節々に埋め込まれたゆかりの作品。チラシもチケットも争奪戦が予想されますが、何とか1回は足を運びたいものです。
 一般チケット販売は11月29日(土)10時から。詳しくは万有引力公式HPでご確認下さい。



 そして、山本タカトさん関連でもう一つお知らせが。
 東京・銀座のギャラリーで昨日から開催されている「東北和綴じ自由帳展」にタカトさんが参加されています!
 〝東北和綴じ自由帳〟とは東日本大震災後、仕事が激減した東北の障がい者施設で働くハンディキャップのあるつくり手のみなさんが和綴じ製本する自由帳プロジェクト。表紙は若手から第一線で活躍するクリエイターまで187人がボランティアでデザイン、自由帳本文(無地)の用紙には日本製紙の宮城県石巻工場で開発・生産された「b7バルキー」を使用して、慣れ親しんだ土地を離れられずに仕事が来るのを待ち続けている方々を応援しようという試みです。自由帳の販売収益金は、被災地の子どもたちを支援するために寄付されます。
 「東北和綴じ自由帳展」は2014年11月26日(水)~ 12月20日(土)まで。日曜・祝日休館、入場無料です。詳しくは「東北和綴じ自由帳展」のページでご確認下さい。

 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
 
学芸員 

「草迷宮」展ラストスパートです!

H26.11.25
 学芸員です。
 好天に恵まれた3連休、今が盛りを迎えた兼六園の紅葉に惹かれてご来沢された方も多かったのか、記念館もたくさんの来館者に恵まれました。ありがとうございました!
 本日は一転して朝から雨模様となりましたが、市内の小学校の団体見学で小さな記念館は勉強熱心な生徒さんたちで満ちあふれています。

山本タカト「草迷宮」 開催中の特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も最終日の12月7日(日)まで残すところ2週間。エディシオン・トレヴィル刊のタカト画『草迷宮』も特装版はすでに売り切れましたが、普及版の方もおかげを持ちましてたいへん売れ行き好調です。会期終了後の12月8日(月)から館内工事のため約3ヶ月の長期休館に入る記念館。詳細はまたあらためてお知らせしますが、全面休館のためその間はショップ販売も停止となり、記念館オリジナルグッズをはじめ、タカト画『草迷宮』やポストカードなどもご購入いただけなくなってしまいます。
 山本タカト作品についてはエディシオン・トレヴィルさんやアップタイトさんのオンラインショップでもご購入いただけますが、お手にとってあれこれ迷ってみたい方は、ぜひ会期末までに当館へお越し下さい。
 それでは今週もたくさんのご来館、お待ちしております!
 
学芸員 

錦秋の金沢・ほっこりスポットのススメ

H26.11.21
 学芸員です。
 16日に行われた川向うさんの決起集会では会場の熱気をバネにぐんぐん増殖しようとする〝黴〟パワーに圧倒され、本日まで気を失っておりました。(笑) その間に川向こうさんのご命日18日も過ぎてしまい、なさぬ仲?とはいえごあいさつも申し上げず、たいへん失礼してしまいましたが、実を言えばよりによってかの有名な〝ねずみさん〟の誕生日と同じ日と聞き、すっかり震え上がって外出もままならなくなってしまった次第です。どんなにかわいくてもねずみはねずみ、同じキャラクターものなら〝うさぎさん〟の方がよいですよ!……とのどまで出かかった(笑)ものの、それは言っても詮無いこと。とはいえ、このうえ〝黴〟のみならず〝ねずみ〟まで増殖しては一大事!ですので、川向こうさんにはそのうち何かうさぎのものをお贈りして、山田順子に勝るとも劣らないその愛らしさの虜にしてしまう所存です。

 さて、気を取り直して散歩でも……とひさびさに外へ出ると、中庭のドウダンツツジ(左)が紅葉真っ盛り! ドウダンツツジといえば、やはりこの時期みておくべきなのがご近所、というにはちょっとだけ離れた寺島蔵人邸の名木です。

泉鏡花記念館 当館のドウダンツツジは父清次と鏡花像の傍らにたたずむ、なんともかわいらしい木ですが、寺島蔵人邸のそれは高さ3~4mにも達する大木。しかも紅ではなく黄金色の葉が池泉回遊式(ちせんかいゆうしき)庭園の空を覆う、圧巻の名樹として知られています。文字通りの〝黄葉〟は今まさに見頃を迎えており、今週末の3連休がピークかと思われます。

▲コチラは当館のドウダンツツジ。泉父子も〝ほっこり中〟です。


 寺島蔵人邸は300円でお抹茶とオリジナル落雁もいただける、知る人ぞ知るほっこりスポット。明日からの3連休に当館とあわせてぜひ足をお運び下さい♪
 
学芸員 

特装版『草迷宮』完売しました!

H26.11.16
 学芸員です。
 本日14時~16時半に金沢21世紀美術館シアター21でシンポジウムを開催する川向うさんの念力でしょうか、金沢は朝から快晴に恵まれています。何せ、第一線で活躍する研究者陣と菊池寛氏がバックについておられますから、そのパワーたるや絶大なものであります。当方で開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も、さすがは鏡花ファン、ここぞという時の悪天候はむしろ吉兆とばかりに、昨日もあのお天気の中、たくさんのご来館をいただきました!本日は空模様に関してはお墓参りも行われるという川向こうさんにお譲りし、穏やかな青空の下、お客さまをお迎えしたく思います。
 さて、大変ご好評をいただいております山本タカト画『草迷宮』500部限定の特装版ですが、おかげをもちまして先ほど、当館販売分100冊を完売いたしました! ありがとうございました!

山本タカト「草迷宮」 特装版は版元のエディシオン・トレヴィルさんでも完売状態、函なし・最終画絵はがき別売りの普及版の方は十分に在庫がございますので、こちらの方もよろしくお願いいたします。エディシオン・トレヴィル及び当館ミュージアムショップでの販売分はすべてタカト氏のサイン入りです。なお、通販をご希望の方は委託販売商品につき、当館では対応しかねますので、エディシオン・トレヴィルさんへ直接ご注文ください。
 また、amazonでも先日から販売を開始しています。サインは入っていませんが、よろしければこちらでもどうぞ♪
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
▲完売御礼の特装版
 
学芸員 

「秋聲文学の今日性ーいま秋聲がおもしろい!-」

H26.11.15
 学芸員です。
 雷、霰、氷雨と三拍子揃い、まさに絵に描いたような〝北國空〟となった金沢。昨夜は〝鰤起こし〟かと思われるような雷鳴がとどろき、驚かれた観光客も多いかも知れませんが、金沢の街にあふれる芸術文化とともに、美食を追求される方には願ったりの季節、これも北国の旅の思い出ととらえて、街歩きをご堪能いただければ幸いです。
 残り3週間の会期となりました泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。二度三度と足を運んで下さるリピーターの方や、遠方からご来館下さる方も多く、15周年の節目を迎え、今後のさらなる活動に向けて気持ちも新たに邁進する力をいただいております。エディシオン・トレヴィル刊の『草迷宮』もたいへんご好評をいただき、限定500部の特装版の当館販売分も残り5冊となりました!
 普及版の方もそろそろ各書店の店頭に並び始める様子。もちろん当館と版元のエディシオン・トレヴィルさん、amazonではすでに先日から販売を開始しており、おかげをもちましてこちらも売れ行き好調のようです。
 おそらく完全保存版の特装本に対し、いわゆる〝枕頭の書〟として気軽に楽しめるのが普及版。読みふけるあまり、進級試験が危うくなったという、かつての芥川少年のようなエピソードもそのうち聞こえてくるかも知れません。

 さて、荒天続きの金沢ですが、明日16日は晴天に恵まれるとの予報、というのも、ここぞという時には必ず天候が荒れるのがジンクスの当方とは何をとっても正反対、まったくもって水と油なアノ方シンポジウムが開催されるからにほかなりません。

徳田秋声 なんと! 会場はもはや金沢城や兼六園と並ぶ〝金沢の顔〟というべき21世紀美術館。こちらが『草迷宮』本に夢中になっている間に、これほど大がかりに次なる〝黴〟戦争の決起集会を目論むとは! やはり油断がなりません。
 聞けば、斯界の重鎮から新進気鋭の研究者までパネラーとして登壇するのみならず、昭和2年5月製作の川向うさんの映像まで披露されるとか。これで事前申込不要・参加費無料の大盤振る舞い、この長雨の晴れ間に乗じて、意外としつこい冬の〝黴〟菌を一気に撒き散らす算段と思われます……。

▲しかも、開催中の特別展の後ろ盾は、かの菊池寛氏!
 これはあなどれません……。


 恐ろしいことこの上なし!ですが、件の映像には、我が友人・芥川さんの姿も映し出されるとか。昭和2年5月といえば、死後の机上にも開かれていたという我が全集の完成を心待ちにしてくれていた頃。身の毛もよだつ集会とはいえ、芥川さんとの再会を果たすためにも、これは行かねばなりません……。

 というわけで、文壇の除菌王も真っ青の〝決起集会〟は、明日16日(日)14時~16時半、金沢21世紀美術館シアター21で開催。増殖する〝黴〟パワーに恐れおののきつつ潜入する当方の援護射撃のためにも、鏡花ファンの方にもたくさん足を運んでいただきたく思います。
 
学芸員 

特装版『草迷宮』残り十数冊です!

H26.11.13
 学芸員です。
 金沢は昨夜から嵐となり、冷たい雨風が吹きすさぶ一日となっております。
 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は12月7日(日)まで開催。エディシオン・トレヴィル刊の『草迷宮』の方もたいへん好評のようで、限定500部の特装版はすでに版元で売り切れ状態、残るは当館ミュージアムショップでの販売分のみとなりました。その在庫も現在12冊、再入荷はございませんのでご希望の方はお急ぎ下さい。
 限定本の特装版の方はこのようにほぼ完売状態ですが、普及版の方は版元のエディオン・トレヴィルさんはもちろん、amazonでも先日から予約販売を開始しています!

山本タカト「草迷宮」 函・お香なし、しおり紐2本、最終画ポストカード別売り……と、特典なしの分、多少リーズナブルなお値段の普及版。書籍本体のタカト画収録数は特装版と変わりませんので、普段から手にとって楽しみたい方にはこちらもおすすめです♪
 エディオン・トレヴィルまたは当館ショップでのお取り扱い分は、すべてタカト氏のサイン入りとなっています! ひとりでも多くの方に、お手にとってご覧いただきたいですね♪
 なお、タカト氏の描き下ろし原画29点は当館での特別展終了後、年明けから京都(1/13-1/19 恵文社一乗寺店)・東京(2/6-2/19 紀伊國屋書店新宿本店)での個展で展示予定です。タカト氏の最新画集を兼ねて出版された今回の書籍の美しさはいうまでもありませんが、やはり原画だからこそ伝わるものがあるのも確か。残念ながらご来沢がかなわない方にも、ぜひ京都展or東京展のいずれかに足をお運びいただき、タカト氏が精魂込めた原画のすばらしさに触れていただきたく思います。
 それではお道足の悪い中ではありますが、本日もたくさんのご来館、お待ちしております♪ 
 
学芸員 

昭和文学会「特集 挿絵と文学」

H26.11.11
 学芸員です。
 本日の金沢も、爽秋という言葉にふさわしい青天となっております。
 12月7日(日)まで開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。開幕してみて驚いたのは、若い学生さんはもちろん、小中学生の団体見学が多いこと。たいへん緻密で大人びた雰囲気のタカト画、生徒さんたちにはちょっと馴染みにくいのでは?と思いつつ、ご予約の際にもその旨お伝えしているのですが、とにかく美しい山本タカトわーるど、主人公の明を襲う怪異や妖怪を描いた場面も多いためか、生徒さんたちなりの楽しみ方をしているようです。
 大人びた……といえば、戦後のイラストレーション界を牽引し、今なお現役で活躍中の巨匠・宇野亞喜良氏。実は先日の出張時、吉祥寺の成蹊大学で「挿絵と文学」をテーマに昭和文学会の秋季大会が開催され、宇野亞喜良氏が記念講演にお出ましと伺い、スケジュールを調整して拝聴して参りました!
 演題は「私説 挿絵史 そしてイラストレーション」。1934年に名古屋で生まれ、戦後を迎えた宇野氏。ご講演は当時の過酷な状況から、少年期の宇野氏が魅了され、イラストレーションの世界へと導かれたという木村荘八のセンセーショナルな挿画との出会いなど、幻想的でイマジネーション豊かな作品世界からは想像も付かないようなお話や寺山修司氏とのエピソードなど、これまでの作品をスライドで拝見しつつ、時折ユーモアを交えながら約2時間にわたってたっぷり拝聴することができました!

宇野亞喜良 ご講演の前に少しだけお話しする機会に恵まれましたが、とても優しく気さくな雰囲気の方で、感激のあまり、帰りに同じく吉祥寺の絵本の店「トムズボックス」で開催中だった個展に立ち寄り、宇野氏の絵本やイラスト集を3冊も買ってしまいました!(笑)
 トムズボックスで開催中の宇野亞喜良氏の個展「シリアスとエロス」は11月30日(日)まで。小さな店内は宇野氏のモノクロ原画と創作エネルギーあふれる絵本やイラスト集の数々で満たされています。
 なお、当館でも現在、鏡花の「草迷宮」の素材となった《稲生物怪録》を宇野氏が絵本化した『ぼくはへいたろう』を展示中! いつものAQUIRAXとはちょっぴり異なるテイストで描かれています。ご来館の際にはぜひ足を止めてご覧ください。
 以上、「草迷宮」の不思議なご縁に導かれた至福の一日のご報告でした♪
 
学芸員 

〝銀座の金沢〟に行ってきました♪

H26.11.10
 学芸員です。
 晩秋の金沢としては晴天に恵まれた一日となりそうです。
 この週末もたくさんのご来館ありがとうございました! 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」の会期も残り1ヶ月を切りましたが、おかげをもちましてたいへんご好評をいただき、連日多くの方にご来場いただいております。11月3日開催のサイン会に合わせて当館で先行販売した山本タカト画『草迷宮』特装版(限定500部)の方は当館販売分も残り19冊となっております。こちらは版元のエディシオン・トレヴィルさんでもすでに品切れとなっており、展覧会会場での販売分のみとなっております。(※京都・東京で開催予定の「山本タカト展」での販売につきましては、エディシオン・トレヴィルさんにお問い合わせ下さい)
 なお、当館でも展覧会終了を待たずしての売り切れが予想されますので、ご購入希望の方はお急ぎ下さい。

 さて、無事サイン会も終了し、ひと息ついた先週末、来春の企画展の準備のため〝関東方面〟に出張して参りましたが、その空き時間を利用して、今話題の〝銀座の金沢〟をちょっと覗きにいってきました!

銀座の金沢〝銀座の金沢〟とは、金沢市が東京・銀座で開設した金沢クラフト首都圏魅力発信拠点のこと。三越や松屋が並ぶ銀座・中央通りに位置する商業施設「キラリトギンザ」のグランドオープンに合わせ、10月30日に開業したばかりのダイニングギャラリーです。
 開店間もない時刻だったのでダイニングの方は営業前でしたが、ギャラリーとセレクトショップコーナーは11時から拝見できます。ギャラリーでは現在、お茶の緑が映えそうな重厚な大樋焼の数々を展示、セレクトショップコーナーでは金沢の老舗の磨き抜かれた技が光る商品や、若いアーティストさんによるセンスあふれるアクセサリーや普段使いの器物などが紹介されています。
 そして、その中にはわれらが鏡花の父方の祖母の実家であり、又従妹の目細てるさんの家業でもある針の老舗・目細八郎兵衛商店の商品も! まるでアクセサリーケースのような小さな小さな桐箱に入ったお裁縫セットなどが並んでいました。なかなか金沢まで足を運べない!という方、銀座の一角でも鏡花ゆかりのお家の品物が買えるようになりましたので、ぜひ足を運んでみて下さい。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております♪ 
学芸員 

山本タカト画『草迷宮』サイン会

H26.11.4
 学芸員です。
 本日11月4日は、泉鏡花の141回目の誕生日! 生家跡地である記念館では比較的おだやかにこの日を迎えています。
 というのも昨日3日、ひと足早く鏡花の生誕日を祝い、幼い頃の遊び場だった地域の氏神・久保市乙剣宮を主な会場に「鏡花うさぎまつり」が開催されていたこともあり、悪天候にもかかわらず記念館には400名近くのお客さまが! 一時たいへんな混雑となりましたが、たくさんの方にお立ち寄りいただき、心より感謝申し上げます。
 そして、同じく昨日、当館で行われた山本タカト画『草迷宮』刊行記念サイン会。前日納品されたばかりのできたての『草迷宮』本を多くの方にお買い上げいただき、そのうち70名を超える方々がサイン会に列をなしてくださいました!

山本タカト「草迷宮」山本タカト「草迷宮」 やはり、みなさまお目当ては500部限定の特装版。紫の函入りで、ポストカードと、うさぎの和紙で包まれたお香まで付いた一冊を大事そうに抱えながら順番を待ってくださっている姿が印象的でした。
 山本タカト先生にも一人一人丁寧に対応していただいているうちに、気づけばあっという間に予定の2時間が経過! サイン会とは別に、当館での販売用に納品された特装版&普及版にもすべてサインを入れてくださり、昨夜のうちに金沢を後にされました。タカト先生、そしてエディシオン・トレヴィル&アップタイトのスタッフのみなさま、本当にありがとうございました!
 サインをいただいたタカト画『草迷宮』は、特装版・普及版ともに本日から館内ショップにて販売しております。特装版の当館販売分は残り30冊! 早い者勝ちです!(※通販をご希望の方はエディシオン・トレヴィルさんへ直接ご注文ください)
 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も残すところあと1ヶ月ほど。11月はもう一度、3連休がありますよ♪(笑)  ひきつづきたくさんのご来館、お待ちしております。 
学芸員 

明日は山本タカト画『草迷宮』サイン会です!

H26.11.2
 学芸員です。
 遠来の方にはあいにくの曇天or雨模様の三連休となった金沢ですが、にもかかわらず初日からたくさんの方にご来場いただいています。ありがとうございました! 明日はいよいよ待ちに待ったサイン会、たくさんのお問い合わせをいただいたり、どうしても都合で参加できないというファンの方から心のこもったお手紙をお預かりしたりと、館内も明日の開催に向けて気分が盛り上がってきています。なるほど、あの美しく緻密な作品を描かれる絵師として、ストイックで素敵なたたずまいの山本タカト氏。9月7日のトークイベントにひき続き、寡黙ながらもお人柄がにじみ出るタカト氏に再び会える瞬間まで、まさにカウントダウンに突入しております。
 
山本タカト「草迷宮」山本タカト「草迷宮」  そして、サイン会のもう一人の主役たる山本タカト画『草迷宮』。特に特装版は普通ならインクのにおいがするできたてほやほやの新刊本でありながら、本から漂ってくるのはなんともやさしいお香の薫り。ここしばらくは特典であるこだわりのお香を手作業で封入し続けていたとあって、送られてくる郵送物にも移り香が残っていた版元のエディシオン・トレヴィルさん。この日のために気の遠くなるような地道な作業を続けてくださったことを思うと、何だか胸の中まで薫りに満たされるような気がします。
 サイン会は明日11月3日(月祝)の14:00~16:00まで。9:30の開館と同時の山本タカト画『草迷宮』を販売、整理券を配布します。詳しくはイベント情報ページでご確認ください。たくさんのご来場をお待ちしております!
 
学芸員 

麗しき六筋の糸

H26.10.30
 学芸員です。
 金沢はここ数日、快晴続きなものの、だいぶ肌寒くなってきております。ご来沢の際にはあたたかくしてお越し下さい。11月3日(月祝)の山本タカト画『草迷宮』刊行記念サイン会まであとわずか! 記念館でも着々と準備を進めておりますが、特装版&普及版『草迷宮』の方の制作もいよいよ大詰めのようで、山本タカト氏の公式ツイッターでも特装版の見本画像がアップされています!
  山本タカト氏公式ツイッター https://twitter.com/takato_show/status/526665848216236032

山本タカト「草迷宮」 仕様に〝しおり6本〟とあるように、6色の紐しおりが美麗な装幀をより一層際立たせていますね。まるで明が小川で拾った菖蒲の手毬の糸のようで、素敵です♪
 特装版はこのほか紫の函入りの上にお香付き。きっと持っているだけでしあわせな気持ちになれる一冊です。
 モチロン、11月3日のサイン会でも販売します。できたてほやほやのタカト画『草迷宮』は、当日は特装版・普及版の区別なくお一人様2冊までサインが可能です。

 ここでもう一度、サイン会の流れをおさらい。

 1.館に入館(要入館料) ※開館9:30~
  ↓
 2.ショップでタカト画『草迷宮』を購入&整理券をGet!
  ↓
 3.館内(原画展)をご観覧or市内観光
  ↓
 4.サイン会参加(14:00~16:00)
  ※エディションナンバー入りのため、基本的に整理券の番号順でご参加いただきます。

 ご参加を予定されている方は、ぜひ秋の気配も深まり、木の葉も美しく色づき始めた金沢の街歩きもあわせてお楽しみください♪
学芸員 

後半展示スタートです!

H26.10.27
 学芸員です。

山本タカト「草迷宮」 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」、前半展示が終了する先週末は、口絵の「草迷宮Ⅰ」以外の15点との別れを惜しんでか、びっくりするほどたくさんの方にご来場いただきました! 心より感謝申し上げます。特別展は本日より後半戦、タカト氏の描き下ろし原画を後半の13点に入れ替え、先ほど開館いたしました。そのスタートにふさわしく(笑)、朝から雨模様となった金沢。前半後半両方見よう!と昨日からの泊まりがけで足を運んでくださった遠来のお客さまには、さわやかな秋晴れの金沢としっとりとした秋雨の金沢をお楽しみいただけることになりました。何でもモノは考えようです。(笑)
 さて、鏡花が「草迷宮」の素材とした近世怪談譚《稲生物怪録》の権威で安田女子大学名誉教授の杉本好伸先生を講師にお迎えしての特別講座「《稲生物怪録》の作品世界―物語の原質を中心に―」。計20頁にもわたる膨大な資料を拝見しつつ、お話の内容は研究会レベルでありながら、京都出身の杉本先生のどこかユーモラスなお人柄とお話ぶりにぐいぐい引き込まれているうちに、あっという間に90分が経ってしまい、終了後も名残惜しそうに先生を取り囲んでいる参加者の方々の姿が印象的でした。《稲生物怪録》の秘密に触れる、綿密な研究成果もご披露いただき、ちょっと片足踏み入れた人間にとっては実は大興奮!の90分でした。杉本先生、ありがとうございました!
 そんな杉本先生も大注目!だった、現在当館で公開中の正体不明の《稲生物怪録》絵巻の展示は会期末の12月7日(日)まで。みなさま、ケース越しではありますが今のうちにじっくりご覧になって下さい。
 そして、《稲生物怪録》といえば、やはり印象的なのはラストの妖異退散の図。山本タカト氏がギリギリまで、というよりも、ギリギリを過ぎても絵筆を放さなかった「邸から立ち去る悪左衛門とその眷属たち」もモチロン本日から展示を開始しています! 妖怪見本市のようなこの一枚の中で、学芸員のお気に入りはよく見るとこんなところにもモノノケが!というアレ。気になる方は展示室で実際の作品を見て探してみて下さい♪
 当館では吉兆されている(ホント。)雨のスタートとなった後半戦。本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

東雲の空に消えゆく眷属たち

H26.10.24
 学芸員です。
 本日の金沢はきりりと身の引き締まるような空気にあたたかな日射しが差し込み、穏やかな秋晴れの朝を迎えています。
 開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も会期半ばにさしかかり、山本タカト氏の描き下ろし原画のうち前半16点の展示も26日(日)までと、残すところあと3日となりました。 後半13点(+口絵1点)の展示は27日から。実は昨日、タカト氏がつい先日まで絵筆を放さなかった、後半展示のラストを飾る1点を搬入いたしました!
 その1点とは「邸から立ち去る悪左衛門とその眷属たち」。そう、主人公・葉越明が探し求める亡き母の手毬唄を唯一知る女性・菖蒲が、秋谷悪左衛門をはじめとする眷属たちを引き連れ、夜明けの空に消えていくという、鏡花幻想譚の真骨頂ともいうべき「草迷宮」のあまりにも有名なラストシーンです。

山本タカト「草迷宮」 前回ご紹介した「御新姐の幻影」と同じく、鏡花が「草迷宮」の素材とした《稲生物怪録》の結末としてもよく知られるこの場面。9月7日(日)に開催したトークショーに合わせて来沢された際、展示室内の絵巻や平尾魯仙画「稲生物怪録」を食い入るようにみつめていたタカト氏。それらにインスピレーションを得たのか、「間に合うんですか?!」とはらはらしながら見守る関係者を尻目?に一筆一筆魂を込めた、モノノケ度Max!の渾身の一作です。
▲「邸から立ち去る悪左衛門とその眷属たち」(C)山本タカト

 《稲生物怪録》といえば、26日(日)午前開催の特別講座の講師でイノモケのエキスパート・杉本好伸先生からは、当日お配りする大量のレジュメの原紙が到着! 冊子にした方がよいのでは?と思うような分量です。これを手に講座を聴けば、たった90分でもれなくイノモケ通ですね。(笑)
 そして、着々と制作作業が進んでいるエディシオン・トレヴィル製『草迷宮』の表紙や扉などもこっそり?拝見してまいりました!特装版は函入・御香付きとあって、表紙見本にもほんのり移り香が……。11月3日(月祝)のサイン会では、いったいどこにサインしてもらえばよいのか、真剣に悩まざるを得ない仕上がりとなりそうです。
 あとは当日、お天気に恵まれることを祈るのみ! 地域の氏神・久保市乙剣宮では11月4日の鏡花の141回目の誕生日を祝って〝鏡花うさぎまつり〟を開催しています! 鏡花ゆかりの地・神楽坂から〝うさぎコスメ〟なども出店するとか。市内観光と合わせ、サイン会の待ち時間にぜひお立ち寄りください♪
学芸員 

「御新姐の幻影」

H26.10.20
 学芸員です。
 すっかり秋も深まり、朝晩はあたたかい羽織りものが必要な季節となりました。本日は終日雨ということもあり、少々肌寒い一日となっている金沢です。
 3連休をいただき、京都・大阪などに足を延ばして留守にしておりましたが、先週末もたくさんのご来館をいただいたようです。ありがとうございました! 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」、現在展示中の描き下ろし挿画16点の公開は26日まで、27日からは口絵的一枚である「草迷宮Ⅰ」を除いて原画を総入れ替え、物語の後半部分にあたる13点の展示をスタートします。両方ご覧になりたい方は、ぜひ26-27日の1泊2日でご来沢いただき、タカト画「草迷宮」の世界に耽溺していただければと思います。
 さて、本日は鏡花が素材とした《稲生物怪録》の影響も伺える1点をご紹介。亡き母が唄った手毬唄を探して旅する青年・葉越明が逗留する黒門邸。その持ち主である鶴谷家に仕える仁右衛門が目にした、以前にこの家で亡くなったという〝御新姐(ごしんぞ)の幻影〟です。
 御新姐が命を落とした部屋の屋根に美しい幻影を見た仁右衛門。家にわざわいをなすものと、仁右衛門が竹槍を突き出すと、次の瞬間、御新姐の幻影は地にあって、仁右衛門の土足の下になっていたというシーンです。

山本タカト「草迷宮」  《稲生物怪録》では、怪異に襲われる主人公の少年・稲生平太郎が沓脱石に下りたところ、そこに死人が横たわっていたという場面があり、鏡花がこれをもとに前記の「草迷宮」のワンシーンを構想したことは明らかです。幻影とはいえ、美しい女性の白い肌を踏むという、鏡花式にアレンジした名場面を、さらにタカト流で描き上げたこの作品。一連の描き下ろし作品の中でも最も迫力ある一枚となっています。
▲「御新姐の幻影」(C)山本タカト

 エディシオン・トレヴィル製『草迷宮』の方も、タカト氏渾身の最後の1点が先日仕上がり、あとは発刊を待つのみ! 清方・英朋・雪岱による鏡花本のように、美しい装丁や挿画とともに、鏡花世界を堪能できる日が楽しみですね。
 11月3日(月祝)のサイン会、心待ちにしてくださっている方も多いようです。たくさんのご来場をお待ちしております♪
学芸員 

「手毬の変容」

H26.10.16
 学芸員です。
 金沢は今日も快晴! すがすがしい秋の空が広がっています。
 開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も、前半展示終了の折り返し地点まであと10日。展示中の16点の内、口絵的一枚である「草迷宮Ⅰ」を除く15点が後半展示作品と入れ替わります。
 本日はその中から、これもやはり学芸員のお気に入りの作品、「手毬の変容」をご紹介します。
 立て続けに五つの葬儀が出たという、いわく付きの黒門邸。その近くを流れる小川で手毬を拾ったことから、亡き母の唄った手毬唄を探す明が逗留することになりましたが、葉っぱのお面を付けたこどもが訪ねてきた後、手毬がどこかへ失せてしまったという場面。「草迷宮」の主要イメージである球体の連想から、放射状の不思議な光でその霊性が現された子産石が、へその緒のように色とりどりの糸で手毬と結ばれているという、まるで宗教画を思わせるような挿画です。

山本タカト「草迷宮」〝例えて言えば、芳しい清らかな乳を含みながら、生れない前に腹の中で、美しい母の胸を見るような心持〟だという、亡き母の手毬唄。求めて彷徨う明の信仰にも似た思いが、山本タカト氏の筆を借りて現れ出た一枚なのかも知れません。
 後半展示の一作品である「手毬の変容」の公開は10月27日(月)から。本当に素敵な作品です。まもなく発刊のエディシオン・トレヴィル製『草迷宮』はもちろん、ぜひ原画でお伽話のような優しさと、超現実の美しさをご堪能いただければと思います。

▲「手毬の変容」(C)山本タカト
学芸員 

山本タカトサイン会のススメ。

H26.10.15
 学芸員です。
 開催中の金沢三文豪月間の恒例イベント「映画で楽しむ金沢三文豪の世界」の泉鏡花編・寺山修司監督作品「草迷宮」(@金沢シネモンド)は本日の上映をもって終了いたしました! かなり前衛的な内容でなかなかの注目度?だったためか、たくさんの方にご来場いただいたようです。明日16日は室生犀星原作の「あにいもうと」が、明後日17日は徳田秋聲原作の「甘い秘密」がそれぞれ上映されます。ちょっとオトナなラインナップの今年の三文豪映画。ひき続き多くの方に足をお運びいただきたく思います。
 さて、鋭意制作中の山本タカト画『草迷宮』(エディシオン・トレヴィル製)。普及版と限定500部の特装版、どちらを購入しようか、お悩みの方も多いのではないでしょうか? いや、もちろん両方買うけど、11月3日(月祝)のサイン会でどちらを買うかを迷っているのです!……という方もいらっしゃるかもしれません。
 当館的にオススメなのは、エディシオン・トレヴィルのオンラインショップでサイン入りの特装版を確保、到着を楽しみに待ちつつ、11月3日は普及版を購入、サインをもらった後、金沢市内の素敵なカフェや宿泊先のホテル、あるいは帰りの列車の中で早速開いて〝タカト美〟に耽るというもの(笑)。特装版を門外不出で愛蔵しつつ、普及版で心ゆくまで愛読するという、仕事に行くのもイヤになるくらいの〝耽溺フルコース〟です。
 そんな! 特装版こそサイン会で直々サインよっ!……という方、止めません。(笑) 大事に袋に戻して抱いて帰るのも、甘美極まりないものですよね。
 そして、まだ学生だし2冊も買えないよーッ!……という方には、断然、特装版がオススメです。何といっても限定500部! 「やっぱり特装も……!」と思い直した時には売り切れてしまっているかもしれません。
 すでにたくさんのお問い合わせをいただいているサイン会! 着々と準備を進めております。原画展とあわせて、みなさまにとって金沢でのよき思い出となってくれれば幸いです。

山本タカト「草迷宮」山本タカト「草迷宮」


▲山本タカト画『草迷宮』特装版。
 エディシオン・トレヴィルHP
 仕様等ご確認ください♪
※当館では予約は受け付けておりません。あらかじめご了承ください。

 
学芸員 

山本タカト画『草迷宮』後半展示のご案内

H26.10.14
 学芸員です。
 この3連休もたくさんのご来館、ありがとうございました! 昨日は台風の影響で雨の一日となりましたが、それでも足を運んでくださったみなさまに心より感謝申し上げます。
 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も、気づけば開幕から早一ヶ月が過ぎ、後半展示開始まであと十日ほど。さらにその一週間後の11月3日(月祝)には山本タカト氏がふたたび来沢し、待ちに待ったサイン会が開催されます!記念館では早速、当日、できたてほやほやのタカト画『草迷宮』(エディシオン・トレヴィル製)お買い上げの方に配布する整理券の作成を始めました。当日は幼少の鏡花の遊び場でもあった地域の氏神・久保市乙剣宮で翌日の鏡花の生誕日(11/4)を祝って「鏡花うさぎ祭り」も行われています。地元の方による、心のこもったお祭りです。サイン会開始までの待ち時間にぜひお立ち寄りください。
 さて、本日は、10月27日(月)からの後半展示の作品をご紹介。亡き母が唄った手毬唄を探して彷徨う明が、唯一その唄を知っているかも知れない幼なじみの少女・菖蒲の記憶を辿るシーンです。

山本タカト「草迷宮」 描かれているのは将来の伴侶をうらなうまじないの後、行方知れずになった菖蒲とよく似た女性を明が見かけたと語る場面。菖蒲を思わせる、馥郁とした香が漂うような美しい女性の前を、大熊を鎖でつないだ狩人体の大男が横切ろうとする瞬間をとらえた一枚です。
 唄を探し求める明の眼に映った、匂い立つような菖蒲の面影。菖蒲の着物や熊の毛並みには、その質感を出すために気の遠くなるような技巧が施されており、原画でしか味わえない、見どころある作品となっています。
 これまでのタカト氏の作風とは異なる、どこか妖しさを残しながらも清明な美しさに満ちたこの作品。27日からの後半展示の最初を飾る一枚です。
▲「菖蒲の面影」(C)山本タカト

 現在の前半展示は26日(日)まで。26-27日と1泊2日でご来沢いただければ、27日(月)からの後半展示と合わせて2日間で全作品をご覧いただくことができます。10月中のご来沢&ご来館を検討中の方は、ぜひこの両日に鏡花の生家跡地の記念館にお越し下さい。
学芸員 

山本タカト画『草迷宮』予約販売開始です!

H26.10.12
 学芸員です。
 3連休の中日となった本日も、さわやかな快晴となり、朝から早速ファンの方が足を運んで下さっています。そして、金沢三文豪月間の恒例イベントとなった「映画で楽しむ金沢三文豪の世界」、寺山修司監督作品「草迷宮」は金沢シネモンドにて本日12:00からの上映となっております。定員約90名の小さな映画館です。お席(全席自由/当日1,000円)がご心配な方は早めのご来場をおすすめします。また15日(水)にも同じ時間帯で上映されますので、そちらにも足をお運び下さい。

 さて、開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」で公開している山本タカト氏の描き下ろしイラスト29点を挿画とする〝現代の鏡花本〟―山本タカト画『草迷宮』の制作元であるエディシオン・トレヴィルさんでの予約販売がすでに開始されています!
※なお、当館では予約は受け付けておりません。あらかじめご了承ください。

山本タカト「草迷宮」山本タカト「草迷宮」




▲山本タカト画『草迷宮』特装版。
 エディシオン・トレヴィルHP
 仕様等ご確認ください♪

 タカト画『草迷宮』は普及版と特装版の2種を制作、このうち500部限定の特装版が予約の段階ですでに在庫僅少となっているようです。11月3日(月祝)に当館で開催する刊行記念サイン会での在庫は確保しておりますが、遠方でご参加いただけない方で特に特装版をご希望の方は、エディシオン・トレヴィルのオンラインショップで仕様等ご確認の上、早めに入手されることをオススメします。普及版と特装版、いずれも山本氏のサイン入りとなっております。
 それでは本日も映画&特別展ともに、たくさんのご来場お待ちしております!
学芸員 

講座「《稲生物怪録》の作品世界」のご案内

H26.10.10
 学芸員です。
 まさに清秋の候となった金沢。本日もお天気にも恵まれ、朝から熱心な観覧者の方が来場されています。週明けにかけての台風の接近が気になるところですが、せっかくの3連休、何とか好天が続くことを祈るばかりです。
 さて、その3連休の最終日である13日(月祝)9:30から、10月26日(日)に開催される講座「《稲生物怪録》の作品世界―物語の原質を中心に―」の電話受付を開始します!

稲生物怪録絵巻  《稲生物怪録》は鏡花の「草迷宮」に素材となった江戸中期の妖怪譚。現在の広島県三次市に実在した稲生平太郎という少年が30日にわたり、怪異の襲来を受けた様子を記したもので、そのバリエーションに富む妖怪出現のおもしろさ故か、絵巻や絵本等に絵画化され、明治以降も講談などを通して広く親しまれました。
 今回の講座の講師は、これらの諸本の比較研究をされている安田女子大学名誉教授の杉本好伸氏。『妖怪、いま甦る』(三次市教育委員会)や『稲生物怪録集成』(国書刊行会)など、数々のご著書や監修書などがあります。



 当日は午後から市内で泉鏡花文学賞の授賞式が予定されているため、今回は午前10:30~12:00という通常とは異なる開催時間となっています。定員は25名ですのでイベント情報ページでご確認の上、お申し込みください。
 それではこの週末もたくさんのご来館、お待ちしております♪
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿45~

H26.10.9
お花  
今週のお花(10月~)

・うんりゅう柳
・きいちご(葉)
・りんどう
・われもこう
           
 生花ボランティア「グループ白」さん、いつもありがとうございます!
 大変ご無沙汰の更新となってしまいました^^;

 
 さて、今年も当館をよりお楽しみいただくための制度「友の会」の会員様 新規入会募集と更新手続きを行っております。企画展の招待券配布やイベント開催等のご案内…など、大変お得な制度となっております^^
受付期間は平成26年10月31日までですので、ぜひこの機会にお申込み下さいませ。
お持ちしております!

もう一件、こちらはショップコーナーよりお知らせです。

当館オリジナル商品の一筆箋、「うさぎ」がおかげ様で完売となりました^^
今の季節にピッタリの「秋草」と通年通してご利用いただける人気の「紅葉賀」の2種類はまだ在庫がございます。一筆箋以外にも当館オリジナルの商品が多数ございますので詳細はショップコーナーをご覧ください^^ 

遠方の方やご来館がなかなか難しい皆様、通信販売をどうぞご利用くださいませ!


スタッフK 

テラヤマノキョウカ

H26.10.08
 学芸員です。
 本日もさわやかな一日となりましたが、朝夕は思いの外冷え込むよう。今週末の3連休に向け、金沢旅行のご予定を立てておられる方も多いのではないでしょうか? 県外からお越しの方はうすい羽織りものを一枚ご持参されることをオススメします。
 3連休といえば、楽しいイベント目白押し!の様子の金沢市内。当館の関係では金沢三文豪月間の恒例イベントとして金沢シネモンドでの映画上映会がありますが、今年の鏡花原作の映画はなんと!寺山修司監督の「草迷宮」です。
 幼くして母を亡くした青年・葉越明が、亡き母が唄った手毬唄を探し求めてさまようという、〈亡母憧憬〉をテーマとする鏡花幻想譚の傑作「草迷宮」。フランスの名プロデューサーであるピエール・ブロンベルジェのオムニバス映画「コレクション・プリヴェ(個人的蒐集)」の一篇として参加を誘われた寺山修司は、映画の素材として数ある鏡花作品からこの「草迷宮」を選びました。製作に際し、〈私は主人公の手毬唄探究の旅を通して、アイデンティティという幻想を解体することを考えていた。〉〈これをシナリオ化するにあたって、私は主人公の明という男を二人設定した。一人は少年で、もう一人は青年であるが、二人は同一人物である。もし、少年の時間が現在だとすれば、青年の部分は類推された現実、あるいは予知されたイメージとなり、青年の時間が現在だとすれば、少年の部分は回想された現実、あるいは修正された記憶のイメージとなる。〉と語った寺山。台本共作者の岸田理生とともに独自の解釈を加えて、原作における手毬唄探しに仮託された母追慕の物語を〈私〉という迷宮の中でさまよう明の〈性的遍歴の映画〉としたと語っています。

寺山修司「草迷宮」 フランスでの公開後、その前衛的で難解な内容から日本国内での上映の機会を見なかった本作ですが、昭和58年(1983年)の寺山の死(享年47)を受け、その追悼の意味を込めて国内で初公開、少年時代の葉越明役が演技派俳優・三上博史さんのデビュー作だったこともあり、鏡花ファンや寺山ファンはもちろん、三上ファンからも根強い支持を集めている一作です。

▲当館「草迷宮」展でも日本公開時の「キネマ旬報」などを展示中!

 上映日は10月12日(日)と15日(水)の二日間(当日券1,000円)。なお、フィルム調達が困難な作品のため、今回はDVDでの上映となります。定員約90名の小さな映画館ですが、その分〝テラヤマワールド〟にどっぷりひたれること請け合いです。DVDとはいえ、映画館で寺山作品に触れることができる貴重な機会。ぜひ足をお運び下さい。
学芸員 

山本タカトサイン会のご案内

H26.10.07
 学芸員です。
 台風一過でさわやかな秋晴れとなった本日の金沢。記念館も比較的おだやかな一日を迎えています。
 〝現代の鏡花本〟をめざして制作中の―山本タカト画『草迷宮』(制作:エディシオン・トレヴィル/発売:河出書房新社)も発刊まであと1ヶ月を切りました! 鏡花の141回目の誕生日の前日である11月3日(月祝)に開催するサイン会に向け、記念館でも着々と準備を進めています。河出書房新社さんのHPでは11月7日発売予定になっておりますが、これはあくまでも各書店の店頭での発売予定日。つまり当館のサイン会は他に先駆けていち早くタカト画『草迷宮』を購入&ご本人のサインもいただけるというプレミアイベントです! 先日、学芸員の担当箇所を校了しましたが、なかなか凝った構成の素敵な一冊になりそうです。鏡花ファンのみなさまもタカトファンのみなさまも楽しみにお待ちください♪

山本タカト「草迷宮」 さて、サイン会ですが、11月3日の14:00~16:00の予定で開催いたします。事前申し込みの必要も定員もございません。ただし当館の建物がたいへん小さいので、当日の混雑を避けるため、開館(9:30~)と同時に整理券をお配りする予定です。サイン会に参加希望の方は、

1.館に入館(要入館料)
 ↓
2.ショップでタカト画『草迷宮』を購入&整理券をGet!
 ↓
3.館内(原画展)をご観覧or市内観光
 ↓
4.サイン会参加(14:00~16:00)
 ※基本的に整理券の番号順となります。

……という流れで、タカト氏との交流&秋の金沢を満喫していただく予定です。

 つまり、朝早く館に到着された方も整理券を入手すれば、サイン会の開始時間までの間、兼六園や市内の文化施設、史跡めぐりなど、金沢での滞在時間を有意義にお過ごしいただけることになります! 市内観光には金沢市の文化施設16館を鑑賞できる1DAYパスポート(510円)が便利! 県の施設なども一部、割引料金でご観覧いただけます。(※「文化得とくパスポート」は10月限定です。あらかじめご了承ください。) 
 秋も深まり、ますます見どころ満載の金沢。たくさんのご来沢&ご参加をお待ちしております♪
学芸員 

清秋の一日。

H26.10.04
 学芸員です。
 10月最初の週末を迎えました! 明日からは台風の影響も懸念されますが、本日はまずまずのお天気。鏡花も幼少の頃、境内で遊んだ地域の氏神・久保市乙剣宮では今日まで秋祭りが行われています。石川テレビの朝の情報番組リフレッシュでも昨日ご紹介いただきましたが、今年開館15周年を迎えた当館では記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」を開催中。今朝も早速番組をご覧になった方々からお問い合わせのお電話をいただいております。これまでご来館くださったことのない方にこうして関心を持っていただけるのはとても嬉しいことですね。みなさまもお出かけの際にはぜひたいへんお得な「文化得とくパスポート」をご活用の上、町内中にお祭りの注連(しめ)が張り巡らされた下新町界隈と泉鏡花記念館に足をお運び下さい。
 さて、リフレッシュが放送されている頃、学芸員が訪れていたのはお隣福井県の名勝・養浩館。福井藩主・松平家の別邸(復元)であり、屋敷の東南部から芝原上水を遣水のように蛇行する水路で引き入れた池を中心とする回遊式林泉庭園を有することから、福井では〝お泉水(屋敷)〟の名で親しまれています。

養浩館 隣接する福井市立郷土歴史博物館とのセットチケットでも楽しめるこの庭園。静かにゆったりとした時間を過ごしたい方にはぴったりのスポットですが、できれば受付で鯉の餌(50円)を購入されるのがオススメ。数寄屋造りの屋敷から池に臨みつつ、群れ集まってくる鯉に餌をやっていると癒やされることこのうえなしです。(笑) 土日祝日は屋敷内でお茶席も設けられるとのことで、歴史博物館で豊富な資料に触れた後で、ほっと一息つきに立ち寄られるのがよいかもしれません。
 今回、福井を訪れたのは昨年にひき続き、福井県が主催する大学連携リーグ企画講座「再発見・北陸の文学Ⅱ」の講師として「泉鏡花と北陸本線」をテーマにお話しさせていただく機会を得たため。お仕事ついでに清秋の一日を満喫することができました。関係者の方々、ありがとうございました!
 今年はこれから大きな業務が続くため、学芸員としての外部講演はこれにて打ち止め。今後はますます盛り上がりを増している来春の北陸新幹線開業に向け邁進していきたいと思います。
 半年後の新たな展開を見据えつつ、幅広い層の方に鏡花の魅力に触れていただくために企画した現在の特別展。山本タカト氏の描き下ろしイラスト全30点のうち、16点を展示する前半期は10月26日(日)まで。未見の方はお忘れなく♪

学芸員 

いま三文豪がおもしろい!~秋の金沢三文豪月間

H26.10.01
 学芸員です。
 いよいよ芸術の秋真っ盛りの10月に突入! 本日のお客さま第一号は、さっそく「文化得とくパスポート」を目当てにご来館くださいました。2日間有効の500円の観覧券でまわれる市内の文化施設はなんと20箇所!10月中にご来沢予定の方はこのお得なパスポートをフルに活用して、金沢の秋を満喫していただきたく思います。
 そして! 本日10月1日からスタートしたオススメ企画がもう一つ。毎年恒例となった〝秋は金沢三文豪〟―そう、金沢三文豪月間です。

金沢三文豪月間 今年は〝いま三文豪がおもしろい!〟をキャッチフレーズに、当館はじめ徳田秋聲記念館、室生犀星記念館、金沢文芸館、石川近代文学館の5館のうち、4館分のスタンプを集めた方に三文豪にちなんだ特製絵はがき帖画がプレゼントされるスタンプラリーや、三文豪作品を原作とする映画上映会〝映画で楽しむ『金沢三文豪』の世界〟、そして各種講演会やイベントなど、期間中さまざまな催しが行われます。
 毎年ご好評をいただいている絵はがき帖では、今年は鏡花関連では『草迷宮』初版本における岡田三郎助の口絵2点をセレクト! うち1点の鉛筆画については原画を館内で展示中です。こちらの作品は当館のミュージアムショップでも絵はがきでは販売しておらず、まさに期間中にスタンプラリーに参加した方のみが入手できるプレミアグッズ。ぜひご観覧の記念にGetしてくださいね♪
 なお、当館は期間中無休ですが、展示替えなどのため休館日をはさむ館もあります。詳しくはチラシでご確認の上、ふるってご参加ください。

学芸員 

1泊でますますオイシイ!〝文化得とくパスポート〟

H26.09.30
 学芸員です。
 9月も今日が最終日。開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も、開幕3週間で2000人を超える方々に山本タカト氏描く鏡花の幻怪妖美の世界をご堪能いただくことができ、館の節目を記念する特別展にふさわしい幕開きとなりました。ご来場くださった皆さま、ありがとうございました!
 鏡花の愛読者の方はもちろん、山本タカトさんの艶麗な挿画に惹かれて、全国各地からはじめてご来館いただく方も多い今回の展覧会。各所でご紹介いただいておりますが、本日は石川テレビの朝の情報番組リフレッシュに取材していただきました。10月3日(金)放送予定で「なんでも知りたい!調べ隊!」のコーナーでご紹介いただけるようです。お時間の合う方はぜひご視聴ください。妖しいタカト画を前に半分異世界の人になっている?学芸員が、展覧会の魅力についてお話しさせていただいています。
 さて、本日は明日10月1日からはじまる石川県・金沢市文化施設共通鑑賞パスポート「文化得とくパスポート」をご紹介。500円で金沢市内のミュージアム20施設に入館できるこのパスポート、10月限定ですが利用開始日から2日間有効なたいへんお得な観覧券です。

文化得とくパスポート 当館的には先日ご案内したタカト画「草迷宮」全30点の前半と後半を2日がかりで鑑賞する、10/26-27の1泊2日プランにこのパスポートを組み合わせるのがオススメ。ワンコインで2日間、このパスポートに参加する金沢市内の他の文化施設の展示も堪能することができます。芸術の秋を迎え、魅力的な展覧会やイベントにあふれている金沢。10月に各展をご観覧予定の方は、ぜひご利用ください。なお、各参加館の情報につきましては、文化得とくパスポートのページにてご確認ください。

 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

岩波文庫『草迷宮』再入荷です!

H26.09.26
 学芸員です。
 金沢は雨天の日もあるものの、気候も穏やかになり、まさに行楽日和。今週は遠足や社会科見学の小中高校生のご来館が相次ぎ、特に青森のダヴィンチ・平尾魯仙描く「稲生物怪録」のモニターの前は連日鈴なりに。(笑) 美麗なタカト画のみならず、ユーモアあふれる妖怪たちの競演も人気を集めているようです。
 平尾魯仙といえば、昨日付けの日本経済新聞で連載中の「奇絶怪絶!幽霊画十選」(東雅夫氏筆)で、まさに魯仙の「稲生物怪録」が紹介されたとか。開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」では、魯仙の描いた「稲生物怪録」全33画(原本 弘前市立博物館/コンテンツ制作 青森県立郷土館)をスライドショーでご覧いただくことができます。一人でも多くの方に魯仙画のすばらしさに触れていただくことが、お忙しい中ご協力いただきました両館への何よりのご恩返しとなりますので、ぜひたくさんの方にお運びいただきたく思います。

草迷宮 そして、おかげをもちまして売れ行き好調な関連書籍類ですが、先日、品切れとなっていた山本タカト氏の画集『ヘルマフォロディトゥスの肋骨』が、さらに昨日、残り2冊となっていた岩波文庫『草迷宮』が再入荷いたしました! タカト氏描く『草迷宮』画を入口に、せっかく関心を持ってくださった来館者の方々に、ご購入いただける本がなくなってしまっては一大事!とたいへん冷や冷やしておりましたが、首の皮一枚、セーフです。

 〝現代の鏡花本〟をめざして制作中の―山本タカト画『草迷宮』(制作:エディシオン・トレヴィル/発売:河出書房新社)の発刊を前に、ふだんの通読用に文庫を購入される方も多いよう。今後は順調に入荷予定ですので、ご観覧の際にはぜひショップコーナーにもお立ち寄りください。
 それでは、今週末もたくさんのご来館、お待ちしております!

学芸員 

「種村季弘の眼―迷宮の美術家たち」

H26.09.24
 学芸員です。
 この週末から週明けに掛けての飛び石連休中もたくさんのご来館をいただきましてありがとうございました!今回の特別展でうれしいのは、なんといっても書籍をたくさんお買い上げいただいていること。先日触れた岩波文庫『草迷宮』はもちろん、他の作品の文庫や関連書の売れ行きも好調です! それだけ、山本タカト氏のようなアーティストを触発する鏡花の文章―原作の力に関心を持ってくださる方が増えているということ。メインは描き下ろし画ですが、展示品を通して作家とその作品の魅力を知っていただくという、文学館の本領をこの開館15周年の節目に発揮できたことを、とても光栄に思っています。
 そして、"現代の鏡花本”―山本タカト画『草迷宮』(制作:エディシオン・トレヴィル/発売:河出書房新社)の制作もいよいよ佳境! なかなか趣向を凝らした一冊となりそうです。刊行を心待ちにしたいと思います。
 さて、本日は出張の空き時間に足を延ばした板橋区立美術館で開催中の展覧会「種村季弘の眼―迷宮の美術家たち」のご案内です。

種村季弘 種村季弘氏は1933年(昭和8)に池袋で生まれ、板橋区内の都立高校を経て東京大学文学部に学んだドイツ文学者。日本でのマニエリスムブームの火付け役として知られ、異端芸術・暗黒芸術の紹介者・批評家として活躍したほか、仏文学者で評論家の澁澤龍彦と深く交流し、とともに日本における「幻想文学」のジャンル的な確立に貢献しました。
 鏡花関連では評論「水中花変幻」や岩波文庫『草迷宮』解説、そしてちくま文庫『泉鏡花集成』の編纂の他、当館の常設展示の解説映像「露地の細道、駒下駄で」にご出演いただくなど、たいへんゆかりの深い方でもあります。
 会場内はマックス・エルンストやホルスト・ヤンセンの作品、四谷シモンのシモンドール、澁澤龍彦の年賀状など、生前の種村氏の鋭い眼で選ばれたアート作品や名だたる文化人との交流を示す展示品にあふれ、まさに迷宮状態! 桑原弘明作のからくり函は実際にライトを当てつつ覗き穴を楽しむことができて、遊びゴコロも満載です。
 「種村季弘の眼―迷宮の美術家たち」は10月19日(日)まで。ぜひ足をお運びください。

学芸員 

一泊で二度オイシイ?秋の金沢旅行のススメ

H26.09.20
 学芸員です。

草迷宮 9月6日(土)の開幕から2週間が経った泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。おかげをもちまして15年前の開館以来の記録的な来場者数に上ろうとしており、鋭意制作中の〝現代の鏡花本〟―山本タカト画『草迷宮』(制作:エディシオン・トレヴィル/発売:河出書房新社)の刊行と合わせ、まさに15周年の節目にふさわしい展覧会となりそうです。

▲ショップでは関連グッズの〝手毬〟も各種取り揃えております!

 お運びいただきましたみなさまに深く感謝申し上げますとともに、これからご来館予定の方々も心よりお待ち申し上げております!
 さて、9月も残すところあと10日。タカト氏の描き下ろし画30点のうち、16点を展示する前半期(10月26日まで)と、14点を展示する後半期(10月27日から)のどちらを観覧しようかお悩みの遠方のお客さまに、〝一泊で二度オイシイ?秋の金沢旅行のススメ〟のご案内です。
 それは1本の電話がきっかけでした。

 「前半と後半、どちらも観たいので10月26-27日の日程で金沢に行こうと思うんですけど、
  両日ともに通常どおりの開館時間ですか?」

 モチロンです! 26日は通常どおり17時閉館、その後、学芸員が展示中のタカト画をすべて掛けかえ、翌27日はやはり通常どおり9時30分から開館、泉鏡花×山本タカトが亡き母の手毬唄のような微妙の音楽を奏でる「草迷宮」後半展示に突入します!
 つまり、お問い合わせの例に従い、10月26日に来沢して前半展示を観覧され、その日は金沢もしくは近隣の温泉郷に1泊、北陸の海の幸山の幸に舌鼓を打ち、翌27日に再び来館されて後半展示を堪能し、タカト画「草迷宮」の最極美の世界の余韻に浸りつつ、家路に着く……というのが、今展覧会のもっともお得なプランの一つ。もう一つはいうまでもなくタカト氏のサイン会が行われる11月3日をめがけてのご来沢。翌4日に鏡花の141回目の誕生日を控えたこの日もモチロンおすすめです!
 おすすめプランを二つも提示して、ちゃっかり何度も通わそうとしているのでは?との疑問の声が上がりそう!(笑) 金沢はこれからどんどん食べもののおいしくなる季節。全点を楽しめる10月のスペシャルプランか、山本タカト氏に再び会える11月のプレミアムプランか、はたまた両方か。ゆっくりご検討の上、秋の金沢へ足をお運びください♪
学芸員 

《稲生物怪録》関連資料を追加展示しました!

H26.09.18
 学芸員です。
 9月6日(土)から開催中の泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は連日たくさんの来館者に恵まれ、山本タカト氏描く「草迷宮」の最極美の世界をご堪能いただいています。10月中に刊行予定のタカト画『草迷宮』も鋭意制作中ですが、この展覧会をきっかけに新たにファンになった方も多いのか、タカト氏の過去の画集も多くの方にご購入いただき、全7種の内、『キマイラの棺』と『ヘルマフォロディトゥスの肋骨』は現在品切れとなっています。画集の在庫は残り5種。ご希望の方はお早めにご来館下さい。
 さて、本日は開幕後、新たに追加展示した《稲生物怪録》関連資料のご案内です。
 物語の主人公で実在の人物・稲生武太夫からの聞き書きで記されたという柏正甫による「稲生物怪録」はその後、柏本系と呼ばれる多くのバリエーションを生み出しましたが、明治期に入ってこの系統から派生したと考えられているのが『奇説異聞 備後土産稲生夜話』。物語を簡略化しつつ創作を加えて草紙化したもので、こちらは当館所蔵の明治17年の初版本をすでに展示室で公開中です。今回新たに加わったのは、これをもととする講談速記本『妖怪退治 稲生平太郎』(明治30年 錦城斎貞玉口演)。前記の草紙と合わせて、明治期における《稲生物怪録》の受容の様態を示すたいへん重要な資料です。

草迷宮 資料をご提供いただいたのは、9月7日(日)の山本タカト氏のトークイベントに足を運んでくださった文芸評論家の東雅夫さん。実は東さんは2003年に江戸期から現代に至るまでの《稲生物怪録》を収録した一大アンソロジー集『稲生モノノケ大全』(毎日新聞社)を刊行した、知る人ぞ知る〝イノモケ通〟。ご来館時に当館蔵の草紙版をご覧になり、その後の展開を示す資料としてご出品を申し出てくださいました!

 どうしても近世資料に研究の重点が置かれがちな《稲生物怪録》ですが、特に鏡花の「草迷宮」の成立背景を視野に入れれば明治以降の普及は重要な調査事項。すでにケース内に展示済みですので、ぜひ足を止めてご覧ください。
 そのほか、日本を代表するイラストレーター・宇野亜喜良氏の挿画による絵本『ぼくはへいたろう』も追加展示。こちらは当館の常連さまからのご提供です。みなさまご協力ありがとうございます!
 開幕から10日を経て、ますます充実の「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。タカト氏の描き下ろしイラスト30点のうち、前半16点の展示は10月26日(日)まで、後半14点の展示は10月27日(月)からとなっております。金沢旅行の際にはぜひお立ち寄りください。
学芸員 

「草迷宮」ファンも続々。

H26.09.16
 学芸員です。
 9月13、14、15日の3連休はたくさんのご来館をいただきましてありがとうございました!泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は開幕10日で1000人を超える方にご来場いただき、山本タカト氏描く極美級の鏡花幻想譚をご堪能いただくことができました。
 12月7日(日)の最終日まで会期中無休、描き下ろし原画全30点のうち、前半16点の展示は10月26日(日)まで、後半14点の展示は10月27日(月)からとなっております。11月3日(月祝)には再度山本タカト氏にご来沢いただき、サイン会も開催予定! とても一度では鑑賞しきれない緻密で美しいタカト作品。ぜひ何度でも足をお運び下さい。

草迷宮 来場者数もさることながら、今回の特別展で最もうれしいのは、原作である鏡花の『草迷宮』(岩波文庫)を予想以上に多くの方にお買い上げいただいていること。作品の世界観を独自のカラーで遺憾なく表現したタカト氏の挿画を通して、小説そのものに関心を持ってくださる方が急増している証です。10月中にはその両方の魅力を存分に味わえるタカト画『草迷宮』も発刊予定! 〝現代の鏡花本〟として、かつての雪岱装幀鏡花本のように、思わず手に取らずにはいられない、美しい本作りを目ざして鋭意制作中です。

 私たちが志しているのは、制作に関わったすべての人間がいなくなったあとも、半永久的に愛される本作り。かつて三島由紀夫が祖母愛蔵の鏡花本から鏡花世界に親しみ、現代の鏡花再評価を促したように、新たな紹介者、そしてアーティストの誕生のきっかけとなるような本作りです。そんな〝現代の鏡花本〟を支えるタカト画「草迷宮」の世界。連休明けの今週もたくさんのご来館お待ちしております!
学芸員 

〝隠れファン〟続々。

H26.09.14
 学芸員です。
 展覧会開幕直後のバタバタですっかり失念していましたが、今日は9月の3連休の中日。市内でも金沢ジャズストリートカナザワ映画祭など大きなイベントが開催され、観どころ聴きどころ満載の金沢です。美しい秋晴れの本日もぜひ足をお運び下さい。
 9月6日(土)から開幕した泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」にも、上記イベントとの相乗効果もあってか連日、県内外からたくさんの方々にご来場いただいています。ちょっと印象的なのは、当館で山本タカト展を開催していることを知り、「実は以前からファンで……。」とカミングアウト?してくださる方が意外に多く、なかにはプロのアーティストの方もいらっしゃること。昨日はそんな〝隠れファン〟の一人、イラストレーターの中川学さんが来場されました!

山本タカト 同じイラストレーターとして、山本タカトさんが現在のような耽美な画風となる以前からその作品に注目していたという中川さん。浄土宗のお寺の住職でもあり、多忙を極めるお盆とお彼岸の間隙を縫ってのご来沢です。
 実は、こっそり「山本タカトさんで『草迷宮』展やりますよ。」とお知らせした時から、とても楽しみにしてくださっていた中川さん。「いやー、ホントいいですよね~。」を連発しながら会場を2周され、7日のトークショーに参加できなかったことを悔しがったり、10月刊行予定の『草迷宮』本は絶対買いますよ!と言ってくださったり、気取りのない素直なお人柄が素敵です♪
 中川さんがイラストを描き下ろしてくださった2012年発刊の『絵本 化鳥』の好評は現在も続いており、当館ショップでも月平均20冊をお買い上げいただくヒット作! 来年にはまた新たな動きが待っているようで、こちらも〝現代の鏡花本〟として今後の展開が楽しみですね。
 そんなプロのアーティストをも魅了する「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。描き下ろしイラスト全30点のうち、16点を展示する前半期は10月26日(日)まで。後半期は展示作品を総入れ替えいたします。ファンの方も、〝隠れファン〟の方もお見逃しなく!
学芸員 

夜の金沢城で

H26.09.13
 学芸員です。
 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」開幕から一週間。本日も午前中からたくさんの方にご来館いただいています。世代を問わず見る人の目を引きつけ、圧倒的な存在感を放つ山本タカト作品ですが、やはり若い世代の方々のご来館が目立つのはうれしい限りです。

金沢城 さて、展覧会開幕からの慌ただしさが一段落した昨夜、金沢市医師会の研修会の講話にお招きいただき、「泉鏡花と金沢」をテーマに約120名のお医者さまと関係者の方の前でお話しさせていただきました!会場は何と!金沢城内の五十間長屋。年に一度、秋にこの場所で会を開くとか。夕闇のなか、ライトアップのほのかな灯りに照らし出された城内は、鏡花の「天守物語」さながらの幻想的な雰囲気に包まれていました。


 30分ほどの短い時間でしたが、明治27年の父清次の死後、弱冠二十歳で家長の重責を背負った鏡花が死の誘惑に駆られて彷徨ったとされる旧百間堀が目の前ということもあり、苦難を乗り越えて発表し、後に舞台化されて「滝の白糸」の外題で知られるようになった鏡花の出世作「義血侠血」とその背景についてお話しさせていただきました。お仕事柄、普段は接する機会が少ないと思われる鏡花文学の世界ですが、かえって興味を惹かれたのかみなさんとても熱心! 特に「義血侠血」は金沢が主な舞台とあって、終了後、作品の舞台としてご紹介した地域にお住まいの方から、「さきほどのあの写真をもう一度……。」とリクエストを受ける一幕も。
 講演後は参加者の皆さまと夕食をいただきながらの懇親会。国立病院機構金沢医療センターの先生方で結成する楽団の生演奏あり、城跡にちなんで「荒城の月」の独唱(プロ級!)あり、と、医師のみなさんの多才ぶりにびっくり! 白壁の矢狭間から覗く夜空をバックに、すばらしいひとときを過ごさせていただきました。
 講演中もご披露しましたが、「理系なので鏡花の話ができる人が近くに居ない……。」と、キャリーバックを引きながら県外から足を運んでくださる方も少なくない当館。多忙な毎日を送っておられる先生方の中にも、ひょっとしたら「実は鏡花好きで……。」という方がいらっしゃるかも知れません。
学芸員 

「絵師として現代の鏡花本に挑む」

H26.09.11
 学芸員です。
 9月6日(土)より開幕いたしました泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。初日から100名を超える方にご来館いただき、2日目の7日(日)は当館としては今年最後のナイトミュージアムが行われたこともあり、200名近い方々に山本タカト氏描く「草迷宮」の世界をご堪能いただくことができました。ご来館のみなさま、ありがとうございました!
 さすがに少々休息をいただいていたため、すっかりご報告が遅れましたが、7日夜開催の山本タカト氏のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」。タカト氏の数十年来のエージェントであり、またタカト氏の描き下ろし画30点を挿画として〝現代の鏡花本〟をめざして制作される今回の『草迷宮』本のアートディレクターである窪田真弓氏との対談形式で様々なお話を伺いました。
 当日は午後5時頃に来館されたタカト氏。初来沢ということでモチロン当館に足をお運びいただくのも初めて。ご自身の作品は完成後、すぐに撮影などで手元を離れてしまうため、実はじっくりご覧になる機会が少ないとか。館内で展示中の前半16点についても、時折ルーペを用いながら客観的にご覧になっている様子がとても素敵でした♪

山本タカト そしてはじまったトーク。イラストレーターとして歩み始めた頃のお話や、窪田さんとの出会い、そして澁澤龍彦「ランプの廻転」を介しての鏡花作品との接点や普段の生活、制作の様子など、お話は多岐にわたりましたが、学芸員が最も印象的だったのは、今回の「草迷宮」制作を通してこれまでの退廃的なイメージから離れ、特に植物の表現に象徴されるようなみずみずしい、有機的なイメージが広がりつつあること、それにともないこれまで敬遠してきた緑やブルーを多く使うようになった、というお話でした。

 テンポよく話される方ではありませんが、相手の話を正確にとらえようと何度も聞き直したり、一つ一つ言葉を選んで応えられている真摯なお人柄が、あの美しく緻密なタカト画の世界につながっているようで、ファンの方は勿論、今回はじめて山本タカトの世界に触れた方たちにとっても、忘れられないひとときとなったのではないでしょうか。
 今回は定員25名のイベントということもあり、参加を希望された多くの方をお断りすることになってしまいましたが、11月3日(月祝)には山本タカト氏に再度ご来沢いただき、事前申し込み不要・定員なしのサイン会の開催を予定しております! 今回ご参加いただけなかった方も、もう一度タカト氏に会いたい方も奮ってご来館ください。
 なお、ミュージアムショップで販売中のタカト氏画集はすべてサイン入り! 絵はがきもあわせてたくさんの方にご購入いただいており、すでに重版待ちのものもあります。ご希望の方はお早めに。

学芸員 

特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」開幕です!

H26.09.06
 学芸員です。
 本日より無事開幕となりました泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。〝現代の鏡花本〟をめざして制作された、鏡花幻想譚の傑作「草迷宮」をテーマとする山本タカト氏の描き下ろし画30点(前半16点…初日から10月26日まで/後半14点…10月27日から最終日まで)を展示、そのほか貴重な『草迷宮』口絵原画(岡田三郎助画)や逗子滞在期の鏡花の直筆書簡、作品の素材となった《稲生物怪録》関連資料など、総計60点の展示品を通して「草迷宮」の、そして山本タカト作品の底なしの魅力をたっぷりとご堪能いただく展覧会です。

山本タカト





▲三浦の大崩壊古写真をバックに展示される逗子滞在関連資料


山本タカト山本タカト







▲山本タカト画「草迷宮」描き下ろし原画コーナー

山本タカト山本タカト







▲「草迷宮」コーナー(左)と《稲生物怪録》コーナー(右)

 このほか、数ある《稲生物怪録》の中でも挿絵の完成度では群を抜く平尾魯仙画「稲生物怪録」(弘前市立博物館蔵)のスライドショーコーナーや、秋谷の子産石コーナーなど、五感をフルに活用して「草迷宮」の世界に触れていただける展示となっています。
 そして、明日7日(日)は当館としては今年最後のナイトミュージアムの日。17:00~21:00(入館~20:30)の間、無料で展示をご覧いただけます。タカトワールドを夜の記念館で楽しめる最初で最後のチャンス! 当日夜限定のちょっとした趣向をご用意してみなさまをお待ちしております。ぜひぜひ足をお運びください。
 それでは本日もたくさんのご来館をお待ちしております!
学芸員 

めくるめく山本タカトの世界

H26.09.04
 学芸員です。
 いよいよ佳境に入った展示替え作業。すべての展示品の設置が完了し、あとはキャプションの配置や、全体の微調整を残すのみとなっています。
 思えば、我ながらあまりにも唐突だった昨年の「夜叉ヶ池」展における「夜叉ヶ池の白雪姫」作品出品依頼。よければ描き下ろしで……という、たいへんありがたいお返事をいただいたひと月後には、すでにこの特別展の構想が脳裏に浮かんでいましたが、まさか一年後に本当に実現するとは……。展示室の壁面を埋め尽くすタカト画「草迷宮」を前に、あらためて山本タカト先生をはじめ、ご尽力いただいた関係者のみなさまへの感謝に堪えません。

山本タカト 原作の鋭い読解に独自の解釈をも加え、精緻に、そして時には大胆に構築されたタカト氏えがく「草迷宮」の世界。鏡花幻想譚としての完成度の高さゆえに、ある意味可視化の難しいこの作品を、清方、英朋、雪岱と同じく、まるで鏡花と同時代に生きて描いていたかのように絵画化してしまうタカト氏こそ、あの「山海評判記」の挿絵を描くという難題をクリアしてみせた雪岱に比肩する鏡花絵師といえるでしょう。


 全30点の描き下ろし作品のうち、初日から10月26日(日)の前半期に展示するのは口絵的一枚である「草迷宮Ⅰ」を含む16点。〈三浦の大崩壊を魔所だと云ふ……〉で有名な冒頭から、秋谷邸で葉越明が度重なる怪異について打ち明ける場面(二十八章)までとなります。幻怪度マックスの後半とは異なり、一見日常的な風景の中に〝あやかし〟の気配が見え隠れする、それでいてこの上なく美しい非日常空間が魅力です。
 そして後半14点は10月27日(月)から展示予定。11月3日(月祝)には今回の描き下ろし挿画全点を収録した現代の鏡花本・山本タカト画『草迷宮』刊行記念サイン会が予定されています。万障お繰り合わせの上、ぜひ前後期ともに足をお運びください。(※会期中無休です)
 なお、今回の描き下ろしのきっかけとなった「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」(本画/下絵)も常設エリアで展示中。激しい恋に身を焦がしつつ、少女のようなあどけなさを同居させる白雪姫に再び会うことができます。
 泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は9月6日(土)から。そして翌7日(日)は当館としては今年最後のナイトミュージアム。無料開館となる17:00~21:00(入館~20:30)限定で、来館者のみなさまに眼だけでなく耳もあわせて「草迷宮」の世界をご堪能いただくべく、一夜限りのちょっとした趣向を試みる予定です。
 一歩足を踏み入れれば、そこは泉鏡花×山本タカトのめくるめく「草迷宮」の世界。6日7日ともにたくさんのご来館をお待ちしております!

学芸員 

ミュージアムショップに山本タカトコーナー出現!

H26.09.03
 学芸員です。
 展示替え作業も本日で折り返し地点。山本タカト氏描き下ろしの「草迷宮」計16点(前半展示分)ほか、原作が書かれた鏡花の逗子滞在関連資料、素材である《稲生物怪録》関連資料がケース内に並び始めています。展覧会チラシも市内県内の主要図書館・文化施設への発送もすべて終了、首都圏では千代田図書館、弥生美術館、神奈川近代文学館に多めに配送させていただきました! 千代田図書館さんでは企画展示「第1回~第6回 千代田ビジネス大賞受賞企業展~参考にしたい!成功ビジネスモデル~」が、弥生美術館さんでは企画展「村岡花子と『赤毛のアン』の世界展 ~本を道しるべに、少女たちのために~」が、神奈川近代文学館さんでは企画展「ねずみくん40周年  なかえよしを+上野紀子の100冊の絵本展」がそれぞれ開催中です。各館に足を運ばれた際には、ぜひ当館特別展チラシもお手に取ってご覧ください。

山本タカト 開幕に向け、着々と準備が進められているのは展示室のみではありません。当館ミュージアムショップでも先日から販売を再開した山本タカト氏の「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」の絵はがきをはじめ、今回の展覧会で原画を展示する「草迷宮」の絵はがき、そしてタカト氏のこれまでの画業をまとめた画集(エディシオン・トレヴィル製)など、北陸初の山本タカトコーナーが新たに出現、ファンの方はモチロン、「草迷宮」展観覧の思い出となる関連グッズを取り揃えました!

 「草迷宮」絵はがきの方は、今後も種類が増えていく予定。観覧後、〝この一枚でぜひ!〟というお声が多く届いた作品は、ひょっとしたらその候補に加えられるかもしれません。
 10月末刊行予定の現代の鏡花本・山本タカト画『草迷宮』(エディシオン・トレヴィル製/河出書房新社)も着々と準備が進められています。
 泉鏡花×山本タカトの最強のコラボでお届けする極美級の「草迷宮」。開幕まであと3日です!
学芸員 

西瓜で騒いだ夜

H26.09.01
 学芸員です。
 いよいよ9月に突入! 記念館では前企画展の撤収作業を終え、早くも山本タカト画「草迷宮」の展示作業に入りました。少しずつ、土蔵の展示室の白壁を埋めていくタカト作品。全部掛け終った瞬間をこの世の誰よりも早く目にすることができるのがこの仕事の醍醐味。その圧倒的な世界観で満たされた展示室に一人たたずむと、作業の疲れも一瞬で吹き飛び、正直なところ、もう帰りたくなくなりました。(笑)
 ため息が出るほど美しい精緻を極めたタカト画の数々。その全点を一堂に並べたいところですが、一点一点をじっくりご覧いただこうとすると、30点の描き下ろし作品のうち、一度に展示できるのは15点まで。一挙にご覧いただけないのは残念ですが、《稲生物怪録》研究の権威である安田女子大学名誉教授の杉本好伸先生による講座(10/13~電話受付開始)が開催される10月26日(日)を持ちまして全点を総入れ替えさせていただくことになりました!
 そんなわけで、当初お披露目予定だった作品は会期後半の展示となったため、今回は素材である《稲生物怪録》には登場しない、鏡花オリジナル?の秋谷邸の怪異「西瓜で騒いだ夜」をご紹介します。

山本タカト 主人公の青年・葉越明が逗留する秋谷邸の怪異を聞きつけ、興味本位で押しかけてくる村の若者たち。その一人が盗んできた西瓜を切ろうとすると、西瓜が宙に跳ね上がり、女の生首や入道首に見える……という場面ですが、まさにタカトワールド炸裂!のこの一枚になぜかほっとしてしまう学芸員は、かなり感覚がおかしくなってきています。(笑)
 というのも、今回の「草迷宮」はよくよく見つめていると何かが浮かび上がってくるようなそんな作品も少なくなく、うずまく闇のように描かれたモノに底知れぬ恐怖を感じたり、これまであまり見られなかった風景画がかえって全体の中で目を惹き、その一枚の意味をあらためて考えさせられたり……と、息つく間もなく新しい山本タカトの世界にひきずり込まれてしまうからです。

▲「西瓜で騒いだ夜」(C)山本タカト

 今回のように、ストーリーにしたがって複数の挿画を描き下ろしていくのは初めてだという山本タカト氏。鏡花幻想譚の傑作「草迷宮」を生まれたてのタカト画で堪能できるという至福の日々は9月6日(土)から。一刻も早くこの悦びをみなさまと共有したい気持ちを抑えつつ、初日に向け鋭意準備中の記念館です。
学芸員 

稲生物怪録

H26.08.31
 学芸員です。
 本日の金沢は曇り空。日中、雨の予報もあります。
 企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」も本日が最終日。めくるめく鏡花本の世界を今日一日、心ゆくまでご堪能いただければ幸いです。
 さて、開幕まで一週間となった泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。今回は主な展示品の中から、物語の主人公・葉越明が秋谷邸で遭遇する怪異の素材となった《稲生物怪録》関連資料をご紹介します。
 《稲生物怪録》とは江戸時代中期、備後三次(現在の広島県三次市)に実在した当時十六歳の藩士の子息・稲生武太夫(幼名・平太郎)の三十日にわたる怪異体験を綴った物語の総称。諸本には『稲生物怪録』の他にも『稲怪録』『稲生怪談』『稲亭物怪録』などタイトルが見られますが、この作品に興味を持った国学者の平田篤胤(あつたね)が書写伝承した写本に『稲生物怪録』と書名が記され、篤胤を師と仰ぐ人々によって受け継がれたことから《稲生物怪録》の呼称で広く知られるようになりました。三次市内で確認されている写本や絵巻の中には、三次市重要文化財に指定されているものもあります。

『奇説異聞 備後土産稲生夜話』 今回の展覧会では、主な諸本を解説タペストリー(資料画像提供 三次市教育委員会)でご紹介するほか、泉名月氏旧蔵の江戸末期のものとされる絵巻(吉田家本系の写本)、明治以降のバリエーションの一つである講談本を展示、さらに青森のダヴィンチと称される日本画家・平尾魯仙の描いた驚くべき完成度を誇る絵本の挿絵33画(原本 弘前市立博物館蔵/映像制作 青森県立郷土館)のスライドショーを通して、《稲生物怪録》の世界とその魅力に触れていただきます!

▲梅亭化作編述『奇説異聞 備後土産稲生夜話』(当館蔵)

 なお、10月26日(日)には《稲生物怪録》研究の権威・安田女子大学名誉教授の杉本好伸先生をお招きしての関連講座も予定しております。(10/13~電話受付開始)
 平田篤胤はじめ、岩谷小波、泉鏡花、稲垣足穂など、長きにわたり多くの文化人の心をとらえてきた《稲生物怪録》。これを素材とする「草迷宮」の秋谷邸の怪異を、平成の浮世絵師・山本タカト氏がどう描くのか。館では描き立てほやほやのタカト画「草迷宮」の額装作業が始まっています。次回はその中から秋谷邸の怪異を描いた一枚をご紹介いたします。どうぞお楽しみに!
学芸員 

秋谷の子産石

H26.08.29
 学芸員です。
 見事な秋晴れとなった金沢の空には美しい鱗雲が広がっています。
 残り3日となった企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。最後の駆け込みでしょうか、連日たくさんのご来館をいただいていますが、中には埼玉県立近代美術館学芸員・大越久子さんの『小村雪岱―物語る意匠』(東京美術)を片手に展示品と見比べるようにしてご覧になっている方もいらっしゃいます。展覧会は8月31日(日)まで。貴重な校正刷り(版画)も展示中です。それぞれの視点で美しい鏡花本の世界をお楽しみいただければ幸いです。

 そして、いよいよ開幕まで10日を切った泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。本日は主な展示品の中から、作品序盤に登場する秋谷海岸の子産石をご紹介します!
 子産石とは三浦半島・秋谷(現横須賀市)の東久留和(くるわ)の海岸に産出する石。岩塊中に異質の小石を包含する奇岩(盤)から、波の削磨によって自然に落ちた石で、その様子により古くから触れると子宝や安産に御利益があると信仰されている奇石です。

秋谷の子産石 主に球形をしており、中には岩塊との最後の接着部がかすかに抉(えぐ)られ、臍(へそ)のように見えるものもあるということで、岩に付着した状態のものを無理に剥がそうとすると難産になると怖れられ、自然に落ちたものをお守りとするならいとなっています。
▲秋谷の子産石。手作りの座布団に安置して祈願します。
 (左端は大きさの比較のために置いた5円玉です)



 今回、館内で展示する子産石は、昨年11月の取材の際、現在も子産石を守り続けている地元の方のご厚意でお譲りいただいたもの。直径16センチにも及ぶ、たいへん立派な子産石です。いわゆる〝御利益があった石〟は必要とされる方がおられるため、今回の石はあくまでも展示用としていただいた、未だ御利益の見られない石ですが、鏡花が「草迷宮」で描いた子産石が実際にはどのようなものなのか知っていただけたら……という思いが込められており、そのお気持ちに応えるためにも、展覧会では来館者の方にこの子産石に触れていただけるよう、特別なケースをご用意して展示させていただきます。
 今回の特別展のために描き下ろしイラストを制作して下さった山本タカトさんも、その一枚で子産石を描いています。実はこのたびの展覧会チラシにもその姿があしらわれていますので、お手に取られた際にはじっくりご覧になってみて下さい。
 次回は、「草迷宮」の主人公・葉越明が秋谷邸で遭遇する怪異の素材となった《稲生物怪録》関係の資料をご紹介します。お楽しみに♪
学芸員 

展示替え休館のお知らせ

H26.08.27
 学芸員です。
 連日の雨で、すっかり涼しくなった金沢。夏休みも残すところあと5日ということで、本日もたくさんのご来館をいただきました。ありがとうございました!
 企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」は8月31日(日)まで。翌9月1日(月)から5日(金)までは展示替えのため休館となります。近々ご来館予定の方はくれぐれもご注意ください。

山本タカト なお、泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」は9月6日(土)から。開幕2日目の7日(日)は、金沢ナイトミュージアム2014として17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間無料開館となります! 同日開催の山本タカト氏のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」はおかげをもちましてすでに満席、キャンセル待ちの受付も終了しておりますが、夜の記念館でタカト氏描く「草迷宮」の幻怪妖美の世界を堪能する貴重な機会です。惜しくもイベントにご参加いただけなかった方も、展示の方にぜひ足をお運びいただきたく思います。
 

▲「明神様の侍女」(C)山本タカト


 さて、先日からスタートした次回特別展の展示品紹介。次回の「子産石」は、専用の特製座布団(?)の準備ができ次第ご案内いたします。「〝子産石〟って何?」という方は、こちらをご覧になってもう少々お待ちください。
学芸員 

岡田三郎助画『草迷宮』口絵原画

H26.08.25
 学芸員です。
 先週末も猛暑&悪天候の中、たくさんのご来館をいただきありがとうございました!本日も盛大な雨模様ですが、残り一週間の会期を惜しむように朝から来館者の方が途切れることなく訪れてくださっています。
 いよいよ2週間後に迫った泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。23日(土)には当館友の会会員さま限定で、館長による「草迷宮」講座を開催、自然主義文学の全盛期であった明治41年に書き下ろし出版された鏡花幻想譚の代表作であるこの作品の世界観と、素材となった《稲生物怪録》との関わりについてレクチャーさせていただくなど、記念館でも着々と開催の準備を進めております。チラシの方も、金沢市内はもちろん県内外の文化施設、図書館等にも順次送付を始めております。通常より多めに制作しておりますが、ご希望の方は早めのご入手をおすすめします。

 鏡花ファン、そして山本タカトファンなら誰もが一度は思い浮かべたであろう、夢のコラボによる今回の「草迷宮」展。9月6日(土)の開幕に向け、みなさまとともに気分を盛り上げて行くべく、今週からは会期中の主な展示品のご紹介をさせていただきます。今回の特別展のメインビジュアルとなったタカト氏の「草迷宮Ⅰ」―まさに制作中の草迷宮本の口絵的な一枚ですが、明治41年1月の『草迷宮』初版本の口絵の一枚となったのが岡田三郎助の「草迷宮」です。

草迷宮 先日ご紹介した三品理絵さんの気鋭の「草迷宮」論『草叢の迷宮―泉鏡花の文様的想像力』において、イギリスのデザイナー、ウィリアム・モリスの意匠との間に見られる共通性―人物の描き方や、ロゼット(株)ごとに描かれるという植物の意匠―を指摘され、あらためて注目を集めるこの口絵の原画(紙・鉛筆)を公開いたします!
 鏡花の姪で、泉家の養女であった故・泉名月氏の旧蔵品であるこの原画。昨年の鏡花生誕140年連携事業では、神奈川近代文学館さんに展示をお譲りしたため、今回が当館での初展示となります。
 余白には岡田三郎助直筆の注意書きや指示書きも確認できるこの原画。たいへん貴重な作品ですので、「草迷宮」画の原点としてぜひ多くの方にご覧いただきたいと思います。

▲岡田三郎助画「草迷宮」口絵 (画像は当館所蔵の初版本)

 そして、「草迷宮」といえば秋谷海岸の子産石。
 次回はご縁あって当館で展示させていただくことになった、大きな子産石をご紹介いたします。どうぞ、お楽しみに♪ 
学芸員 

9月7日はナイトミュージアム、夜間無料開館日です!

H26.08.22
 学芸員です。
 青天の霹靂とはまさにこのこと、今朝の青空から一変し、金沢は激しい雷雨に見舞われています。
 9月6日(土)に開幕する泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。その翌日の9月7日(日)開催の山本タカト氏のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」は、おかげをもちましてすでに満席となっておりますが、当日は17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間開館、無料で展示をご覧いただけます。当館としては今年最後のナイトミュージアム、夜の記念館でタカト画「草迷宮」の幻怪妖美の世界をご堪能いただける、最初で最後のチャンスです! イベントにお申し込みいただいた方はもちろん、満席のためご参加いただけない方にもぜひ足をお運びください。

山本タカト なお、「草迷宮」展の美麗チラシは当館はじめ、市内および県内外の文化施設等にも順次配布が始まっています。機会がありましたらぜひお手にとってご覧ください。また、山本タカト氏の公式HP公式ツイッターでも今後、 金沢での展覧会や京都・東京での個展の情報が掲載されていきますので、こちらもご参照下さい。
 それではあいにくの雨ではありますが、くれぐれも足下に気をつけて、本日もご来館をお待ちしております!

 
学芸員 

11月3日に山本タカト氏サイン会を開催します!

H26.08.21
 学芸員です。
 金沢は朝から蒸し暑い一日となっていますが、吹く風は何となくさわやかで、早くも秋の気配を感じさせています。
 9月7日(日)開催の山本タカト氏のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」は、今月19日の電話受付開始まもなく満席となりました。キャンセル待ちも多数のため、こちらもすでに受付を終了しております。その後もたくさんのお問い合わせいただいておりますが、当館初の山本タカト展を記念して、鏡花の生家跡地である小さな館内で開催するため、定員が少なくたいへん申し訳ありません。なお、タカト氏には鏡花の生誕日の前日にあたる11月3日(月祝)にも再度ご来沢いただき、サイン会を開催する予定です。サイン会の方は事前申込不要、定員なしのイベントですので、金沢旅行を兼ねて遠方の方にもぜひ足を運んでいただきたく思っております。

山本タカト また、今回の特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」に関連する図録制作の有無についてもお問い合わせをいただいておりますが、今回の描き下ろしイラスト約30点を挿画とする現代の鏡花本『草迷宮』(制作/エディシオン・トレヴィル)を10月中に刊行すべく、ただいま準備を進めており、11月3日(祝日)に開催の上記サイン会は、このタカト版『草迷宮』をご購入いただいた方を対象に行われます。鏡花の幻想小説の代表作であるこの作品が、たいへん色鮮やかなイメージで描かれていたことを、タカト氏の挿画を通して再認識する一冊となるかと思います。書籍情報の詳細は後日お知らせいたしますので、もう少々お待ち下さい。


▲「洋傘売りの夫婦」(C)山本タカト

 現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」も残すところ10日となりました!タカト氏がひそかに憧れているという小村雪岱デザインによる美しい鏡花本も多数展示されています。雪岱ファンはもちろん、タカトファンの方々にも、来月からの展覧会に備えてご観覧いただければ幸いです。

学芸員 

山本タカト氏トークイベント満席です!

H26.08.19
 学芸員です。
 朝から快晴となった金沢。夜には雨の予報もありますが、日中は酷暑の一日となりそうです。

 さて、本日から電話受付を開始いたしました、9月7日(日)開催の山本タカト氏のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」は、先ほど定員に達しましたので受付を終了させていただきました。以降はキャンセル待ちでの受付となります。たくさんのお申し込み、ありがとうございました!
 ※キャンセル待ち多数のため、こちらも終了いたしました。たくさんのお電話ありがとうございました!(12:45更新)

山本タカト 艶麗妖美な人物画のみならず、例えば三浦の大崩壊の景観を描いた具象的な、なおかつ独特の不穏な空気のただよう一枚があったりと、これまでとは異なる雰囲気の作品も続々誕生している今回の「草迷宮」。現在も鋭意制作中のタカト氏ですが、当日どんなお話が伺えるのか、今から楽しみですね!


▲「魔所・大崩壊」(C)山本タカト


 なお、会期中の11月3日(月祝)には、完成した山本タカト版『草迷宮』によるサイン会の開催を予定しております。こちらは事前申込不要・定員なしのイベントですので、惜しくもトークイベントにご参加いただけない方は、サイン会の方にぜひ足をお運び下さい。
 また、記念館のミュージアムショップでは、展覧会&イベント開催に先駆けて、タカト氏デザインの手拭い(かまわぬ製)や、サイン入り画集などを販売中! 昨年の「夜叉ヶ池」展の際に描き下ろしていただいた「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」のポストカードも販売を再開しております。
 夏休み中にご来館予定の方は、こちらもぜひお楽しみください。
学芸員 

山本タカト氏トークイベント明日から受付開始です!

H26.08.18
 学芸員です。
 金沢はふたたび晴天を取り戻し、記念館にも休日明けのおだやかな空気が流れています。とはいえ、本日も時期をずらした旅行者の方々にたくさんご来館いただき、美しい鏡花本の一点一点をじっくりとご鑑賞されつつ、いまいちど山本タカト作品の前に立ち戻られるその様子に、次回企画展開催に向けての意気込みを新たにしております。
 気鋭の論考が登場するなど、にわかに注目が高まっている鏡花の幻想小説の代表作「草迷宮」。
 当館の開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」も開幕まで20日を切り、75回目の鏡花忌にあたる9月7日(日)夜開催のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」の電話受付がいよいよ明日8月19日(火)から開始となります!

山本タカト 今回のトークイベントが初来沢となる山本タカト氏。
 昨年開催の「夜叉ヶ池」展の際に、緊急企画で「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」を描き下ろしていただいてから1年、「草迷宮」をテーマにあらたに制作された約30点のイラストを挿画とする現代の鏡花本を作ろう!……というプロジェクトが、ようやくその全容を現します。
 澁澤龍彦氏や種村季弘氏の文章によってその存在を知り、初めて読んだ鏡花作品となった「草迷宮」は、タカト氏にとっても思い入れの強い一作。また、鏡花ファンそしてタカトファンにとっても、タカト氏と「草迷宮」という組み合わせは、まさに夢の競演といえるのではないでしょうか。

▲山本タカト氏セルフポートレート

 そんな「草迷宮」制作秘話や、ご自身の画業のこと、そしてこれからの展望などについて、今回の「草迷宮」本のアートディレクターであり、エージェントとして長きにわたってタカト氏の画業とともに歩んでこられたデザイナーの窪田真弓氏との対談形式で伺います。

 参加申込は電話受付で明日19日(火)9:30から。公平を期すために9:30以前のお電話には対応しかねますので、あらかじめご了承ください。
 なお、会期中の11月3日(月祝)には、完成した山本タカト版『草迷宮』によるサイン会の開催を予定しております。少し先の話になりますが、こちらは事前申込不要・定員なしのイベントですので、秋の金沢を満喫しがてらぜひ足をお運び下さい。
学芸員 

三品理絵『草叢の迷宮―泉鏡花の文様的想像力』

H26.08.17
 学芸員です。
 未明の豪雨と雷鳴で眠りを覚まされ、少々寝不足気味の金沢の朝を迎えた方も多いのではないでしょうか?お盆休みということで終日賑わっていた記念館も、本日はUターン前に金沢らしさの名残を惜しむお客さまにゆったり静かにご鑑賞いただいている様子。館としても、週明けからは9月から始まる開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」の開幕に向け、ラストスパートの日々となります。
 そんななか、気鋭の「草迷宮」論が届いておりますのでご紹介いたします!
 三品理絵著『草叢の迷宮―泉鏡花の文様的想像力』。これまで作品の〝迷宮〟的構造に力点を置かれて論じられてきた「草迷宮」の、あえて〝草〟の部分を重視して読み直しを図った意欲作です。

草叢の迷宮 作品冒頭の章で、三浦の大崩壊の景観を〈杜若咲く八ツ橋〉と〈月の武蔵野〉という、日本古来の意匠をあしらった〝屏風〟の見立てとして表現されている点に着目、和歌や物語などの文学を絵画化する過程で発生したこれらの意匠の〝趣〟を、鏡花は逆に文学にあらためて意識的に取り入れることで独自の幻想空間を立ち現れさせる装置として機能させているという、示唆に富む論考です。

 ほかにも、初版本の装幀を担当した岡田三郎助による意匠とウィリアム・モリスの意匠との間に、象徴化・様式化された〝草〟という共通項を見出し、鏡花作品の同時代性―鏡花とモリスとの幻想的な自然観と方法論の共通性を指摘する三品さん。もともとは比較文学のご出身という特性を生かした、たいへん刺激的な一冊です。
 研究書と聞くと「堅苦しくてムズカシそう。」と思われるかも知れませんが、三品さんの温和で気さくなお人柄を反映してか、一般の方にもわかりやすい、そして興味深い内容となっておりますので、特に「草迷宮」好きの方にはおすすめの一冊。装幀も武蔵野図絵屏風をカバーにあしらった、素敵な仕上がりとなっています。
 館の業務に追われて本当に何もお手伝いできなかった学芸員のこともあとがきでご紹介いただいており、あまりの申し訳なさに2日間のお盆休みを使って読了しました(笑)が、三品さんのおかげでたいへん有意義な休日となりました。
 「草迷宮」展開幕までには当館ショップでもお取り扱いいたしますので、ぜひお手にとってご覧ください。

学芸員 

ETV特集「見えないものが見えてくる~白石加代子の百物語~」

H26.08.14
 学芸員です。
 今年は7月がたいへんな猛暑だったためか、いわゆる〝二八〟の法則に反して8月に入ってからたくさんの方にご来館いただき、本格的なお盆休みに突入しようという本日も、朝から絶え間なく、入れ替わり立ち替わり美しい鏡花本の数々をご鑑賞いただいております。
 そんなお盆ムードを盛り上げる、8日開催のイベント「妖怪から和本の世界に親しむ」の講師・大屋書房4代目の纐纈くりさんのご厚意でお借りした「百鬼夜行絵巻」「怪談摸摸夢字彙」「化物の嫁入」の妖怪画3点は8月31日までの展示。同じ展示室で公開中の山本タカト氏の描き下ろしイラスト「草迷宮」とともに、ユーモラスで愛嬌あふれる妖怪たちをお楽しみください♪

 さて、ご報告が遅れましたが、過日ご取材いただきましたETV特集「見えないものが見えてくる~白石加代子の百物語~」の放送日のご案内をいただきましたのでご紹介いたします。このたび、鏡花戯曲の代表作「天守物語」を最後に幕を閉じた白石加代子さんの「百物語」の特集番組です。
 「白石加代子の百物語」は、〝恐怖〟をテーマに怪談はもとより古典の名作から現代作家の作品、そしてオリジナル作品まで、多彩なラインナップで、白石さんのライフワークとして22年にわたって上演されてきた一人芝居。ファイナルとなった「天守物語」は、なんと!白石さんお一人で17のキャラクターを演じ分けるという、驚異のステージであったようです。

友染集 残念ながら公演当日は、当館イベントとまたまたまるかぶりし、観劇に伺えなかったのですが、今回の取材で、「天守物語」収録本である当館所蔵の小村雪岱装幀『友染集』と、カットされていなければ……ですが学芸員が手タレ?で出演し、ささやかながらご協力させていただきました。(笑)
 その他、獅子頭の関係などで金沢市内も各所撮影された模様。放送日時は8月16日(土)23:00、再放送は23日(土)0:00(金曜深夜)です。ぜひご視聴ください。※放送時刻を訂正しました

学芸員 

「絵師として現代の鏡花本に挑む」

H26.08.13
 学芸員です。
 2日間の豪雨ですっかり過ごしやすくなった金沢。一足早くお盆休みを迎えられたのか、週明けからの記念館は比較的若い世代の方々でにぎわっています。
 さて、金沢ナイトミュージアム2014の一環として開催してきた「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」。最終回となる第4弾は現在、約30点の描き下ろしイラストで『草迷宮』本制作中のイラストレーター・山本タカトさんと、同書のアートディレクターである窪田真弓さんによるスペシャル対談です!
 
山本タカト 開催日は泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」展開幕2日目の9月7日(日)、この日は75回目の鏡花忌にあたります。
 すでに多くのお問い合わせをいただいていますが、このトークイベントの申込受付は8月19日(火)9:30から。当館初の山本タカト展開幕を記念して館内の土蔵での開催となるため、定員25名さまとなっております。お申込みの殺到が予想され、まことに恐縮ですが、公平を期して上記日時からの受付となります。あらかじめご了承ください。
 また、鏡花の141回目の誕生日を翌日に控えた11月3日(月祝)にはタカト画『草迷宮』本(エディシオン・トレヴィル)のサイン会を開催! こちらは定員なしですので、惜しくもトークイベントに参加できなかった方も、こちらにご来場いただければタカト氏にお会いできます。

▲「小川を流れてくる手毬を拾い上げる葉越明」(C)山本タカト

 現在、館内では特別展のプレ企画として上の画像「川を流れてくる手毬を拾い上げる葉越明」をはじめとする描き下ろしイラスト3点を展示中。特別展会期中は約30点を前半後半で入れ替えつつ、常時20点程度を展示予定です。
 8月31日(日)まで開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」も残すところ20日を切りました! 鏡花作品や鏡花本に造詣の深い熱心なお客さまも日に日に増えている様子。作者である鏡花はモチロン、清方、英朋、そして雪岱らが精魂を傾けた鏡花本の類まれなる精緻さ、美しさに触れつつ、現代の鏡花本を生み出すことに情熱を注ぐ平成の浮世絵師・山本タカトさんの絵筆による幻怪妖美の世界への期待を膨らませていただければ幸いです。
学芸員 

一人語り「絵本の春」

H26.08.11
 学芸員です。
 金沢燈涼会にともなう8日9日のナイトミュージアム&イベントでは、台風接近の影響で一時激しい雨となったにもかかわらず、たくさんの方にご来館いただき、まことにありがとうございました! 素敵な浴衣姿の方も多く見受けられ、昼間とは違った文学館の表情をお楽しみいただけたのではないかと思います。

 さて、9日に開催しました俳優・野上裕章さんの一人語り「絵本の春」。
 晴天なら屋外開催・立ち見ありとご案内しておりましたが、あいにくの雨のため当初の予定通りの館内開催。ぎりぎりまで詰めに詰めて定員28名さまのたいへん贅沢なイベントとなりました。

野上裕章 写真は交通機関の乱れで少々遅れ気味のお客さまをお待ちする間、野上さんと学芸員で交わした鏡花トークの様子。実は記念館にもほど近い、茶屋街として有名な東山生まれの野上さん。毎年恒例となった当館でのご出演は、お盆休みを返上してのもの。あらゆる作家の作品の中でも、やはり鏡花ものはご自身の原点に戻ったような気持ちになるとひと言。東京や関西でもご活躍の野上さんですが、地元金沢を大切に思い、その気持ちを共有できるというのは観客のみなさんにとってもうれしいことですよね。

野上裕章 そしてはじまった「絵本の春」。
 鏡花をモデルとする少年〝新坊〟、彼に怖い話を聞かせる、むかし一度死んで生き返った〝おばさん〟、そして夜しか現れない不思議な貸本屋の〝お嬢さん〟と、めまぐるしく変わるミラクルボイスにお客さまもうっとり。終演後は「素敵な時間をありがとう。」と声を掛けて下さる方もあり、みんなでこの上ないひとときを過ごした真夏の夜となりました。

 野上さんからは「ご希望通りの作品をやらせていただきます!」とうれしいお言葉もいただきましたので、来年も当館ならではの作品をご提案して、他では見られない?野上さんを楽しんでいただけたら……と思います。

 なお、8日に開催した「妖怪から和本の世界に親しむ」の講師・大屋書房4代目の纐纈くりさんのご厚意でお借りした「百鬼夜行絵巻」「怪談摸摸夢字彙」「化物の嫁入」は明日から公開の予定。現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の最終日である8月31日まで展示予定です。
 当館はお盆中も休まず開館、8月31日まで休館日なしでみなさまをお迎えしております。たくさんのご来場をお待ちしております!
学芸員 

「妖怪から和本の世界に親しむ」

H26.08.09
 学芸員です。
 昨日に引き続き、本日も朝から盛大な雨模様。〝晴天時には屋外開催、立ち見あり〟とご案内しておりました野上裕章氏の一人語り「絵本の春」は、残念ながら館内での開催のため、すでにご予約いただいている方のみのご参加となります。あらかじめご了承下さい。
 本日9日も、当館は浅野川界隈で行われる金沢燈涼会に合わせ17:00~21:00(入館~20:30)は夜間開館、展示室を無料でご覧いただけます。周辺でもコンサートや朗読会など、さまざまなイベントが開催されておりますので、あいにくの雨ではありますが、ぜひ下新町・尾張町・主計町そして東山界隈に足をお運びください♪

大屋書房 さて、昨夜行われましたトークイベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第3弾「妖怪から和本の世界に親しむ」。神田神保町・大屋書房4代目の纐纈(こうけつ)くりさんをお迎えし、神保町の歴史をはじめ江戸の妖怪ブームの火付け役となった鳥山石燕の妖怪図鑑「百鬼徒然袋」、河鍋暁斎の「暁斎百鬼画談」、その他、芳年の河童絵や芳員の化物尽くしなど、大屋書房所有の妖怪資料の歴史的背景や見どころなどをご紹介いただきました。
 参加者のみなさまの眼を驚かせたのは、解説を交えてパワーポイントで映し出された資料の数々を、なんと!纐纈さんが実際に現物を目の前で拡げてご披露されたこと。絵巻、版本、一枚刷りの双六や絵札といった、通常の文化施設ならガラスケース越しでしか見られない貴重資料の大盤振る舞いという予想外の事態に、参加者もびっくり! みなさまの集中力も否が応にも高まり、トークイベントというよりは、まるで〝妖怪研究会〟のような雰囲気に。(笑) 最後は纐纈さんご持参の狩野元仙筆の「百鬼夜行絵巻」を全員で順番に拝見して、お腹いっぱいのひとときを過ごしました。
 市内県内はモチロン、神奈川や埼玉からの参加者のみならず、遠いチェコ(!)からのお客さまもあった今回のイベント。気づけば、文字通り〝妖怪〟を通して和書の魅力にどっぷりつかった90分。みごと纐纈さんの目論見通り、普段は少し遠いような古書の世界に親しむ楽しさに触れることができたのではないでしょうか?
 なお、纐纈さんのご厚意で、上記「百鬼夜行絵巻」と「怪談摸摸夢字彙」「化物の嫁入」を特別にお借りできることに。こちらは展示の準備ができ次第、お知らせいたしますので、どうぞお楽しみに♪

学芸員 

山本タカト画『草迷宮』刊行記念サイン会のお知らせ

H26.08.07
 学芸員です。
 酷暑続きの金沢ですが、さきほどのにわか雨のおかげで多少過ごしやすくなったように思われます。
 明日8日9日は、浅野川界隈で行われる金沢燈涼会に合わせ当館も17:00~21:00(入館~20:30)は夜間開館、展示室を無料でご覧いただけます。周辺でもコンサートや朗読会など、さまざまなイベントが開催されておりますので、ぜひ両日ともに下新町・尾張町・主計町そして東山界隈に足をお運びください。
 さて、9月6日(土)からスタートする泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。鋭意制作中のタカト氏の描き下ろしイラスト約30点は、実はタカト氏の新機軸の画集であると同時に、当館が企画した新たな現代の鏡花本でもある『草迷宮』の挿画として描かれているもの。そう、完成のあかつきには鏡花幻想譚の傑作『草迷宮』全編をタカト氏の妖麗な挿画入りの美装本で耽読することができるという、ぜいたく極まりない〝読書の秋〟が待っているのです♪

山本タカト「草迷宮」山本タカト「草迷宮」 ↑クリックするとPDFでご覧いただけます♪

 開幕2日目の9月7日(日)夜開催のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」は、タカト氏と『草迷宮』本のアートディレクターである窪田真弓氏によるスペシャル対談。なんと!タカト氏は今回が初来沢。澁澤龍彦「ランプの廻転」で「草迷宮」の存在を知り、初めて読んだ鏡花作品となったというタカト氏。今回の制作に秘めた思いやあの超絶技巧の裏側など、さまざまなお話を伺いたいと思います。トークイベントの予約受付は8月19日(火)から。イベント情報ページでご確認の上、お電話にてお申込み下さい。
 そして! 11月3日(月祝)にはタカト氏にふたたびご来沢いただき、タカト画『草迷宮』刊行記念サイン会を開催! 当館ミュージアムショップにて刊行間もない『草迷宮』(エディシオン・トレヴィル刊)をご購入の方に限り、 一人ひとり、目の前でタカト氏にサインしていただけます。こちらのイベントは定員なし、事前予約も不要です。9月7日のトークイベントに参加できなかった方も、こちらであこがれのタカト氏にお会いできますよ♪ 詳細につきましては後日こちらのブログとイベント情報ページにてご案内させていただきますので、今後の情報にご注意ください。
 ほかにも《稲生物怪録》研究の権威による講座や、貴重な「草迷宮」関連資料の展示など、盛りだくさんの秋の特別展。開催に向け、常設展示の方でも最後の展示替えを行い、最新のタカト画「草迷宮」3点が展示されています。明日明後日のナイトミュージアムはこれらを事前チェックする絶好のチャンス! 市内の方はもちろん、市外県外の方もご来沢の際にはぜひ記念館へ足をお運びください。

学芸員 

「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」

H26.08.02
 学芸員です。
 朝から薄曇りの金沢ですが、気温はすでに30度超。しかし、クールシェア実施中の記念館内はひんやり涼やか。なかでも山本タカト氏描き下ろしイラスト展示中の「草迷宮」コーナーは、幻想を生み出すタカト氏の微妙な色彩と、魔の世界に足を踏み入れた人々の現実の向こう側を見通すまなざしによって、冴え冴えとした空気が流れています。

 9月6日(土)からスタートする泉鏡花記念館開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」。
 平成の浮世絵師・山本タカト氏の描き下ろしイラスト約30点と、鏡花の原作の素材となった《稲生物怪録》関連資料でお届けする、記念館開館以来初めての「草迷宮」展です。

山本タカト「草迷宮」 『草迷宮』は自然主義文学全盛期の明治41年1月、逗子に転地療養中だった鏡花が春陽堂から書き下ろし出版した意欲作で、鏡花幻想譚の傑作。同年7月の談話「予の態度」でも、〈幼ない折時々聞いた鞠唄〉などの〈残酷〉な〈調節〉の〈何とも言へぬ美しさ〉から起こる〈譬へ様が無い微妙な感情〉によって生まれた作品であるとを語っているように、いわゆる〈現実〉を描かない作家として鏡花を批判する当時の文壇の流れをよそに、〈芸術の使徒〉としての自身のあり方を実作を通して表明した作品ともいえます。
 今回、この展覧会のメインビジュアルに選ばれたのは、タカト氏が最初に制作した、「草迷宮」全体のイメージを凝縮した口絵的な作品。手毬が乱舞するなか、魔の世界に生きる菖蒲と、今まさにふたたび生まれ出でて目覚めようとする明を描いた、まるで鏡花が生涯信仰した摩耶夫人像を思わせるような一作であり、今回の展覧会を象徴するにふさわしい一枚となりました。


 チラシの配布・設置は8月20日頃からの予定。通常より多く制作する予定ですが、「草迷宮」及び山本タカトファンの方はお早めにご入手ください。
 なお、月替わりで鏡花作品をご紹介しているMROラジオ「鏡花の時間」でお届けする8月の作品も、「草迷宮」を選ばせていただきました!毎週日曜(初回は明日3日)、午前9時からの放送です。こちらもどうぞお楽しみに♪
学芸員 

「金沢絃奏物語―泉鏡花の夕べ」

H26.08.01
 学芸員です。
 いよいよ8月に突入し、記念館では次回企画展どころか次年度展覧会の準備に着手する時節となりました。今月は自館も他館もイベント続き、しかも8日9日10日はなぜか全国各地で鏡花関連イベントが開催されるという特異日?となっています。

泉鏡花の夕べ  妻有のライブイベント「越後里山怪談」、高松の特別講演会「泉鏡花―旅から生まれた幻想小説」にひき続き、最後にご紹介するのは8日に金沢市内で開催される「金沢絃奏物語―泉鏡花の夕べ」です。
 チラシをご覧いただければ一目瞭然ですが、当館の企画で制作された中川学画『絵本 化鳥』をモチーフとするこのイベント。またまた残念ながら、日時ともに当館イベントとまるかぶりし、双方拝聴に伺えないという語るも涙の事態ですが(笑)、できるだけよき日を選んで開催し、多くの方に足を運んでいただきたいと思うのはみな同じ、こうなったら〝鏡花〟をキーワードにお互いにPRし合って盛り上げるしかありません。
 数ある演目の中でも、注目はやはり語りと演奏で聴く「化鳥」。中川学さんのイラストレーションで、耳だけでなく目にも楽しいイベントと伺っております。みなさま、ぜひ足をお運び下さい。

 イベントといえば。
 何やらまたまたかまって?欲しいらしい(笑)川向こうのジ○リー末雄(※ジュリーではありません)のところでも今夜、ナイトミュージアムが行われるとか。19時開演ということですので、ご関心のある方は残席をご確認の上、ぜひあちらにも足をお運び下さい。「きれい好き=猫に決まってる!」と、またまた本気で叱られそうでキョトキョトしているジェ○ーに会えるかもしれません……。

学芸員 

山本タカト「草迷宮」新作3点を展示しました!

H26.07.31
 学芸員です。
 本日二度目の更新は、現在も鋭意制作中の山本タカト画「草迷宮」の新作3点初展示のご案内です!

山本タカト 今回の描き下ろし作品は、「草迷宮」」から「手ぼう蟹の宰八と荷車に縛り付けられた嘉吉」「芋茎の葉の仮面の小児たち」、そして「川を流れてくる手毬を拾い上げる葉越明」。9月6日開幕の「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」を前にしての、最後の展示替えとなります。
 いつもより1点増えた3点の展示を見ているだけでも、ため息倍増のタカト作品。9月には総計30点もの作品が並ぶのかと思うと、企画した本人が高鳴る鼓動を抑えきれません。(笑)
 さらに、明日8月1日からは、昨年の「夜叉ヶ池」展の際に販売していた山本タカトデザインの手ぬぐい2種(黒/茶)と、当館所蔵のタカト画「夜叉ヶ池の白雪姫」(下絵/本画)のポストカードもミュージアムショップにて販売再開! こちらも秋の「草迷宮」展に向け、徐々に商品を増やしていく予定です。
 そして! お待ちかねの超美麗チラシもついにデザインが完成! お盆明けには各所に配布・設置予定です。チラシ裏面にはファン絶叫!のうれしいお知らせが記載されていますので、金沢市内や全国の各文化施設で見かけた際には、ぜひお手に取ってじっくりご覧ください。
 なお、金沢ナイトミュージアム2014の一環として行っている「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」のラストを飾る、9月7日(日)開催の山本タカト×窪田真弓のトークイベント「絵師として現代の鏡花本に挑む」の電話受付開始は8月19日(火)から。遠方の方にはチラシによる情報入手が間に合わないかもしれませんので、ここであらためてお知らせさせていただきます。
 現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」も残すところあと一ヶ月。みなさまにも続々と刊行される雪岱関連本を手に、展示室でその実物のすばらしさを今一度再確認いただいたうえで、平成の鏡花絵師による現代の鏡花本をご堪能いただければ幸いです。

学芸員 

「越後里山怪談」

H26.07.31
 学芸員です。
 7月最終日の本日も金沢は快晴! 雲一つない青空が広がり、真夏の気合いを見せています。夏休みということもあってか、徐々にご家族連れや学生さんのご来館も増えているようです。
 そして、明日からはいよいよ8月。
 市内各文化施設でも夏のイベント目白押し!ですが、当館でも8日9日の二日間、金沢ナイトミュージアム2014の一環として両日ともに夜間イベントを開催いたします。いずれもすでに満席ですが、17時~21時(入館~20時半)まで無料で展示をご覧いただけるほか、9日開催の野上裕章さんの一人語りは晴天時は屋外(中庭)での開催となり、予約なしの立ち見でご覧いただけます。また、8日9日ともに界隈は金沢燈涼会で賑わっておりますので、ぜひ足をお運びいただき、夜の浅野川・茶屋街の風情をご堪能ください。

越後里山怪談 そんななか、またまた届いた一枚のチラシ「越後里山怪談」
 一見、鏡花とは無縁そうなこのイベント。とはいえ、折角お送りいただいたので、時節柄、否応なく怪異度が増している館内チラシスタンドに設置しようと何気なく眺めていると、そこには「越後、里山、草迷宮」のフレーズが。
 聞けば公演中、「草迷宮」をはじめ、鏡花作品を朗読する一幕があるとか。里山で聴く「草迷宮」……亡き母が唄った手毬唄さがしにイソしむ、さすらいの美青年が登場したりするのかしら?……と、にわかにテンションが上がったものの、残念ながらこちらも当館のイベント開催日とまるかぶり。(笑)
 ご関心のある方は緑豊かな当地に赴き、代わりに上記の点につきましてお確かめいただければ幸いです。



 というわけで、8月某日は図らずも日本各地で鏡花三昧! お互いここまで日時が接近してはハッキリ言ってライバルですが(笑)、これもきっと何かのご縁。西日本にお住まいの方は四国・高松へ、東日本在住の方は越後・妻有へ、そして北陸3県はモチロン、その日は這ってでも金沢へ!……という熱意ある遠来の方は、ぜひぜひ泉鏡花記念館と金沢燈涼会へ足をお運び下さい♪

学芸員 

「怖くて不思議な文学展」

H26.07.29
 学芸員です。
 吹く風もさわやかでずいぶん過ごしやすかった昨日とは打って変わり、朝から強い日射しが照りつける一日となった金沢。うっかり涼を求めに?来てしまった外来の方は、思いのほか過酷な北陸の夏に衝撃を受けた際には、クールシェア実施中の文化施設に足をお運びください。
 そんな国書……じゃなかった、酷暑の中、〝鏡花の怪談はやっぱり秋冬でしょ♪〟……ということで、世の中の常識などどこ吹く風の記念館に、気づけばいつの間にかこんなチラシが届いていました!

怖くて不思議な文学展 菊池寛記念館第23回文学展「怖くて不思議な文学展」
 佐藤春夫の言葉とされる〝文学の極意は怪談である〟をテーマに、小泉八雲や夏目漱石、芥川龍之介から京極夏彦まで、怖い話を物した作家の自筆資料など、各作家の〝怪談エピソード〟とともにご紹介する企画展です。
 われらが鏡花も「木菟俗見」の自筆原稿が公開されているということで、数ある夏企画の中でも鏡花ファンにはおすすめの展覧会。なんと!8月10日(日)には鏡花研イチの鉄ちゃんこと田中励儀先生が「泉鏡花―旅から生まれた幻想小説」というタイトルでご講演されます! 演題を見る限り、鏡花がメインなのか、あるいは幻想小説がメインなのか、はたまた鉄話がメインなのか、甚だ怪しい感じはしますが(笑)、鏡花ファンにも、幻想小説愛好家にも、モチロン鉄ちゃんのみなさまにも、聞きどころ満載のご講演であるに違いありません。

 当館は自前のイベントと時期が重なり、拝聴に伺えず残念ですが、西日本―特に中国四国地方の方、よろしければ足をお運びいただいて、鏡花・幻想・鉄道のどれに最も熱が入っていたか、その耳でお確かめいただければと存じます。
 チラシといえば、当館の次回展覧会「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」のチラシデザインもいよいよ佳境。もう少しで思わず額に入れて飾りたくなる超美麗チラシをお目にかけることができそうです。
 また、展覧会に先駆け、当館ミュージアムショップにて山本タカトグッズを8月1日から販売再開!秋には〝驚きの鏡花本〟も登場予定の記念館、秋の開館15周年記念特別展に向け、泉鏡花×山本タカト×稲生物怪録ワールドへまっしぐら!です。
 ……というわけで、夏の怪談展で涼を満喫し英気を養ったあとは、秋の泉鏡花記念館で〝鏡花文学の極意〟をご堪能いただければ幸いです♪

学芸員 

8/8イベント5席追加です!

H26.07.27
 学芸員です。
 昨夜は日中からのたいへんな猛暑の中、盛大な花火大会が行われた金沢ですが、深夜からどしゃ降りの雨となり、この朝は少し暑さも和らいだように思われます。
 夏休みも始まり、金沢市の文化施設各所で続々と開催されております金沢ナイトミュージアム2014もいよいよ佳境。当館も8月8日9日の二日間、17時~21時(入館~20時半)まで夜間無料開館となるほか、各種イベントを開催いたしますが、先日、満席のお知らせをしました8日夜のトークイベント「妖怪から和本の世界に親しむ」のお席の追加が決まりましたのでお知らせします!

『初稿 山海評判記』 ご出演の神田神保町・大屋書房4代目の纐纈(こうけつ)くりさんは、古書好き、そして妖怪好きの間ではかなり著名な妖怪資料エキスパート。7月に発刊されたばかりの別冊太陽『妖怪図譜』にも「玩具になった妖怪たち」を寄稿されています。纐纈さんとは鏡花の姪で泉家の養女でもあり、当館の名誉館長でいらした故・泉名月氏からのお付き合い。当日はご所蔵品の中から貴重な妖怪資料を持参、参加者の方にご紹介いただける予定です。

 たいへん申し訳ないのですが、お席の追加は5席のみ。これがラストチャンスですので、開催時刻などイベント情報ページでご確認の上、記念館までお電話でお早めにお申し込みください。
 また8日9日両日は、浅野川界隈で金沢燈涼会としてさまざまなイベントが行われています。夜の浅野川・東山界隈をそぞろ歩くには絶好の機会。両日はぜひ、浅野川界隈で夜の金沢を満喫してください♪
学芸員 

二つの雪岱本

H26.07.25
 学芸員です。
 金沢は梅雨が明けそうで明け切らない、蒸し暑い日々が続いています。
 20日に開催し、大盛況のうちに終了しました「泉鏡花deビブリオバトル!」。金沢ナイトミュージアム2014HPでもレポートがupされました! 今年のナイトミュージアム、他館のものも含めてまだまだ続きます。開催日の多くは夜間無料開館となっていますので、今後もぜひ足をお運び下さい。

 さて、本日は昨日、書店販売に先駆けて届いた二つの雪岱本のご紹介です。

『初稿 山海評判記』 まずは、お待たせしました!(笑) 国書刊行会版『初稿 山海評判記』。この春まで当館でも企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』」複写画像でご紹介していた「山海評判記」初出時の雪岱挿絵約300点をすべて収録した、まさに文字通りの〝雪岱挿絵で読む「山海評判記」本〟です。横長のレイアウト枠という制約の中で絵と文の配置に工夫が凝らされた初出新聞紙上とは異なる形で、美麗な本(柳川貴代氏装幀)の中に収められた雪岱渾身の挿画1点1点をじっくり楽しむことができる一冊となりました。
 所蔵する初出掲載紙「時事新報」から今回の挿絵画像を提供された鏡花研究者の田中励儀氏および埼玉県立近代美術館で小村雪岱を担当する大越久子氏の解説、また当館で初公開した故泉名月氏旧蔵の草稿画像などを収録した別冊も付いて、研究資料としても価値の高い書籍となっています。

『小村雪岱―物語る意匠』 そして、もう一冊は解説を寄稿された大越さんによる『小村雪岱―物語る意匠』(東京美術)。あらゆるデザインの現場で活躍し、異彩を放った雪岱の画業の中でも、特に装幀と挿絵に焦点を当てて編集されたムック本。これまで展覧会開催にあわせて図録が制作されたり、美術誌で特集されたりすることが多かったものの、書店で入手可能な書籍が案外少なかった雪岱。これでより多くの方に雪岱の魅力に触れていただくことができそうです。

 いずれも7月末から8月初めには書店の店頭に並ぶ予定とのこと。当館ミュージアムショップでも販売を検討中です。お見かけの際には是非お手にとってご覧ください。
学芸員 

第1回「泉鏡花deビブリオバトル!」

H26.07.22
 学芸員です。
 梅雨明け宣言はまだのようですが、吹く風はなんとなくさわやかに感じる金沢です。
 さて、当館主催での初めての開催となった「泉鏡花deビブリオバトル!」。金沢ナイトミュージアム2014の一環として、夜の記念館という、いつもとは異なる雰囲気の中で行われたこともあってか、予想以上の盛り上がりとなりました!

泉鏡花deビブリオバトル! まずは今回の講師であるTokyo Biblio代表でビブリオバトル普及委員会の亀山綾乃さんによる、パワーポイントを使用してのたいへんわかりやすいレクチャーからスタート。本好きの間で話題の書評ゲームとあって、みなさんご関心が高いのか、実際の開催に向けて?の具体的な質問が続出。書店や図書館で行われることが多かったビブリオバトルですが、最近はカフェや居酒屋で食事やドリンクを楽しみながら開催されたり、趣味のお着物や浴衣姿で集まったりと、そのスタイルも多様化しているそうです。

泉鏡花deビブリオバトル! そして、いよいよ「泉鏡花deビブリオバトル」へ。
 今回は川向こうの例の館からの刺客による徳田秋聲の『黴』や、鏡花が神とも崇める師・尾崎紅葉の『金色夜叉』、そして人形作家・石塚公昭氏による鏡花原作のフォトブック『貝の穴に河童の居る事』、泉鏡花文学賞受賞作の篠田正浩『河原者ノススメ』という、初回とは思えないバラエティに富んだ選書で会場は大盛り上がり!一人5分のプレゼン後の質問タイムでは、作品の背景や、鏡花との関連性などさまざまな質問が飛びだしていました。

泉鏡花deビブリオバトル!泉鏡花deビブリオバトル! その後は観戦者全員が「読んでみたい!」と思った本に、一人一票ずつ投票。栄えある第1回「泉鏡花deビブリオバトル!」のチャンプ本に輝いたのは、なんと!このたび奥様のお仕事に合わせてこの金沢を新婚旅行の地に選び、旅の記念に出場してくださった亀山綾乃さんの旦那さまプレゼンの『貝の穴に河童の居る事』でした!(笑) 
 「一切、手心は加えませんよっ。」という奥さまとの、なかなか厳しい?ビブリオ生活を送っておられるという亀山さん(ご主人)。観戦者も幸せオーラのおすそわけをいただき、会場は自然と華やいだムードに。ご夫妻にとっても、よい思い出となれば幸いです♪

泉鏡花deビブリオバトル! 終了後は講師の亀山さんのアドバイスで、お茶とお菓子をいただきながらの交流タイム。公務で移動途中の山野市長が立ち寄られるというハプニングあり、実はSNSで以前からお知り合いだったという人たちあり……と、本好き&鏡花好きのみなさんのあらたな出会いもあって、大盛況のビブリオバトルとなりました。
 すでに次回のお問い合わせもいただいている「泉鏡花deビブリオバトル!」。記念館としてもそう遠くない時期に第2回を開催して、鏡花ファンのさらなる交流の場としていきたいと思います。
 最後になりましたが、たいへんご多忙の中、ご来場いただきました関係者のみなさま、本当にありがとうございました!
学芸員 

明日20日(日)は夜の鏡花記念館で『日本橋』と記念撮影の日です♪

H26.07.19
 学芸員です。
 出張&休暇を終え、明日のイベントに向け、鋭意準備中です。
 いよいよ明日となりました「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。おかげをもちましてすでに満席、キャンセル待ちの方へのご案内も終了しております。
 とはいえ、明日20日(日)はせっかくの夜間開館日、イベントに参加できなかった方も17:00~21:00(入館~20:30)まで入館無料で展示をお楽しみいただけるほか、上記時間帯にご来館の方、先着30名様にフォトサービス「あなたも文学青年・文学少女♪ 泉鏡花deおもいで写真館」(無料)を実施いたします!

フォトサービス 鏡花本の中でも最も人気の高い小村雪岱装幀の『日本橋』(複製版)を手に、館内の撮影スポットで文学青年or文学少女風に記念撮影をするというこの企画。レトロテーブルに紅葉先生のお写真とうさぎグッズを飾り、気分はすっかり〝鏡花宗〟で思い出の一枚を撮影することができます!
 ポラロイド撮影なので、お写真はその場でお持ち帰りが可能。かく言う学芸員も、ビブリオバトルの講師・亀山綾乃さんとともに20日夜は浴衣で過ごし、ばっちり記念撮影もする予定です(笑)。みなさまも、お着物やうさぎコスプレ?など、思い思いのお姿で記念撮影に臨んで下さいね♪ こちらは20日のナイトミュージアムタイムのみのサービスとなりますので、夜の浅野川&主計町散策とセットでぜひ足をお運び下さい。
 また、明日は月岡芳年「奥州安達ヶ原ひとつ家の図」も再展示。平成の浮世絵師・山本タカト画「草迷宮」とのコラボをお楽しみ下さい。
 それでは明日、昼も夜もたくさんのご来館お待ちしております!
学芸員 

まちめぐりクイズラリー 2014 はじまります!

H26.07.15
 
まちなかクイズラリー 2014 みなさん こんにちは^^   
 「クイズラリーに参加して記念品をGETしよう!!」
ということで・・・ ご案内させていただきます!

7月19日(土)~8月31日(日)までの期間
「まちめぐりクイズラリー 2014」 が開催されます。

 期間中、対象の文化施設でクイズに答えてスタンプを4つ以上集めると「石鹸&タオルセット」竹炭・椿油・緑茶のいずれか1つを差し上げます^^ ※たくさんの方に参加していただきたいこの企画、お一人様1回とさせていただきます。

 対象施設は当館の他に、寺島蔵人邸・金沢蓄音器館・安江金箔工芸館・金沢文芸館・徳田秋聲記念館。いずれの施設も当館から徒歩10分圏内ですので、1日で記念品GETも可能かもしれません^^
 そんな時は1DAYパスポート(510円)や連休もありますので3日間パスポート(820円)といった共通観覧券が断然オトク!となっております。この機会にぜひご利用くださいませ。
 
 ちなみに、クイズは初級・中級・上級からなっておりますので、初心者の方からマニアの方までみなさん楽しめるはずです^^
ご来館を心よりお待ちしております!



スタッフK 

あなたも文学青年・文学少女♪ フォトサービスのご案内

H26.07.13
 学芸員です。
 金沢は朝からしとしと雨。新盆が習いの金沢では本日、お墓参りに行かれる方も多いのではないでしょうか。先日、地元出身の方のお墓参りに野田山散策かたがたご一緒させていただきましたが、お墓の前に竿を渡して箱キリコを提げる様子に、〝えんじょもん(遠所者)〟ながら金沢の夏の風物詩を感じました。
 さて、7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」までいよいよ一週間となりました。当館では初めてとなるビブリオバトル。出場者&観戦者の方もドキドキかもしれませんが、主催者である当館はなお一層ドキドキしております。
 出場者は計4名。バトル本がかぶったらどうしよう?という主催者側の心配も杞憂に終わり、みなさんたいへん個性的で意表を突いた選書となりました! 当日のバトルはバラエティに富んだものとなりそうです。 お席はすでに満席ですが、ご予約いただいたみなさまはお楽しみに♪

小村雪岱装幀『日本橋』 なお、20日(日)は金沢ナイトミュージアム2014の一環として17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間開館、入館無料で展示をお楽しみいただけますが、折角の夜間開館、ご来館いただいたみなさまに何か記念になるものを……と考え、上記時間帯にご来館の方、先着30名様にフォトサービス「あなたも文学青年・文学少女♪ 泉鏡花deおもいで写真館」(無料)を実施します!
 鏡花本の中でも最も人気の高い小村雪岱装幀の『日本橋』(複製版)を手に、館内の撮影スポットで文学青年or文学少女風に記念撮影をするというもの。ポラロイド撮影なので、記念写真はその場でお持ち帰りいただけます。こだわり一枚を撮りたい方は浴衣やお着物でご来館いただくのもよいですね!


 繰り返しになりますが、フォトサービスは20日(日)17:00~21:00(入館~20:30)にご来館の方のみが対象となりますのでご注意ください。
 それでは雨の中ではありますが、本日もたくさんのご来館、お待ちしております!

学芸員 

8月8日9日イベントともに満席です!

H26.07.10
 学芸員です。
 二日間の猛暑日を経て、ふたたび曇り時々雨模様の金沢です。

兼六園山崎山 ちょっとお休みをいただき、金沢ゆかりの来訪者の方々とともに苔が見頃となった兼六園や、野田山周辺の史跡めぐりに行ってきましたが、金沢はまだまだ隠れた見どころがいっぱいであることを再認識いたしました。県外の方にも、涼しくて静かな文化施設めぐりとあわせて、各所お楽しみいただきたいものです。

←山崎山の上から苔の道を見下ろすの図


 さて、金沢ナイトミュージアム2014の一環として8月8日(金)開催する大屋書房4代目の纐纈(こうけつ)くりさんによるトークイベント「妖怪から和本の世界に親しむ」、おかげをもちまして満席となりました! 会場の都合で定員の拡大はございませんが、5名様までキャンセル待ちで受け付けておりますので、イベント情報ページでご確認の上、記念館までお電話ください。
 また、8月9日(土)開催の俳優・野上裕章さんの一人語り「絵本の春」。こちらもすでに満席となっておりますが、少しでもたくさんの方にご参加いただきたいという野上さんのご希望もあり、晴天の場合は屋外(中庭)での開催、予約なしの立ち見でもご覧いただけます。当日、こちらでもご案内しますので今後の情報にご注意ください。
 なお、8月8日9日は、両日ともに浅野川界隈では金沢燈涼会としてさまざまなイベントが行われています。当館も17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間開館(入館無料)しておりますので、イベントの事前予約ができなかった方も、ぜひ足をお運びいただきたく思います。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿44~

H26.7.9
お花  
今週のお花(7/7~)

・岩なんてん  ・たいまつそう ・ゆり
           
 生花ボランティア「グループ白」今回は谷口さんの作品です。いつもありがとうございます!
 大変ご無沙汰の更新となってしまいました^^;

 
 

 本日は、金沢最高気温34・8度・・・ とにかく暑い一日でしたね。そんな中、ご来館下さいました皆さまどうもありがとうございました。
さて、イベントページに更新させていただきましたが、8月9日(土)朗読「一人語り『絵本の春』」は満席となりました。当日、晴天の場合、屋外(中庭)での開催予定となっており立ち見でご観覧いただける予定です。詳しくは後日、またお知らせさせていただきます。

 では、明日もみなさまのご来館心よりお待ちしております!



スタッフI 

8月のナイトミュージアムのご案内。

H26.07.07
 学芸員です。
 金沢は連日雨模様。七夕の今日もあいにくの雨となり、織姫と彦星には少々気の毒ですが、金沢らしい、しっとりとした風情を味わえる一日となりそうです。
 7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。出場者の方も昨日6日(日)をもちまして募集を締め切りました。ご応募ありがとうございました! あとは当日に向けて着々と準備を進めるのみ。当館で開催する初めてのビブリオバトル。みなさんに楽しんでいただけるものにしたいと思います。
 さて、本日はまだまだ続く金沢ナイトミュージアム2014の中から早くも次々回、8月のナイトミュージアムのご案内。8月8日(金)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第3弾「妖怪から和本の世界に親しむ」、講師は東京・神田古書街の大屋書房4代目、纐纈(こうけつ)くりさんです!

百鬼徒然袋 大屋書房は江戸時代の和本や浮世絵の専門店として知られる老舗。4代目のくりさんは、これらの資料の魅力に世代を超えて触れてもらうため、老若男女に親しみやすい〝妖怪〟をテーマに資料を蒐集、同店発行の「妖怪カタログ」は妖怪関連資料図録としても注目の高い一冊です。

←鳥山石燕「百鬼徒然袋」大屋書房蔵


 古書業界のホープとして多忙な毎日を送る纐纈さん。ふだんのお仕事内容や和書の楽しみ方、貴重な妖怪資料のことなど、秘密のヴェールならぬ青簾の向こう側のような古書店ならではのお話を伺う予定です。かなりハードなスケジュールの中、ご来沢いただけることになりましたので、みなさまふるってご参加ください。
 そして翌8月9日(土)は毎年恒例となった俳優・野上裕章さんの一人語り。今回の作品は大正15年、鏡花53歳の年に発表された短篇「絵本の春」です。
 昼は見えない怪しい貸本屋の美しい女からもらった草双紙は、いつしか少年のふところから消え失せて……。鏡花の幼少時を思わせる少年を主人公とする不思議な物語を、野上さんが七色の声で語ります!
 非日常の美しい女性はモチロン、今回特に注目なのは、少年にコワい伝説を話して聞かせる、昔、一度死んで生き返ったという〝おばさん〟。人並みはずれた存在でありながら、あどけない少年を前に人間味あふれる一面を見せるこの女性を野上さんがどう演じるのか、とても楽しみです。
 いずれも受付開始は7月8日(火)から。開演時間など、イベント情報ページでご確認の上、お電話で記念館までお申し込みください。
学芸員 

ビブリオバトル出場者受付は明日6日までです!

H26.07.05
 学芸員です。
 梅雨の晴れ間のような本日の金沢ですが、油断は禁物。特に県外の方、〝弁当忘れても傘忘れるな〟の金沢です。ご来沢の際にはくれぐれもご注意ください。
 さて、7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。すでに観戦者は満席(※キャンセル待ちも終了しました)ですが、出場者は明日6日(日)まで募集しております!
 生家跡地にある記念館での初めてのビブリオバトルで、見事チャンプ本に輝いて、かわいいうさぎトロフィー硝子製ペーパーウエイト)と大人気の雪岱装幀鏡花本『龍蜂集』柄のブックカバー(京都・便利堂製)をGet!しませんか?詳細はこちらのチラシでご確認の上、メールかFAXでお申込ください。

小村雪岱 前述のように、今回、当館では初めての開催となる「泉鏡花deビブリオバトル!」。講師の亀山綾乃さん(Tokyo Biblio代表/ビブリオバトル普及委員会)からさまざまなアドバイスをいただきつつ、着々と準備を進めています。画像はこれまでに刊行されたビブリオバトル関連の書籍。これらの執筆者・監修者である谷口忠大氏が2007年に発案、その後、回を重ねて全国的に普及し、その開催状況はビブリオバトル普及委員会の公式HPでもひと目で確認できます。
 記念館がある金沢市内でも、石川県立図書館や金沢大学附属図書館などで定期的に開催されており、県立図書館さんからは8月22日(金)に「こわい話」をテーマとするビブリオバトルを開催します♪とのご案内もいただいています。
 「泉鏡花deビブリオバトル!」についても、早くも次回の開催はいつ?とのお問い合わせをいただいておりますので、20日の初ビブリオバトルをみなさんにお楽しみいただいたうえで、以降につなげていけたら……と考えています。
 なお、20日(日)は金沢ナイトミュージアム2014の一環として17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間開館、入館無料で展示をお楽しみいただけます。
 また、夜間開館中にご来館の方に、思い出に残るあるサービスも検討中。詳細が決まりましたら、こちらでもお知らせいたします。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

小村雪岱装幀『紅梅集』扉案について

H26.07.04
 学芸員です。
 ここ数日、雨天が続きではありますが、金沢らしさを取り戻したようで、かえって何やらほっとするから不思議です。
 さて開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。本日付の読売新聞の朝刊に雪岱装幀による鏡花の作品集『紅梅集』の扉デザインについて、大きく取り上げていただいています。

小村雪岱 まさに〝紅梅〟を思わせる一面ピンクのデザイン案。実際に採用されたのは、「紅梅集」のタイトルと、細い枠線のみのシンプルなものですが、さすがは雪岱さん、こんな大胆なデザインの構想もお持ちだったようです。
 記事に少々補足をさせていただければ、泉名月さん旧蔵の鏡花の遺品と思われるものの中から、ここ数年来の調査を通して今回のような装幀関係、特に制作過程の校合摺や校正紙などが大量に確認され、特にこれまで数が少なかった小村雪岱関係のものが多数、発見されています。
 また、明治40年といわれる鏡花との出会いを経て、『日本橋』(大正3)を皮切りにもっとも信頼される装幀家の一人として、その後も公私ともに交流を重ねて数々の鏡花本を手掛け、作品を読み込んだ上での微細な、そしてまるで映画のワンシーンのように印象的な場面として絵画化した雪岱でしたが、二人の住居が同じ麹町区内で接近したのは昭和に入ってからのこと。昭和4年に「時事新報」に連載された鏡花の「山海評判記」連載時に挿絵を担当した雪岱は、毎日のように鏡花と顔を合わせていたと自ら記しています。
 雪岱作品収蔵館である埼玉県立近代美術館では「リサーチ・プログラム:小村雪岱をめぐって」として、現在、雪岱の貴重な新資料とともに当館制作の山海タペストリーを8月31日(日)まで展示中、また今月25日には国書刊行会から『初稿 山海評判記』も刊行されます。
 今年も是非、鏡花×雪岱の名コンビにご注目ください♪ 
学芸員 

『初稿 山海評判記』

H26.07.02
 学芸員です。
 本当に梅雨とは思えない好天続きの金沢ですが、本日は夕方からは雨の予報、またその後も週末までぐずついたお天気となる模様です。ご来沢予定の方は、くれぐれもご用心ください。
 さて、みなさんお待ちかねの国書刊行会版『初稿 山海評判記』。このほど同社のサイトに書影が出ましたのでお知らせします。

山海評判記 どこか、雪岱好みを思わせる色合いの箱にさわやかな白い帯。よくよく見ると題字の横に〝例のモノ〟が飛んでいます。実は過日、国書さんを来襲した際にちょっぴりみせていただいていた装幀プラン。どこか『辰巳巷談』初版本を思わせるデザインで、箱はモチロン、本体もまさしく雪岱本。史上初の「山海評判記」単行本は絶対にウチから出す!という国書(の某)さんの意気込みが伝わる、こだわりの装幀です。
 言わずもがなの国書価格(笑)ですが、初出紙「時事新報」を元にした雪岱の全挿絵入りの本文のほか、別冊には専門家2氏による解説、校異、さらに当館で調査、初公開した草稿画像も収録とあっては、研究書としてはモチロン、〝現代の鏡花本〟としてもけっして惜しくはありません。
 刊行日は7月25日(金)。聞くところによれば、寄稿者への地獄の催促?で編集作業にイソしんだとか。その甲斐あってか、なんとか「山海評判記」連載開始月である7月中に間に合ったようです。当館でも知らぬ間に開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」のケースの一角を彩っているかも知れません。
 また、埼玉県立近代美術館では「リサーチ・プログラム:小村雪岱をめぐって」として、当館制作の山海タペストリーの展示がすでに開始されています。こちらは8月31日(日)まで。国書本に負けず劣らず?見応えのある展示物です。
 そんなわけで、今夏も大注目の鏡花作、雪岱描く「山海評判記」。ぜひお手にとって&足を運んでご覧ください♪
学芸員 

鏑木清方「註文帖画譜」

H26.06.30
 学芸員です。
 朝からさわやかな青空を見せている金沢。吹く風も心地よく、散策日和の一日となりそうです。
 先週末、鎌倉市の鏑木清方記念館副館長で学芸員の宮﨑徹さんをお迎えして関連講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」を開催した当館。当日は透き間なく椅子が列べられていた土蔵ですが、現在は宮﨑さんにもご紹介いただいた鏡花作、清方描くの「註文帖画譜」の展示スペースとなっています。

鏑木清方 「註文帳」は明治34年発表の鏡花の怪談小説。男との心中に失敗し、独り命を落とした吉原の遊女・浮舟の因縁で、男の甥にあたる青年・欽之助と、吉原の妓楼の娘・お若が、浮舟の念を引き継いだかのように雪の吉原界隈を舞台に無理心中に至る物語。昭和2年、清方はこの作品を素材に「註文帖」として全13画(紙本墨画淡彩)を制作、昭和10年には内8画を普及版として木版制作しています。(今回の展示ではスペースの都合上、1画分を割愛しています。)
 先週の宮﨑さんのお話によれば、本画の方で描かれた酔い乱れる憲兵の様子が、版画の方では削除されており、おそらく何らかの指導を受けたことで清方が制作意欲を失い、8画で止まってしまった可能性もあるとのこと。一つの芸術作品の誕生にもさまざまな背景があるものですね。
 「鏡花本」という範疇からは少しはずれるため、開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の本展示の候補からは外した「註文帖画譜」ですが、宮﨑さんのご講演にあわせて先週土曜日から7月18日(金)まで展示しています。この展示スペースのみ、無料でご覧いただけますので、お近くにお越しの際はぜひお立ち寄りください。
学芸員 

講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」

H26.06.29
 学芸員です。
 金沢は昨日今日と時折、ようやく梅雨らしい?というには少々激しすぎるような雨にみまわれています。
 現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の関連講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」が開催された昨日も、お昼ごろからどしゃぶりの雨。でも、これは致し方ありません。泉鏡花記念館にとって大事な方が訪れる日には必ず天候が荒れに荒れるという、当館のジンクス通りの現象なのですから。
 さて、ご多分に漏れず、降り出した雨とともに来館された講師の鎌倉市鏑木清方記念美術館副館長兼学芸員の宮﨑徹さん。着くなり、「写真撮ってきていい?」と久保市乙剣宮や浅野川沿いなど鏡花ゆかりの地を取材。自館の展覧会のみならず、外部の清方展へのご協力や関連書籍の刊行にも多数かかわっておられる宮﨑さん。〝いったい、いつ寝てるんだろう?学芸員〟ランキングがあるとすればかなりの上位は間違いない方ですが、その寸暇を惜しまぬお仕事ぶりを目の当たりにして、清方館図録の充実ぶりにも納得がいった次第です。

鏑木清方 そんな宮﨑さんですから当然、講座の方も手抜きなし。ひょっとしたら以前にご自身の講座を受けられた方も参加されているかも……と、すでに作りはじめていた講演内容を組み換え、鏡花&清方ゆかりの地を取材しての最新画像を交えたニューバージョンをご披露。清方のおいたちから両者の交流、そして日本画家としての道を歩み始めた清方の画人としての姿勢など、緻密な調査と取材に基づきつつ、初心者の方にも大変分かりやすくお話しいただきました。
 途中、この日のために会場で特別に展示した鏡花の小説「註文帳」を題材とした清方画「註文帖画譜」にも触れていただく一幕もあり、ご来場のみなさまにとっても清方の魅力と宮﨑さんの情熱にどっぷりつかった90分となったのではないでしょうか?
 なかなかご多忙で10年ぶりくらいのご来沢のようでしたが、北陸新幹線が開業すれば金沢‐鎌倉は乗り換えを含めても3時間半ほど。ぜひまた機会を見て宮﨑さんにご登壇いただきたいですし、みなさまにも鎌倉の清方館へ足を運んでいただきたいですね。
 ブログを更新している間に、雨も一段落ついたようです。昨日に引き続き、本日もたくさんのご来館お待ちしております!
学芸員 

物怪録な日々。

H26.06.26
 学芸員です。
 梅雨とは思えない好天続きの金沢。雨模様も素敵ですが、やはり晴れの日はフットワークも軽くなり、学芸業務も幾分スムーズに進むような気がするから不思議です。
 7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。出場者の方もぼちぼちお申込みいただいています。7月6日(日)まで受付中ですので、こちらのチラシでご確認の上、メールかFAXでご応募ください。
 さて、現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」も開幕から1ヶ月が経ち、おだやかな日々を送っているかのような記念館ですが、水面下では次回企画展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」の準備が着々と進んでおります。

龍蜂集 平成の浮世絵師・山本タカト氏による幻怪妖美な描き下ろし挿画数十点とともにご紹介する鏡花の怪奇幻想文学の代表作「草迷宮」。亡き母が唄った手毬唄を探し求めて秋谷屋敷にたどり着いた主人公の青年・葉越明を襲う怪異の数々が、広島県の三次を舞台に発生し、さまざまな形態で伝承されている《稲生物怪録》を素材としていることはよく知られています。諸本を系統別にまとめた参考書も充実していて、読んでも読んでも飽きることのない日々です。

 すでに金沢ナイトミュージアム2014の一環としてご案内している山本タカト氏のトークショーに加え、会期中は《稲生物怪録》研究の権威による特別講座も開催予定。鏡花×タカト×物怪で3重にお楽しみいただける展覧会をめざして、ただいま奔走中です。
 怪談オンシーズンが終わった頃にやってくる、秋の夜長の物怪展。どうぞお楽しみに♪
学芸員 

小村雪岱装幀『龍蜂集』

H26.06.24
 学芸員です。
 曇り空に時折日が差すお天気となっていますが、日が落ちるとひんやりとした川風が吹く肌寒い夕べとなります。金沢にお越しの方は薄い羽織りものを一枚ご準備いただいた方がよさそうです。
 7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。観戦の方は金沢市外、県外の方からもお申込みいただき、おかげをもちまして満席(ただしキャンセル待ちで5名様まで受付中)となっておりますが、出場者の方は7月6日(日)までひき続き受付中です。こちらのチラシでご確認の上、ふるってご応募ください。
 さて、ビブリオバトル普及委員会から講師としてお迎えする亀山綾乃さんのご厚意で、当館からの記念品であるうさぎトロフィー(硝子製ペーパーウエイト/非売品)のほかに副賞として授与される『龍蜂集』のブックカバー(布製/京都・便利堂)。その原本である『龍蜂集』は大正12年3月、春陽堂から刊行された小村雪岱装幀の羽二重装の鏡花本です。

龍蜂集 クジャクやハト?その他、さまざまな鳥が草花とともに配された雪岱流花鳥の図。90年前のものとは思えない、現代でも今すぐ手元に置きたくなるような愛らしいデザインで、鏡花本の中でも世代を超えて人気の高い一冊です。現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」でももちろん展示中。ずらりと並んだ全25冊の雪岱装幀鏡花本の中でも、群を抜く可愛らしさで来館者の眼を釘づけにしているようです。

 今回の副賞となる便利堂製のブックカバーは、やはり雪岱作品を多数収蔵する京都・三年坂美術館の所蔵品をもとに作られたもの。仕様等は便利堂さんHPでご確認ください。(※亀山さんが代表を務めるTokyo BiblioのTwitterでもご案内いただきました。とても素敵なブックカバーです♪)
 また、開催日の7月20日(日)は、当館2回目のナイトミュージアムの日。17:00から21:00(入館~20:30)までは無料で展示をご観覧いただけます。ほかにもご来館の記念となるサービスを検討中ですので、ぜひお立ち寄りください。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

ビブリオバトル・チャンプ本の記念品がきまりました♪

H26.06.21
 学芸員です。
 本日の金沢はまずまずのお天気、夕方には雨とも聞きますが、開館中はなんとかもちそうです。
 7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。観戦申込の方は残り1席となりました! 満席以降はキャンセル待ちでの受付となります。今回は会場の都合で定員の拡大はございませんので、ご希望の方はお早めに記念館までお電話ください。※観戦者は定員に達しました。ありがとうございました!(6/21)
 さて、鏡花と作品への熱い思いを語る出場者の方ですが、こちらは7月6日(日)までひき続き受付中です!当館としては初の試みとなる「泉鏡花deビブリオバトル!」。開催まで1ヶ月を切り、ビブリオバトル普及委員会から講師としてお迎えする亀山綾乃さんともいろいろご相談しながら準備を進めるなか、みごと今回のチャンプ本に輝かれた方にお贈りする記念品と副賞が決定しましたので、お知らせいたします。

ビブリオバトル 記念品は館オリジナルうさぎトロフィー(硝子製ペーパーウエイト/非売品)、そして当館での初めてのビブリオバトルを記念して亀山さんから特別に贈られる副賞は、小村雪岱装幀の鏡花本の中でもその愛らしさで人気の高い『龍蜂集』のブックカバー(布製/京都・便利堂)です!
 いうまでもなく、うさぎトロフィーは鏡花のうさぎグッズ蒐集癖に、『龍蜂集』ブックカバーは現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」にちなんだもの。いずれも今回のビブリオバトルにふさわしい記念品となりました。亀山さん、ありがとうございます♪ 観戦者で申し込んだけど、折角だし出場しようかな?という方、大歓迎です! こちらのチラシでご確認の上、お申し込みください。
 当館のイベントに初めてご参加される方からのお申込も多い今回のビブリオバトル。みなさん、どのような催しなのか、興味津々のご様子。ビブリオバトル普及委員会HPのトップページの下の方で、ほっこりするBGMとかわいらしいイラストで開催のルールやマナーなどがわかりやすく解説されていますので、よろしければご覧になってみてくださいね。
 それでは本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

ビブリオバトル、残席わずかです!

H26.06.20
 学芸員です。
 朝から薄曇りの金沢ですが、雨の予報はないので、かえって散策向けの一日となりそうです。
 7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。本好きの方の間で話題のコミュニケーションゲームということでご関心も高いのか、おかげをもちまして観戦申込の方は残り5席となりました! 出場者の方は7月6日(日)までひき続き受付中です! こちらのチラシでご確認の上、ふるってご参加ください。
 さて、来週27日(金)までとなりました金井田英津子原画展。翌28日(土)には鎌倉市鏑木清方記念美術館から副館長兼学芸員の宮﨑徹氏をお招きしての講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」(※満席です)が開催されますが、これにあわせて清方画の「註文帖画譜」を展示します!

小村雪岱 明治34年発表の泉鏡花の小説「註文帳」は、冬の吉原を舞台とする鏡花の怪異譚。現在開催中の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」で展示中の小村雪岱装幀『愛染集』の有名な表見返しも同書の収録作品である「註文帳」のワンシーン・おはぐろ溝の雪道に現れた遊女の霊を描いたもの。雪岱作品の中でも愛好家の間で評価の高い一枚です。清方画「註文帖画譜」にも同じ場面があるので、両者を見比べて清方・雪岱それぞれの画風の違いを楽しむのもいいですね。

 鏑木清方「註文帖画譜」は6月29日(日)からビブリオバトル前日の7月19日(土)まで展示予定。なお、上記講座開催日の6月28日(土)は会場設営の都合上、講座参加者限定のご鑑賞スペースとなりますのでご注意ください。
 それでは今週末もたくさんのご来館、お待ちしております♪
学芸員 

7月の3連休は金沢へ!

H26.06.19
 学芸員です。
 すでに受付を開始しております7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。ビブリオバトル普及委員会からTokyo Biblio代表の亀山綾乃さんを講師にお迎えしてのレクチャーの後、泉鏡花をテーマとするビブリオバトルを開催、鏡花好きのみなさんの交流の場とさせていただきたく思います。観戦の方はすでに残席10を切りました! 出場者はあと数名お申込いただきたいところです。観戦希望の方はお電話で、出場希望の方はメールかFAXでの受付となります。こちらのチラシでご確認の上、どしどしお申し込みください。

金沢ナイトミュージアム2014 さて、7月19日(土)20日(日)21日(祝)の3連休の中日となるこの日、当館では上記イベント開催に合わせて17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間開館、無料で展示をご覧いただけます!ほかにもせっかくの夜の記念館ご来場の記念になるモノを計画中です。詳細につきましてはもうしばらくお待ちください。
 また、金沢ナイトミュージアム2014の一環として19日、21日は他館でも夜間開館&イベントを開催、特に21日夜は湯涌温泉であの“ぼんぼり祭り”の点灯式も行われる予定です。
 来年3月に北陸新幹線開業を控えた金沢。
 この7-8月は開業前の北陸の旅情を味わえる最後の夏です。
 7月のご予定がまだ決まっていない方は、ぜひ各種イベントへのご参加にあわせて金沢へお越しください♪

学芸員 

「山海評判記」首都圏進出です!

H26.06.17
 学芸員です。
 本日から受付を開始いたしました7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。ビブリオバトル普及委員会からTokyo Biblio代表の亀山綾乃さんを講師にお迎えしてのレクチャーの後、泉鏡花をテーマとするビブリオバトルを開催いたします。観戦はお電話で、出場はメールかFAXでのお申込みとなります。詳しくはこちらのチラシでご確認ください。
 さて、本日は待望の〝例の本〟のご案内です。いえいえ、最近ちょっとあらくれたらしい川向うの館の〝よからぬ本〟ではありません。そう、冬の展覧会以降、お問い合わせ続々の『初稿 山海評判記』by国書刊行会です!
 昭和4年7月2日から11月26日まで、「時事新報」夕刊で125回にわたって連載された同作の、小村雪岱による全挿絵&タイトルカット約300点をすべて収録した夢の鏡花本。さすがはアノ国書さん、本当にやってしまいました。(笑)
 刊行予定日は7月20日とのこと。なんと!当館のビブリオバトルと同じ日です。すでに予約販売の受付も開始しているようですので、できたてほやほやの超豪華山海本を携えて壇上に立つ強者もいるかもしれません。
 そして、「山海評判記」に関してもう一つうれしいお知らせが! 雪岱作品収蔵館としても知られる埼玉県立近代美術館の常設展示室で6月14日(土)からMOMASコレクションとして「リサーチ・プログラム:小村雪岱をめぐって」が始まっていますが、なんと!21日(土)からは当館の山海タペストリーが出張展示されます。

山海評判記  国書刊行会さんのご協力を得て雪岱による「山海評判記」の挿絵&カットをすべてを拡大プリントし、全125回分のあらすじと引用文で解説した当館渾身の展示品。原画が現存しないゆえの新聞原紙からの複写プリントですが、画像はかなり鮮明で、また大きく引き伸ばしている分、雪岱さんの行き届いた挿絵のすみずみまで確認することができます。

←当館での展示風景です。

 当館企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」の際に金沢まで行けなくて見逃した!という方。あまりに大量なので、さすがの埼玉近美さんでも全点展示は難しいかもしれませんが、ひとめご覧いただければその魅力を確認したうえで安心して国書本をお買い求めいただけるかと思います。
 埼玉県立近代美術館「リサーチ・プログラム:小村雪岱をめぐって」は、当館の企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」と同じく8月31日(日)まで。ほかにも初公開の雪岱資料も展示されています。ぜひ足をお運びください♪

学芸員 

ビブリオバトル明日から受付開始です!

H26.06.16
 学芸員です。
 金沢は本日も朝から晴天、散策日和ということでしょうか、リュック姿のお客さまにたくさんご来館いただいています。
 さて、7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。ビブリオバトル普及委員会からTokyo Biblio代表の亀山綾乃さんを講師にお迎えしてのレクチャーの後、実際に泉鏡花をテーマとするビブリオバトルを開催するというもの。出場してみたいけれども、どんな本でもokなのかな?と迷っておられる方、〝泉鏡花〟に関わる本であれば、ホントに何でもokです!

ビブリオバトル本  鏡花作品収録本はもちろん、例えば鏡花作品を原作としたり、鏡花自身が登場するコミックやライトノベル、ゆかりの作家・画人の著作・画集や、雑誌の鏡花特集号など、ご自身が「これ、おもしろかった!」「この作品が一番好き♪」「この本がとても参考になった。」などなど、鏡花関連のお気に入りの一冊をみなさんにご紹介ください。「人前で話すのが苦手で……。」という方も大丈夫。ご本人の思いのこもったお話って、たどたどしくても興味をひかれたり、心に響いたりするものです。

 もちろん、ビブリオバトルってどんなものか、一度見てみたい!という方は、聴講希望でお申込み下さい。自分が知っていた本、知らなかった本をほかの方がどんなふうに読んでどう感じているのか、きっととってもわくわくする時間となります。
 観戦・出場ともに受付は明日6月17日(火)から。観戦はお電話で、出場はメールかFAXでのお申込みとなります。詳しくはこちらのチラシでご確認ください。
 たくさんのお申込み、お待ちしております!
学芸員 

やってみようビブリオバトル!

H26.06.15
 学芸員です。
 金沢は朝から晴天となり、さわやかな青空が広がっています。
 さて、地元各紙でもご紹介いただきました7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」。ビブリオバトル普及委員会からTokyo Biblio代表の亀山綾乃さんを講師にお迎えしてのレクチャーの後、実際に泉鏡花をテーマとするビブリオバトルを開催するという、とても楽しいイベントです。

ビブリオバトルのやり方  ビブリオバトル―知的書評合戦とは、1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まり、2.順番に一人5分間で本を紹介、3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行い、4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準として参加者全員で投票、最多票を集めたものを〝チャンプ本〟とする、本好きの方たちの間でいま大注目のコミュニケーションゲーム。上の図は東京都立多摩図書館さん作成による、とってもわかりやすい解説図。クリックすると大きくご覧いただけます♪
 プレゼンのあと、投票でチャンプ本を決めるゲームですから出場者と観戦者が必要。みなさんのご参加とご協力があってはじめて成り立つイベントです。
 観戦&出場のお申込みは6月17日(火)から。観戦はお電話で、出場はメールかFAXでのお申込みとなります。詳しくはこちらのチラシでご確認ください。
 それでは、本日もたくさんのご来館お待ちしております!
学芸員 

泉鏡花deビブリオバトル!

H26.06.12
 学芸員です。
 本格的に梅雨突入!となり、朝からしとしと雨模様の金沢です。でも、少し気温が下がり、過ごしやすい一日となっています。
 10日から受付を開始いたしました6月28日(土)開催の企画展関連講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」はつい先ほど定員に達しましたので募集を終了させていただきます。たくさんのお申込み、ありがとうございました! 講師の宮﨑徹鏑木清方記念美術館学芸員もはりきってご準備くださっているようです。ご参加される皆さまは楽しみに当日をお待ちください。
 さて、本日はさっそく次々回イベント、7月20日(日)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」のご案内です。講師はTokyo Biblio代表でビブリオバトル普及委員会の一員として各地でご活躍中のビブリオバトル界のエース・亀山綾乃さんです。

泉鏡花deビブリオバトル!  ビブリオバトル―知的書評合戦とは、1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まり、2.順番に一人5分間で本を紹介、3.それぞれの発表の後に参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行い、4.全ての発表が終了した後に「どの本が一番読みたくなったか?」を基準として参加者全員で投票、最多票を集めたものを〝チャンプ本〟とする、というもの。学校や公共図書館をはじめ、書店やカフェなどを会場に全国的な広がりを見せている、いま本好きの間で大注目のコミュニケーションゲームです。
 亀山さんは昨年の鏡花生誕140年事業の際にも、東京の千代田図書館で「泉鏡花deビブリオバトル」の開催をアシストして下さった方。また、都内書店主催のビブリオバトルではご自身も出場者として『絵本 化鳥』をプレゼン、みごとチャンプ本に輝いたご経験もおありです。
 
   ↑クリックするとPDFでご覧いただけます。

  7月20日のイベントでは、まず亀山さんに「人を通して本を知る、本を通して人を知る」をテーマにご講演いただいた後、実際に泉鏡花をテーマとするビブリオバトルを開催します! 聴講&出場ともに募集受付開始は6月17日(火)から。詳しくは上記チラシをクリックしてご確認ください。
 当館で初めて開催する、泉鏡花をテーマとするビブリオバトル。ビブリオバトル普及委員会公認のものとしても千代田図書館に続き全国で2例目です。これをきっかけに鏡花好きの輪が広がるとよいですね。
 「鏡花が好きなのに、周囲に語り合える人がいない……。」という、遠方からの来館者のお話を伺い、企画したイベントです。7月の3連休の中日でもあります。金沢市内、石川県内はもちろん、県外の方も金沢旅行とセットで参加してみませんか? 鏡花の生誕地で鏡花愛を熱く語る絶好のチャンスです。たくさんのお申込みをお待ちしております。
学芸員 

〈幻想文学大全〉お買い上げの方にポストカードセットプレゼント!

H26.06.10
 学芸員です。
 本日より受付を開始いたしました6月28日(土)開催の企画展関連講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」。さすがは清方作品の生き字引・宮﨑徹鏑木清方記念美術館学芸員のご出講とあって、あっという間に残席わずかとなりました。昨年の鏡花生誕140年関連企画として東京・千代田図書館で行われた講演会では、聴講者の方から「もっとたくさんお話が聴きたかった!」とのご意見が多数寄せられたという宮﨑さん。事実上、同館で開催中の同タイトルの特別展の出前講座でもあるという、ぜいたく極まりないひとときです。今回は残念ながら会場の都合で定員の拡大はございません。聴講希望の方はイベント情報ページでご確認の上、記念館までお電話でお申込み下さい。
 さて、その宮﨑さんの講座の前日に当たる27日(金)まで開催の金井田英津子原画展。6日のナイトミュージアムで軽妙かつ熱意あふれるトークを繰り広げてくださった東雅夫さんと喜入冬子さんコンビによるちくま文庫の〈幻想文学大全〉シリーズの装画(原画)7点を展示中ですが、このたび筑摩書房の喜入さんのご厚意で同コンビによる前シリーズ〈文豪怪談傑作選〉の金井田装画ポストカードをご提供いただきました! そこで、当館ショップにて販売中の〈幻想文学大全〉シリーズをお買い上げの方に、筑摩書房さん特製ポストカードセット1組をプレゼントさせていただきます!

金井田英津子ポストカード ポストカードは左の5種類の絵柄からランダムに選ばれたカード3枚をセットにして、〈幻想文学大全〉シリーズから1冊をお買い上げにつき1組プレゼント! 数に限りがありますので先着10名様までとさせていただきます。〈文豪怪談傑作選〉の表紙を彩ったお気に入りの一枚がゲットできるかもしれませんよ。
 期間は原画展開催中の27日(金)まで。ただし、ポストカードがなくなり次第、終了となります。

 不思議な不思議な金井田ワールド。 ぜひともお待ち帰りしたい!という方はお早めに。
学芸員 

講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」の受付が始まります!

H26.06.09
 学芸員です。
 福島県二本松市にある「安達ヶ原の鬼婆」伝説に由来する月岡芳年の名作「奥州安達原ひとつ家の図」の限定展示は昨日で終了いたしました。次回の展示日は「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」の開催日である7月20日(日)、17:00~21:00(入館~20:30)まで入館料は無料となるナイトミュージアムの日です。未見の方はもちろん、一度ご覧になった方も夜の記念館での怪しい名画との対話を楽しみに、ぜひ足をお運び下さい。
 さて、本日はそんな数々の名作を遺した浮世絵師・月岡芳年の孫弟子であり、鏡花の生涯の盟友であった日本画家・鏑木清方に関する講座「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」のご案内です。
 講師は鎌倉市雪ノ下の清方の終の棲家跡に整備されている鎌倉市鏑木清方記念美術館副館長の宮﨑徹さん。本画はモチロン、下絵や習作も含めて国内有数の清方作品収蔵館の学芸員として、清方を知り尽くした方です。

鏑木清方 同館では現在、特別展「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」を開催中。つまり、遠く離れた鎌倉で開催中の展覧会のお話を、鏡花とのかかわりに触れつつ、金沢の当館で聞けてしまうという、とってもぜいたくな講座です。
 開催日は6月28日(土)13:30~15:00、聴講の募集受付開始は明日6月10日(火)から。今回は館内の土蔵で行うため、定員はきっかり25名さままでとなっておりますので、イベント情報ページでご確認の上、お申し込みはお早めに。

学芸員 

ナイトミュージアム第1弾終了しました!

H26.06.08
 学芸員です。
 6月6日夜のトークイベント「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」では、たくさんのご来場をいただき、ありがとうございました! 当初25名で募集したところ、応募多数のため急遽近隣施設にスペースをお借りして開催、40名を超える方々にご参加をいただきました。また17:00以降、観覧無料となった夜間開館もあわせ、198名もの方々にご来館いただきました。浅野川で行われた加賀友禅燈ろう流しも、今年は水が少ないせいかゆったりした流れでしたが、その分燈籠の滞留時間も長く、打ち上げ会場となった主計町の町家からは思わず歓声があがるほどの幻想的な風景を堪能できました。ご来場いただきました皆様をはじめ、たいへんお忙しい中ご出演くださいました東雅夫さん、喜入冬子さん、そして観客としてご参加くださっていたにもかかわらず、ご自身の画業と本づくりとのかかわりについてこころよくコメントしてくださった金井田英津子先生、波津彬子先生、中川学さん、本当にありがとうございました! このイベントの模様は、金沢ナイトミュージアム2014公式HPでも近々upされることと思いますので、どうぞお楽しみに。

金井田英津子原画展 なお、東さん×喜入さんコンビによるちくま文庫の〈幻想文学大全〉等の金井田先生による装画(原画)7点は、6月27日(金)まで展示中。原画展スペースのみ入場無料となっておりますので、ひき続きたくさんのご来場をお待ちしております。アクリルボードの流し込んだアクリル絵の具を削り出すという、〝スクラッチ〟の手法で描き出されているこれらの作品。手法を知って今一度作品をみつめなおすと、〝文豪怪談〟という切り口で選び出された作品から、さらに凝縮されたイメージを研ぎだすかのようにして生み出された世界観に、あらためて圧倒されてしまいます。(幻想的でシックなお花は波津彬子先生からいただきました!)
 
金沢ナイトミュージアム なお、当夜の記念館は界隈で行われた〝きもだめし〟の立ち寄りポイントとなっており、イベントに夢中になっている間にこんな怪しい〝妖怪うさぎもどき〟も出没していたようです。
 そして、怪奇度ナンバーワン!の月岡芳年画「奥州安達ヶ原ひとつ家の図」は、ご好評につき本日いっぱい展示いたします。次のお目見え日は「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第2弾「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」の開催日である7月20日(日)、この日も17:00~21:00(入館~20:30)まで夜間開館、入館料は無料となります。なお、7月20日のイベントの参加申し込み受付は6月17日(火)からとなっています。詳しくはイベント情報ページでご確認ください。
 それでは本日もたくさんのご来館をお待ちしております♪
学芸員 

本日、夜間開館。〝あの名作〟を特別展示します!

H26.06.06
 学芸員です。
 金沢もいよいよ梅雨入り。降ったりやんだりの日々が続きそうですが、現在は晴れ間が広がっています。
 さて、本日はいよいよ浅野川の加賀友禅燈ろう流し&当館の夜間開館の日。17:00~21:00(入館は~20:30)までは無料でご観覧いただけるほか、17:30からは金沢ナイトミュージアム2014の一環としてトークイベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」の第1弾「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」を開催、すでに定員に達していますが、せっかくの夜間開館、補助椅子を追加して対応しておりますので、夕涼みがてら界隈にお越しの際はぜひお立ち寄りください。
 そして、本日から計5回(6/6、7/20、8/8、8/9、9/7)にわたって行われる当館のナイトミュージアム。ふだんとは異なる夜の記念館を雰囲気をより楽しんでいただくために、さきほど〝あの名作〟を展示いたしました。
 月岡芳年「奥州安達原ひとつ家の図」です。

奥州安達原ひとつ家の図 福島県二本松市にある「安達ヶ原の鬼婆」伝説に由来するこの作品。鬼婆を葬った場所は黒塚と呼ばれて、伝承からはじまって古くは「大和物語」や能楽、そして浄瑠璃・歌舞伎といった文学・芸能に発展して人口に膾炙し、明治に入って無残絵で知られる浮世絵師・月岡芳年が描いたこの作品で多くに人々に印象づけられました。
←鏡花×タカト×芳年の妖しい競演

 鏡花作品にしばしば登場する〈山中の孤家〉のイメージにも影響を与えたといわれ、複数の作品でその名が登場、小説「木の子説法」では〈薄暗い中に、颯と風に煽られて、媚めかしい婦(おんな)の裙(もすそ)が燃えるのかと思う、あからさまな、真白な大きな腹が、蒼ざめた顔して、宙に倒(さかさま)にぶら下りました。……御存じかも知れません、芳年の月百姿の中の、安達ケ原、縦絵二枚続の孤家で、…(略)…〉と記しており、この錦絵に強いインパクトを受けていたことが知られています。
 そして、当館で「草迷宮」の挿画を描き下ろし展示中の平成の浮世絵師・山本タカト氏も芳年愛好家の一人。当館では「草迷宮」展が始まる9月まで、ナイトミュージアム開催日(上記5回)に当日限定でこの名作を特別展示、タカト×芳年の夢の競演をご堪能いただきます!
 なお、本日は当館の他にも安江金箔工芸館、徳田秋聲記念館も夜間開館を実施。燈ろう流しとあわせて、たくさんのご来場をお待ちしております♪
学芸員 

浅野川界隈そぞろ歩きのススメ。

H26.06.04
 学芸員です。
 梅雨を前に猛暑が続く金沢ですが、本日は少し日射しも落ち着き、朝から多少過ごしやすくなっているようです。
 金沢百万石まつりの前夜祭ともいうべき浅野川の加賀友禅燈ろう流しもいよいよ明後日となり、記念館が位置する浅野川界隈も次第にお祭りムードが高まりつつあります!

加賀友禅燈ろう流し 6日(金)の同日、金沢ナイトミュージアム2014の一環として当館で開催するトークイベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」の第1弾「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」もご好評を受けて定員をさらに拡大、丸いすを補充して対応する準備を進めております。また、当日は17:00~21:00(入館は~20:30)まで当館、安江金箔工芸館、そして徳田秋聲記念館が無料でご観覧いただけます。

 金沢の夏は、これぞ北陸!と言わんばかりに日中は高温多湿となるのが特徴。そのかわり、日が落ちるとすぅっと川風が吹き、この時期は少し肌寒く感じることもあるほどです。
 とはいえ、無料開館がスタートする17時頃はまだ日も高い時刻。当館や安江さんや秋聲さんで一息つかれた後、日が傾き始め、灯ろう流しが始まる19時頃に川縁に向かわれるのがオススメ。当館で観覧orイベント参加された方々は、向かいにある鏡花ゆかりの久保市乙剣宮境内奥の〝魔所〟暗がり坂から主計町茶屋街に下りて、そのまま川面を流れる燈籠のほのかな灯りを眺めつつ、上流の梅ノ橋を目ざされるのが、もっとも風情ある散策ルートかと思われます。なお途中、「龍潭譚」の主人公・千里少年のように四つ足の化け物に逢われたり、神かくしに遭ったりするかもしれませんので、くれぐれも御注意ください。
 6月6日夜の浅野川界隈は、幻想的な燈ろう流しと昼とは違うミュージアムを一度に楽しめる日。みなさま、ぜひ足をお運び下さい。
学芸員 

「黴」襲来。

H26.06.02
 学芸員です。
 突然ですが、みなさまにご報告しなければならないことがございます。
 先月末に川向こうの例の館で行われた口にするのも憚られる恐ろしいタイトルの決起集会、不肖学芸員も毒も以て毒を制すの精神で、岩波文庫版の某書の〝よからぬ箇所〟にうさぎ柄のお札をヤマのように貼り付けて、決死の覚悟で梅ノ橋たもとに位置するかの根城に潜入してまいりました。
 思いのほか参会者が多く、やはり梅雨を目の前にかなり勢力を増している様子。これは油断がなりません。
 万が一を考え、いちばん目立たない場所に身を潜めてしばし様子をうかがうことに。すると、さすがは斯界の重鎮を招いての会合、一見、厳かに進んでいたかのようでしたが、皆フツフツと士気を高めていたのか、集会は終盤にさしかかり一気にヒートアップ! 決起演説に触発されたのか、次々と〝よからぬ本〟への秘めたる熱い思いを語り始めたではありませんか……っ!
 いつのまにこれほどまでにパワーアップしていたのか、やはりここ数日の陽気のせいなのか、この分では本格的な梅雨入りの暁にはもはや打つ手はありません。
 その後、会場に充満する〝よからぬモノ〟の気配に息も絶え絶え逃げ出したのは言うまでもないこと。敵情視察などとは我ながら軽率であった……と、我が牙城に立ち戻り、ほっと息をつこうとした、その時。
 毎日きれいに拭き清めているはずの畳の上になんと! 敵地でちらりと目撃した例の〝よからぬ本〟が!

黴 また留守を狙われたとは何という不覚! よりによって意を決して敵地におもむいているそのスキにっ! しかもこともあろうに、〝よからぬ本〟の装幀が、現企画展で展示中の当館きっての稀覯本、全国でも1冊しか確認されていない真っ赤なカバーの『高野聖』と心なしかかぶっているではありませんか! 恥ずかしながらあまりのショックでそのまま倒れて寝込んでしまい、すっかりご報告が遅れた次第です。

 しかし、すでに発生してしまったモノは致し方ありません。こうなっては小手先の対処は無力、〝よからぬ本〟を例の館から根絶やしにするほか方法はないのでございます。
 ……というわけで、噂の新オリジナル文庫(税抜800円)は徳田秋聲記念館ミュージアムショップのみでの販売。御希望の方はお早めに。
学芸員 

山本タカト「草迷宮」新作到着です!

H26.05.31
 学芸員です。
 本日もアツ~い一日となりそうな金沢。アツいといえば、本日の北國新聞朝刊にもたいへんホットなニュースが掲載されていました! 北陸新幹線開業を迎える来春が、とても楽しみですね。
 さて、昨日から始まった金井田英津子原画展。ひんやりした土蔵で鑑賞する金井田テイストの怪奇幻想の世界は、灼熱のちまたから異世界にトリップするには格好の空間ですが、当館内のもう一つの異世界・山本タカト「草迷宮」コーナーも昨日から作品の入れ替えを行いました!

山本タカト 「洋傘売りの夫婦」(左)と「明神様の侍女」(右)はこの春に仕上がったばかりの新作。デザイン的でポップな感じの「洋傘売り」と幻想的な「侍女」の対比が目にも鮮やかな2作です。
 そして、当館にはこの次の2作品もすでに待機中。 なんと!毬と猫がキーワードになるアノ場面です。 
 金井田英津子ギャラリーでひんやりした後、タカトワールドで幻妖な鏡花世界にひたっていただき、さらに美麗な鏡花本の魅力に酔いしれていただく……。夏の記念館はいつにもまして美と幻想のアートがてんこ盛りです。
 そして、涼しげな当館で英気を養った後は、川向うの例の館で14時から行われるという世にも恐ろしいテーマの決起集会へ! 梅雨本番を前に〝よからぬ本〟の襲来に備えるには、まず敵を知ることが肝要。不肖学芸員も、いわくつきの例の作品の各ページにうさぎ付箋という名のお札を貼り付けて、敵地に乗り込む所存です。
 というわけで、本日も川向うの館とともに、たくさんのご来館お待ちしております♪ 
 
学芸員 

金井田英津子原画展

H26.05.29
 学芸員です。
 もはや真夏日となった本日、浅野川上流から吹く風も梅ノ橋を過ぎる頃から何やら〝思い〟をはらんで熱風となるのか、キュウリの新触感が新鮮だった岩手生まれの河童ケーキよろしく、こんがりと焼きあがってしまいそうな一日となりました。
 みなさま、天気が良いからといって油断してはなりません。誰もが気を付ける梅雨時よりも、むしろキケンなのはこの季節。スキあらば!と〝よからぬモノ〟は今か今かとその時を待っているのです。聞けば川向うの例の館ではこの月末に世にも恐ろしいテーマの決起集会が行われるとか。備えあれば憂いなし。ここだけの話ですが、今月31日は敵情視察Dayとして、不肖学芸員も潜入する心づもりです。
 とはいえ、この暑さ。涼感ただよう場所で英気をやしなわねば、梅ノ橋を渡ることもかないません。……というわけで、土蔵+怪奇幻想で涼しいことこの上なし!の新展示のご紹介です。

金井田英津子原画展 6月6日(金)夜開催のトークイベント「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」。怪談専門誌「幽」の編集長でアンソロジストの東雅夫さんと、担当編集者で筑摩書房取締役の喜入冬子さんの名コンビが生み出したちくま文庫〈文豪怪談傑作選〉および〈幻想文学大全〉の装画家・金井田英津子氏によるシリーズの原画7点の展示が明日からスタートします!

←見るからに涼しげな展示室に注目!

 トークイベントにあわせて急遽企画された金井田ギャラリー。造本まで意識しての装画で定評のある金井田さんですが、実際の書籍ではタイトルなどのデザインに隠れてしまっている部分も含め、やはり一枚の〝画〟として鑑賞するとまた違った味わいがあります。
 「金井田英津子原画展」は6月27日(金)まで開催。原画展スペースのみ、無料でご覧いただけます。
 なお、6日のトークイベントは、定員拡大のためまだお席ございます。イベント情報ページでご確認の上、お電話でお申込み下さい♪
学芸員 

ダブルカッパー!

H26.05.28
 学芸員です。
 昨日にひき続き、見事なまでの晴天となり、金沢では朝から痛いような日射しが照りつけています。
 そして、陽気に誘われてか千客万来だった昨日、遠い岩手からこんなカワイイお客さま(画像:右)がやってきてくれました!

貝の穴に河童の居ること←千葉県カッパと岩手県カッパ、夢のツーショット♪

 「名水の里 河童の祠」と銘打った右側の愛らしいカッパは何と!カッパの好物であるキュウリと味噌をバター生地練り込んで焼き上げられたお菓子だとか。せっかくはるばるご来館いただいたので、しばしツーショットで寛いでいただきたいのはやまやまでしたが、この陽気ではお皿の水も干上がってしまうかもしれず、また降ったは降ったで例の〝よからぬモノ〟の被害に遭うのも……と色々考えたあげく、早々においしくいただいてしまうことに。(笑)
 二つに割ってみると、その断面には確かにかのウリ科の野菜を思わせる例のミドリイロが……。なるほど、これはキュウリだ!と思わせる風味もほのかにただよう、なんとも不思議なスイーツでした。
 そうそう、〝よからぬモノ〟といえば……! 川向こうの例の館がとうとう〝よからぬ本〟を校了、はや印刷にかかっているとの噂が。梅雨前に体制を整え、タイミングをみはからって金沢中に拡散させるつもりのよう。当館としても、注意深く観察していく所存です。
 特に来月6日は浅野川で加賀友禅燈ろう流しが行われ、金沢ナイトミュージアム2014の一環として当館のほか、例の館も17:00から21:00まで(入館~20:30)無料で入館できる日。
 みなさまもよろしければ、当日イベント開催中で身動きのとれない当館に代わり、その増殖ぶりをお確かめいただきたく思います。
学芸員 

6月6日(金)夜間イベントの定員を拡大します!

H26.05.27
 学芸員です。
 昨日の降雨とは打って変わって、金沢は朝からさわやかな晴れ間となっています。
 新企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」もおかげをもちましてすべり出し好調! 来る6月はありがたくも団体さまラッシュとなっておりますので、静かにゆっくり鑑賞されたい方は5月中のご来館をおすすめします。
 さて、6月といえば金沢百万石まつり。各種催しに向けて多くの関係者の方が準備にいそしんでおられるようです。当館が位置する浅野川界隈ではなんといっても6日(金)夜開催の加賀友禅燈ろう流しがメインイベント!この日は当館の他、安江金箔工芸館、徳田秋聲記念館が17:00から21:00まで(入館~20:30)夜間開館、金沢ナイトミュージアム2014の一環として館内を無料でご観覧いただけます。

文豪怪談シリーズ また同日、当館では「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」の第1弾「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」として、怪談文芸ブームの仕掛人ともいうべき怪談専門誌「幽」の編集長でアンソロジストの東雅夫さんと、担当編集者で筑摩書房取締役の喜入冬子さんのトークイベントも開催。すでに定員に達しておりますが、ご好評を受けてなんとか会場をひと工夫し、定員を25名から35名に拡大することが決まりました!

 東&喜入コンビによるちくま文庫の「文豪怪談シリーズ」の装画家・金井田英津子氏の原画7点とあわせて、出版界にあらたなムーブメントを起こしたお二人のトークをお楽しみいただければと思います。
 ひき続き、お電話での受付となります。イベント情報ページでご確認の上、記念館までお申込み下さい

学芸員 

6月6日(金)夜間開館いたします!

H26.05.25
 学芸員です。
 雨天時は5月とは思えないほど肌寒くなるものの、晴天の日はもはや夏の日射し。本日も時折さわやかな風が吹くものの、少々汗ばむような一日となりそうです。

 さて先日からご案内しております6月6日(金)開催のトークイベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」の第1弾「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」。金沢ナイトミュージアム2014の一環として行われるこのイベント、お席の方はおかげをもちましてほぼ満席となっておりますが、記念館では17:00から21:00まで(入館~20:30)夜間開館しており、展示の方も無料でご観覧いただけます。

ナイトミュージアム またこの日は「6月6日は浅野川・東山界隈へGO!」を合言葉に当館の他、いつにもまして金色に輝いているらしい安江金箔工芸館さん、そして何やら最近〝よからぬ本〟を出そうと画策しているというウワサの徳田秋聲記念館さんも同じく17:00から無料開館。

 さらに浅野川沿いの主計町でも、燈ろう流しに合わせて営業時間を延長するお店もあるようです。

ナイトミュージアム ……というわけで、6月6日はひがし茶屋街、浅野川、そして主計町・下新町界隈と、県外の方も夜の金沢のそぞろ歩きをお楽しみいただけるスペシャルDay! 19:00から浅野川で行われる毎年恒例の加賀友禅燈ろう流しの行き帰りに、日中とは異なる雰囲気の鏡花・秋聲・安江の各館にもぜひお立ち寄りください。

学芸員 

6月6日(金)トークイベント、残席わずかです!

H26.05.23
 学芸員です。
 本日の金沢はあいにくの雨ですが、3月に庭師さんに手を入れていただいた坪庭の緑もかえって色あざやかに映り、眺めているだけでほんのひととき、つかれが癒されるような気がします。

鏡花本 さて、17日から開催中の新企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。開幕直後から出張で不在だったためご案内が遅れましたが、関連企画のトークイベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」の第1弾、怪談文芸ブームの仕掛人ともいうべき怪談専門誌「幽」の編集長でアンソロジストの東雅夫さんと、東編集長が〝敏腕〟と呼ぶ担当編集者で筑摩書房取締役の喜入冬子さんの対談「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」(6/6開催」のお席が残りわずかとなりました!イベント情報ページで開演時間等をご確認の上、記念館までお電話でお申込み下さい。
 金沢ナイトミュージアム2014の一環として行われるこのイベント。当日は17:00から21:00まで(入館~20:30)展示の方も無料でご覧いただけます。19:00からは浅野川で加賀友禅燈ろう流しも行われます。せっかくの機会ですので記念館で優美な鏡花本を堪能した後、燈籠流しの幽玄の世界をお楽しみ下さい。
 また、東&喜入コンビによるちくま文庫の「文豪怪談シリーズ」の装画家・金井田英津子氏の原画7点も今月30日から展示予定。この出張でしっかり拝借してまいりました。(笑) 記念館内で明治・大正・昭和そして平成の鏡花本の装幀・装画をお楽しみいただけることになります。
 その他、秋の草迷宮展、来春の特別展と、向こう一年の企画展の打ち合わせに明け暮れた今回の出張の成果については、準備ができ次第こちらでもお知らせいたします。
 それでは今週末もたくさんのご来館、お待ちしております!

学芸員 

明日から新企画展開幕です!

H26.05.16
 学芸員です。
 初夏の日差しのなか、さわやかな5月の風が吹き抜ける本日、5日間にわたる展示替え休館を終え、明日からの新企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の準備が無事調いました!

よみがえる鏡花本の世界 これまでの鏡花本展とは異なり、今回は原画、校合摺、差し上げなど、鏡花本の制作過程の一端に触れられる資料が展示されているのが特徴。泉家に多く残されていた理由ははっきりしませんが、個人的にも交流が深かった画人の資料に限られていることから、制作過程のいずれかの段階で鏡花自身と画人との間で何らかのやりとりがなされていたと考えられます。
←清方・英朋・雪岱コーナー。まさに当館の〝宝石箱〟です。

 もっとも多くの鏡花本を手掛けた小村雪岱が、自身にとっても初めての装幀本である『日本橋』を担当した際、うさぎの図案を没にされたことや、鏡花が濃い色をあまり好まなかったことなどを書き記していることからも、そのやりとりの片鱗がうかがえます。それらは、あの、世にも美しい鏡花本を生み出した画人たちの苦心の証でもあります。
 企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」は、本を読む楽しさに〝装幀〟という観点から触れていただく展覧会です。また関連イベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」では、さまざまな立場から〝本〟に関わっている気鋭の方々をお招きし、〝書物〟の現在の最前線についてお話しいただきます。
 初回の「〝文豪怪談〟という名のリバイバル」の参加受け付け開始は20日(火)から。イベント情報ページでご確認の上、9:30以降にお電話でお申込み下さい。
 それでは明日、たくさんのご来館をお待ちしております♪
学芸員 

鏡花本逍遥。

H26.05.15
 学芸員です。
 展示替え休館も4日目となり、新企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」に向け、館内も少しずつ様変わりしつつあります。泉名月氏旧蔵の貴重資料を交えつつ、当館所蔵の鏡花本を1冊でも多くお目にかけるため、常設展示コーナーをプチリフォームして奮闘しておりますが、いずれも大切な資料ゆえ、あまり無茶もできず、数ミリ単位で間隔を微調整しながらなんとか作業を進めております。

よみがえる鏡花本の世界 こちらは「鏡花本逍遥」と名づけたコーナー。常設の「創作活動コーナー」の壁面にアクリルパーツを固定して、鏡花の初単行本『探偵小説 活人形』(生田コレクションの初版本! 写真左スミ)をはじめ、目を疑う美しさの『冠弥左衛門』(生田コレクション 写真左下)など、明治・大正・昭和までに刊行されたさまざまな装幀家による鏡花本をご紹介するコーナー。折り込み口絵の美しさが際立つ明治期から、橋口五葉らによるモダンな装幀が目を引く大正期へと、鏡花本装幀の変遷をその作家活動と照らし合わせつつ、お楽しみいただけるエリアです。鏡花と親交の深かった池田蕉園・輝方のおしどり夫婦合作画の校合摺や色校正なども展示、実際の書籍(完成品)の表紙や口絵と見比べながらご覧いただくことができます。


 おやおや? 鏡花本三大画人ともいうべき清方・英朋・雪岱の作品は?……という方。ご安心ください。この3人については奥の展示室をまるまる使って、原画や差し上げといった新資料とともに鋭意準備中です。
 土蔵の展示室の雰囲気も、雪岱挿絵のモノクロームの世界から一変。一つ一つが美しい色彩豊かな鏡花本がガラスケースの中に満ち満ちて、その光景はまさに宝石箱。これまで状態を保持してがんばってきた書物たちの美しさを、さらに際立たせることができるよう、残り時間を駆使して17日(土)の初日にお待ちしております!

学芸員 

金沢ナイトミュージアム2014のご案内です♪

H26.05.12
 学芸員です。
 企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」も、昨日で無事閉幕しました。最終日もたくさんのご来館ありがとうございました!
 当館は本日から16日(金)まで展示替え休館となります。休館中は各種作業のため、お電話がつながりにくい場合もありますので、あらかじめご了承ください。

金沢ナイトミュージアム2014 さて、展示替え作業初日となった本日、さっそく17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」関連のイベントのチラシが完成いたしました。金沢ナイトミュージアム2014の一環として行われる6月6日(金)開催の「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ1 〝文豪怪談〟という名のリバイバル」のご案内が掲載されています。 文豪怪談シリーズの編纂者であるアンソロジスト・東雅夫さんと、同シリーズの担当編集者で筑摩書房取締役の喜入冬子さんによるトークイベントです!

←クリックするとPDFでご覧いただけます。


 〝怪談文芸〟という視点から文豪たちの名作を復活させた同シリーズ。当日は仕掛人たちによる出版秘話のみならず、金井田英津子さんによるカバー装画の原画展(5/30~6/27)もお楽しみいただけます。
 金沢百万石まつりの前夜祭に当たる6月6日は、記念館近くの浅野川で加賀友禅燈ろう流しも行われます。当館でのイベント終了後、鏡花が魔所と表現した暗がり坂を通って浅野川に足を運んでいただくと、ちょうどいい頃合いで夜の川面を流れる燈ろうをご覧いただくことができます。
 また、この日は当館をはじめ、近隣の徳田秋聲記念館、安江金箔工芸館が17:00~21:00(入館は20:30Last)まで無料でご観覧いただけます。文化施設のナイトクルージングを楽しみつつ、ほのかな灯りに照らされた浅野川と主計町茶屋街の幽玄な雰囲気をご堪能いただけますよ。
 トークイベントの参加申込受付は5月20日(火)から。イベント情報ページでご確認の上、お電話でお申込み下さい。
学芸員 

山海展は明日が最終日です!

H26.05.10
 学芸員です。
 竜巻注意報が出たかと思いきや、一夜明ければ初夏のさわやかな青空が広がる金沢。風薫る五月を迎え、うれしくなった龍神さまが、お出かけの際についうっかり手加減を忘れたのかも知れません。
 昨年12月から約半年にわたってお届けしてきた企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」も、明日11日(日)が最終日。ですが、ラストで響く妖しい唄声同様、ちっともこのままでは終わりそうな気がしないのが「山海評判記」。鏡花をモデルとする主人公・矢野の前に現れたオシラ神よろしく、軽々と白山をも飛び越えて、来月にはあっとおどろくところに出没するとのうわさもチラホラ。捧げモノの制作にイソしむ某社も、せめて「山海評判記」の連載が開始された月には献上しないと白山のお使者に成敗されてしまうっ!……と、鉈打峠ばりの崖っぷちで編集作業に追われているようです。みなさま、「馬は助けて」の声に免じて、いましばらく、あたたかい目でお待ちください。
 さて、5月17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の準備も、いよいよ崖っぷち。(笑) 昼は息つく間もない馬車馬のように働き、夜はまばたきする間の異世界と龍の国に思いを馳せる毎日が続いております。

アナホリッシュ国文学 そんな学芸員の向こう一年の怒濤の日々への叱咤激励の如く?発刊されたのが「アナホリッシュ國文学」第6号。当館的に注目!は、やはり「絵師・山本タカトインタビュー」。昨年制作されたばかりの作品画像も掲載され、ページを開けばあの超絶技巧の秘密を語るタカト氏自身の言葉とともに作品を味わうことができるという、なんとも贅沢なひとときが待っています。
 その他、研究、評論、演劇……と、さまざまな分野で活躍される方々による、それぞれの視点からの鏡花像が立ち上るご高論の数々も必見です。
 協力のご依頼を受けたときに拝見した企画書のあまりに盛りだくさんな内容に、ホントに春に間に合うのか?と、かなり不安を覚えたのですが、4月末日に無事発行された同誌、現在ではamazon等でも購入可能になっているようですので、ぜひご購読いただければと思います。
 それでは、本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
 
学芸員 

9月7日は山本タカトさんが登場です!

H26.05.07
 学芸員です。
 比較的天候に恵まれた今年のゴールデンウィーク。来年3月に開業を控えた北陸新幹線のPRとの相乗効果もあるのでしょうか? 例年に比べてもたくさんのご来館をいただき、今週末までとなった企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」の怪しげな挿絵たちも、うれしげに跳梁跋扈しています。 
 さて、5月17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。この展覧会の関連イベントでもあり、金沢ナイトミュージアム2014として4回にわたって開催する「書物の可能性を信じる~プロフェッショナルたちのメッセージ」。その最終回であり、実は鏡花没後75年の節目の日でもある9月7日(日)開催の第4回「絵師として現代の鏡花本に挑む」にご出演いただくのは、何と! 現在、秋の開館15周年特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」に向けて描き下ろしイラストを制作中のイラストレーター・山本タカトさんです!
 昨年夏に開催した企画展「夜叉ヶ池―泉鏡花と演劇の時代」に描き下ろしで「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」をご提供いただいたことをご縁に始まった、この現代版鏡花本『草迷宮』制作プロジェクト。タカト先生にはすでに前日の9月6日(土)から始まっている「草迷宮」展の開幕記念イベントを兼ねて、今回の草迷宮本のアートディレクターである窪田真弓氏との対談形式でご登壇いただけることになりました!長年のお付き合いでタカト作品を知り尽くしている窪田さんとの間でどのようなお話が飛び出すのか、とても楽しみですね。
 トークイベントの受付開始は8月19日(火)から。詳しくはイベント情報ページでご確認ください。

書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界 そして、山本タカトさんに関するお知らせがもう一つ。 先月末に発行された国文学専門誌「アナホリッシュ國文学」第6号に「境界への誘い 絵師 山本タカト」と題するインタビューが掲載されています!
 「草迷宮」描き下ろしを記念して行ったこのインタビュー。鏡花作品との出会いから制作にかける思い、そしてあの超絶技巧の秘密など、かなり詳細にお応えいただきました。巻頭グラビアは、すでに当館所蔵となっているタカト画の前記「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」。同誌には他にも種田和加子氏、吉田昌志氏といった鏡花研究の泰斗や、同じく研究会員で今や柳花研究の第一人者ともいうべき東雅夫氏の論考など、読み応え満載! 不肖学芸員も今年開館15周年を迎える当館の歩みを寄稿させていただいています。

 タカトファンの方はモチロン、鏡花ファンの方も、柳田ファンの方も必見のこの一冊。専門誌のため、国文関係に強い書店さん以外では入手が難しいかもしれませんが、ぜひご一読ください。
学芸員 

次回企画展チラシ完成です!

H26.05.05
 学芸員です。
 ゴールデンウィークもいよいよ終盤。昨日はお天気も良く、色鮮やかな躑躅や牡丹が満開を迎えている記念館近くの彦三緑地をはじめ、界隈はあふれんばかりの人でにぎわっていました。本日はあいにくの雨模様ですが、比較的静かに館内をご鑑賞いただけるかと思います。開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」も残り一週間を切りました!ちくま文庫『山海評判記/オシラ神の話』を当館のミュージアムショップでお買い上げの方に進呈している編者・東雅夫さん特製の「柳花年表」もあと5冊。御希望の方はお急ぎください。
 さて、5月17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。
 鏡花本に関わる貴重資料が並ぶ展覧会内容の詳細につきましては追々ご紹介するとして、先ずご注目いただきたいのは月1~2回のペースで行われる関連イベントです!特に金沢ナイトミュージアム2014として開催する夜間イベント「書物の可能性を信じる~プロフェッショナルたちのメッセージ」は、本に関わるさまざまな現場で第一線で活躍する方をお迎えし、書物をとりまく現在(いま)と未来(これから)を語っていただくもので、全4回を予定しています。

書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界 そのお仕事ぶりはモチロン、人間的にも魅力あふれる講師陣。その大トリともいうべき第4回の出演者もあっと驚くスペシャルゲストです! 詳細は後日ご案内いたしますので、気になる!という方は左画像をクリックし、チラシ裏面のPDFにて一足早く、こっそりご確認ください。
 なお、チラシは記念館内にはすでに設置されておりますが、全国の文化施設をはじめとする関係各所への発送については鋭意準備を進めています。
 書物をとりまく未来への階段のように、さらなる高みを目ざして一列に並んだ鏡花本のチラシをどこかで見かけたら、ぜひお手にとってご覧になってください。

学芸員 

8月8日は〝妖怪の日〟です。

H26.05.02
 学芸員です。
 昨日の雨空とは打って変わり、本日の金沢はさわやかな晴天となっています。地域の氏神・久保市乙剣宮は本日から春祭り。下新町界隈の軒が注連(しめ)で結ばれ、祭り囃子の笛が鳴り響く独特の雰囲気に包まれています。
 さて、5月17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。
 その関連イベントとして開催する「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」。
 書物のために人生をかけている人たちを講師に迎え、それぞれの立場から本の魅力を語っていただくこの企画。すでに第1回「“文豪怪談”という名のリバイバル」(6/6 17:30-19:00)、そして第2回「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」(7/20 18:00-20:00)のご案内をしましたが、今日は8月8日(金)開催の第3回「妖怪から和本の世界に親しむ」のお知らせです。

大屋書房 第3回の講師は神田神保町の老舗で江戸の和本の専門店・大屋書房4代目の纐纈くりさん。特に妖怪ものの資料に造詣が深く、妖怪専門誌等でも妖怪関連の和本や刷り物を紹介されるなどして、古書や和本から足が遠のきつつある若い世代の方たちの注目を集めるホープです。
 聞くところによると、毎月8日(ようか)は「妖怪の日」。しかもお盆直前の8月8日に纐纈さんが当館のイベントに登壇されることになるとは、やはり何かしら見えざる力が働いているとしか思えません。(笑) 折しも8月8日、9日は記念館のある下新町ほか、東山、主計町、尾張町、袋町界隈で〝かなざわ燈涼会2014〟としてさまざまなイベントが開催される日。両日は界隈の主要スポットでライトアップが行われ、当館も17時-21時まで夜間開館(入館料無料)いたします。

 「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」第3回「妖怪から和本の世界に親しむ」の参加申込受付は7月8日(火)から。イベント情報ページにてご確認のうえ、お電話でお申込み下さい。
学芸員 

〝泉鏡花deビブリオバトル〟を開催します!

H26.04.30
 学芸員です。
 昨日は小雨降るなかでしたが、金沢ウォーク(第19回かなざわグリーンウォーク)参加者の方々をはじめ、終わってみれば思いのほかたくさんのご来館をいただき、ありがとうございました! お隣の柳さんこと柳宗理記念デザイン研究所も、このゴールデンウィークから休所日は月曜日(祝日の場合はその翌日)と年末年始のみとなり、土日祝日は開所されることになったそうです。開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」も残すところ十日ほどとなった当館とあわせて、ぜひお立ち寄りいただきたく思います。
 さて、次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。先日、金沢ナイトミュージアム2014の一環として開催する夜間イベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」の第1回「“文豪怪談”という名のリバイバル」(6/6 17:30-19:00)のご案内をしましたが、本日は早くも第2回「人を通して本を知る、本を通して人を知る/泉鏡花deビブリオバトル!」のお知らせです。ビブリオバトル普及委員会から亀山綾乃さんを講師にお迎えしての講演会と、泉鏡花をテーマとするビブリオバトルを挙行します!

知的書評合戦ビブリオバトル ビブリオバトルとは“知的書評合戦”のこと。3人~5人の出場者が、1.お気に入りの本を持って集まり、2.順番に一人5分で本を紹介した後、3.観戦者に「どの本を一番読みたくなったか?」を投票してもらい、チャンプ本を決める!……というもの。イベントではTokyo Biblio代表でもある亀山さんのレクチャーを受けた後、実際にビブリオバトルを開催し、本の魅力を語る楽しさ、聞く楽しさを体験していただきます。
 開催日時は7月20日(日)18:00~20:00。6月17日(火)から受付を開始いたします。講演とビブリオバトルのどちらか一方のみのご参加(聴講)はできませんのであらかじめご了承ください。夏休みが始まってまもなくの開催ですので、早めにご案内させていただきました!
 なお、ビブリオバトルの発表者約5名(多数の場合は抽選)につきましては、あらためて告知後、別途募集いたします。いずれもイベント情報ページにてご確認ください。
 ふだん、「鏡花が大好きなのに、身近に語り合える人がいない……。」と満たされない思いをされている方! あふれんばかりの鏡花愛を語るチャンスです。観戦も発表もたくさんのお申し込みをお待ちしております♪

学芸員 

明日29日(祝)は金沢ウォークの日です。

H26.04.28
 学芸員です。
 金沢はすでに初夏の陽気。薄い羽織りものを手にした半袖姿の方もチラホラと見受けられるようになりました。そろそろ日傘が必要かもしれません。
 さて、明日29日(祝)は昭和の日。金沢市で毎年恒例の金沢ウォーク(第19回かなざわグリーンウォーク)が開催されます!

柳宗理デザイン研究所 普段は車で通り過ぎてしまうような市内を、金沢のまちなみや自然を満喫しながら歩いてみましょう!というこの催し。ロングコース、ミドルコース、ショートコースがあるなかで、当館周辺が含まれるのはショートコースである中心市街地コース。中央公園を出発したのち、金沢城公園→梅ノ橋→ひがし茶屋街→東山河岸緑地→浅野川大橋→橋場町→近江町市場→香林坊をたどり、中央公園でゴールとなります。

柳宗理デザイン研究所 コースは毎年少しずつ変更されますが、今年は橋場町周辺として記念館に隣接する柳宗理記念デザイン研究所前、つまり尾張町の大通りを通過することになります。お隣の柳さんの通路は当館の中庭に通じており、ベンチでゆっくりお休みいただくこともできます。
 なお、金沢ウォーク参加者は、当館をはじめ、金沢市の複数の文化施設に無料でご入館いただけます。休憩がてらぜひお立ち寄りください。

当館への案内表示まで設置してくださいました。感謝!


学芸員 

山本タカト「草迷宮」の新作を展示します!

H26.04.25
 学芸員です。
 金沢は本日もすがすがしく晴れ渡っています。ちょうど遠足兼ねての社会科見学の時期なのか、昨日は市内の中学生のみなさんで館内も賑やかだったようです。記念館の方でも5月17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」で展示予定の鏡花本関連の貴重資料を無事搬入、展覧会開幕に向けてのラストスパートに入ろうとしています。

 さて、その前に間近に迫ったゴールデンウィーク。
 来春の新幹線開業を控えて盛りあがる金沢への、旅情あふれる最後のほくほく線・特急の旅を勘案中の方も
少なくないかと思いますので、とりいそぎ、今週末からお披露目するあらたな展示作品のご紹介です。平成浮世絵師・山本タカト氏による泉鏡花「草迷宮」より、描き下ろしの新作「嘉吉」「子産み石」の展示を明日26日(土)から開始します!

山本タカト 「草迷宮」は明治41年、文壇が自然主義文学に席巻されるなか、心身の療養のため神奈川県の逗子に転地し、自身の文学と向き合いつつ書き下ろし出版され、のちに鏡花の幻想小説の代表作となった作品。逗子からもほど近い三浦半島の葉山・秋谷を舞台に展開する、亡き母の唄った手鞠唄を探し求めて彼の地を訪れた青年・葉越明と、諸国一見の僧・小次郎法師、そして幻の手鞠唄を知っているらしい謎の女性・菖蒲をめぐる物語です。


 すでに作品冒頭の舞台である魔所・三浦の大崩壊(おおくずれ)の、今にもまるで獣のように動き出しそうな風景画を展示中ですが、次回は動き始めた物語を切り取った、映画のワンシーンのような作品。二つの新作は明日から6月中旬まで展示予定、館ではさらにもう2点をお預かりしており、こちらも順次公開予定です。
 ゴールデンウィーク、そしてラ・フォル・ジュルネ金沢に向け、心浮き立つばかりの金沢。加えて4月29日(祝)は恒例となった金沢グリーンウォークの日です。浅野川界隈のコースにご参加の方は、休憩がてらぜひ記念館にもお立ち寄りください。
学芸員 

武蔵ヶ辻にあらたなランドマーク誕生です!

H26.04.23
 学芸員です。
 金沢はさわやかに晴れ渡り、すでに初夏の気配。日蔭はまだ肌寒いですが、きっとこの週末からゴールデンウィークにかけては、この上ない“来沢日和”となることと思われます。
 ラ・フォル・ジュルネ金沢をはじめ、楽しみなイベントが目白押しの金沢ですが、今週末の26日(土)に記念館からもほど近い武蔵ヶ辻界隈に誕生するあらたなランドマークをご紹介します。

はこまち まるで“はこ”を積み上げたようなこのビル、その名も“ル・キューブ金沢”。1~3階はカフェやレストラン、ショップが楽しめる“かなざわはこまち”と通称される商業スペースとなっていています。
 本日、一般向けの内覧会が行われていたため、出張のおみやげの下見がてら覗いてみたところ、魅惑的なうさぎコーナーを発見!


はこまち うさぎをトレードマークとするこの和菓子店。代名詞となっているうさぎの蒸しまんじゅうはモチロン、ほかにもうさぎ型の焼きまんじゅう、うさぎの焼き印入りどら焼き、うさぎの型押し入り最中など、見わたす限りうさぎ、うさぎ、うさぎのオンパレード! しかも店内では、おめでたい紅白うさぎがお出迎え。武蔵ヶ辻の新名所が“うさぎの国”だと知り、まさに“こころ、はねる”です。
(※お店の許可を得て撮影しています。)

 この春、大注目!の武蔵ヶ辻ですが、そこから記念館のある下新町界隈までは、古き良き金沢の町並みを残す場所。“はこまち”のある袋町から、尾張町、下新町とそぞろ歩きしつつ、記念館近くの主計町茶屋街や浅野川対岸のひがし茶屋街へと足を向けるのも素敵です。その際には、ぜひ当館にもお立ち寄りいただき、鏡花が膝にのせて愛玩したうさぎの置物を、ひとめご覧になって下さい♪、

学芸員 

トークイベント「“文豪怪談”という名のリバイバル」

H26.04.21
 学芸員です。
 金沢は終日しとしとの雨となり、新緑の美しい季節に向け英気を養っています。
 さて、昨日ちらりとつぶやきました金沢ナイトミュージアム2014。今年の当館は次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」に関連して、6月から9月までに計4回、夜間イベント「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」を開催します!

 第1回は6月6日(金)17:30-19:00。
 「“文豪怪談”という名のリバイバル」と題して、ちくま文庫の文豪怪談シリーズ編纂者の東雅夫氏と担当編集者で筑摩書房取締役の喜入冬子氏による対談を開催。
 泉鏡花、幸田露伴、芥川龍之介ほか、名だたる文豪たちの作品を怪談文芸としてリバイバルし、好評を博している文豪怪談傑作選。シリーズの〝仕掛人〟たる名アンソロジストの東さんと、その〝手綱さばき〟も見事な敏腕編集者の喜入さんが、シリーズ誕生の裏側、そして出版業界の〝現在(いま)〟と〝未来(これから)〟を語ります!

金井田英津子 なお、このトークイベント開催に合わせ、記念館では文豪怪談傑作選シリーズの完結を記念して刊行された東さんの評論集『文学の極意は怪談である―文豪怪談の世界』(筑摩書房)や、東&喜入コンビの最新作・幻想文学大全シリーズ(ちくま文庫)などのカバー装画を手掛けた金井田英津子氏の原画計7点を初公開!(5月下旬-6月下旬予定)。企画展の本展示と合わせて、書物を彩る装画の世界をお楽しみいただきます。

←金井田英津子さんによる『文学の極意は怪談である―文豪怪談の世界』の装画。何やら見覚えのある後姿が描かれています……。
(C)Etsuko Kanaida

 対談当日の6月6日(金)は記念館近くの浅野川で「加賀友禅燈ろう流し」(19:00~)が開催予定。イベント終了後は暗がり坂から主計町茶屋街に下りて、黒い水面が燈籠のほのかな灯りで照らされる幻想的な浅野川の風景をご覧いただけます。
 トークイベントの参加受付は5月20日(火)から。イベント情報ページにて再度ご確認の上、お電話にてお申し込み下さい。
学芸員 

観る・読む・描く―鏑木清方と文学

H26.04.20
 学芸員です。
 昨日に引き続き、本日の金沢は薄曇りの、少々肌寒い一日となっていますが、開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」の展示室では、矢野が(鏡花が)和倉を訪れた5月も間近なせいか、「ワタシたちの季節!」といわんばかりに怪しいヒトもモノ?も絶好調で自由自在に跳梁跋扈しています。
 そんななか、学芸員が暗躍?しつつ準備を進めているのは次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。だんだん季節もよくなり、みなさんお出かけの機会なども多くなるかと思いますので、今回は少し早めに新企画展の関連講座のご案内です。

 その美しさから特に“鏡花本”と称して愛されてきた鏡花の初版本の数々。
 鏑木清方、鰭崎英朋、小村雪岱がその装幀を手掛けた画人としてよく知られていますが、なかでも最も長く鏡花と交流した鏑木清方は、「鏡花作、清方ゑがく」と謳われ、作品の挿絵や装幀のみならず、「高野聖」や「深沙大王」が舞台化された際の絹絵看板や、鏡花作品からインスピレーションを受けたとされる「妖魚」などの大作も残しています。
 次回企画展では鎌倉市雪ノ下にあった清方の終の棲家の跡地に建つ鎌倉市鏑木清方記念美術館の副館長で主任学芸員の宮﨑徹さんにお越しいただき、「観る・読む・描く―鏑木清方と文学」と題してご講演いただきます。
 清方館と当館は、開館年も一年違い、また作家同士の交流の深さも合って、もっとも行き来の盛んな文化施設の一つ。これまでも小村雪岱展では埼玉県立近代美術館学芸員の平山都さん&大越久子さんに、そして鰭崎英朋展では弥生美術館の松本品子さんにそれぞれご講演いただきましたが、このたび満を持して宮﨑さんにご登壇いただき、清方についてお話いただきます!
 宮﨑さんは昨年の鏡花生誕140年連携事業でも、連携館の一つである千代田図書館で清方についてご講演、その際には「もっとゆっくりお話を伺いたかった」「ぜひまた機会を作って欲しい」とのご要望がいくつも寄せられたほど、丁寧で的確なお話ぶりで大評判に。その宮﨑さんによる同館の特別展「『観る・読む・描く』鏑木清方と文学―硯友社を中心に」(5/24-6/29)と同テーマのお話が、何と!金沢で聞けるという、なんとも贅沢なイベントです。

鏑木清方 もちろん、ちょうど鎌倉方面に御旅行の予定がある方は、上記展覧会をご覧になった後、当館で宮﨑さんのお話をお聞きしつつ、清方その人と、そして鏡花との関わりについてより理解を深めていただくのもおすすめ。同館収蔵の清方作品は現在、静岡の佐野美術館「追憶の美人-日本画家・鏑木清方」展(開催中-5/11)でも公開されており、日本の美しい文化と女性を描いた巨匠として近年さらに注目が高まりつつあるようです。
 当館での講座の開催日時は6月28日(土)13:30-15:00。受講受付開始は6月10日(火)からとなります。館内のいつもの土蔵で行うため、定員25名と毎回申し訳ないながらお席少なめですので、早めにお知らせさせていただきました。
 その清らかな作風ゆえか、初夏にかけて各地で大注目の鏑木清方の世界。当館はもちろん、佐野美術館さん、そして鏑木清方記念美術館さんにも、この機会にぜひ足をお運び下さい。

 
 なお、昨年に引き続き、当館では今年も金沢ナイトミュージアムの一環として、夜間開館にともなうイベントを実施。「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」と題して6月から9月まで、月1回のペースで開催予定です。詳細については随時更新していきますので、イベント情報ページにてご確認ください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿43~

H26.4.19
お花  
今週のお花(4/17~)

・金葉  ・アマリリス ・フェジョア
           
 生花ボランティア「グループ白」今回は森さんの作品です。いつもありがとうございます!
 大変ご無沙汰の更新となってしまいました^^;

 
 

 さて、当館から徒歩5分ほどにあります「武家屋敷 寺島蔵人邸」のドウダンツツジ(満天星)の花が見頃になったというお知らせが昨日届きました^^
 秋の紅葉も見事ですが、個人的にはこの時期がおススメでです☆ぜひこの機会にお立ち寄りくださいませ。

 みなさまのご来館心よりお待ちしております!



スタッフK 

山本タカト画「草迷宮」の新作が到着です!

H26.04.17
 学芸員です。
 4月も後半に突入し、晴天続きの金沢には早くも初夏の気配がただよっています。それでも、朝夕はまだ少し肌寒くなりますので、ご来沢の際には薄い羽織り物を一枚ご持参下さい。

 さて、お花見の後は楽しいゴールデンウィーク!
 当館はモチロン、連休中も無休で開館して(=働いて)おりますが、大型連休を前にうれしい贈り物が到着しました!待望の山本タカト画「草迷宮」の新作です!

山本タカト 今回、お預かりしたのは「嘉吉」「子産み石」「洋傘売りの夫婦」「明神様の侍女」の計4点。このうち、ゴールデンウィークに向けて「嘉吉」と「子産み石」の2点を展示すべく、ただいま鋭意準備中。特に子産み石は昨秋、葉山で地元の方にいただいてきたものにそっくり! 折角なので、この貴重な子産み石も一緒に展示させていただく予定です。
 ゴールデンウィークといえば、金沢は毎年恒例となったラ・フォル・ジュルネ金沢で、街が音楽で溢れる日。今年は「プラハ・ウィーン・ブダペスト~三都物語~」と題して、屋内外でさまざまなコンサートが行われます。無料イベントも多数ありますが、有料イベントのチケットも売れ行き好調のようです。今年の連休は金沢で!とお考えの方、チケット&宿泊のご予約はお早めに。

学芸員 

宴のあと?

H26.04.16
 学芸員です。
 満開のお花見日和もうち過ぎて、穏やかな好天続きのもと、開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」もあと一ヶ月を切った記念館の内外も、名残の花を惜しむようなゆったりとした時間が流れています。
 ……と言いたいところですが、館の奥の奥は次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の開幕に向け、まさに戦場。展示品の点検やら、設営の準備やら、イベントの手配やらで、昼夜も分かたぬ状況へと突入しようとしています。

鏡花本 そんななか、佳境を迎えているのがチラシの校正。画像はデザイン案の段階のものですが、今回は展覧会のメッセージがダイレクトに伝わるよう、シンプルなものを選んでみました♪
 昨日は展示資料を再確認しつつ、それらを配置するための器具等を点検しましたが、ちょっと欲張り過ぎたのか(笑)どう考えても展示器具が足りません。新たに発注したり、既存のモノを加工に出したり……とあらゆる手立てを講じていますが、どれもこれも大切な大切な鏡花本とその資料たち。何とかもっとも美しく、もっとも魅力的にみえる展示環境を整えてあげたいものです。
 それにしても、まるで工芸品のようなこれらの鏡花本の原画や色校正が、泉家に多数現存していたことにはあらためて驚かされます。手掛けた画人が鏡花本の装幀家として活躍した時期によって残されている資料の形態が異なることは、鏡花本の装幀史のみならず、近代の印刷美術史を物語ることにもなり、あらためてその貴重さに息をのむ思いです。鏡花作品の、この上なく美しい“いれもの”を生み出すために、雪岱さんたちがいかに精魂込めてその制作にあたっていたかがひしひしと伝わってくる、心の震えるような資料たちです。
 会期中は現代の鏡花本をはじめ、まさに書物のために生きている方々の貴重なお話とその情熱に触れることのできる素敵なイベントも開催予定! 期間限定のプレミア展示も画策中です。今後の情報にぜひご注目ください。

学芸員 

広坂方面からのアクセスが便利になりました!

H26.04.13
 学芸員です。
 少々薄曇りの金沢ですが、お天気は終日持ちそうな雰囲気です。兼六園や浅野川、そして卯辰山の満開の桜も本日がおそらく最後。あたたかい日差しの中でのお花見はモチロンですが、闇に浮かぶ花明かりにも城下町金沢独特の風情があります。市内では各所でライトアップもされていますので、ぜひ足をお運び下さい。
 さて、お知らせが遅れましたが、金沢三文豪バスの名でも知られる城下まち金沢周遊バス。実は4月1日から、従来の金沢駅からひがし茶屋街、そして広坂・犀川方面へと廻る右回りルートに加え、犀川・広坂方面からひがし茶屋街、金沢駅へと周遊する左回りルートが新たに運行を開始し、広坂から記念館のある橋場町・東山界隈へのアクセスがたいへん便利になりました!
 これまではバスの利便性を考え、東山界隈を先にご覧になってから、広坂方面へと足を延ばすコースをおすすめしていましたが、現在は逆回りでもスムーズにお廻りいただくことができます。兼六園でお花見を満喫した後、バスで橋場町・東山界隈で当館をはじめとする(笑)さまざまなミニミュージアムめぐりをお楽しみいただき、最後に火ともし頃のひがし茶屋街を散策して花街本来の姿を感じつつ、おいしい加賀料理で夕食……などというプランもよいですね。

城下まち金沢周遊バス 左回りルートのおすすめバス停は21世美術館の広場前。「広坂・21世紀美術館」→「兼六園下・金沢城」→「橋場町(金城楼向かい)」で下車して、徒歩3分で記念館到着です!
 記念館からひがし茶屋街は歩いて5分ほど。金沢らしい町並みを眺めつつ、ゆるゆる歩いて向かわれるのがおすすめ。ゴールデンウィークのご来沢プランにご参照いただければ幸いです。

学芸員 

「怪」vol.0041

H26.04.11
 学芸員です。
 開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」も残すところ1ヶ月。主人公・矢野が物語の舞台である能登・和倉温泉を訪れた5月に展覧会はフィナーレを迎えます。
 その前に、5月の連休に向けて最後のPRというわけではありませんが、KADOKAWAの妖怪マガジン「怪―KWAI」vol.0041の「日本全国ふるさと妖怪だより」のコーナーで、山海展のご紹介をさせていただいています。

怪 「怪」は“世界で唯一の妖怪マガジン”。今回は「音」をテーマとする特集が組まれ、鏡花も高い関心を寄せた東北の巫子による祈祷や奥三河の花祭なども紹介されており、鏡花×柳田研究にも参考になる1冊です。
 そして! なんと「橘小夢―幻想を視覚化する技量」では、昨年の鏡花生誕140年記念シンポジウムにご出演いただいた博物学者の荒俣宏先生と、一昨年の泉鏡花フェスティバルにおいて小夢画「高野聖」をご出品いただいた加藤宏明さん(小夢孫)の対談が! 何も知らずにページを開いて、お二人のツーショット写真を眼にした時は、思わず声を上げて驚いてしまいました。(笑) 小夢作品の妖艶な画像を交えた、たいへん興味深いお話が掲載されています。
 その他、さまざまな分野の専門家による妖怪研究特集「上方の妖怪文化再発見」や、柳田(松岡)國男の青春時代を描いたコミック(!)「恋する民俗学者」など、読みどころ満載! お近くの書店で目にした際には、ぜひお手にとってご覧ください。
学芸員 

「化鳥」―二つの橋

H26.04.10
 学芸員です。
 金沢市内の桜はすでに満開、まさにお花見のピークを迎えています。記念館近くの浅野川河畔では、今朝の強風で散り始めた花びらが、石畳に桜のじゅうたんを広げています。 さきほど浅野川大橋の上から、鏡花の自伝的長編小説「由縁の女」の初版本の口絵・小村雪岱画「篇中仮構地図」にも描かれた春の女川の上流・下流のようすを、それぞれ写してまいりました!

浅野川 特に上流の方、卯辰山の麓にかかる天神橋は、「化鳥」の主人公・廉くんの橋として最も有力視されている場所。現在は鉄橋となっていますが、一つ下流に架かる梅ノ橋をそれに見立てて、思わず、
「おもしろいな、おもしろいな……」
とつぶやいてみたくなってしまいます。


浅野川 そして、きびすを返して下流を眺めると目に飛び込んでくるのは、明治40年代まで「一文橋」として機能し、やはり「化鳥」の橋のイメージに寄与したといわれる中の橋。この春、新たに川中に造られた“瀬”が、浅野川に生き生きとした表情を与えています。なかなかそそられる流れですが、“はねの生えたうつくしいねえさん”に逢いたいからといって、わざと落っこちてはいけませんよ。(笑)


 「化鳥」といえば昨日、今年の本屋大賞を取り上げたNHKの朝のニュースで、関連のトピックスとしてビブリオバトルの参考映像でわれらが『絵本 化鳥』をちょっぴりご紹介いただいたようです。また関心を寄せてくれる方が増えるとうれしいですね! 
 市内の桜は今週末にはおそらく散り桜。少々無理をしてでも?週末までにご来沢されることをおすすめします。もちろん、その際には「化鳥」の舞台である浅野川やすぐそばの泉鏡花記念館にもぜひ足をお運び下さい♪
 
学芸員 

書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界

H26.04.07
 学芸員です。
 うららかな晴天の下、寒さに耐え忍んでいた浅野川河畔の桜も一斉に開花し、本日は午後からお花見の行き帰りでしょうか、平日にもかかわらず多数ご来館いただき、記念館にも華やいだ空気がただよっています。
 「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」も残すところ約1ヶ月。ちくま文庫の柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』を当館ミュージアムショップで購入すると付いてくる編者特製「柳花年表」限定50+50=100部も残り20部ほどとなりました。入手希望の方はお花見がてらお早めにご来館&ご購入下さい。浅野川の桜は今週中が見頃です。

鏡花本 さて、初期の名作「照葉狂言」にも描かれた下新町通りを行き交うお花見客を羨みつつ、差し入れのお団子を片手にいそしんでいるのは、次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」。鏡花の初版本および装丁原画や校合摺、貴重な差し上げなど約100点を、狭い館内にどのように配置しようか、ただいま試行錯誤の真っ最中。鏡花の死後に刊行された遺著『薄紅梅』までを含む、いわゆる鏡花本とよばれる初版本ほぼ全点を展示公開しようというこの企画、生田コレクションをはじめとする当館の柱ともいえる所蔵品と、泉家に遺された画人たちの手稿の数々を披露する展覧会ゆえ、展示品には事欠かないものの、悩ましいのはそのスペースです。苦慮のあまり、美麗な鏡花本がオシラ神よろしく宙に浮いている?かもしれません。
 いうまでもなく、鏡花本をメインビジュアルとしたチラシ・ポスターも鋭意制作中。「あ。これは泉鏡花記念館の鏡花本だ!」と、ひとめで分かる方はかなりの通です。(笑)
 そして、今回の企画展はイベントも盛りだくさん! 「書物の可能性を信じる―プロフェッショナルたちのメッセージ」と題して、それぞれの分野で“本”に人生をかけている精鋭を招いての連続トークイベント。6月から9月にかけて月1ペースで開催予定です。いつもとは異なる雰囲気?の記念館で、第一線で活躍する方々のお話を膝を突き合わせて(“狭さ”ゆえですが……)伺うことができます。もろもろ準備が調い次第、こちらでご案内いたしますので、もう少々お待ちください。
 ともかくも、まずはお花見と「山海評判記」展観覧を済ませてから! 予報では明日も好天のようす。たくさんのご来館、お待ちしております♪ 
学芸員 

主計町の桜。

H26.04.06
 学芸員です。
 昨日は予報に反して晴天に恵まれ、少し早めのお花見日和となりましたが、今日の金沢は朝から雨、時折白いものも交じるようで、文字通りの花冷えの一日となりそうです。

主計町茶屋街 本日ご紹介するのは、鏡花が“魔所”と呼んだ暗がり坂の下、主計町検番前の桜です。開花が早い品種なのか、数日前からすでに満開を迎えているこの桜。茶屋街の入り組んだ露地を曲がると突然姿を現し、観る人をハッとさせています。
 そして画像の左側、鏡花が短篇『榲桲(まるめろ)に目鼻がつく話』で「坂と言わず穴のような崕(がけ)である」と表現した暗がり坂を上ると、そこは地域の氏神・久保市乙剣宮。境内には鏡花の春の句「うつくしや鶯あけの明星に」を鏑木清方の揮毫で刻んだ風情ある句碑が建っています。
 その句碑から下新町通りをはさんで向かい側にあるのが、鏡花の生家跡地に建つ記念館。通りからは、母の死後、鏡花が毎日のように二階の窓から眺めていたという、母の眠る山・卯辰山が見えます。その中腹には、やはり鏡花が春を詠んだ句碑「母恋し 夕山桜 峯の松」が。こちらは花が開けば満開の桜に囲まれるお花見スポットです。
 金沢市内の桜のピークは週半ばから週末に掛けて。卯辰山の桜は週末あたりが見頃かもしれません。兼六園には鏡花の短篇「桜心中」に登場する旭桜もあります。
 これらはバスはもちろん、徒歩でも半日あれば十分歩いて廻れる散策コース。鏡花ゆかりの地を辿りながらの桜めぐり。特に鉄道ファンの方、新幹線開業前の金沢の思い出づくりにいかがでしょうか?
学芸員 

女川の桜。

H26.04.04
 学芸員です。
 金沢は春の嵐に見舞われ、ようやく開きかけた桜が枝先で必死に耐え忍んでいます。

主計町茶屋街 思ったよりも早く開花が進んでいるらしき浅野川―通称・女川の桜並木。今朝ほども鏡花も遊んだ久保市乙剣宮境内奥の暗がり坂を下りて浅野川に出てみたところ、ぼんぼりも設置され、お花見スタンバイok!の様子でしたが、残念なことに今週末の予報は雨。でも川沿いの主計町茶屋街には町家を改装したカフェやお食事処も点在しているので、風情ある縁側から雨の女川と桜を愛でつつ、ゆっくりお昼やお茶を楽しむというのも、他所では出来ない、いかにも金沢らしいお花見といえるかもしれません。
 昔ながらの家造りを生かした小さなお店が多いので、満開を少し外した頃に訪れていただくのが、ひょっとしたらベストかも。……というわけで、静かにゆったりとした気分で女川の桜を堪能したい方は今週末のご来沢がおすすめです。
 さて、お花見ムードが盛り上がりつつある茶屋街の迷路のような路地の奥―鏡花が“魔所”と呼んだ坂を上ると見えてくる、鏡花の生家跡に建つ記念館。企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」で雪岱の怪しげな挿絵をご紹介しつつ、次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」(5/17‐8/31)を鋭意準備中です。
 次回企画展のメインは、生田コレクションをはじめとする鏡花本の数々はもちろん、清方、英朋、雪岱らの装丁家による貴重なデザイン画(原画)や校合摺、差し上げ(着色稿)、色校正の数々。なかには色つけ途中の原画や実際の仕上がりとは異なる色校正もあり、あの美麗な鏡花本が仕上がるまでの試行錯誤が伝わってくるようで、資料を整理しているだけでドキドキしてしまいます。
 雪岱さん人気もあり、近年ますます注目が高まっている鏡花本。あらためてその魅力に触れていただける展覧会となるよう、雨ニモマケズ、風ニモマケズ、邁進中の記念館です。
学芸員 

図録「鏑木清方と硯友社」

H26.04.03
 学芸員です。
 昨日一日の陽気で桜の開花も早まり、三分咲き位の枝がちらほら見受けられる金沢です。きっと今週末は満開の桜でみなさまをお迎えできることと思われます。
 さて、年度替わりの諸々の業務でたまった疲れを一日休みで癒している間に、たいへんすばらしい図録が届いていました!

鏑木清方 当館とも交流の深い鎌倉市鏑木清方記念美術館の新図録「鏑木清方と硯友社―尾崎紅葉・泉鏡花・山岸荷葉著作関連作品所収―」です。
 平成18年発行の「鏑木清方 挿絵図録―泉鏡花編―」の完売を受けて、新編集で新たに企画されたこの図録。鏡花はもちろん、師である尾崎紅葉、そして紅葉と親しい小説家(のちに劇作家)でありながら、これまであまり光を当てられてこなかった山岸荷葉関連の清方挿絵・口絵等が網羅的に収録された力作です。
 同館では5月24日(土)から6月29日(日)まで特別展「『観る・読む・描く』鏑木清方と文学―硯友社を中心に―」を開催予定。ちょうど同時期に当館でも企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」(5/17‐8/31)を開催中であり、今回の新図録は当館の次回企画展でも関連図録としてミュージアムショップで販売させていただきます。こちらは販売の準備ができ次第お知らせしますので、もう少々お待ちください。
 そして、この図録の企画編集を担当した同館副館長で主任学芸員の宮崎徹さんに出張講座に来ていただくべく、ただいまお話を進めています。宮崎さんは学芸員が着任直後からたいへんお世話になり、最も信頼を寄せている“お兄さん”。先日の深川での研究発表の際にも、お忙しいなか足を運んでくださいました! 金沢での再会が楽しみでなりません。
 公私ともに待ち遠しい(笑)次回企画展。詳細のお知らせはもう少し先になりますが、どうぞお楽しみに!

学芸員 

新年度のスタートです!

H26.04.01
 学芸員です。
 快晴の中、スタートとなった平成26年度。消費税改正やら何やらで昨日今日はあわただしく、あっという間に一日が終わろうとしています。

桜 すっかりあたたかくなり、薄い羽織りものが一つあれば十分な金沢ですが、桜の開花はまだ先のよう。……というわけで先日、一足先に観桜させていただいた東京・茅場町の堀割に花影を落とす桜の枝をおすそわけです。同じようにカメラを向ける見知らぬ人とも「みんなやることは一緒ですね♪」とお互いににっこり。きっと、この週末から来週にかけての金沢でも、同じような光景があちこちで見受けられることと思われます。

 新たな春の到来を喜びつつも、開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」は気づけばあと一ヶ月ほど。途中、2回の展示替えを交えてとはいえ、5ヶ月にもわたる長期展にもかかわらず、怪しい妖しい雪岱挿絵に引き寄せられてか、ひきつづきたくさんのご来館をいただいております。読むごとに発見のある作品ゆえ、あとひと月で終了するのは寂しい限りですが、そろそろ5月中旬からの新たな企画展の準備にも本腰を入れねばなりません。
 次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」(5/17‐8/31)は、鏡花本の魅力を伝えつつ、今一度“紙の本”を手に取って読む楽しみを思い起こしましょう!……というもの。鏡花本にまつわる貴重な資料の展示はもとより、さまざまなジャンルで“本”のために人生をかけている方々を招いての熱気あるイベントの企画も進行中です。あっと驚くバラエティ豊かな講師陣、乞うご期待です!
 そして、秋には開館15周年記念特別展「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」を開催、絵師・山本タカト氏の描き下ろしイラストの数々が、「稲生物怪録」関連資料とともに“人間の瞬(まばた)く間”の世界へとあなたをいざないます。
 新年度のはじまりにふさわしい陽気の中、よりフレッシュな気持ちでスタートを切った平成26年度の泉鏡花記念館。近頃大注目!の浅野川・下新町界隈を散策の折にはぜひお立ち寄りください♪ 
学芸員 

見わたす限りの雪岱わーるど!

H26.03.31
 学芸員です。
 終日雨となった昨日から一転、今日は朝からきれいな青空が広がっています。
 この週末もたくさんの方にご来館いただき、ありがとうございました!浅野川界隈はもうすぐお花見シーズン。開花はまだ少し先のようですが、つぼみは大分ふくらんできています。川沿いの主計町茶屋街には“女川”の流れと桜の花を楽しみつつ、ゆったりとした時を過ごせる町家カフェも点在しておりますので、お近くにお越しの際は、ぜひ当館と合わせて足をお運び下さい。

山海評判記 さて28日(金)からスタートした「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第3期。
 「鰈」「青帽女子」「半日」「半夜」「姫沼綾羽」「歌仙貝」「廿三人の馬士」「白山の使者」の8章分をご紹介しておりますが、挿絵タペストリーの総本数は会期中最大の12本、ふだんは使わない土蔵の扉前も駆使し、展示室内は見わたす限りの雪岱挿絵、まさに“雪岱わーるど”と化しています。

 昭和8年頃に確立されたとされる〈雪岱調〉と呼ばれる、独特のコントラストと省略美に到達する以前の、どこか泥臭い挿絵が多い「山海評判記」。しかしデザイン性の高い、スタイリッシュな画面ではきっとこの不気味さは伝わらなかったと思われます。
 洗練の一歩手前であるからこそ、じわじわとにじみ出てくる闇の世界。幻想小説家としての鏡花の筆力と、挿絵画家としての雪岱の力量が、まさにベストなタイミングでタグを組み、生まれるべくして生まれた作品といえるでしょう。「山海評判記」が連載される数年前あたりから、柳田とその周辺でオシラ神に対する関心が高まっていくという事実も、来たるべき“時”に向けて、起こるべくして起こった現象といえるかもしれません。

 オシラ神といえば、上京時に参加してきたある研究会で、現在も八戸で巫業を行う中村タケさんの貴重なオシラ遊ばせの様子を映像に記録した方々にもお会いすることが出来ました。こちらはDVDで購入可能だそうです。ご関心のある方はぜひ。
学芸員 

番町のお庭。

H26.03.30
 学芸員です。
 東京で開催された泉鏡花研究会&深川文学散歩、その他研究会への参加のため数日留守にしている間に、金沢もすっかり春めいてきたようですが、本日はあいにくの小雨模様です。
 東京では、日あたりの良いところでは桜も三分咲き。研究発表準備のためによれよれに疲れ切っての上京でしたが、27・28日の久方ぶりの深川散策と、某マニアックな研究会会場近くの神保町古書店めぐりで、ココロもカラダもすっかりリフレッシュしてまいりました!
 記念館では留守の間に「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第3期も開幕、展示室では会期中最大の12本の挿絵タペストリーが所狭しとつり下がり、みなさまを怪しき能登路へと誘っています。
 リニューアル?といえば、展示替え休館中にもう一つ、装いを変えたエリアが。
 鏡花の終の棲家、現在の東京千代田区にあった通称「番町の家」のお庭を模した当館の坪庭をちょっとお手入れしてみました。

雀のお宿 ご存じの雀のお宿、山茶花、乙女椿、南天に加え、今回新たに紫陽花とウツギ(卯の花)が仲間入り。実は往事の泉家のお庭にはこれらの庭木が植えられていたという記録があり、今回の紫陽花とウツギの植樹ですべてが揃ったことになります。
 少し苔むして、わびさびを兼ね備えてきた雀のお宿(複製)も、何やら心地よさげに見えますね。
 もちろん、紫陽花とウツギはまだ苗木。これからすくすく生長して文字通りお庭に花を添えるまであたたかく見守っていただければ幸いです。
 
 

学芸員 

26・27日は展示替え休館です。

H26.03.25
 学芸員です。
 本日を持ちまして「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期が終了いたしました。明日26・27日は展示替え休館、その奥底をかいま見てしまったら二度と日常には戻れなさそうな第3期は28日(金)からのスタートです。記念館のお隣には、27日(木)から柳宗理記念デザイン研究所が開設、展示スペースではバタフライスツールをはじめ、柳氏がデザインした作品にじかに触れてご覧いただけるスペースもあります。この週末は新たな隣人の到来に沸く金沢下新町&尾張町界隈にぜひ足をお運びください!
 
山海評判記 さて、3月も終盤となり、来年度の諸々の準備が始まっている記念館。残り一週間となった平成25年度を締めくくるべく、館報「鏡花雪うさぎ」9号が本日納品されました!
 今回の表紙はもちろん、秋に行われた鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」。準備数年、会期2カ月という展覧会でしたが、先陣切ってPRに努めてくださった千代田図書館さんはじめ、神奈川近代文学館さん、鎌倉市鏑木清方記念美術館さん、そして松竹さんなどの計8団体、そして3つの出版社さんと広報連携を組むという、当館としても初の試みでしたが、終わりよければすべてよし! 各所のご協力のおかげをもちましてさまざまな分野に発信し、多くの方に鏡花の魅力に触れていただくことができました。
 5月17日(土)からの次回企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」では、この連携を通してより広がりと深まりを得たご縁を活かして刺激的なイベントを企画中。まもなく迎える平成26年度の泉鏡花記念館にも、ひきつづきご注目ください。
 なお、館報は第3期がはじまる28日から館内に設置します。ご来館の際にはぜひお手に取ってご覧ください。

学芸員 

日常/非日常の恐怖。

H26.03.24
 学芸員です。
 本日も快晴となり、ようやく春めいてきた金沢。「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期も明日で終了、26・27日の展示替え休館を経て、28日(金)からスタートする第3期の準備も佳境です。ワケあって、なかなかタイトな展示替えスケジュールのため、少し気が早いですが先ほどケース内の展示物を一部追加、会期を一日残して展示室にははや3期モードがただよっております。

 さて、みなさん、突然ですが、のどかな田園風景を楽しみながらのドライブ中に、農作業中の村人に愛車を泥で汚されたら、どうしますか?
 怒りますか?
 わざとじゃないんだから……と、笑ってすませますか?
 ……では、もし“わざと”だったらどうしますか?

山海評判記 小村雪岱による左の挿絵。除けようのない細い畦道をゆくハドソンに、泥を浴びせる村人たち。はじめは偶然だと思っていた矢野たちですが、次第に彼らの敵意に気付き始めます。
 言い知れぬ不安を感じながらも、前に進むしかないハドソン。一見、ほのぼのとして見える一枚ですが、物語はもはや引き返すことの不可能な“何ごと”かに向かって走り出しているのです。「ごと、ごと、ごと、がた、がた、がた、ふら、ふら、ふら、ふら……」という、村のこどもたちの不思議な歌声が今にも聞こえてきそうです。

 じわじわと迫りくる土俗の闇。読めば読むほど、得体のしれない恐怖に苛まれていくのが「山海評判記」という作品です。情け容赦ないホラー度で、読者を異世界に連れ去る第3期はまもなく開幕! 何度でも足をお運びください。
 日本文学史上、類を見ない幻想小説家がたどり着いた、いわば“最果て”の風景。鏡花が作家として恍惚として見たであろうその“風景”が、あなたにも見えてくるかもしれません……。
学芸員 

加速する非日常。

H26.03.23
 学芸員です。
 朝からさわやかに晴れ上がった本日は3連休の最終日。開催中の「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期も残すところあと3日ということもあってか、午前中から多くの方にご来館いただいています。
 さて28日(金)からスタートする第3期。各回の挿絵&カット、およびあらすじと引用文がひと目で見られる山海タペストリーの制作もこれが最後。全125回を見渡して、どの章がいちばん怪しかったか……と、つらつら考えてみたところ、やはりこの場面にまさるものはないように思われます。
 そう、「青帽女子」。
 墓場のあやしげな市に河豚を買いに現れた、青い帽子のモダンな洋装のある女性。波止場で鬼灯形のお札を人々に授けていたというこの女は、どうやらオシラ神を奉じる一派の一人らしいのですが、その言動はこの上なくコケティッシュで破天荒。周囲の人々は皆、その妖しい魅力にとりつかれたように、老いも若きも、男も女も、ぞろぞろとその後について行ってしまいます。

山海評判記 墓場の竹垣からニョッキリと伸びた白い手が、その特異性の証し。少女漫画家・山岸凉子さんやささやななえさんの怪談作品にも通じる、人としてあり得べからざる体躯を、いわば“非日常ライン”で描くことで、日常を逸脱した存在・場面である事を表現しています。

 ノンストップで非日常世界に突入していく第3期。
 両界とその狭間を筆一本で描き表す雪岱挿絵の妙をご堪能いただくためにも、ぜひ第2期、第3期ともに足をお運びいただき、その加速度?を体感してみて下さい。


学芸員 

オシラさらに飛ぶ。

H26.03.22
 学芸員です。
 3連休の初日とあって、昨日は本当に多くの方にご来館いただき、企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」の怪しい魅力をご堪能いただけたようです。ありがとうございました!
 5月中旬からの新企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の準備に向けた今年度最後の出張を終え、以降は今月27日からスタートの山海展第3期の準備のラストスパートに入ります。軽やかに宙を舞う雪岱描くオシラ神とももうすぐお別れ。

山海評判記 
   ←展示終了間近の4連“オシラ神”その肆。
     まさかのタイトルカット内。(25日まで)


 矢野を追って和倉に来た“姪”ことお梨枝の登場により、別の意味で妖しくなっていく第3期。この二人の関係はいったい……?と、頭を抱える場面ばかりで、いや、でも、あの鏡花が? いや、でもあの鏡花だからこそ???と思わずすみずみ何度も読み返してしまうほどに蠱惑的。きっと当時の読者も「えっ?! 今のどういうこと???」と、夕刊を握りしめて熟読したに相違ありません。(笑)
 そこに謎多き女性・姫沼綾羽も加わって、鏡花作品には異色なレベルの男女の機微も描かれた第3期。男女といえばこの人!の、最近少しお悩みらしい秋聲さんのところで多少の伝授を受けてからのご観覧もおすすめです。
 そんなクライマックス一歩手前で“ざわざわ”している第2期は25日(火)まで。本日もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

オシラ尚飛ぶ。

H26.03.20
 学芸員です。
 金沢は本日も雨。それでも記念館では企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」の第3期に向けて、そして5月中旬からの新企画展「書物の可能性を信じる―よみがえる鏡花本の世界」の準備に向け、熱く熱く諸事進行中です。第2期の主役たるオシラ神はというと……世俗の事情はどこ吹く風と今日も展示室を軽やかに飛翔中。 


山海評判記 
   ←展示終了間近の4連“オシラ神”その参。すでに中空。(25日まで)


 妖しさが増すばかりの第3期では、オシラ神を奉仕する巫女の呼称として“オカミン”という言葉が登場します。この“オカミン”は「山海評判記」が発表される前年の昭和3年3月18日、北多摩郡砧村の柳田國男邸に八戸のイタコを招いて挙行されたオシラサマ祭に触れた「オシラ尚遊ぶ」において柳田が紹介しいる言葉であり、同年9月に発表された「オシラ神の話」とともに、鏡花が「山海評判記」執筆に際して参照したと思われる文章です。翌4年の3月18日には、偶然一年前の招待状を目にした鏡花がオシラサマ祭の日と勘違いして柳田邸を訪れたというエピソードが残っており、当時の鏡花のオシラ神への関心の高さと猛勉強ぶりがうかがえます。
 そんな鏡花渾身のクライマックスは今月28日(金)から。当館で購入すると、もれなく詳細な柳花年表が付いてくるちくま文庫『山海評判記/オシラ神の話』もお忘れなく。
学芸員 

斜め上をゆくオシラ神。

H26.03.18
 学芸員です。
 朝から雨模様となった金沢。でも、当館では降雨・豪雪・暴風・雷鳴は吉兆のしるし。アノ方もコノ方も初めて来館されたときは記録的な悪天候でございました。本日の雨脚は、さきほど送り出したばかりの来館者の今後への期待をこめてのはなむけと思われます。

山海評判記 さて、文字通り“斜め上をゆく”オシラ神が魅惑的な企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期。その華麗なる非日常ぶりとの名残を惜しむべく、本日も熱心なご様子の方に入れ代わり立ち代わりご来館いただいています。

←展示終了間近の4連“オシラ神”その弐。(25日まで)

 ただいま準備中の第3期は、よくぞこんなものを新聞で……と、思わず「時事新報」に手を合わせくなるほど、内容も挿絵も型破り。たそがれ時に夕刊で毎日これを読めた同時代の読者がうらやましい限り!……ともいえますが、果たしてどれだけの読者が当時この作品についていけていたのかは疑問といわざるを得ません。
 結局、鏡花生前の単行本化はお蔵入りとなり、没後の『鏡花全集』で初めて書籍に収録されたこの作品。ある方が初出のコピーを製本して、世界初にして唯一の挿絵入り山海本だ!と愛蔵していたという話は一部で有名ですが、このたび国書刊行会から全挿絵&全カット入りの『初稿・山海評判記』が刊行されることになり、泉下の鏡花×柳田×雪岱も心待ちにしていることと思われます。
 もはや、ありえないこともふつうに思われてくるような第3期は今月28日(金)から。26・27日の2日間は展示替え休館となっておりますので、ご来館の際にはご注意ください。 
学芸員 

幻妖から妖美へ。

H26.03.17
 学芸員です。
 比較的暖かい一日となったためか、昨日にひき続き本日もたくさんのご来館をいただいています。学生さんやその父兄の方が多く見受けられるのも、この時期ならではといえるかもしれません。

山海評判記 さて、開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期も残すところ10日足らず。初出紙「時事新報」夕刊から飛び出し、展示室を自由自在に跋扈し、みなさまを軽やかに幻妖の世界へと連れ去ったたオシラ神とももうすぐお別れ。物語は主人公の小説家・矢野誓を“おじさん”と慕いつつも、ひそかに想いを寄せるお梨枝、そして矢野の宿敵・姫沼綾羽の登場により、幻妖から妖美の世界へと変容していきます。

←展示終了間近の4連“オシラ神”その壱。(25日まで)

 近頃、大注目のオシラ神。民俗学の分野でも“オシラ遊ばせ”の貴重映像がまとめられるなど、研究もより広がりをみせているようです。
 そんなオシラ神もからんで矢野の周辺で起こる不可解な出来事の背後にあるものが姿を現し、妖美度、隠微度では群を抜く第3期は3月28日(金)から。いよいよクライマックスに突入します。連休明けの5月11日(日)までの開催です。
 なお、 全国文学館協議会の加盟館のうち、36館が参加しての共同展示「3.11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」の一環として展示中の中川学さんの描き下ろしイラスト「『朱日記』―災厄のきざし」も同日までとなっております。ぜひご来場ください。
 中川さんといえば、兵庫県三木市の三木市立堀光美術館で4月6日(日)まで開催中の「WA-POP? 中川学 illustration」展。その様子が中川さんのHP のブログで紹介されています。広大な展示スペースに絵草子『龍潭譚』や『絵本 化鳥』の原画(ピグメントプリント)をはじめ、万城目学さんの「とっぴんぱらりの風太郎」のイラストも展示されているようです。こちらにもぜひ足をお運びください。
学芸員 

捕獲してきました。

H26.03.16
 学芸員です。
 3月15日(土)に新宿PitInnで開催された小鼓奏者・石井千鶴さんらによる公演“朗読幻奏”第2弾。今回は鏡花の震災体験記「露宿」を取り上げるということで、舞台公演としてはほぼ初めての試みに研究会の面々も詰めかけるなか、“音ノ刃”のユニット名ふさわしい、予想を遥かに超える刺激的なセッションが繰り広げられるひとときとなりました。
 さて、28日(金)からスタートする「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第3期の顔ともいうべきアレの子孫を捜しに足を運んだ東京・浅草。活気ある仲見世の誘惑を振り切り振り切り歩を進めると、浅草寺本堂近くのとあるお店にそれはありました。

ずぼんぼ そう。江戸玩具“ずぼんぼ”。
 ずぼんぼは、浅草観音の境内で売られた紙製のおもちゃで、隅田川で捕れたシジミの貝殻を重りにして団扇で扇いで遊ぶものです。主には獅子舞や虎の姿をしていて、胴の中に風が入ると舞い遊んでいるかのようなユーモラスな動きをします。ちなみに「ずぼんぼ」という名は、獅子舞の囃子言葉からきているといわれています。

 「山海評判記」の「姫沼綾羽」の章で“つぼんぼ”と表記されているこの遊び。「づ」の濁点落ちの可能性がありますが、明治に入ってから時折復活することはあっても、その後はすっかり廃ってしまったということですので、なぜ鏡花がこの遊びをああいった形で昭和4年の作品に登場させているのか、その形状の違いも含めて今後も要検討です。

 ちくま文庫『山海評判記/オシラ神の話』を片手に訪れた熱心な来館者の「ところで、“つぼんぼ”ってどんなものですか?」という質問に端を発した今回の捕獲作戦。無尽蔵のびっくり箱のようなこの作品の秘密を解き明かす資料の一つとして第3期から展示します。どうぞお楽しみに♪

学芸員 

山海ミステリーツアーin浅草

H26.03.13
 学芸員です。
 朝から雨模様となっている金沢。でも週末にはお天気も回復するよう。3月15日(土)14:30から新宿PitInnで開催される小鼓奏者・石井千鶴さんらによる公演“朗読幻奏”第2弾鑑賞のため学芸員は不在ですが、雪岱さんの摩訶不思議な挿絵の数々がみなさまのご来館をお待ちしておりますので、ぜひ足をお運び下さい。
 さて、「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期も今月25日まで。残すところ2週間を切りました。鏡花が柳田から影響を受けたというオシラ神関係の挿絵がメインだった第2期。では28日からは?……といわれれば、やはりいうまでもなくアレでしょう。
 そう、徳田秋聲記念館さんの「木村荘八『爛』挿絵原画展」(3月16日最終日!)とのコラボ企画で本邦初!の山海缶バッジの顔にもなったアレです。
 今回の上京のメインはもちろん“朗読幻奏”なのですが、その前にとある場所まで足を延ばしてくる予定。

浅草 それは、浅草。
 なんと! アレの子孫?が浅草で今も健在との有力情報を入手したのです。
 そう、奇しくも「山海評判記」のヒロイン・お李枝がある願掛けのために日参しているという、アノ浅草にです。
 事前調査をしたところ、形状は少し異なるようですが、出現する状況も、出現する目的も、出現する手順も、まさにアレ!
 これは何としても一匹確保してこなければ収まりません。
 ……というわけで、急遽ミステリーハンターと化して、山海ミステリーツアーに出向いてまいります。

 それにしても、一つ謎が解けるたびに、また一つ謎が深まる「山海評判記」。柳田民俗学ならぬ、鏡花隠秘学のるつぼのようなこの作品、そのポテンシャルはまさに無限大です。
 今回はこれまでほとんど公開されてこなかった雪岱さんの挿絵に光を当てていますが、「特別編」もまだ1期残っているのに、すでに次なる「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―ファイナル!」(仮)に向けての構想を練らねばならないような状況になってきました。
 きっと、その頃には国書刊行会さんによる初の山海単行本『初稿・山海評判記』も、さすがに出版されていることと思われます。(笑)
 それまで待ちきれない!……という方は、当館で購入するともれなく編者特製「柳花年表」がもらえる柳花研究の必携書・ちくま文庫『山海評判記/オシラ神の話』(東雅夫氏編)をどうぞ♪
学芸員 

今週末の過ごし方。

H26.03.12
 学芸員です。
 本日の金沢は朝から青空が広がり、気温も少し緩んでようやく春の訪れを感じさせる一日となっています。
 さて、全国文学館協議会の加盟館のうち、36館が参加しての共同展示「3.11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」。当館は『絵本 化鳥』のイラストレーターである中川学さんの描き下ろし「『朱日記』―災厄のきざし」を、現在開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」の最終日である5月11日まで展示しておりますが、その中川さんのイラスト展が3月16日(日)から兵庫県三木市の三木市立堀光美術館で開催されることになりましたので、お知らせします!

中川学 その名も「WA-POP? 中川学 illustration」展。絵草子『龍潭譚』や『絵本 化鳥』の原画(ピグメントプリント)をはじめ、中川さんの和POPな世界を存分に楽しんでいただける展覧会です。『絵本 化鳥』の原画は当館から出品させていただいています。
 その他、中川さんのイラストレーターとしての多岐にわたる仕事の数々、計356点の他、中川さんが装画や挿絵を手がけた書籍や雑誌なども多数展示されるそうです。
 場所は三宮駅から神戸電鉄(粟生線)三木上の丸駅まで約1時間ぐらいとのこと。春のお彼岸の時期ということで(※中川さんのご本業は僧侶です)、ご本人の在廊日は未定ですが、ハイキングがてら、ぜひお立ち寄りください。

 そして、もう一つ、鏡花関連のイベントのお知らせ。
 以前にもご紹介しましたが、鏡花とも交流の深い新派の名優・喜多村緑郎の遠戚でもある、現在大注目の小鼓奏者・石井千鶴さんらによる公演 “朗読幻奏”第2弾が、3月15日(土)14:30から新宿PitInnで開催されます。今回、石井さんが選んだ作品は何と!鏡花の関東大震災体験記である随筆「露宿」! 石井さんの、あの少年のような硬質な声でどんなふうにこの作品を演じられるのか、今からとても楽しみです。
 というわけで、この週末は首都圏の方は石井さんの“朗読幻奏”へ、関西圏の方は中川さんの「WA-POP?」展へ、そして金沢近辺&旅行者の方はモチロン当館、そして少し前までコラボ企画で仲良くしていた(笑)徳田秋聲記念館さんの企画展「木村荘八『爛』挿絵原画展」(3月16日最終日!)に足をお運びください♪

学芸員 

3.11 文学館からのメッセージ

H26.03.10
 学芸員です。

泉鏡花記念館 今冬の雪もこれで最後……と思っていましたが、目が覚めたら辺り一面、銀世界と化していました。
 “雀のお宿”があったという、鏡花の「番町の家」の小庭を模した当館の坪庭の乙女椿も、ようやく開きかけたやさしいピンクの花弁に白い綿帽子をかぶってしまいました。
 金沢の春は、まだ少し先のようです。



 明日は3月11日。東日本大震災から3年が経ちます。
 あの日、映画館を出てデパートの8階でお茶を飲んでいると、急に強いめまいに襲われました。
 カップの中のコーヒーが輪を描いて揺れるほどだったので、お店に迷惑を掛ける……と思い、カップをテーブルに置いたところで、それがめまいではなかったことに気づきました。
 まわりの人たちも気づいたようでした。
 窓際の席だったので、顔なじみの店長さんが気遣ってそばに駆け寄ってくれました。
 ずいぶん長い地震だな……と思った時に、さらに大きな横揺れがきました。周囲が騒がしくなり、壁に飾られた細いアイアンハンガーが、時計の振り子のように左右に大きく振れました。
 棚に陳列された、陶器類が落下していなかったのが不思議なくらいでした。
 揺れが収まると、店内は再び平静を取り戻していきました。

 2度目の横揺れに言いようのない不安を感じつつも、店を出て、エスカレーターで地上に降りると、金沢の街を行く人々はほとんど揺れを感じていなかったようですが、何人かが携帯の受信メールをみながら、
「大きな地震があったんだって……。」
 と話していました。
 いくつかの用事を済ませて、最後に知人の家に寄ると、知人は「たいへんなことになってるよ。」といいながら、顔色を変えて出てきました。
 それから何日かの間は、かつて目にしたことのない映像とともに、静止していると船酔いのようになんとなく地面が揺れているような感覚が消えませんでした。

 それぞれの方が、それぞれの状況で3月11日を体験し、明日3年を迎えます。
 みんなに何かができるわけではないかもしれませんが、誰もができるのは「忘れないこと」です。
 全国文学館協議会では、今年も加盟館36館が参加しての共同展示「3.11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」を行っています。
 各館によって展示期間は異なりますが、上記リンク先でご確認の上、ぜひお近くの文学館に足を運んでみて下さい。
学芸員 

本日もフォトサービスDay&犀星館リニューアルオープン2日目!

H26.03.09
 学芸員です。
 前日の雪模様から一転、金沢は朝から晴天に恵まれています。昨日はやむことのない降雪に、さすがにこんな日は来館者も……と思っていましたが、終わってみれば春秋の連休並みにたくさんの方が足を運んでくださっていました! リニューアルオープンした室生犀星記念館さんとの相乗効果でしょうか。みなさん、ともに盛り上げてくださり、ありがとうございました!
 さて、オープン2日目となった犀星さん、本日もご来館の方全員に特製しおりがプレゼントされます。火鉢猫で知られる“ジイノ”が火鉢の縁を温めて?みなさんをお待ちしているかもしれません。

絵本化鳥 また、同じく浅野川界隈でも昨日にひき続き金沢蓄音器館徳田秋聲記念館寺島蔵人邸、そして当館の4施設で「博物館の思い出をアルバムに」と題するフォトサービスを実施。共通観覧券(1DAY500円~)を購入すると、各施設でご観覧の際に撮影スポットでスタッフが記念撮影、思い出に残るフォトアルバムにしてお客様にプレゼントします。

←晴天ゆえ、本日はあんこう博士もお手伝い。

 さらに上記4施設をすべて廻った方には抽選で素敵な記念グッズをプレゼント!詳しくは各施設で設置されているチラシをご覧ください。ちなみに浅野川界隈施設と室生犀星記念館は三文豪の名前が付いた城下町金沢周遊バスで廻れます。
 おすすめのモデルコースは、徳田秋聲記念館→当館→金沢蓄音器館寺島蔵人邸→橋場町バス停(金城楼前)で城下町金沢周遊バス乗車→(この間、兼六園や21世紀美術館にも立ち寄れます)→十三間町バス停下車(犀川ほとり)→徒歩10分→室生犀星記念館でしおりげっと!です。フォトサービス実施4館のいずれかで犀星館リーフレット(地図入り)を入手の上、ご参加いただくとスムーズです。
 兼六園の雪景色を楽しむなら、おそらく本日がラストチャンス♪ たくさんのご来沢&ご来館お待ちしております!
学芸員 

本日はフォトサービスDay&犀星館リニューアルオープン!

H26.03.08
 学芸員です。

雛菓子 金沢はふたたび雪景色に戻り、今またしんしんと雪が降りつもり始めています。
 ここのところバタバタしてお雛祭りどころではなかった当館、本日出勤してみたら、ある方からかわいい雛菓子のおすそわけが届いていました! 折しも外は雪。鏡花の「寸情風土記」にある金沢のお正月の様子を描いた一文「雪の中をこの紅鯛綺麗なり」を思い出し、朝からほっこりしてしまいました。(ちなみに「寸情風土記」は当館のオリジナル文庫に収録されています!笑)

 さて、本日8日は三文豪学芸員の大ベテラン、我らが“姐さん”渾身の室生犀星記念館リニューアルオープンの日! 14:00からは金沢出身の俳優・篠井英介さんの朗読&トークショーが開催されるほか、8日9日ご来館の方には全員に特製しおりがプレゼントされるそうです。みなさん、ぜひご一緒にリニューアルを盛り上げてください♪
 また、先日ご案内したように、同じく8日9日は浅野川界隈でも金沢蓄音器館徳田秋聲記念館寺島蔵人邸、そして当館の4施設で「博物館の思い出をアルバムに」と題するフォトサービスを実施。共通観覧券(1DAY500円~)を購入すると、各施設でご観覧の際に撮影スポットでスタッフが記念撮影、思い出に残るフォトアルバムにしてお客様にプレゼントします。
 さらに上記4施設をすべて廻った方には抽選で素敵な記念グッズをプレゼント!詳しくは各施設で設置されているチラシをご覧ください。ちなみに浅野川界隈施設と室生犀星記念館は三文豪の名前が付いた城下町金沢周遊バスで廻れます。
 ……というわけで、おすすめのモデルコースは、徳田秋聲記念館→当館→金沢蓄音器館寺島蔵人邸→橋場町バス停(金城楼前)で城下町金沢周遊バス乗車→(この間、兼六園や21世紀美術館にも立ち寄れます)→十三間町バス停下車(犀川ほとり)→徒歩10分→室生犀星記念館でしおりげっと!です。フォトサービス実施4館のいずれかで犀星館リーフレット(地図入り)を入手の上、今年最後?の雪の金沢をお楽しみください♪

学芸員 

中川学「『朱日記』―災厄のきざし」

H26.03.06
 学芸員です。
 奇跡のように暖かい日々から一転、啓蟄の金沢は雪が舞い散る冷え込みとなっています。
 全国文学館協議会の共同展示「3.11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」。昨年に引き続き、〈いまそこにある問題として震災をとらえよう〉という試みで、今年は加盟館から36館が参加、多くの館が3月1日からそれぞれの視点で展示を始めていますが、本日付の「北國新聞」の夕刊でもご紹介しているように、当館は明日7日から中川学描き下ろしイラスト「『朱日記』―災厄のきざし」を公開します。
 「朱日記」は明治44年発表の鏡花の短編で、〈金沢もの〉の一つに数えられている作品です。ある少年が亡き母の友人を名乗る女から城下を焼き尽くす大火を予告される物語であり、災厄を予感しつつも近代人としての常識からその予言を受け入れられずに戸惑う大人たちと、大火を避けるための自己犠牲を拒み、自身の一念を貫く非日常の女が印象的な佳作です。届いたばかりの中川さんの絵は想像以上に毒々しいもので、妖しい女に守られた少年の手のひらから零れ落ちる、食べると〈血が美しく〉なり炎にも焼かれないという茱萸の実―火の粉だけが宝石のように美しく輝いています。
 人々がその予兆を感じつつ手をこまねいている間に、来るべき瞬間を待っている災厄。「朱日記」には理不尽な災禍を引き起こす〈魔〉の存在がありますが、〈焼けすぎる〉という〈魔〉の言葉には、人ならぬモノの予想をも超えた被害の広がりが表現されています。

中川学 少年を抱きつつ、人の心を覗き込むような目でこちらを見ている女の顔。この燃え立つような一枚から何を受け取るのか、一人ひとりに真摯に向き合ってもらえた時こそ、共同展示はその役割を果たすのかもしれません。
 当初は3月31日までの展示予定でしたが、スタートが遅れたこともあり、中川さんのご厚意で「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別展」が終了する5月11日まで延長することとなりました。

 なお、共同展示は各館によって展示期間が異なります。上記リンク先でご確認の上、ぜひお近くの文学館へ足をお運びください。
学芸員 

“赤い”氾濫。

H26.03.05
 学芸員です。
 “赤い”シリーズもいよいよクライマックス。この5日の間に第2~4弾の初校を戻し、第1弾の再校も戻して、第2弾の再校は6日に出ますからね!とクギを刺される破目となりました。案の定、「夜叉ヶ池」の白雪姫もびっくり!の、まさに“赤い”洪水状態。校了予定日目前でこんなゲラが返ってきた関係各所のご苦労を思うと、もはやどの方向にも足を向けては寝られず、うずくまるしかない状況に陥っておりますが、何とか脱出の糸口が見えてまいりました。
 さて、“赤い”シリーズの最後を飾るにふさわしいあの作品。そう、中川学描き下ろしイラスト「『朱日記』―災厄のきざし」が、期日から5日遅れでようやく館に到着しました!

中川学 開梱一番、圧倒されたのが様々な“あか”で表現された一面の炎。詳細は後日お伝えしますが、待っただけの甲斐あって画家のメッセージが焔(ほむら)のように燃え立つ、インパクトある一枚となっています。
 こちらの作品は全国文学館協議会の共同展示「3.11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」の一環として7日からの公開予定で現在準備を進めています。また再度こちらでもご案内いたします。
 「朱日記」画も完成したことですし、おかげをもちまして“赤い”シリーズもこれにて終了!……え?“白”“黒”“赤”ときたら、次は“青”でしょ!?……ですって? いえいえ、待望の“青い”シリーズは、8日にリニューアルオープンする室生犀星記念館さんで心ゆくまでお楽しみください♪
学芸員 

柳郷博士の家。

H26.03.01
 学芸員です。
 あいにくの雨模様となった弥生朔日。今日は市内あちこちでさまざまなイベントが開催されるなか、文学講座「『山海評判記』―唄のポリティーク」にも20名もの方にお集まりいただきました。気鋭の文学論で「山海評判記」を分析するこの講座、講師の西田谷洋さんも「ちょっと難しいと思われるかも……。」と心配されていましたが、少しでもやさしく、わかりやすくという誠実さが伝わったのでしょうか、文学研究科の講義レベルのお話にもかかわらず、みなさん最後まで熱心にご聴講くださいました。ありがとうございました!
 西田谷さんともお話していたのですが、研究の対象として、まだまだあらゆる可能性を秘めている「山海評判記」。鏡花×柳田をクローズアップしたちくま文庫の『山海評判記/オシラ神の話』、そして待望の鏡花×雪岱コラボによる初の単行本となる国書刊行会の『初稿・山海評判記』(6月刊行予定?)と、出版物も充実していくことですし、当館としてもさらなる再評価の気運を作っていきたいと思います。ひき続き、たくさんのご観覧、お待ちしております!
 初出時の全挿絵&全カットをあらすじと引用文付きで3期にわけてご紹介している「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」。本日は雪岱さん渾身の日替わりカットから“柳郷先生の家”をご紹介です。  
山海評判記
 主人公・矢野にオシラ神の知識を与えた邦村柳郷博士のモデルは、いうまでもなく日本民俗学の父・柳田國男。作品にも登場するように昭和2年、東京府北多摩郡砧村字喜多見に新築された洋館で、1階部分に約23坪の大書斎を備えたこの建物を、柳田は自ら“喜談書屋”と名づけて民俗学研究の拠点としました。
 現在は柳田家の父祖の地である長野県飯田市の飯田市美術博物館の敷地内に移築され、柳田國男館として公開されています。
 しかし、なるほど雰囲気はつかんでいますが、こだわりの人・雪岱さんにしては似てるような、似てないような、微妙な描きぶりのこのカット。ひょっとしたら、柳田邸とはいえ個人のお宅ゆえ、新聞であまりそっくりに描いては……との配慮なのかもしれません。
 展覧会始めのころに飯田市美術博物館さんにお願いして柳田國男館のリーフレットをお送りいただいたのですが、鏡花×柳田への関心の高さからか、またたく間になくなってしまい、あまりご無理をかけては……ということで、現在はコピーを設置しております。それでも週に2回は追加で刷るほどの人気ぶり! なかには山海本を片手に実際にお出かけになった方もいらっしゃるかもしれませんね。
 さまざまな見どころ、読みどころ満載の「山海評判記」。よろしければ、この春休みは“プチ山海ツアー”とともにお楽しみください。
学芸員 

3月8日のすごし方。

H26.02.28
 学芸員です。
 昨夜は金沢百万石ロータリークラブの卓話にお招きいただき、「泉鏡花と『滝の白糸』」について30分ほどお話しさせていただきました! 以前からお声掛けをいただきながら、仕事に追われてなかなかご希望に添えずにいたにもかかわらず、みなさん熱心に聴いてくださいました。ご清聴ありがとうございました!
 明日からはいよいよ3月。1日開催の文学講座「『山海評判記』―唄のポリティーク」は今年度最後のイベントとなります。お席、まだ若干ございます。本日中にお申込み下さい。
 さて、今年度最後の月を目前に、来年度の、そして再来年度の展覧会のためにじわじわと始動しつつある記念館。そろそろ次回企画展「鏡花本の世界」(仮)のチラシのデザインも考えなければ……と、館内のチラシスタンドを何となく眺めていたその時、コントラストの効いた二つのチラシを発見。
 そう、金沢三文豪館の一つ・室生犀星記念館が、3月8日(土)にリニューアルオープンするのです!
 2002年8月1日にオープンした同館。開館以来はじめての大きなリニューアルとあって、翡翠(かわせみ)がポイントのビビットな色合いのチラシには、

犀星オープンタッチパネルで選ぶ“音で聴く犀星の世界”とか、
“子供も楽しめる大型絵本”の設置とか、
ちょっと気になる新ミュージアムグッズ“犀星ストラップ”とか、
かなり気になるオリジナルキャラクター“猫のジイノ”の登場!

……とか、とても魅惑的な惹句が飛び交っています。
(個人的には通称・火鉢猫の“ジイノ”がかなり。笑)

 そういえば先日、三文豪学芸員の最年長者で“姐さん”の愛称?で慕われる某S記念館学芸員に「リニューアル進んでる?」と聞いたところ、

   「常設展示コーナー、青くしちゃった! まえから青くしたかったんだ♪」

……との吹っ切れたコメントが。犀星記念館のテーマカラーともいうべき“青”に染まった新・常設展示室。一見の価値ありのようです。
 リニューアル特別企画展「犀星遊泳―本多浩コレクション 書庫を飛び出す文学世界」で新たな幕を開ける同館。8日・9日はご来館下さった方全員に特製のしおりがプレゼントされるとか。しかも初日の8日は14:00からオープニング記念イベントとして、金沢出身の俳優・篠井英介さんによる朗読&トークショーも行われるそうですよ。文化施設の新規開館やリニューアルオープンの初日に立ち会えるなど、滅多にないチャンスです。3月8日はぜひ、われらが“姐さん”が精魂込めた新生・室生犀星記念館に足をお運び下さい。

 なお、同じく8日は浅野川界隈でも金沢蓄音器館徳田秋聲記念館寺島蔵人邸、そして当館の4施設で「博物館の思い出をアルバムに」と題するフォトサービスを実施。共通観覧券(1DAY500円~)を購入すると、各施設でご観覧の際に撮影スポットでスタッフが記念撮影、思い出に残るフォトアルバムにしてお客様にプレゼントします。
 さらに上記4施設をすべて廻った方には抽選で素敵な記念グッズをプレゼント!詳しくは各施設で設置されているチラシをご覧ください。ちなみに浅野川界隈施設と室生犀星記念館は三文豪の名前が付いた城下町金沢周遊バスで廻れます。(奇しくも犀星号は“青”です!)
 いかがですか?ちょっと有意義な3月8日のすごし方。犀星館リニューアルと合わせてぜひお楽しみ下さい♪

学芸員 

“赤い”衝撃。

H26.02.27
 学芸員です。
 「和解」のひとときが過ぎ、再び“我が道”を歩み始めた徳田秋聲記念館と当館。本当に不思議なくらい対照的なこの二人ですが、今回の「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」と「木村荘八『爛』挿絵原画展」は、いわば挿絵付きで両者の異なる魅力を再認識できる絶好の機会。当館は5月11日まで開催しますが、秋聲さんの方は3月16日で会期が終了してしまいますので、ご関心のある方は万障お繰り合わせのうえ、ひき続き両館ともに足をお運びください。
 さて、万障ならぬ万難続きの“赤い”シリーズ。第2弾と格闘中にもかかわらず、はや第3弾の校正到着、そのうち第1弾の再校正も届くに違いない……と気づけば紅蓮地獄の真っただ中。朱に交われば赤くなる、ではありませんが、まるで連鎖反応したように朱(あけ)に染まっていく校正紙たちをみつめつつ、そういえばそろそろ……と、とある鏡花作品を思い浮かべていたところに一本の電話が。
 あの方からでした。
 3月1日から全国文学館協議会加盟館が参加して行う共同展示「3.11 文学館からのメッセージ―天災地変と文学」において、鏡花の「朱日記」をテーマに描き下ろしイラストを制作、当館にて展示することになっている某氏。不意の着信は「初日に間に合わないかも……。」というご相談のお電話でした。
 金沢の町を焼く大火を描いた「朱日記」に以前からこだわりを見せていた某氏。いざ描くとなると、今度は生みの苦しみに陥ってしまったようです。
 驚きはしたものの、作家が納期に間に合わないからといってうろたえていては、この仕事は務まりません。絵本の時もそうでしたが、描けずとも描くまで待つのがウチのポリシー。全文協のチラシを見て、楽しみにしてくださっている方には申し訳ありませんが、画家が納得のゆく作品を仕上げるまで、当館は待つことにいたします。 
岩波文庫 そのようなわけで、来月1日から予定していた描き下ろしイラスト「『朱日記』―災厄のきざし」は、展示の準備が調い次第、こちらでお知らせいたします。もう少々お待ちください。
 ところで「朱日記」ってどんなお話?……という方、昨年秋に出たばかりの岩波文庫「化鳥・三尺角」に注釈と解説つきで収録されています。よろしければ描き下ろしイラスト鑑賞の前に、ぜひご一読ください。
 

学芸員 

「和解」成立です!

H26.02.26
 学芸員です。
 徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画“「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!”(概要はコチラ)の通称“「和解」グッズ”も昨日25日で終了、たくさんの方のご協力のお陰をもちまして、予定よりもずいぶん早く「和解」成立です!これで両館、心置きなくそれぞれに“我が道”を進むことができます。(笑)
 みなさまありがとうございました!

 さて、終了といえば、当館でちくま文庫『山海評判記/オシラ神の話』をお買い上げの方に、編者の東雅夫さん特製「柳花年表」プレゼント!の方も、予定の50部が先日、終了してしまいました。多くの方が鏡花のこの昭和期の大作と、盟友・柳田國男との関係に関心を持って下さったのだなぁ……とたいへんうれしく思っていたところ、東さんのご厚意で更に50部を追加することに。

柳花叢書 さっそく今回は“柳花”の“柳”(=ミドリ)に対して“花”(=ピンク)バージョンで作成。柳花叢書50部完売!のお祝いの意味も込めたお色となっています。

 好評が続けば第2弾もあり得る?かもしれない?との風の噂?もある柳花叢書。全国書店でもモチロン購入できますが、ぜひ詳細この上ない特典年表とともに当館でご入手下さい。


 「山海評判記」の魅力に気鋭の文学論で迫る文学講座「『山海評判記』―唄のポリティーク」も、いよいよ今週末の3月1日(土)に開催。本日、丁寧なレジュメが届きました。お席、まだありますよ。記念館までお電話でお申込み下さい。
学芸員 

文学講座「『山海評判記』―唄のポリティーク」

H26.02.24
 学芸員です。
 金沢は本日も快晴! 青空が広がる奇跡的な如月となっています。
 清々しい蒼穹にココロ洗われ……といいたいトコロですが、“赤い”シリーズ第2弾の某誌校正刷りが新たに届き、まさに紅蓮地獄の一歩手前。朱筆を握りしめて遅筆の性を恨みつつ、紅涙にむせぶ日々が続いております……。
 そんな超遅筆学芸員とは対照的に、年数冊の著書を上梓する学界屈指の健筆家・西田谷洋愛知教育大学教授を講師にお迎えして3月1日(土)に開催する文学講座「『山海評判記』―唄のポリティーク」のご案内です。
 西田谷氏は学芸員の大学院時代の大先輩。在学時代から年間驚異的な数の論文を執筆する猛者として知られた方ですが、その勢いは多忙を極める大学教授となられた今でも変わらないご様子。個人的には「いったい、いつ寝てるんだろう……?」ランキングで1、2位を争う方です。(笑)
 そんな西田谷先輩、独自の文学論を展開するご論考は、いつも難しい用語とカタカナでいっぱい! 今回の“ポリティーク”も可愛い?後輩を思い図ってか、メールに「“ポリティーク”とは、葛藤を顕在化させる〈政治〉という意味ですよ。」とのお心遣いが。……要するに「山海評判記」における〈唄〉の機能についてお話しいただけるようです。
 
幻想の泉鏡花 ご論考は難しいですが、お人柄は優しい西田谷センパイ。「先輩の『山海評判記』論が読みたい!」という後輩の熱いラブコールを受けて?最新のご共著『幻想の泉鏡花』(1月25日刊行 花書院)に「山海評判記」論を執筆して下さっています。今回の講座は、このご高論をやさしくご報告いただけるようです。
 長年のお付き合いの気安さから、「わかりやすく!わかりやすく!」としつこく申し上げておきましたので、きっとわかりやすく気鋭の文学論に触れることができると思います。(笑)

 聴講受付はすでに始まっておりますが、まだお席ございます。記念館まで電話でお申込み下さい。
 「木村荘八『爛』挿絵原画展」を開催中の徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画(概要はコチラ)の記念品、通称“「和解」グッズ”も当館分はとうとう残り10を切りました! 「しまった! 行きそびれていたっ。」という方、今日明日中に両館をご観覧ください。

※「和解」グッズ、秋聲さんの方が少し多めに残っています。当館→秋聲の順でのご観覧をおすすめします。
  (24日17時現在)


学芸員 

名優たち?の競演。

H26.02.23
 学芸員です。
 もはや金沢であることを忘れそうな快晴となった本日、当館で行われましたSPレコード寄贈記念イベント「蓄音器で楽しむ名優の声」。お隣の八日市屋典之金沢蓄音器館館長のご協力で楽しくも内容の濃い一時間半となりました!
 まず、当館の秋山館長から鏡花の原作「婦系図」についてレクチャー。メインはレコード鑑賞だから今日はさらっと……と思いきや、計4p+参考資料3Pの思いっきり力の入った資料が。(笑) 果たして時間内に終わるのか?と某蓄音器館館長と顔を見合わせたことは内緒です。(笑)

蓄音器イベント しかしそこは秋山館長、よどみなくきっちり予定の30分で解説を終えると八日市屋館長にスムーズにバトンタッチ! 昭和17年に制作されたという今回のレコードの歴史的背景や、使用する蓄音器の説明、そして演奏とこれまたトークもレコード捌きも職人技!な八日市屋館長。持ち前のサービス精神で山田五十鈴の貴重レコード「カチューシャの唄」視聴というサプライズも。山田五十鈴×長谷川一夫の名優コンビの鑑賞会であると同時に、浅野川界隈名物館長コンビの競演のひとときでもありました。

 お天気が良かったせいか、徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画(概要はコチラ)の参加者も続々! 先着300名様の通称“「和解」グッズ”も両館あわせて残り数十個。みなさまの仲立ち?のおかげを持ちまして、迅速かつ濃密な「和解」となりそうです。
 秋聲さんの「木村荘八『爛』挿絵原画展」は3月16日(日)まで開催。コラボ企画はまもなく終了の見込みですが、ひき続き両館ともに足をお運び下さい。
学芸員 

蓄音器で楽しむ名優の声。

H26.02.22
 学芸員です。
 金沢はここ数日、降雪どころか降雨もない日々が続いています。“弁当忘れても傘忘れるな。”のお土地柄でありながら、傘いらずの毎日。昨日など念のため……と持ち出した傘をお昼に入ったお店にうっかり置いてきてしまいました。みなさまも傘の忘れ物には十分ご注意ください。
 さて、先日からお知らせしております明日23日(日)13:30から開催のイベント「蓄音器で楽しむ名優の声」。お隣の八日市屋典之金沢蓄音器館館長ご推薦の蓄音器で再生されるSP盤「婦系図絵巻」は、実はこのたび市民の方から寄贈された貴重なレコードです。

婦系図絵巻 お蔦を山田五十鈴さんが、主税を長谷川一夫さんが演じるこの台詞劇。お二人は昭和17年公開のマキノ正博監督の映画「婦系図」でも知られる名優コンビですが、「婦系図絵巻」はSP盤のために伊藤基彦氏の脚色で新たに収録されたもののようです。
 特に先年お亡くなりになった山田五十鈴さんのつやっぽい台詞回しは必聞! お席、まだ若干ございます。本日中にお申込み下さい。同イベントでは八日市屋館長のサービスで、「湯島通れば思い出す~♪」で知られる小畑実さんの「湯島の白梅」も堪能できますよ。
 先着300名様の徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画(概要はコチラ)の方も今日明日がピーク!通称“「和解」グッズ”も数が少なくなってまいりました。こちらもお早めにご参加ください。

 ※「和解」グッズ、残り僅少です。おいそぎください。(22日17時現在)
学芸員 

“赤い”追討ち。

H26.02.19
 学芸員です。
 ようやく北国・金沢でも晴れ間がのぞき、おだやかな一日となりました。本日は気温も高めだったせいか、平日の旅をゆったりと楽しむお客さまが多く来館してくださいました。
 徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画(概要はコチラ)の方も日に日に参加率が高まり、「和解」グッズも秋鏡友好の使者として順調に旅立っています。天候も回復したことですし、はっきりとはいえませんがおそらく今週末が「和解」のピーク。片方は行ったものの、“どろどろ系”か“いやし系”か、迷っているうちに日が経っちゃった!……という方がもしいらっしゃいましたら、できるだけ早めにもう一館にもお越しいただくことをおすすめします。
 さて、“白”に追いまくられた入稿地獄も本日午前中で一段落、持参のアップルティーのほのかな紅みに酔いしれつつ、ほっと一息付いていたところに一本の電話が。

「●●です~。先日の入稿分のPDFが来ましたので、お送りしますね♪」

 え?もう?! さっき(別の原稿を)入稿したばかりなんですけど……。
 すっかり失念しておりましたが、白い原稿が黒く染まったその後は、当然“真っ赤”な校正地獄が待っていたのです。 

アナホリッシュ国文学←書き手のキモチを反映してか、画像も心なしか暗め。

 “真っ白”と“真っ黒”に気を取られているうちに、まさかの“赤い”シリーズの始まりです。しかもこれはまだまだ序の口。後になれば後になるほど切羽詰って入れた原稿、その直しは半端なモノではないはず。自他ともに認める超遅筆学芸員、おもむろに紅茶を置くと右手を朱ペンに持ち替え、ATMに行く暇もない赤貧の日々に戻るのでした……。

 なお、真っ先に届いたこの校正刷り、3月発行予定の某誌の鏡花特集に掲載されます。他の執筆陣も驚きのラインナップで重厚な一冊となりそうです。そしてあの超絶技巧の秘密も明らかに―? 詳細が決まりましたらお知らせします。お楽しみに♪

学芸員 

“白”の恐怖。(真)

H26.02.18
 学芸員です。
 16日に東京・新国立劇場で行われたオペラ「滝の白糸」。千住明さんの曲も黛まどかさんの脚本もすばらしく、初心者にもわかりやすい大衆的な和製オペラとして、ある意味「滝の白糸」という演目のあるべき姿をオペラという新たなジャンルで表現するという、明治28年の川上音二郎による「滝の白糸」初演以来、連綿と続いてきたいわゆる〈鏡花もの〉の歴史に残る、画期的な舞台だったと思います。未見の方、再演の際にはぜひ劇場まで足をお運びください。
 さて、甲信越の記録的な大雪のため、乱れに乱れたダイヤに翻弄された今回の観劇の旅。前のりの15日は上越新幹線が全面運休のため急遽、東海道線に切り替えて上京し、今年は金沢でも目にすることの少ない、銀世界と化した東京に新鮮な驚きを覚えつつ、翌日、無事オペラを鑑賞し、帰途に着くため東京駅に足を踏み入れたところ……。
 上越新幹線改札口は、人、人、人の渦!
 長野、山形新幹線の遅れの影響で、同一ホームから発着する上越新幹線も進退窮まり、車両も人もまったく身動きの取れない状況に。あまりのことにJRの方でも先行きのめどが立たず、吹雪のように押し寄せる乗客の問い合わせに応対するのも精一杯。仕事とはいえ、もはや気の毒としか言いようがありません。
 結局、一時間ほどその場で成り行きを見守っていましたが、これはどうにもならないと判断、翌日も休暇を取っていたことを幸いに滞在を一泊延ばし、ホテルで眠気覚ましにアイスダンスを鑑賞しつつ例の“白いモノ”と闘い、なんとか制覇してまいりました。(笑)
 翌朝、グレーくらいにはなった原稿を直接持ち込むため、憎らしいほど晴れ渡った日本橋で地下鉄に乗ろうとして通りで目にしたのがコレ。

日本橋三越 「越後屋、お主も春よのう。」

 あまりにも人口に膾炙した理不尽な汚名?を逆手に取り、みごとに返上してみせる某有名老舗百貨店の春のキャッチコピー。さすがは越後屋さん、拍手喝采の商人魂。これで続々お客様が訪れれば、長年の遺恨?もきれいさっぱり晴れようというものです。

 12月に訪れた際には、かの有名な“お獅子”にオーダーメイドのダンディなトレンチコートを纏わせ、クリスマスプレゼントを買いに来た多くのお客様のハートを射止めていた越後屋さん。この発想とセンス、当館も見習わなければなりませんね。
 遺恨?といえば、“黴”騒動に端を発した徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画(概要はコチラ)。おかげをもちまして、開始から10日を経て記念品も残り半分ほどとなり、両館ともにほくほくと「和解」のひとときを楽しんでおります。仲良きことは美しきかな。よし、自分も「和解」に一肌脱いでやろう!という方、先着300名様の企画ですので今月中のご参加をおすすめします。
 白魔の折ではありますが、みなさまのご来館、お待ちしております!
 
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿42~

H26.2.16
お花  
今週のお花(2/15~)

・スチールグラス  ・金魚そう ・モンステラ
           
 生花ボランティア「グループ白」今回は谷口さんの作品です。いつもありがとうございます!
 
 

  今朝から風は冷たいものの青空が広がっている金沢^^
関東地方は雪の影響で大変なことになっているようで、皆さまのところはいかがでしょうか。オペラ「滝の白糸」の東京公演に行くため上京中の学芸員も少なからず影響を受けているような…心配です^^; 無事の帰沢を祈ります。

 さて、次の23日(日)開催の特別イベント「蓄音器で楽しむ名優の声」の参加申し込みですが、まだ若干名ですが余裕がございます!昭和17年制作の山田五十鈴×長谷川一夫の台詞劇「婦系図絵巻」の貴重なSP盤レコードを、せっかくですから蓄音器で聴いてみましょう!という催しです。
先着順ですので、お早めのお申込みをぜひお待ちしております。


スタッフK 

“白”の恐怖。

H26.02.14
 学芸員です。
 晴天続き……と書いた途端、一夜明ければしんしんと雪の降り積もる金沢。ホワイトクリスマスならぬ、ホワイトバレンタインという言葉があるのかどうかは知りませんが、チョコなら先日、北鎌倉でとびきり!のヒトに、とっておき!のモノを差し上げてまいりましたので、本日は朝から粛々と、世俗の縁を断ち切って某誌の原稿に励んでおります……。
 “白”といえば、“真っ白”なひだひだが爛れに爛れて“真っ黒”になってしまったという徳田秋聲記念館の企画展「木村荘八『爛』挿絵原画展」、昨日から始まったクライマックスの第3期はさしずめ“グレー”か?!と邪推しつつ、少しは黒く爛れてほしい真っ白なWord文書を前に、身動きの取れない状態が続いております。みなさま、どうか白いモノに絡みつかれて下新町で立ち往生している学芸員の代わりに、彼の川向うさんが“白”なのか、“黒”なのか、はたまた“グレー”なのか、確かめたうえで当館までご報告いただき、素敵な「和解」記念グッズ(概要はコチラ)をミッション達成の証にお持ち帰りください。
 そして“白”といえばもう一つ、16日(日)に東京・新国立劇場で上演されるオペラ「滝の白糸」。過日の高岡公演&金沢公演を所用で見逃したため、明日から都内に前のりして拝見してくる所存です!

アナホリッシュ国文学 そうだ!どうせなら鏡花の舞台つながりで、そろそろ見ごろの湯島の白梅も!……と思っておりましたが、東京は北陸がそのまま瞬間移動したかような降雪のご様子。白梅どころか、無事に列車が動いて東京駅に着ければ御の字!な状況のようです。
 内も外も“白”で責められ、行く手を遮るものもまた“白”……そして、雪岱が描いた白い“異物”よりも怖い某誌たちも、気づけば表紙は“白”なのでした……。

 
学芸員 

小村雪岱画「山海評判記」最恐挿絵。

H26.02.13
 学芸員です。
 気温は低いものの、2月とは思えない晴天が続く金沢。コラボ企画“「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!”(概要はコチラ)も徳田秋聲記念館さんの「爛」展が本日から第3期に入り、いよいよ盛り上がるばかり。本日、あちらではギャラリートークも行われたよし、数日前、鏡花も愛したうさぎに絡んで何やらばち当たりなことを言っていたと聞き、火鉢……もとい女川をひらり!と飛び越え、お小言がてら覗きに行こうかと思っておりましたが、ただいま某誌の入稿地獄の真っただ中でもあり、折角の「和解」中でもあるので、ひとまず思いとどまった次第です。ホント、悪い奴ではないのですが、困った奴です。(笑)
 さて、お地蔵さまや、生首や、オシラ神がひらり!と飛び交う「山海評判記」。先日、ひじょうに熱心なあるお客さまから「例の挿絵ってどれですか?」と聞かれ、「これです。」とお答えしたところ、案の定ショックを受けられ、行先も定まらないご様子で漂うようにお帰りになられましたので、そろそろ動悸も治まったことですし、今後のことを考え、こちらでチラリとご紹介しておくことにします。
 下の画像をご覧ください。

山海評判記 第2期で展示中の「掛蓑」の一場面。鏡花をモデルとする主人公の矢野が、逗留中の和倉で何やらよい香りに誘われ、近くの宿屋の黒塀から文字通り中をかいま見る……というシーンです。いえいえ、衣桁に掛かった加賀蓑ではありません。ほらほらそこに、一瞬、印刷の白ヌケのようにも見える、ええ、それ……!
 色々とありえないものが飛び交う第2期ではありますが、ずるずると絡みつくように這う正体不明のものほど怖いものはありません。しかも、よりによってこの表現! 怪奇度が増すごとに筆が冴えるという、雪岱さんの意外な才能?が躍如する一枚です。
 え?やっぱりお塩置いた方が……ですって? そうですねえ……。でも今、おばけより怖い入稿に追われてそれどころじゃ……。
 あれ?何だかいいにおい……。気のせいか、白い部分がちょっと動いて見えるんですけど……。
学芸員 

山本タカト新作「魔所・大崩壊」

H26.02.08
 学芸員です。
 北陸ではめずらしい、ふわふわのきれいな白雪が降り積もる金沢。徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画“「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!”(概要はコチラ)も昨日からスタートし、平日にもかかわらずたくさんの方にご参加いただきました! 先着300名様までですので、今回のために製作した非売品の記念グッズが欲しい!という方は、お足元に気をつけて、お早めに両館をご観覧ください。

山本タカト さて、魅惑の第2期がスタートした山海展ですが、常設コーナーのあの作品も昨日から描きたてほやほやの新作を展示しています! そう、泉鏡花×山本タカト「草迷宮」の2作目、その名も「魔所・大崩壊(おおくずれ)」。“三浦の大崩壊を、魔所だという。”の書き出しが印象的な、あの冒頭のシーンです。タカト作品にはめずらしい、人物不在の風景画。でも、そこは山本タカト、葉山の海の清明さと生き物のような不気味さが共存する、見る者をはっとさせる一枚となっています。同じ絵師の作品なのに、第1作の時とは展示室の空気ががらりと変わってしまったから不思議です。
 鋭意制作中!の次回作が仕上がってきましたら掛け変わりますが、1ヶ月程度は展示予定。秋聲さんとのコラボ企画もありますので、ぜひ2月は雪見がてら金沢にお越しください。

学芸員 

魅惑の第2期スタートです!

H26.02.06
 学芸員です。
 いよいよ明日から鏡花の盟友・柳田國男をモデルとする邦村柳郷博士直伝のオシラ神が跋扈する「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期。雪岱渾身の挿絵&カットがぎゅっと詰まった真っ白な“べろべろ”タペストリー替えも先ほど無事終了し、土蔵の展示室はますます妖しさを増すばかりです。貴重な草稿や初出紙「時事新報」、そして謎の校正原稿も展示箇所を替えてあります。特に奇跡のレイアウトといっても過言ではないあのシーンの初出紙は必見! 雪岱さんの奇想に感嘆するのはモチロン、アレを許した「時事新報」の男気?には感激!のひと言です。いわば「山海評判記」は鏡花×柳田×雪岱×時事新報の世にも稀なるコラボ作品! その活字屋魂のすばらしさ、ぜひ展示室でご確認下さい。
 さて、明日からは先日からお知らせしている徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画“「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!”もスタート! 両館スタッフにより準備万端の記念品がコチラ。

山海評判記 「山海」缶バッジ+「爛」缶バッジ&ポストカードの3点セットで“かろうじていやし系”(右)と“どろどろまっしぐら系”(左)の2種類をご用意。鏡花館と秋聲館の2館を観覧してスタンプを集めるともらえます。「2種類とも欲しい!」という方は日をあらためてもう一度、両館の展示をご堪能ください♪
 期間は明日2月7日から秋聲さんの「爛」展の最終日である3月16日まで。作家・画家ともに全く作風の異なる両展をご覧いただくことで、それぞれの魅力により深く触れていただければ幸いです。(概要はコチラで。)
学芸員 

“出張白川郷”出現!

H26.02.05
 学芸員です。
 昨日からの久しぶりの降雪で、すっかり銀世界と化した金沢。今朝は時折青空も覗くものの、雪国本来の姿を取り戻しています。
 毎年恒例の記念館・冬の風物詩“出張白川郷”も今年初出現! ふわふわの綿帽子をかぶった、なんとも愛らしい雀のお宿です。「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期へ向けての展示替えのため、5日6日は休館となっており、みなさまにご覧いただくこともかなわないので、倒壊防止のため記念撮影後、すぐに雪おろしをしてしまいました。

雀のお宿 さて、すでにたくさんのお申し込みをいただいておりますが、2月23日(日)開催の特別イベント「蓄音器で楽しむ名優の声」の参加申込み受付が昨日より始まっております! 昭和17年制作の山田五十鈴×長谷川一夫の台詞劇「婦系図絵巻」の貴重なSP盤レコードを、せっかくですから蓄音器で聴いてみましょう!という催しです。解説は大切な蓄音器をご提供くださる八日市屋典之金沢蓄音器館館長、そして秋山稔当館館長です。休館中ですが電話受付は可能ですので、ご関心のある方はぜひお申込み下さい♪

学芸員 

北鎌倉逍遥。

H26.02.03
 学芸員です。
 金沢は不思議なほどあたたかい日々が続いていますが、明日からは再び厳しい冷え込みとなるようです。
 出張等で留守にしていたこの土日もたくさんのご来館、ありがとうございました! 「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第1期も明日2月4日(火)まで。5日6日の2日間、展示替え休館をいただきまして、 7日(金)からは挿絵の怪奇幻想度では群を抜く第2期がスタートします。 雪の中の開幕となるかもしれませんが、秋聲さんとのコラボ企画も始まりますので、ぜひ足をお運び下さい。

浄智寺 さて、第2期の準備が既にデッドライン(笑)に入ろうとしていた先週末、来年度企画の準備のため北鎌倉に行ってきました!
 まず訪れたのは、現在に至る鏡花再評価の流れを辿るのに欠かせない“ある方”の菩提寺。 結界が置かれた古い石橋の脇を通り抜けて細い参道を進むと、すでに夕刻だったため受付は閉ざされていましたが、 やはり墓参に訪れていた親切な檀家さんが一緒に連れて入って下さいました。昨年 11月に訪れた逗子と同じように、崖際に“やぐら”が点在する寺内の鬱蒼とした坂道をゆるゆると登っていくと、教えていただいたとおりの場所に思っていたより小ぶりのすっきりとした五輪塔の、なんとも居心地の良さそうなお墓が。 色々考えたあげく選んだ薔薇の花をお供えして帰ってきましたが、墓前にお酒がたくさん並んでいるのを見て、 “何か持ってくれば良かったかな……。”と、ちょっぴり後悔。その代わり、少し早めのバレンタインチョコレートをプレゼントしてきました!気に入っていただけるとよいのですが。
 そして、“彼”の影響を受けて幻想文学―特に泉鏡花作品に接近したという方々との交流が増えるなか、 やはり多大な感化を受けたという絵師・山本タカトさんの描き下ろし連作「草迷宮」の最新作も受け取ってまいりました! こちらも、山海展第2期が始まる今月7日からの展示となります。タカト作品としては意表を突かれる1枚です。どうぞお楽しみに♪
 今年度も残り2ヶ月。冬籠りの時期とはいえ、すでに一年先の企画展を念頭に新たな胎動を始めている記念館です。

学芸員 

食談会に出演します!

H26.01.30
 学芸員です。
 奇跡的な晴天続きでしたが、本日の金沢は朝から雨。とはいえ比較的暖かく、やはり今年の冬は特別のようです。
 2月7日(金)からの「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第2期の準備もいよいよ佳境! あらためて挿絵&カットの一つ一つを点検していると、“鏡花絵師”としてはモチロン、“怪談絵師”雪岱さんの並々ならぬ想像力と表現力に息をのむばかりです。挿絵の怪しさで群を抜く第2期。昨日も「山海評判記」中、思わず悲鳴を上げてしまいそうな“最恐挿絵”を発見してしまいました……。これまでの怪談系展覧会と同じく、ひょっとしたら今回も“盛り塩”が必要だったかもしれません……。胸の動悸が治まった頃にこちらでもご紹介したいと思いますので、今しばらくお待ちください……。
 さて、気を取り直しまして、美味しいお知らせです。2月4日(火)にフードピア金沢2014の一環として、ご近所の老舗料亭・金城楼さんで行われる食談会で、「鏡花と金沢の食」をテーマにご主人の土屋兵衛さんと対談させていただきます!

寸情風土記←準備のためお借りしてきた金城楼創業百年記念誌その他

 金城楼さんの創業は明治23年3月、そう、鏡花が尾崎紅葉の門下生となることを夢見て上京する約半年前です。当時17歳であった鏡花がお店を訪れることは難しかったと思いますが、何やら立派な建物が姿を現す様子を、興味津々で眺めていたかもしれません。そんな、地域のシンボル・金城楼さんでお話しするのは鏡花の随筆「寸情風土記」(当館オリジナル文庫に収録!)などに登場する、鏡花の金沢の食への思い。極度の潔癖症と偏食で知られる鏡花について、“食”をテーマにお話しするというのは実は至難の業なのですが(笑)、そんな鏡花の目から見た郷土の味覚に触れることで、金沢の魅力を再認識していただければ……と思います。
 定員15名でほぼ満席のようですが、若干名なら対応できるかも?ということでした。11:00~14:00までの予定で、参加費8,000円とちょっとリッチな昼食ですが、歴史ある金城楼さんの風情ある建物とお庭を堪能しつつ、おいしいお料理がいただけます。ご関心のある方はお早めに金城楼さんまでお問い合わせください。

学芸員 

いよいよ、あの名場面も。

H26.01.27
 学芸員です。
 日が高くなっても地面が凍りつくほどの寒さながら、青空の広がる晴天となった金沢。本日も平日にもかかわらず、多くの方にご来館いただきました。ありがとうございました。
 さらにたくさんの方に挿絵の魅力を知っていただこうと進行中のコラボ企画“「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!”。記念品も“かろうじていやし系”と“どろどろまっしぐら系”の2種をご用意、2月7日(金)からの開始に向け、鋭意準備を進めております。冬の寒空に突如飛来した「黴」バッジに端を発した一連の騒動。最近、川の向こうとこちら側で何かやってる鏡花と秋聲の根深い因縁については、革張りでもないのに何故か鏡花も嫌った(笑)真っ黒い装丁の『和解』画像とともに秋聲さんちのブログで紹介されていますので、ぜひご参照ください。

山海評判記 さて、好天とはいえ時折雪が舞い散る極寒の金沢。しかし、当館で舞っているのは雪ばかりではありません。来月7日(金)から展示室を自由自在に飛び回るのは、いわずもがなのオシラ神。鏡花×柳田×雪岱の世にも稀なるコラボ作品を象徴する名場面の数々がいよいよ登場します!

  それが、人気のちっともない、真暗な書斎―と云って、ほとん  ど文庫蔵のような裡で、鳴るんだね。ピアノを弾くと―チリリリ、  リンと、また馳廻るような音がする。……(「合歓の葉かげ」より)


 柳田邸の実話?をモデルとした何とも愛らしいオシラ神だけでなく、石地蔵も軽やかに飛んでしまう「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」第2期。お互い、ちょっとだけオトナになったかもしれない秋聲さんの荘八展とともに心ゆくまでお楽しみください♪ ※コラボ企画の概要はコチラで。
学芸員 

「和解」にご協力ください♪

H26.01.26
 学芸員です。
 昨日の山海展関連講座「小村雪岱の挿絵―モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」では、埼玉県立近代美術館で雪岱作品を担当されている大越久子学芸主幹を講師にお迎えし、雪岱がのちの〈雪岱調〉を確立するうえで、その過渡期にあたる「山海評判記」の挿絵の経験がいかに大きなものであったか、また「山海評判記」独自の見どころなどを、一つ一つ言葉を選びつつ、的確な表現で、丁寧にお話しいただきました。6月の刊行をめざして、国書刊行会が編集作業にイソしんでいるはずの初の全挿絵&全カット収録本への期待も、大越さんをはじめ、聴講者の方々からも数多く寄せられました。ありがとうございました!
 これまでほとんど取り上げられることのなかった雪岱の山海挿絵。その個性と魅力をまったく真逆の作風を持つ画人との比較によってより深く触れていただこうという企画が山海展第2期が始まる2月7日(金)からスタートします! その名も“「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!”企画。雪岱荘八両氏のご人徳もあって、「黴」戦争から見事に「和解」を果たした徳田秋聲記念館さんとのコラボ企画です♪ 概要はコチラ

山海評判記 期間は2月7日(金)-3月16日(日)まで。期間中に両館の挿絵展を観覧してスタンプシート(受付にて配布)に2館分の日付印を集めると、その場で記念グッズがもらえます(※先着300名さま)。グッズは両館共通で2種類ご用意。みなさまの熱意あるご参加により、両者の「和解」度も一層増すかもしれません。(笑) 
 鏡花×雪岱のめくるめく怪奇幻想の世界と、秋聲×荘八の淡々たる客観の世界。いずれも真逆とはいえ、それぞれに極致といえる作品です。両館見比べることで原作と挿絵、双方のすばらしさを再認識していただければ幸いです。
 怪奇幻想といえば、“耽美”特集で注目を集める月刊アートコレクターズ2月号で、当館の山海展と雪岱挿絵をご紹介いただきました!「草迷宮」の描き下ろし連作を制作中の山本タカトさんの作品も大きく掲載されています。ぜひご一読ください。
学芸員 

「黴」戦争終息、「和解」へ。

H26.01.22
 学芸員です。
 「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」第1期も、あれよあれよという間に残すところあと2週間。来る第2期に向けて“べろべろ”タペストリー原稿との格闘が続く毎日ですが、柳田さん直伝のオシラ神が飛び交い、怪しい3人の女が出現するなど、幻妖度を増すごとに冴えに冴えていく雪岱挿絵を一日中眺めていると、軽やかに宙を舞うオシラ神よろしく俗世を離れ、非日常空間にふわりふわりとただよいかねない危険なキモチになってきます。
 あぁ、もっと多くの人に「山海評判記」の怪しい魅力と、異空間を視覚化できる雪岱さんのすばらしさを知ってもらいたい……と山海チラシを眺めつつ、ぼんやり物思いにふけっていると、視界の先に何やら似たような色のチラシを発見。……「木村荘八『爛』挿絵原画展」徳田秋聲記念館
 過日の「黴」バッジ騒動はまこと災難でありましたが、聞けば向こうはあくまでも挨拶のつもりであったとのこと。紅葉先生の一件といい、こちらの性格を熟知しているはずなのに、ちょいとデリカシーに欠けるのではっ?!とは思うものの(笑)、雪岱さんも最期にお世話になった荘八さんの展覧会開催中でもあり、いつまでも、

  「黴菌マンなんかキライっ!」
  「じょ、除菌ちゃんっ?!」

……などとコドモじみたことをやっているわけにもいきません。
 ここは板挟みになった?雪岱さんと荘八さんの顔を立て、再び手に手を携えて両館の企画展のPRに励もうではありませんか……!
 というわけで、100年の時を経てひょんなことをきっかけに双方歩み寄り、ようやく「黴」戦争終息。めでたく「和解」と相成りました。

山海評判記 ただいま両館では「雪岱挿絵で読む『山海評判記』―特別編」&「木村荘八『爛』挿絵原画展」をご覧になった方に素敵な「和解」記念グッズプレゼント!企画を進行中。当方からは「黴」バッジも一口で喰らいそうなコレと、「黴」バッジに負けず劣らず不気味?なアレで準備を進めております。

 とはいえアノ秋聲さんのこと、この一件もそれこそ「和解」などというシンプル イズ ベストなタイトルをつけ、見る人が見れば一目瞭然!のイニシャルトークでどこぞに発表するやもしれませんが……。まぁ、その時は、その時で。(笑)

学芸員 

神楽坂に行ってきました。

H26.01.21
 学芸員です。
 今日の金沢は雨模様ですが、寒さは若干緩んだようです。平日にもかかわらず、本日もたいへん熱心な様子の方に入れ代わり立ち代わりご来館いただいています。何せ鏡花×柳田×雪岱のスペシャルコラボ作品!である「山海評判記」。その見どころもさまざまなようです。

神楽坂 さて先日、3日間の休みをもらって雪の金沢を離れ、鏡花ゆかりの地・東京神楽坂に行ってまいりました!
 神楽坂は鏡花がのちにすず夫人となる芸妓桃太郎と、師尾崎紅葉に隠れて同棲をし、ひそかに愛を育んだ思い出の場所。同棲はあえなくバレて紅葉に厳責され、その経験が「俺を棄てるか、婦を棄てるか」の名ぜりふで知られる「婦系図」を生むわけですが、この日、作家の嵐山光三郎さんのプロデュースで同地で行われたのは、鏡花がのちにお蔦主税の別れの場を戯曲化した「湯島の境内」の朗読劇。劇団唐組の稲荷卓央さんの主税に同じく唐組の藤井由紀さんのお蔦、前段朗読にやはり唐組の久保井研さん、そして小鼓と清元を新派の名優で鏡花とも交流が深かった喜多村緑郎の遠戚に当たる石井千鶴さんという、超豪華メンバーでの開催。その名も「神楽坂で鏡花を読む」というイベント名にふさわしく、ゆかりの地でゆかりの作品の朗読をゆかりの方の演奏で聴くという、なんとも贅沢なひとときを過ごしました。鏡花作品をこよなく愛する唐組のみなさんの熱のこもった公演で、新派との異なる新たな魅力の「湯島の境内」を堪能してまいりました!
 今回、小鼓と清元でご出演の石井さんは3月にも鏡花もの、その他の公演があるとか。選んだ作品は何と!鏡花の関東大震災体験記である随筆「露宿」! “朗読幻奏”第2弾として新宿PitInnで開催されます。とても素敵なイベントであること間違いなし!ですので、ぜひチェックしてみてください♪

学芸員 

山海本、一時品切れです。

H26.01.20
 学芸員です。
 金沢は本日も真っ白に雪化粧。さほどの積雪ではありませんが、厳しい冷え込みとなっており、足元はツルツルです。お越しの際にはくれぐれもご注意ください。
 さて、あまりの寒さにこの冬は炬燵で読書♪という方も増えているのでしょうか? 当館ミュージアムショップでも本が驚異的に売れています。なかでも現在開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』~特別編」の関連図書としてご紹介している柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』(ちくま文庫)。予想以上の売れ行きで入荷が間に合わず、学芸員が3連休をいただいている間にとうとう一時品切れになってしまいました!

山海評判記←“例のモノ”も超ご機嫌でお手伝い。(笑)

 とはいえ、編者の東雅夫さん特製の「柳花年表」(非売品)を楽しみにご来館いただいた方には大変申し訳ありませんので、再入荷までの間、同じく東さん編の関連図書『遠野物語と怪談の時代』で対応させていただきます。あらかじめご了承ください。山海本の方もほどなく入荷すると思います。

 さて、またまた3日も休みをもらって一体どこで何をしていたの?というお話ですが、鏡花ゆかりの地で行われたちょっと素敵なイベントに参加させていただいてきました! そのご報告はあらためて。本日もたくさんのご来館をお待ちしております♪
 
   ※柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』(ちくま文庫) 再入荷いたしました!

学芸員 

シリーズ~今週のお花✿41~

H26.1.19
お花  
今週のお花(1/17~)

・こぶし   ・タニワタリ
・カーネーション ・椿
           
  生花ボランティア「グループ白」今回は森さんの作品です。いつもありがとうございます!
 
 

  さて、この週末もたくさんの皆さまにご来館くださりとても感謝いたします。
本日は特に雪の中にも関わらず館内をじっくりご覧になられた方が多く大変うれしく思います。
どうもありがとうございました!
 なお、ご来館の際、屋根雪(特に、入り口の門から自動扉まで)にはくれぐれもお気を付け下さいますようお願い申し上げます。

 
スタッフK 

オペラ「滝の白糸」

H26.01.15
 学芸員です。
 昨日から驚くほどの快晴続きの金沢ですが、身が引き締まるばかりの冷え込みとなっています。精進潔斎して「山海評判記」の普及に励めということでしょうか。 白山の姫神さま?の叱咤激励のおかげをもちまして、25日(土)開催の関連講座「小村雪岱の挿絵―モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」の方も早々と満席となりました。ありがとうございました!
 さて、ご案内が遅れまして恐縮ですが、若き鏡花の出世作「義血侠血」がこのたび「滝の白糸」と題してオペラになり、1月17日(金)の高岡公演を皮切りに、1月19日(日)に金沢、そして2月16日(日)に東京の新国立劇場で初演されます!

オペラ滝の白糸 明治27年、鏡花21歳の意欲作「義血侠血」が初めて舞台化されたのは、初出から1年後の明治28年のこと。鏡花も絡んで一部(笑)で話題になっているらしい川上音二郎によって、「滝の白糸」の外題で東京・浅草で初演されました。作品そのもののおもしろさはモチロンですが、ちょっとしたワケがあってたいへん注目を浴び、以降も東北・北海道で上演されて、翌29年には大阪で後の新派の名優・喜多村緑郎と運命的な出会いを果たすこととなります。

 これまでにも「天守物語」「高野聖」「夜叉ヶ池」がオペラ化され、それぞれに見どころのある舞台となりましたが、いわゆる〈金沢もの〉のオペラ化はこれが初めてということで、当館も大変期待しております!
 チケットの方も売れ行き好調のようで、S席は残りわずかだそうですが、当館ではお手頃なA席(5000円)とB席(3000円)のチケットをお取り扱いしております。学生の方は証明書の提示でさらに半額(!)になるとか。受付のみでの販売で郵送等は承っておりませんが、「ちょっと気になってたんだけど、オペラって高そうで……。」という方、この機会にぜひお買い求めください♪

     ※当館での販売は終了しました

学芸員 

なぜか、こちらも増殖中。

H26.01.13
 学芸員です。
 季節外れの「黴」さわぎから一夜明け、ようやく平静を取り戻した当館。何しろ因縁深い「黴」だけに、今後も特段の注意を要します。みなさまもぜひ両館ともに隅々までご観察ください。
 しかし、ちらちらと雪が舞い散るこの寒空に、よくぞ……と妙な関心をしつつ、館内を見回っていると……ん?またまた妙なものが増殖しているのを発見!

徳田秋声 むむ、新手か?!と、よくよく目を凝らしてみると、山海挿絵の白眉?と名高い “元祖オバQ”なアレが何匹もっ!
 どうやら編者特製「柳花年表」(非売品)プレゼントキャンペーン実施中の柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』(ちくま文庫)の売れ行き好調に気を良くして本体から飛び出し、付近を浮遊している模様です。(笑)
 物語後半で登場してくるこの謎の物体。展示室で紹介されるのは3月28日(金)からの第3期になりますが、柳花叢書には分身●号が刷り込まれていますので、その魅力に取りつかれてしまった方は遠慮なくお買い上げの上、特典冊子とともにお持ち帰りいただけますよ。
 などとのんきなことを言っているうちに、在庫が追い付かず本日は残り4冊に! もちろんまだまだ入荷の予定でありますが、「え? 今日あたり寄って買っていこうと思ってたのに。」という方は、どうぞお早めに。
学芸員 

「黴」侵入。

H26.01.12
 学芸員です。
 金沢は雪も降りやみ、曇り空ではあるものの比較的穏やかな天候となっています。鏡花も遊んだ久保市乙剣宮では朝から左義長が行われています。お札やしめ飾りをもってお参りにいくと、身も心も温まる“ご利益”があると伺っております。ぜひお立ち寄りください。
 さて、オシラ神→お白神の連想により、上から下まで“まっしろけ”でお届けしている企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」。話の内容は怪しいものの、今までほとんど日の目を見なかったこの大作に雪岱挿絵とともに光を当てるべく、塵をも落とさぬ清浄なキモチで会期末までの日々を捧げよう……と決意を新たにしているところへ。

徳田秋声「黴」バッジ←よりによって、こんなものがっ!

 並外れた潔癖症で知られる泉鏡花記念館に、こともあろうにどこでわいた(笑)かも分からぬ「黴」バッジを持ち込むとは何奴? とスタッフを問い詰めたところ、何と下手人は徳田秋聲記念館!イベントの景品のおすそわけです~♪とはいうものの、文壇の除菌王のもとに「黴」グッズを送り込むとはなかなかの度胸、これは黙ってはおれません。

 ええい、現企画展でもお互いまっしろの“ひだひだ”と“べろべろ”で手に手を携えておったはずなのに、何のつもりで……と「木村荘八『爛』挿絵原画展」を開催中の秋聲館に乗り込もうとしたものの、いやいや「黴」バッジで応戦されては一大事!となだめられ、とりあえず秋聲記念館ブログで敵情視察を試みたところ、いつの間にやら展示室は爛れに爛れて“まっくろけ”に……!
 秋聲さんや、やはり私たちはどこまでも相容れぬ運命なのですね……と、挿絵画家の作風を見ても明らかな両者の真逆な方向性をあらためて実感したのでありました。師紅葉の葬儀写真にも予兆された二人の微妙な距離は、互いに鬼籍に入った今でも容易には埋まらぬようです……。
 というのは冗談ですが(笑)、秋聲館ブログでもご紹介いただいた荘八×雪岱の対照もあざやかな両企画展。雪岱挿絵のぶつけたら大怪我しそうな火鉢と箪笥は、「一銚子」の章のタペストリーで確認できます。そういえば、雪岱さんが昭和15年10月17日、54歳で急逝したのち、都新聞連載中で雪岱の絶筆となった林房雄「西郷隆盛」の挿絵を受け継いだのは、ほかならぬ荘八さん。その二人の挿絵展を時を同じくして開催とは、何やら不思議な縁も感じますね。ぜひ両者見比べてご鑑賞ください。
 関連講座「小村雪岱の挿絵―モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」の方も、ぼちぼちとお席が埋まってまいりました。ご希望の方はお早めに。
学芸員 

オシラサマな金沢。

H26.01.11
 学芸員です。
 金沢は昨日から雪となり、オシラサマならぬ“お白サマ”状態。でも、雪景色を楽しみにしていらした観光客の方にとっては、申し分ない雪見日和となりそうです。

雪うさぎ 館内初積雪?を記念して、毎年恒例“鏡花雪うさぎファミリー”の1羽目が今朝誕生! 小さくてまるまると可愛く仕上がったので、今年は“ぴょんこ”からスタートです。ご来館時には記念撮影などもぜひ♪
 さて、開催中の雪より白い?企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」にからんだ新春お年玉企画、当館ミュージアムショップで柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』(ちくま文庫)をお買い上げの方50名様に、編者の東雅夫さん特製の「柳花年表」(非売品)を進呈いたします!は本日よりスタートです。ヒガシ・セレクトの鏡花×柳田データベースを一冊にまとめた柳花研究必須資料。東さん愛用の“蜘蛛さんスタンプ”と、限定50番までのエディションナンバー入りです♪ ミュージアムショップ店頭のみのお取り扱いとなり、電話でのご予約や通販等には対応しておりませんので、ぜひご来館の上ご入手ください。
 また、埼玉県立近代美術館の大越久子学芸員をお迎えしての関連講座「小村雪岱の挿絵―モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」も、まだまだ聴講者募集中! 挿絵を中心とする雪岱の線画の魅力、そして白と黒のコントラストの妙について、たっぷりお話が伺えます。
 それでは、身も心も純白になれる?金沢・泉鏡花記念館でお待ちしております!

学芸員 

特製!柳花年表がもらえます♪

H26.01.08
 学芸員です。
 昨日から申し込み受付を開始した山海展関連講座「小村雪岱の挿絵―モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」。開催は1月25日(土)13:30-15:00、埼玉県立近代美術館の担当学芸員・大越久子さんを講師をお迎えし、数ある雪岱作品の中でも主に新聞挿絵に焦点を当ててお話を伺います。お席の方はまだありますので、ふるってご参加ください!
 さて、先日ちらりとご案内した新春お年玉?企画。開催中の「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」の関連図書のひとつである柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』(ちくま文庫)を当館ミュージアムショップでお買い上げの方50名様に、編者の東雅夫さん特製の「柳花年表」(非売品)を進呈いたします!
 
山海評判記 『遠野物語と怪談の時代』(日本推理作家協会賞受賞)など、これまで鏡花・柳田研究に邁進されてきた東さん。その際の調査結果をもとに作成し、もちろんご自身の執筆の際にも活用されている、いわば柳花研究の礎(いしずえ)ともいうべき貴重なデータベースであるこの年表。鏡花が誕生した1873年から柳田が没する1962年まで、鏡花と柳田、そして怪談文芸史に関わる情報がヒガシ・セレクトで詰め込まれています。

 このお年玉企画の開始は1月11日(土)から。ミュージアムショップ店頭のみのお取り扱いとなります(電話でのご予約や通販等には対応しておりません。あらかじめご了承ください)。
 東さんによれば、 鏡花が昭和4年に「山海評判記」を発表する前後の数年分については柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』の解説にも引用されているものの、ここまで詳細なものをオモテに出すのは初めてとのこと。鏡花の昭和期の渾身の一作「山海評判記」のはかり知れない魅力と、柳花研究の底なしのおもしろさを、一人でも多くの方に知っていただきたいという、思いのこもった冊子です。しかも巻末には東さん愛用の“蜘蛛さんスタンプ”と、限定50番までのエディションナンバー入り♪ ご希望の方は当館企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』展をご観覧の上、ぜひお早めにご入手ください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿40~

H26.1.7
お花  
今週のお花(1/6~)

・梅    ・松
・千両  ・キク(ほまれきく)
           
  生花ボランティア「グループ白」今回は谷口さんの作品です。
 いつもありがとうございます。
 本年もどうぞよろしくお願いいたします!

 

 今朝はとても冷え込みましたね。 朝、館内に入ると冷蔵 いや冷凍庫のような寒さでした。
開館までには適切な温度になってみなさまをお迎えいたします。どうぞご安心下さいませ ^^;
 
 さて、昨日も案内がありましたが本日から1月25日(土)の講座「小村雪岱の挿絵―
モノクロームが奏でる<雪岱調>受付開始です。
先着順ですので早めのお申込みお待ちしております!
同時に、みなさまのご来館も心よりお待ちしております。 
 
 
スタッフK 

山海展関連講座のご案内

H26.01.06
 学芸員です。
 金沢は朝からうっすら雪化粧となり、多くの方が本日から仕事始めとあって、比較的静かな一日となっております。「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」も、はたと気づけば第一期も残り一ヶ月足らず。そろそろ第二期に向け、初の全挿絵&全カット入りの山海本制作にイソしんでいるはずの国書さん同様、キリキリと頑張りはじめなければならないようです。
 そんな当館にとって、いわば“雪岱仲間”である埼玉県立近代美術館の担当学芸員・大越久子さんを講師をお迎えして開催する関連講座「小村雪岱の挿絵―モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」の受講申し込みが明日から始まりますので、あらためてご案内いたします。
 大越さんは同館の開館以来、雪岱作品の管理蒐集を担当されてきた専門家。開館30周年を迎え、リニューアルに向けて休館中という大変ご多忙ななか、無理をお願いしてご来沢いただけることになりました。! 埼玉さんはまだ雪岱さんが一般的にはあまり知られていなかったころからその魅力を見出し、研究活動を続けられてきた美術館さんで、その作品が一堂に会した平成21年の大展覧会「小村雪岱とその時代―粋でモダンで繊細で」をご覧になった方も少なくないかと思われます。当館からも所蔵の鏡花本を多数出品し、多くの方々にご紹介いただきました。

山海評判記 これまでに鏡花関連に限らず、ありとあらゆる雪岱作品を目にしてこられた大越さんが、ユニークな「山海評判記」の挿絵をどうご覧になるのか、とても楽しみですね!
 

 講座の開催日時は1月25日(土)午後1時半から3時まで。明日7日(火)の午前9時半から電話受付開始となります。先着25名様まで……と、土蔵の講座室が小さくて申し訳ありませんが、ご関心のある方はお早めにお申し込みください。
 
学芸員 

柳花研究の礎(いしずえ)

H26.01.05
 学芸員です。
 金沢はちょっと冷え込んでいますが、朝から晴れ間も見え、さわやかな出初め式日和となっています。記念館は昨日から通常どおり開館、2月4日(火)の山海展第1期最終日まで休館なしで開いております。初詣・出初め式の帰りにぜひお立ち寄りください。
 “鏡花×柳田×雪岱の世にも稀なるコラボ作品 再見参!”と銘打ってお届け中の「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編」。新年第一日目の昨日もたくさんの方々が“べろべろ”の展示室で怪しい初参りを済ませられたようです。なかには、昨年夏に発刊されたちくま文庫の柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』を片手に、熟読してからご来館くださる方も。チラシ裏面にも明記されているように、雪岱の全挿絵&全カットを収録した初の単行本は6月に国書刊行会から発刊予定!ですが、ちくまの山海本は鏡花の「山海評判記」との影響関係が明らかな「オシラ神の話」ほか、柳田の一連のオシラ神研究がともに収録されており、柳花研究の必携書となりつつあります。展覧会の記念に、当館でお買い求めくださるお客さまも多いようです。

柳花叢書 そんな熱心な柳花ファン・山海ファンの皆さまに朗報が。 当館のミュージアムショップで『山海評判記/オシラ神の話』をお買い上げの方に、編者の東雅夫さんからすてきな“お年賀”がいただけるという企画が進行中! コレ、差し上げてしまっていいんですか?と、学芸員が思わず聞き直してしまったくらい、柳花&山海研究には欠かせない、重要な“お年賀”です。1月11日(土)から開始予定ですが、詳細は準備ができ次第お知らせいたします。その頃にご来館予定の方は、ぜひ当館で山海本をご購入下さい♪
 
学芸員 

のこりものには福がある。

H26.01.04
 学芸員です。
 あれあれ? 新年のご挨拶ならさっき見たよ?といわれそうですが、鏡花愛玩の白うさぎのご利益か、新年早々とてもラッキーなことがあったのでみなさまにもおすそわけです♪

久保市乙剣宮 先ほど、鏡花の生家跡地である当館が位置する下新町界隈の氏神・久保市乙剣宮で初詣をし、家内安全ならぬ館内安全のお守りをいただいてきたところ、ん?何やら可愛いうさぎの根付が……。なんと!昨年の11月の鏡花の誕生日を祝って行われた“鏡花うさぎ祭り”にあわせて用意されたうさぎお守りが一つだけ残っていたのです! 今年が午年なのは重々わかっておりますが、何せ万年うさぎ年の当館。ニコニコ顔の宮司さんにお願いして最後の一つを買わせていただいたのはいうまでもありません。鏡花愛玩の白うさぎもまるまるとしたふくふく顔、久保市さんの根付うさぎさんも同じくまるまるのふくふく顔。ダブルうさぎの霊力か、お昼前からお客さまも続々です♪
 このうさぎ根付さん、残念ながら本当に最後のひとつらしいのですが、久保市さんに初詣の際にリクエストされたら、今年の秋にもたぶん地元の有志の方によって開催されるであろう“鏡花うさぎ祭り”までに再びご用意いただけるかもしれませんよ?
 本日は通常どおり5時まで開館しております(入館は4時半まで)。ひき続きたくさんのご来館をお待ちしております!
学芸員 

本日より開館! 今年もよろしくお願いいたします。

H26.01.04

久保市乙剣宮 あけましておめでとうございます。
 今年もよろしくお願い申し上げます!
 雪もなく、年明けから天候に恵まれた金沢。本日は朝から小雨となっておりますが、幼き頃の鏡花の遊び場でもあった下新町の氏神・久保市乙剣宮も、新年の装いでみなさまをお迎えしています。初詣の際にはぜひ当館にもお立ち寄りください。
 さて、鏡花愛玩の白うさぎを迎え、例年以上にめでたい新年となった当館、ここ2年ほどは『絵本 化鳥』制作や鏡花生誕140年特別展などで息つく暇もないほどでしたが、今年は比較的おだやか、かつ内容の濃い一年となりそうです。特に昨年の生誕140年事業を通してのPRが功を奏したのか、鏡花関連はもちろん、その他の幅広い分野からのご依頼も相次ぎ、あらたな飛躍の一年となりそうな予感です。
 特に今年の秋は鏡花没後75年であると同時に当館の開館15周年……と気づけば節目の年続きですが(笑)、唯一の鏡花専門館としての研究活動はいうまでもなく、鏡花作品のあらたな再生をめざして、さまざまな企画が進行中です。
 約一年後に迫った北陸新幹線の開業に向けて、当館の今後の目標は日本のファンの方はもとより、国内数時間の移動距離などものともしない“世界”のお客さまに来ていただくこと。今年も一人でも多くの方に鏡花の魅力に触れていただけるよう、館職員一同邁進してまいりますので、ご支援ご協力のほど、よろしくお願い申し上げます! 

学芸員 

雪のように白い“あのこ”がやって来ました!

H25.12.28
 学芸員です。
 明日29日から1月3日までの年末年始休館を前に、記念館は仕事納めの準備で大わらわ。某学芸員などは、特別展と山海展に追われてたまりにたまった原稿仕事を休み中に片付けるべく、どの参考書籍を持って帰ろうかとあれこれ悩んでいるうちに、あっという間に一日が過ぎてしまいました……。きっと初夢でも入稿に追われているに違いありません。
 さて、本日の金沢は朝から雪となり、記念館の前庭もうっすらと白い冬景色。そんななか、鏡花愛玩の雪のようにまっしろの“あのこ”がお目見えです!

山海評判記 数百ともいわれる鏡花のうさぎコレクションの中でも、特にお気に入りだったといわれるのがこの1体。お膝に乗せてともにポーズをとるお写真も残っています。ちなみに下のお座布団もうさぎ柄です。
 ついこの間まで神奈川近代文学館の泉鏡花展で展示されていた彼女。ナンバーワンうさぎとあって、なかなか堂々たる風格。ぷっくり膨れたほおとすっきり通った鼻筋が魅惑的です。いったい何度、鏡花になでなでされたのでしょうか? その実績からか、館内で並々ならぬオーラを発するこのうさぎ。記念館特別ケースのセンターに収まっただけで展示風景をがらりと変えてしまったのには、さすが!のひと言です。
 いまのところ名前をつける予定はありませんが、鏡花といえばうさぎということで、一部でキャラクターと化して活躍中とのうわさは記念館にも聞こえています。……こっそり“う●つちゃん”と呼んでもモチロンokです。
 鏡花が愛した白うさぎの公開は、年明けの4日から。当日はいつもどおり、午前9時半からの開館となります。この抜きん出たスター性を、ぜひその目でお確かめください。
 それでは皆さま、今年一年のご愛顧、まことにありがとうございました! よいお年をお迎えください♪ 

学芸員 

●ォーリーをさがせ?!

H25.12.27
 学芸員です。
 新企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編-」開幕から2週間。「え?あの雪岱がこんな挿絵を??」という驚きの声も徐々に広まりつつあるようです。
 怪奇あり、SFあり、アングラ?ありの雪岱画「山海評判記」。本日のおすすめの1枚はコチラ。

山海評判記 物語のヒロインお李枝が“ある念願”のために浅草観世音に日参しているという「浅草がえり」の章の一コマ。う~む、人ごみの中でも何やら一番美人そうな雰囲気(笑)のこの人がお李枝なのですか、雪岱さん?……いやいや、そもそもこの中にお李枝はいるのですか……? と、虫眼鏡を握りしめて細密画を食い入るように見つめるこのカンジは、まさに●ォーリーをさがせ!……ひょっとして、こんな作品なのをイイことに、前からやってみたかったこと全部してるでしょ? ねぇ、そうなんでしょ?と、幽冥隔てた天才絵師に詰め寄ってみたいような気分に襲われる一枚です。
 そんな雪岱挿絵の魅力を、雪岱作品収蔵館でもある埼玉県立近代美術館の担当学芸員・大越久子氏が語る講座「小村雪岱の挿絵‐モノクロームが奏でる〈雪岱調〉」は1月25日(土)13時半から。電話受付開始は年明けの1月7日(火)9時半からとなります。当館の土蔵での開催のため定員は25名。年末年始はみなさんお忙しいことと思いますので、早めにお知らせさせていただきます。たくさんのお申込み、お待ちしております!
 
学芸員 

繪草子『龍潭譚』/『絵本 化鳥』特設コーナーを設置中です!

H25.12.26
 学芸員です。
 新企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編-」も開幕し、今年2度目の長期休暇をいただいて、研究会やら打合せやらをこなしてきました。……それは、出張では?といわれそうですが、自主的なコミュニケーションの範囲のため、ぎりぎり休暇とご理解ください。(笑) 留守中もたくさんのご来館、ありがとうございます。
 さて、中川学画、泉屋宏樹装丁の繪草子『龍潭譚』および『絵本 化鳥』アジアデザイン賞2013でそれぞれ受賞したことは以前にご報告しましたが、ただいま館内では両書の装丁に関わる資料を展示し、感謝をこめてあらためてみなさまにお披露目中です!

絵本化鳥龍潭譚 なかでも興味深いのは、泉屋さん直筆の『絵本 化鳥』の装丁プランと、アノ繪草子『龍潭譚』の装丁サンプル。いずれも泉屋さんが思いを込めて編集者(出版社)&印刷業者&製本業者を“うん”といわせた、いわば泉屋流必殺アイテム。“実現するまであきらめない”という、泉屋ダマシイあふれる資料が並んでいます。特に『絵本 化鳥』の装丁プランには、“●●さんに◆◆をお願いする!”とか、“▲▲さんに■■の件でTELする”などのプランニング中のメモもあり、「あ。この瞬間にアレが決まって、みんな“わかったよ”って言っちゃったんだな……。」などという、妙な見どころも。(笑) 2冊の絵本に関わった情熱のアートディレクターの働きぶりが伝わってきます。
 繪草子『龍潭譚』は受注製作の豪華本ですが、『絵本 化鳥』は当館ミュージアムショップでもモチロン販売しています。もう過ぎてしまいましたが、クリスマスプレゼントやお正月やすみの楽しみにお求めくださるお客さまもいらっしゃいます。記念館にご来館の際にはぜひご一覧ください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿39~

H25.12.23
お花  
今週のお花(12/21~)

・青もじ
・椿(葉)
・バラ

 
  生花ボランティア「グループ白」今回は谷口さんの作品です。
 いつもありがとうございます!

 連休最終日、今朝も冷え込んでいましたね。
本日も朝からたくさんの方にご来館いただいております。
誠にありがとうございます^^
 バラの優しいピンク色とは対照的になりますが、当館の入口前(鏡花父子像)にある椿の蕾と花びらも鮮やかなピンク色に咲いています。
館内から見える「雀のお宿」の隣にも椿の木がありますので、ぜひゆっくり鑑賞していただきたいです。
 みなさまのご来館を心よりお待ちしております。 
 
 
スタッフK 

元祖E.T.もいます。

H25.12.16
 学芸員です。
 新企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編-」も無事開幕! 特別展の展示品返却のため、初日からいきなり留守にしてしまいましたが、本日からようやく通常業務となり、穏やかな一日が終わろうとしています。
 さて、“べろべろ”の「山海評判記」。挿絵&カット入りでの初の単行本刊行にのんびりと?イソしむ国書刊行会さんをしり目に、記念館では小村雪岱の奇想天外な作品たちが自由自在に展示室を飛び回っています。

山海評判記 なかには、昔見たアノ映画を思わせる、衝撃の一枚も。昭和4年に自転車を空に飛ばせるとは、さすがは押しも押されぬ鏡花絵師。かのSF映画の巨匠をも凌駕する豊かなイマジネーションで、もはや他の追随を許しません。
 それでも、全体の3分の1を紹介する第1期は、物語のはじめとあって、これでもまだまだ序の口。中盤に差し掛かるとお地蔵さまが宙を飛び交い、オシラ神もあれよあれよという間に軽やかに中空を舞いはじめます。

 雪岱さんがはじめて新聞連載の挿絵を担当したのは大正11年、やはり「時事新報」に連載された里見弴の「多情仏心」において。以降、絶筆となる昭和15年の林房雄「西郷隆盛」に至るまで、その挿絵の画風の変遷はおよそ3期に分けて説明されています。「山海評判記」の挿絵は第2期に当たり、第3期の「お伝地獄」や「おせん」に代表される、大胆なデフォルメや省略によって生まれた余白と塗りつぶしの黒のコントラストの美が、いわゆる〈雪岱調〉を奏でる少し前の作品です。つまり“洗練”の一歩手前、ですが大好きな鏡花先生の怪しい世界を何とか挿絵で表現したいという、描きたい気持ちにあふれた作品群といえるでしょう。
 それは、なぜ挿絵だけでなく、カットまでも毎回異なるのか、本文と照らし合わせつつ考えていくと自然と分かってきます。……そうよね、雪岱さん。一回に挿絵3枚描いても(←場合によっては描いてます)、まだ描き足りないんだもんね。(笑)
 そんな雪岱さんの鏡花愛にあふれた「山海評判記」。国書本刊行まで待ってる間に首が伸びきってしまうよ、という方には、ちくま文庫さんの『山海評判記/オシラ神の話』がおすすめ。鏡花の「山海評判記」執筆の原動力となったと思われる柳田國男の名文「オシラ神の話」も収録され、とても参考になります。実は展示替え直前の出張先でパネル原稿執筆に追われる某記念館学芸員を、首の皮一枚で救った一冊でもあります。(笑) 記念館のミュージアムショップでもモチロン購入可能。雪岱さんの挿絵も10点ほど掲載されています。ぜひお手に取ってご覧ください♪
学芸員 

明日から新企画展開幕です!

H25.12.13
 学芸員です。
 展示替え最終日。すべての作業が終了し、明日の開幕を待つのみとなりました! お天気はこの上なく荒れ模様ですが、ココロは晴れ晴れです。でも、屋根には雪が積もりはじめました。(笑)
 さて、“べろべろ”の展示室。

山海評判記 何せ125回分、しかも「山海」挿絵に関してはあまりにも自由すぎる雪岱さんのおかげ?で、全体の約3分の1にあたる第1期分の準備だけでも今思えばたいへんな作業でした。……ここだけの話、カットが毎回異なることは以前から申し上げておりますが、挿絵の方も1回に付き1枚とは限らないのです。2段分の掲載スペースを駆使して、まるで異時同図のように複数の挿絵を配すなど、もはや天才というよりは奇才ともいうべき驚きの発想力! 何時間ながめまわしていても飽きません。
 上のように、妙なものも飛んでいます。(笑)
 雨や霰や嵐の日々ですが、当館流にいえば今の金沢はとっても“鏡花らしい”日々。冬は雪の中を這ってでも来てくれるマニアックな方のための展示を心がけています。モチロン、鏡花×柳田×雪岱の世にも稀なるコラボ作品の怪しい魅力は、初心者の方にも伝わるはず! たとえ展示室の内も外も真っ白になろうとも、ちまたはもうすぐクリスマスです。北陸の怪談は炬燵で聞くもの。長い長い冬の夜の一つ話のタネに、ぜひ泉鏡花記念館にお立ち寄りください♪
学芸員 

べろべろの“紙”さん。

H25.12.12
 学芸員です。
 展示替え作業4日目。作業は順調に進み、企画展示室“べろべろ”化も無事終了、これから展示替えは仕上げに入っていきます。
 こちらが“べろべろ”の展示室。

山海評判記 何やら真っ白いモノが室内中に吊り下げられておりますが、奥に見えるのが初出紙「時事新報」から複写した小村雪岱の挿絵&カットの紙製タペストリー。各回ごとにリードと抜粋文を付してあるので、どのような内容の回に添えられた絵なのか一目瞭然です。今回は作品の約3分の1にあたる「ゆう浪」「長太居るか」「夜の蝶蝶」「その呼声」「浅草がえり」「山帰り」「井戸覗き」「一銚子」「続井戸覗」をご紹介しています。あの大長篇をダイジェスト版で、挿絵とセットでお読みいただけます。
 ちなみに真ん中でゆらゆらしているのは、名づけて「山海評判記10のキーワード」のれん。みつめていると秘境の温泉宿を訪れているような、いやいや、姫沼綾羽ひきいる謎の信仰の門をくぐろうとしているような、妙なキモチになってきます。
 ケース内には、「山海評判記」の草稿、初出紙、正体不明?の校正原稿、その他、遠野市立博物館さんや飯田市立美術博物館さんからご提供いただいた、柳田國男関係、佐々木喜善関係の貴重なお写真などが並んでいます。みなさま、ご協力ありがとうございました!
 そして、数々の雪岱画「山海評判記」の膨大な画像データをご提供いただいたのは、すでに配布が始まっているチラシ裏面にも記載してある通り、「山海評判記」初の“単行本化”に挑み、しかも雪岱による全挿絵&全カットが収録された豪華本制作に励んでいるという、アノ国書刊行会さんです! 毎々お世話になり、ありがとうございます♪
 国書さん渾身の『初稿・山海評判記』(仮)の刊行は6月の予定とか。そう、なんと当館の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』-特別編-」終了後!……もはや多くは語りません。これ以上遅れないよう、キリキリと、キリキリと、がんばっていただくのみです。(笑)
学芸員 

泉鏡花×山本タカト「草迷宮」コーナー出現です。

H25.12.10
 学芸員です。
 展示替え作業2日目。明日からの企画展示室設営作業を前に、本日は特別展のために総入れ替えしていた常設部分の復旧作業です。といってもすべてが元通り、というわけではありません。美しい鏡花本などを紹介する第一展示室に、あらたに「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」コーナーが出現! 秋の特別展までの向こう一年、タカト氏によって新作が描き下ろされるたびに、妖しく隠微な「草迷宮」の世界が展開されていく予定です。

山本タカト 第一作「草迷宮Ⅰ」は、これから始まるタカト版「草迷宮」の口絵的作品。タカト氏の作品観が凝縮された一枚です。今回は元祖・岡田三郎助装丁の『草迷宮』初版本の表紙・口絵1(鉛筆画)・口絵2(油絵)とコラボさせてみました! つまり貴重な『草迷宮』本が3冊そろい踏み! このような展示法も鏡花本を複数冊収蔵する当館ならでは。ちなみに同作に関しては美麗な異装本も収蔵しています(つまり、4冊そろい踏みも可能)。そちらは次回のお楽しみです♪

 ところで、「草迷宮Ⅰ」の展示期間はいつまでなの?とのご質問を受けそうですが、次の新作が仕上がり次第、掛けかえの予定……ということではっきりとは申し上げられないものの、おそらく1月下旬までは「Ⅰ」をご覧いただけるのではないかと思われます。ファンの方は冬休み、お正月休みを利用して、ぜひ冬の金沢&タカト作品を満喫しにいらしてください。(現在、展示替え休館中のため、公開は12/14からとなります。)
 それにしても、いきなり美麗すぎるこの作品。作業中も近くを通るたびにふらふらと引き寄せられ、ぼぉっと見入ってしまうので、作業ははかどっているような、いないような。(笑)
 展示替え作業も明日がいよいよ中日。いずれも原画が現存しないため、新聞原紙からの複写ではありますが、「山海評判記」の挿絵&カットすべてが紹介されるのは初めてのこととあって、すでにお問い合わせもちらほら。初の●●●化を目論む某社さんもキリキリと頑張りはじめているようです。(笑)
 明日の準備作業がうまく運べば、展示室“べろべろ”化は木曜日から。進捗状況については、またこちらでお知らせいたします♪
学芸員 

特別展、無事閉幕しました!

H25.12.8
 学芸員です。
 特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」は、本日、無事閉幕いたしました。最終日とあって、遠方から駆けつけてくださった方もあり、特別展のフィナーレにふさわしい、華やかな一日となりました。今回で最後となったピンポイント!ギャラリートークは、『絵本 化鳥』の題字を担当した書家の上田普さんをゲストにお迎えしての特別バージョン♪ 鏡花・紅葉・雪岱の墨跡からそれぞれの筆の持ち方や墨つぎの癖、引いては人間性の違いにも言及する興味深いもので、参加者の方もこれまでになかった切り口の自筆資料の鑑賞法に興味津々のご様子でした。上田さん、ありがとうございました!

山海評判記 さて、当館は明日9日(月)から13日(金)まで、展示替えのため休館いたします。14日(土)からの企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』~特別編」に向け、ただいまから(!)撤収作業に突入です。次に展示室を埋め尽くすのは怪しい妖しい雪岱挿絵の数々。あの鏡花と雪岱が毎日顔を合わせて生み出された傑作揃いです。残念ながら原画が確認されていないため、初出原紙からの複写になりますが、その分、展示室で自由に飛び回っ……じゃない、配置させていただくつもりです。

 たまにはこんな絵もありますが、〈長太居るか〉の昔語り同様、鏡花の怪異譚には冬に接していただくのが「幽霊と怪談の展覧会」以来の当館のこだわり♪ 来週末開幕の真っ白い“べろべろ”演出の新企画展、ぜひ足を運び下さい。
 ちなみに川を挟んだむこう側の徳田秋聲記念館さんでは“ひだひだ”演出?の展示を開催中。公開されているのは、「山海評判記」とは内容も挿絵も対極にある木村荘八画による秋聲の「爛」。両者を比較してご覧いただくのも一興です。こちらもぜひ♪
学芸員 

明日8日は特別展・最終日です。

H25.12.7
 学芸員です。
 約2ヶ月間にわたって開催してきた特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」。図録や写真集で一度は目にしたことのある遺品や新発見・初公開の新資料が目白押し!とあって、たくさんの熱心なお客様にご来場いただきました。調査に数年を費やした甲斐がありました。みなさま、ありがとうございました!
 特別展は明日が最終日。最後のピンポイント!ギャラリートークは午後2時から「泉鏡花と小村雪岱」をテーマに開催、今回は特別ゲストとして、このたびアジアデザイン賞2013を受賞した『絵本 化鳥』の題字を担当された京都在住の書家・上田普さんに鏡花・紅葉・雪岱の墨跡についてお話しいただきます。5日に香港で行われたばかりの授賞式のお話も伺えるかもしれません。申し込みは不要(ただし要入館料)です。たくさんのご参加をお待ちしております♪

山海評判記 さて、雪岱といえば次回企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』~特別編」。全125回分の怪しげな挿絵・カットを3期に分けてすべてご覧いただいてしまおう!せっかくだから挿絵と一緒に鏡花の妖しげな文章も抜粋で読んでもらおう!という、なんとも欲張り?な展覧会です。
 先日、初の●●●化を目論む某社さんから作業中の「時事新報」初出紙を、そして新編集の文庫を鋭意刊行中の老舗某社さんから幻の?校正原稿をお借りしてまいりました。さすがは鏡花の「山海評判記」、よくわからない謎々な資料にもうお手上げ!といいたいところですが、作品自体の得も言われぬ魅力が学芸員を気力・体力の限界に挑ませます。(笑)
 雪岱も当時の回想で触れているように、鏡花が柳田を通して知り得たオシラ神が登場するこの作品。オシラ神→お白神→白い紙という連想から、次は展示室を真っ白い紙で“べろべろ”にしてしまえ!ということになり、何やら大変な事態となっています。
 新聞挿絵という、モノクロームの世界が際立つ次回企画展。明日お話しする鏡花×雪岱のちょっといい話の余韻を胸に、次回企画展も足をお運びいただけたら幸いです。
 
学芸員 

泉鏡花×山本タカト「草迷宮」プロジェクト始動です!

H25.12.3
 学芸員です。
 かつて、挿絵・口絵などを通して、絵筆で鏡花世界を表現し続けた画人がいました。鏑木清方、鰭崎英朋、小村雪岱。そして今、類まれなる作品の数々を残した彼らにも匹敵する現代の“鏡花絵師”によって、新たな鏡花世界が生まれようとしています。
 泉鏡花×山本タカト「草迷宮」です。

山本タカト 鏡花作品を愛読する方なら、一度はお気に入りの絵師の方があの物語を描いてくれたら……と夢想したことがあるのではないでしょうか? 鏡花世界に内包される美と幻想と怪奇。あの、底なしの言葉の海からそれらをすくい上げて自らの身体に取り込み、神の手の延長である絵筆の先から写し出すことのできる稀有の絵師。山本タカト氏は、間違いなくそんな“鏡花絵師”の一人といえるでしょう。
 「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」の描き下ろしをご縁に発展した今回の企画。画像は「草迷宮Ⅰ」と題されたタカト版「草迷宮」の記念すべき第一作ですが、作品はこの一枚にとどまりません。今後も同作をテーマとする描き下ろしイラストが続々登場、記念館ではこれを定期的に入れ替えつつ順次公開、来年秋には「泉鏡花×山本タカト『草迷宮』」展の開催を予定しています。
 今回の“泉鏡花×山本タカト”プロジェクトの始動に誰よりも狂喜乱舞しているのは、何を隠そうこの学芸員(笑)。“山本タカトさんが「草迷宮」を描いてくれたら……。”という長年の夢想が、あれよあれよという間に実現に向けて走り出してしまいました。 しかも、こちらの要望を聞くまでもなく、タカト氏自ら「草迷宮」を選ばれたこともうれしい限り。きっと、「草迷宮」という作品自体がタカト氏の手によって現代に再生することを望んでいたに違いありません。
 歓喜のあまり先日、早速足を運んだ神奈川県横須賀市の葉山。作品の舞台を巡りつつ感じた葉山の地妖は、鏡花作品の重要なテーマとして知られる“あるイメージ”を想起させますが、このタカト氏描く「草迷宮」の深淵にも、“それ”は確かにあるように思われました。
 作品の展示は12月14日(土)から。次回企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』~特別編」の開幕に合わせ、常設エリアで公開いたします。
 そして! 素敵なお知らせはまだまだ続きます。今後も当ブログにご注目ください。

学芸員 

山海ブックカバー、再び。

H25.12.2
 学芸員です。
 雪岱自ら“怪しげ”と謳った挿絵の数々に溺れるなか、次回企画展のチラシが納品されました。こちらです!

山海評判記 ……あれ?どこかでみたような??と思った方、当然です。デザインは昨年度開催時とほぼ同じ。ただ一つ、“特別編”の文字が躍っています。モチロン、スタッフにも好評だった折りやすい紙質のため、さっそく例のブックカバーにしてみました。
 『絵本 化鳥』の原画展が会期延長となったため、ただでさえ狭い展示室の半分のみで行われた昨年の展示。今回は企画展示室フル活用で、文字通り、「山海評判記」を雪岱の全挿絵入り(ただし3期)で“読んで”いただきます。

 関連講座は今回も二つご用意。昨年とは全く異なる視点でこの作品に切り込むお二方の講師をお招きしております。申し込み受付等、詳しくはチラシ裏面をご覧ください。。
 そして。同じく裏面をよ~っく見ていると、なんと“待望の●●●化!”の文字が。この難題に挑んだのはいわずと知れた某社さん。企画段階の予定より半年ほど(笑)遅れましたが、ただいま鋭意制作中とのこと、その分良いものを送り出してくださると信じて待つしかありません。
 チラシは今週から金沢市内をはじめ、全国の文学館などに随時発送予定。果たして“●●●化”の正体は?鏡花×柳田×雪岱ファンの皆さま、ぜひお手に取ってご確認ください♪
学芸員 

書家の上田普さんを迎えてギャラリートークを行います!

H25.12.1
 学芸員です。
 とうとう12月に突入! 開催中の特別展も、次回企画展の準備もいよいよ佳境です。本日も雨の中、展示品とのしばしの別れを惜しむようにたくさんの方にご来館いただいています。
 さて、特別展の最終日である12月8日の14時から、「泉鏡花と小村雪岱」をテーマにギャラリートークを開催する予定ですが、急遽、特別ゲストをお迎えすることが決まりました! 12月6日(金)まで金沢市内のギャラリー・G-WING’Sで作品展「書の行方」を開催中の書家・上田普(ひろし)さんです。

上田普 上田さんは繪草子『龍潭譚』や『絵本 化鳥』の題字を担当。両書がそれぞれ入賞を果たし、12月5日に香港で行われるアジアデザイン賞2013の授賞式にも装幀担当の泉屋宏樹さんとお二人で出席されます。
 先日、個展の準備のために来沢され、当館にお立ち寄りくださった上田さん。特に鏡花の自筆資料が豊富な今回の特別展の展示品をご覧になりながら、「これは筆が寝ていますね。」「鏡花の字は縦の線が強いですね。」(そう。特に縦線に特徴があるのです!)と、次々に興味深いご感想が。上田さん、いっそのことギャラリートークしませんか?とお誘いしたところ、こころよくご承諾いただけたのです。こういっては失礼かもしれませんが、レトロな雰囲気の丸メガネとキセルをご愛用の上田さん。なんだかお話ししていると、まるで鏡花と一緒にいるような錯覚に……。つまり、お話だけでなく、きっとビジュアルもお楽しみいただけます。(笑)
 というわけで、8日のギャラリートークは上田さん&学芸員のダブル解説! 特に上田さんのお話は、筆跡から鏡花に迫るという、たいへんユニークなものです。要入館料ですが申し込みは不要です。たくさんのご参加をお待ちしております♪
学芸員 

躍る善悪。

H25.11.30
 学芸員です。
 11月最終日の本日。久々に晴れ間が見えたこともあって、閉ざされた家々からあふれ出したようにたくさんの来館者に恵まれました。ありがとうございました! 明日からはいよいよ師走。特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」も残すところ一週間ほどとなります。 ついつい見そびれているという方、超貴重資料の数々が、12月8日でいったん撤収されてしまいます。お時間見つけてぜひご来館ください。
 さて、会期終了が近いということは、次回企画展開幕も間近ということ。前年度の冬の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』」の特別編として、今回は同作初出の「時事新報」(夕刊)紙上に125回にわたって連載された際の挿絵・カットを3期に分けてすべてご覧いただきます!
 絵師はいうまでもなく最も優れた鏡花本の装丁家としてしられる日本画家・小村雪岱。面妖な挿絵はもちろんですが、カットも毎日異なるという力の入れようから、雪岱がこの仕事をいかに楽しんでいたかがうかがえます。
 昨年度の展示の際には、元祖オバQ?な“べろべろの神様”に度肝を抜かれましたが、今回、注目していただきたいのはコレ。とりあえず、“躍る善悪”さんとお呼びしておきます。

山海評判記 原紙から撮影したものを大分拡大しているのでちょっと荒いですが、昭和4年7月30日掲載分のこのカット。「浅草がえり」の章に当たります。「山海評判記」は挿画が緻密な分、カットは大胆なタッチで描かれているのが特徴。いや、タッチどうこう以前に……雪岱さん、やはり突き抜けています。(笑)
 詳細は展覧会が開幕してのお楽しみ。いったい、「山海評判記」のどの箇所を描いたものなのか。気になって待ちきれない方は、原作に首っ引きであたってみてください。

学芸員 

『絵本 化鳥』ジオラマが金沢ADC2013で入賞しました!

H25.11.29
 学芸員です。
 来客やら、調査やら、寒いやら?でせわしい日々を過ごしており、すっかりご無沙汰してしまいました。後ろふたつはともかく、“来客”は“ごちそう”とセット(笑)なため、半ば仕事とはいいながら、この季節には特に心躍るものがあります。
 さて、またまた遅ればせながらご報告です。先日、アジアデザイン賞2013でメリット賞を受賞した『絵本 化鳥』ですが、昨年秋の展覧会の際に制作した化鳥ジオラマが、このたび金沢ADC2013で環境・空間部門賞を受賞しました!

ADC金沢2013








 金沢ADC賞とは、石川県内のクリエーターによるアートディレクションの審査会。年齢・経歴・所属を問わず、純粋に作品本位で選ばれるもので、入賞作品は「石川を代表する優秀作品」として全国に発信されます。当館では同じく昨年の企画展「鏡花わーるどin富山」展で制作した黒百合や蝙蝠型の立体パネルがすでに入選を果たしました。いずれもデザイナーはヨシダ宣伝の吉野武さん。中川学さんのイラストを作品の世界観そのままに見事に立体化、当館での展示はもちろん、千代田図書館での再展示でも話題となりました。ジオラマは当館での初組み立て時には計10時間を要した力作! 『絵本 化鳥』といい、ジオラマといい、制作にかかわった方々の優れたデザイン力とそれを実現する職人魂で、猛進学芸員の熾烈な要求とわがままにもめげず(笑)、妥協のないお仕事をした結果です。みなさま、あらためておめでとうございました&ありがとうございました!
 そんなこんなで度重なる受賞に沸いた11月も残すところあと一日。12月にはさらにうれしいお知らせが続きます♪ 本日も前回同様、荒れ狂う天候のなか“それ”は届きました。そのあまりの美しさに厳しい北国空も何のその、ホクホク顔でお仕事しております。
 そんな素敵なお知らせもろもろは12月からアナウンスいたします。みなさま、お楽しみに♪

学芸員 

シリーズ~今週のお花✿38~

H25.11.21
お花  
今週のお花(11/16~)

・青もじ
・ゆり
・ヘレコニア

 生花ボランティア「グループ白」今回は野村さんの作品です。
 画像はつぼみですが、今ゆりがとてもきれいに咲いています。
 いつもありがとうございます!


 さて、記念館の門をくぐるとすぐ目につくのが“オオイタヤメイゲツ(大板屋名月)”
昨日大荒れのお天気で心配されましたが、葉も落ちることなくまだとてもきれいに紅葉しております!
金沢の風物詩でもある雪吊りも施されていますので、ぜひご覧いただきたいです^^

 みなさまのご来館を心よりお待ちしております。 
 
 
スタッフK 

『絵本 化鳥』がアジアデザイン賞2013で入賞しました!

H25.11.20
 学芸員です。
 連日“鰤起こし”が鳴り響く金沢。今日も朝からあられが降り、鏡花の随筆「寸情風土記」を髣髴とさせる初冬の一日となっています。
 さて、本日はようやく情報解禁となったうれしいお知らせ♪ 『絵本 化鳥』アジアデザイン賞2013でメリット賞を受賞しました!第47回造本装幀コンクールに引き続き、二つ目の受賞です!

アジアデザイン賞2013 アジアデザイン賞とはグッドデザイン賞などと並ぶ“世界のデザイン賞”の一つで、飛躍的な成長を続けるアジア市場にフォーカスしたユニークなデザイン賞。日本でもこれまでに有名家電メーカーや映像機器メーカーなど、名立たる企業が入賞を果たしています。すでに出品が決まっている来年2月にドイツのライプツィヒで開催される“世界で最も美しい本コンクール”を前に、『絵本 化鳥』いよいよ世界進出です!
 受賞の対象となったのは『絵本 化鳥』のブックデザイン。装幀担当の泉屋宏樹さんは今回、2011年に当館でも展覧会を行った繪草子『龍潭譚』で銅賞をダブル受賞しています。鏡花作品を原作とする、中川学画・泉屋宏樹装丁のこの2書が、世界レベルのデザイナー、そして企業の方の眼に触れることになります。泉屋さん、そして中川さん、そしてこの絵本の制作に関わったすべてのみなさま、おめでとうございます!
 授賞式は12月5日(木)に香港で行われます。『絵本 化鳥』チームからは泉屋さんと、そして両書の題字を担当された書家の上田普さんが出席予定。奇遇ですが、上田さんは11月23日(土)-12月6日(金)の日程で、金沢市内のギャラリー・G-WING’Sで作品展「書の行方」を開催されます。「龍潭譚」の水と「化鳥」の羽を見事に表現してみせた、その独創的な書の世界に触れることができますよ。(ご本人、ちょっと鏡花に似ています。笑) 初日在廊予定と伺っています。ぜひ足をお運びください。
学芸員 

岩波文庫『化鳥・三尺角』が刊行されました!

H25.11.16
 学芸員です。
 明日は第41回泉鏡花文学賞の授賞式。今年の受賞作は磯崎憲一郎氏の「往古来今」。金沢市民芸術村パフォーミングスクエアで午後3時から行われ、選考委員や受賞者によるスピーチなどが予定されています。ぜひ足をお運びください。

岩波文庫 さて、左の書影。鏡花生誕140年に合わせ、オリジナル編集の新文庫を刊行中の岩波文庫さんから、新刊『化鳥・三尺角 他六篇』が届きましたのでご紹介いたします。
 今回の編者は慶應義塾大学の松村友視先生。泉鏡花文学賞の選考委員である作家の村松友視氏(視は示+見)とよく間違われて、原稿依頼や講演依頼をいただくこともしばしば……という逸話の持ち主です。鏡花にあやかってか、うさぎグッズが大好きで、松村先生が編集委員を務められている神奈川近代文学館さんの特別展「泉鏡花展―ものがたり水脈―」で展示中の鏡花愛玩の実物大の白うさぎは、松村先生たっての願いで当館は今回泣く泣く?神奈川さんに展示権をお譲りした、というウラ話もあるほど。(そういえば、数年前の研究発表の際も、うさぎのマグネットを使っておられました……。)
 そんな“こだわりの人”松村先生セレクトによる今回の短編小説集。目次で一目瞭然ですが、いかにも先生の好きそうな作品で埋め尽くされています。巻頭の「化鳥」は云うに及ばず、「三尺角」「朱日記」「第二菎蒻本」「革鞄の怪」という、心置きなく(笑)趣味に走ったラインナップには、敬意と共感をこめて思わずにんまりです。
 しかし、さすがの名編集に感嘆する一方、次の当館オリジナル文庫で……とひそかに目論んでいた「朱日記」で先を越されてしまったのは少なからずショック。これはきっと腹を決めて方向転換し、あの“幻のアンソロジー”の実現に努めよ!という、活字の神様のお告げに違いありません。
 何はともあれ、岩波文庫の新刊シリーズもこれで残すところあと一冊。紀行文集と聞いております。編者はいわずと知れた鏡花研イチの“鉄度”を誇るアノ方です。
 研究者魂と鏡花愛にあふれた岩波文庫の鏡花新刊シリーズ。その一冊目となった『鏡花随筆集』は、販売開始一ヶ月で増刷がかかったほど好評だったとか。今回も満足度はお墨付きです。ぜひご一読を♪

学芸員 

逗子のまんだら堂やぐら群が期間限定公開されています!

H25.11.12
 学芸員です。
 出張&休暇で長らく留守に致しましたが、その間も関係者の方含め、たくさんの方にご来館いただいたようです。ありがとうございました!
 さて、たまりにたまった休みを消化すべく、いただいた長期?休暇で今回訪れたのは横浜・鎌倉・逗子・葉山方面。神奈川近代文学館さん、鎌倉市鏑木清方記念美術館さんはもちろん、来年の展覧会に向け、“あの作品”の舞台である葉山方面を取材するのが主目的です。
 観光客でにぎわう休日の逗子駅に降り立つと、まず目に飛び込んだのは「臨時公開 まんだら堂やぐら群」の文字。そう、当館でもジオラマでご紹介している鏡花の「春昼」の一場面の舞台として知られる場所です。長らく保全工事のため閉鎖されていましたが、今年から期間限定で臨時公開を行うようになったとのこと。これは何を置いても行かねば!です。
 最寄のバス停を降り、急な階段と坂道をてくてく登っていくと、途中で名越の切通しが。やぐら群はそこからさらに山道を登った場所にあります。突然開けた場所に出て、いきなり目に飛び込んでくるのが、この風景!

やぐら群やぐら群

 





 “やぐら”とは鎌倉時代に発祥した、山裾や岩の崖面に四角い横穴を掘って火葬したお骨を納め、五輪塔など置いた葬送・供養の場のこと。場の特性もありますが、眼前に広がる異様には、やはりしばし呆然です。
 もう少し登ったところに自然の展望台があり、やぐら群全体を見下ろすことができます。振り向けばそこは逗子の海。係員の方のお話によれば、鏡花の時代にはさほど周知された、人が訪れる場所ではなかったとのことですが、偶然訪れたにしてもこのロケーションでは鏡花ならば書かずにはおれなくなるのも納得です。
 やぐら群の公開は12月15日(日)までの木・土・日・祝日のみ。詳しくは逗子市HPで“まんだら堂”“やぐら群”などをキーワードに検索してみてください。一部足場の悪いところもありますので、天候のよくないときは決して無理をなさらないように。今後も機会を見て臨時公開が検討されているようですよ。

長者ヶ崎 さて、思わぬ収穫のあとは、本来の目的である葉山方面へ!
あいにくの曇天でしたが、歩きやすいお天気の中、某作ゆかりの地をめぐって日没まで鋭意取材!……の予定でしたが、地元の方の貴重なお話などを伺っている間にすっかり日が暮れてきてしまい、せめて……と某作冒頭のあの場所へ。6、7年前にも一度訪れているのですが、すでに記憶の彼方。“見も馴れぬ獣の如く”わだつみに躍り込んだその姿をあらためて目にし、これから生まれ出ようとする傑作の数々に思いをはせたのでした。
 うれしいハプニングで当初の予定がだいぶ狂いましたが、実りある取材となりました。ご案内&ご解説いただいた地元の皆さま、ありがとうございました!
 また、今回の取材にも関連して、当館としてはたいへん光栄な、うれしいお知らせがあります。詳細決まりましたらこちらでもご案内しますので、どうぞお楽しみに♪
学芸員 

東京・西荻窪の松庵文庫さんで繪草子「龍潭譚」展がはじまっています!

H25.11.05
 学芸員です。
 鏡花の140回目の誕生日から一夜明け、メガネうさぎ三兄弟の神奈川近代文学館さん、鏑木清方記念美術館さんからもたくさんの“うさぎさん”たちが来場されたとのうれしいご報告をいただきました! みなさま、ありがとうございました。
 さて、11月4日は鏡花の誕生日であると同時に、われらが『絵本 化鳥』の記念すべき第一刷の発行日でもあります。あれから一年、あっという間でしたが、5か月後の4月には第二刷を発行、その後も第47回造本装幀コンクールで読書推進協議会賞を受賞するなど、おかげをもちまして想像を超える反響をいただいております。現在、東京・千代田区の四番町図書館では千代田図書館に引き続きイラスト展を開催中ですが、昨日11月4日からは同じく中川学&泉屋宏樹コンビによる繪草子「龍潭譚」展が東京・西荻窪の松庵文庫さんで行われています。

龍潭譚 繪草子「龍潭譚」といえば、当館と中川&泉屋コンビの出会いのきっかけとなった作品。平成23年度の企画展ポスターのメインビジュアルとなったイラスト“九つ谺のうつくしきひと”は多くの人々をひきつけ、そのご縁は今も続いています。会場の松庵文庫さんは古民家を利用した和カフェで、庭には大きなつつじの木があるとか。真っ赤なつつじが印象的な「龍潭譚」展にぴったりのギャラリーさんですね!(フードもおいしそうですよ♪)

 繪草子「龍潭譚」展は11月10日(日)まで。イラストの展示はもちろん、超豪華装丁の繪草子「龍潭譚」の実物がご覧になれるほか、中川さんがこれまでに手掛けられた絵本やイラストのグッズも販売されています。ぜひ足をお運びください♪ (当館で制作した「龍潭譚」絵はがきはすでに完売しております。ご了承ください。)
 そして、言いそびれましたが、当館でも10月30日の後期展開始から貴重な「龍潭譚」の草稿を展示中。1点のみですが、「龍潭譚」そしてその研究史を知る人にとっては思わず声を上げてしまいそうになる、超重要草稿です。この一枚に興奮冷めやらぬ方はかなりの鏡花通(笑)。展示室のどこかにあります。じっくり探してみてください。
学芸員 

鏡花生誕140年記念シンポジウム報告

H25.11.04
 学芸員です。
 鏡花の140回目の誕生日を迎えた今日、記念館ではうさぎグッズを身に着けてご来館の方先着50名様にプレゼントをお渡ししたほか、金沢文化ホールにおきまして幻想文学研究の大家で博物学者でもいらっしゃる荒俣宏先生、そして鏡花作品の実証研究で知られる田中励儀先生をお迎えしてシンポジウム「泉鏡花―美と幻想の光と影」を開催しました。定員150名の会場はほぼ満席、記念館にも本日は140名以上の来館者があったということで、本当にたくさんの方々が鏡花の誕生日を祝ってくれたことになります。本当にありがとうございました!

鏡花生誕140年記念シンポジウム さて、超ご多忙にもかかわらず、荒俣先生の粋な計らいで鏡花の誕生日に行われたシンポジウム。荒俣先生の博学ぶりと、田中先生の専門性が際立つ、当館としては願ってもない内容となりました!
 まず、冒頭から愛蔵の雪岱装丁の鏡花本を披露しつつ、鏡花作品との出会いについて語ってくださった荒俣氏。師と仰ぐ平井呈一氏から鏡花作品を薦められたのがきっかけとなり、様々な作品を愛読。最近では鏡花本の美しさに惹かれ、鋭意蒐集中とのことで、ご持参くださった『鴛鴦帳』と『遊里集』は当館の展示にご出品いただきたいほどの美本ぞろい。特に『鴛鴦帳』は鏡花自身が序文で作品書き下ろしに至る経緯を詳細に語っていることもあり、田中励儀氏とのマニアックな会話に花が咲きました。
 また、関東大震災を背景とする「帝都物語」に鏡花を登場させた理由として、鏡花作品に現実と幻想との比較のセンスを感じたことから、世相を冷静に観察し、先見性をもって一段高いステージから時代を見渡す役割を担わせたかったこと、それを演じるには男性でありながら女性の霊的な力を感じさせる坂東玉三郎氏が適役であったことなどをお話ししてくださいました。
 そして休憩をはさんだ後半は幻想文学作家としての鏡花について。目に見えないものを形に表現すること、そして形無きものが時代に移り変わりによって失われるのを防ぐことに幻想文学の重要性があること、鏡花は異界を描いても人間を描いても常に極限まで突き詰めた理想形を追及し、描き続けた作家であることを熱く語られました。
 濃密ながらもあっという間の2時間。開催前後に少しだけお話しさせていただきましたが、飾らない、とても気さくなお人柄で、差し上げた図録類も「すぐに見たいから。」と重いのもいとわず、大事そうに持ち帰ってくださった姿がとても印象的でした。あらゆる場面で細やかにお気遣いくださる、とても真摯な方で、できればもう1時間くらいお話していたかったというのが本音です。(笑)
 また、何かの機会を作って、ぜひ金沢にお越しいただきたいなぁ……と、館職員一同、心から感激した一日でした。
学芸員 

本日“鏡花うさぎまつり”開催してます!

H25.11.03
鏡花うさぎまつり 学芸員です。
 少々くもり空ではありますが、本日は地元下新町そして主計町の有志による“鏡花うさぎまつり”の日。鏡花ゆかりの地である東京・神楽坂からも老舗のお店も出張し、多くの人でにぎわっています。
 鏡花生誕の地である下新町からは有名なお茶所や佃煮屋さん、おでん屋さんが出店。朗読小屋・浅野川倶楽部では12:00から18:00まで鏡花作品の朗読会が、また13:00からは久保市乙剣宮の境内にて加賀万歳や主計町の芸妓さんによる舞などのイベントが、そして夜には界隈をうさぎ行燈で照らす灯り道が行われます。三連休の中日、今日はどこに行こうかな?と迷われている方、ぜひ足をお運びください。
学芸員 

11月4日(月休)は鏡花の140回目の誕生日です♪

H25.11.01
 学芸員です。
 いよいよ本日から11月に突入! さわやかな晴天の下、三連休を前に一足早い旅行者の方や小中学生の見学で、記念館は朝からにぎわっています。 鏡花生誕140年連携事業も、昨日から鎌倉市鏑木清方記念美術館の特別展「清方が描いた鏡花の世界」が開幕し、めがねウサギ三兄弟がすべて出揃いました! 清方さんでは清方の怪作「妖魚」を公開中、その他、鏡花ゆかりの作品が展示されています。ぜひ足をお運びください。

鏡花生誕140年 さて、11月といえば、4日は鏡花の140回目の誕生日! 連携事業のメインイベントの日であります。当日は神奈川近代文学館、鏑木清方記念美術館、そして当館それぞれで“うさぎグッズ”を身に着けてご入館された方先着50名様に左のオリジナルグッズセットをプレゼント! 神奈川さんが特製の缶バッジ、清方さんは鏡花の処女戯曲「深沙大王」の清方描く絵看板の絵はがき、そして当館は構想メモの発見に沸いた鏡花の「続風流線」の英朋描く口絵の絵はがきの3点セットです。
 3館で計150名にお渡しする鏡花からの(?)逆プレゼント! 各館とも50名はあっという間ですので、午前中早い時間のご来館をおすすめします。(うさぎグッズ持参orうさぎ柄のお衣裳でいらっしゃることをお忘れなく!)
 そして同日14:00からは生誕140年記念シンポジウム「泉鏡花―美と幻想の光と影」を開催! ゲストに幻想文学研究の権威であり、博物学者、そして評論家としてあらゆるメディアでご活躍中の荒俣宏氏をお迎えして、鏡花の魅力について存分に語っていただきます。会場は金沢市文化ホール。いつもの狭い館内とは異なる大会場ですので、多少お席も増やせます。「もう定員いっぱいだろうな……。」とあきらめていた方、まだ大丈夫ですのでぜひお申し込みください。
 また、前日の11月3日(日祝)は、鏡花の生家跡に建つ記念館の地元である下新町や主計町の方々によって、鏡花の140回目の誕生部を祝って「鏡花うさぎまつり」が開催されるそうです! 鏡花作品に登場する青果や鮮魚が販売される“うさぎマーケット”、界隈に拠点を置いて鏡花作品の普及に努める朗読小屋・浅野川倶楽部による鏡花作品の朗読会、そして夜には特製行灯が界隈を照らし出す“下新町、主計町灯り道”など、界隈を満喫するイベントが目白押し! 当日は祝日のため、記念館も65歳以上の方は無料でご入館いただけます(~17:00まで)。11月3日・4日は下新町、そして泉鏡花記念館のイベントでどっぷり鏡花にハマってください。たくさんのご来場&ご来館お待ちしております!
学芸員 

鏡花愛蔵のきのこ図鑑『菌譜』入りました♪

H25.10.29
 学芸員です。
 怒涛の一部展示替えも無事終了し、いよいよ明日から後期展。当館より一日早く、本日から後期が始まっている鏡花生誕140年連携館の神奈川近代文学館さんと仲良く展示品の取り合いを行った末、双方譲らず(笑)互いに前後期で入れ替えて展示することになった計10点ほどが新たに館内に加わっています。

きのこ図鑑 なかでもそのあざやかな色彩で目を引くのは鏡花愛蔵のきのこ図鑑『菌譜』。どのページにもまるで妖精あるいは妖怪のようなきのこたちが美しく、可愛らしく、時にはちょっと不気味でユーモラスに描かれており、見ていて飽きません。潔癖症で、終の棲家である番町の家に移り住み前に住まいした麹町区土手三番町の家ではあまりの湿気で畳にキノコが生えだし、辟易したと「くさびら」でも書いているにもかかわらず、きのこ図鑑を愛でるという矛盾も、実際に『菌譜』を開いて幻妖で幻想的なきのこ達を眺めていると何ら不思議はないように思えてきました。
 とはいえ一冊だけの『菌譜』、お見せできるのは見開き2頁分のみ。折角ですので約10日ごとにページを変えて展示する予定ですので、時々立ち寄ってはケースを覗いてやってください。
学芸員 

30日(水)から後期展が始まります。

H25.10.28
 学芸員です。
 久々にさわやかな晴天となった金沢ですが、当館は前期展も終了し、一部展示替えのため28・29日の2日間は休館となっております。ご注意ください。
 そして30日(水)からの後期展では鏡花の潔癖症を象徴するアルコール脱脂綿の携帯ケース、それからユーモラスなキノコが描かれた愛蔵の『菌譜』、鏡太郎&桃太郎(すず夫人の芸者時代の源氏名)の名が刻まれた腕守り、自筆資料類ではのちに「義血侠血」として発表される作品草稿の所見を述べた師紅葉の書簡などが並びます。その他、小村雪岱関係では『雨談集』や『愛染集』の見返しの校正刷り、そして鏡花の一周忌記念の文箱の図案原画などを展示。前期展に引き続きじっくりとご観覧ください。

小村雪岱 雪岱さんといえば、先日、金沢三文豪月間事業の一環として雪岱さんが死の直前まで美術考証を担当した島津保次郎監督の「白鷺」(東宝 昭和16年)が香林坊のシネモンドで上映されました。現在、上映用のフィルムがなく、20年前の国際映画祭用に準備されたデュープフィルムのため、少々雑音や途切れがありましたが、ともに鑑賞した埼玉県立近代美術館の小村雪岱担当学芸員さんと二人、その美しさにあらためて瞠目! 雪岱さんの日本画・版画作品を知る人は、画面の随所に彼の美意識が息づいていることにひと目で気づくはず。そのあまりの緻密さに、出来得ることならば彼の版画や装丁本などと付き合わせながら一つ一つたどってみたいような衝動に駆られると同時に、この映画に打ち込むあまり体を壊して命を縮めたという友人知人たちの証言を納得せざるを得ないような、しかしそれが鏡花ゆえに意匠家として花開いた雪岱さんの運命であると何となく腑に落ちてしまうような、さまざまな思いがよぎったひとときでした。
 30日も14:45分からの上映、冒頭では前回担当の館長に代わり、不肖学芸員が簡単な解説をさせていただきます。ぜひご来場ください。
学芸員 

明日27日(日)はギャラリートーク&映画「白鷺」の日です。

H25.10.26
 学芸員です。
 どうやら台風直撃は免れた様子の金沢。雨空ではありますが、比較的静かな朝を迎えています。でも移り変わりの激しい北国空。ご来沢の際は気象情報と交通状況に十分ご注意ください。
 さて、開幕前の連勤の埋め合わせをすべく、またまたいただいた2連休のうちの24日(木)、郷里・福井県からご依頼を受けまして「成立百年・泉鏡花『夜叉ヶ池』とその周辺」と題して連携企画講座の講師を務めてまいりました!
 福井県ではただいま、福井県立図書館内に福井ふるさと文学館(仮称)を整備すべく鋭意奮闘中! 「夜叉ヶ池」ほか、「麻を刈る」「栃の実」「雪霊記事」「雪霊続記」などでたびたび福井を舞台にしている事も含め、鏡花と福井のゆかりなどについてもお話しさせていただきました。文学館開設のあかつきには、ぜひ何かの機会に鏡花もとりあげていただきたいものですね。
 特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」の前期展も残すところあと2日。最終日となる明日は14:00から館内で2回目のピンポイント!ギャラリートーク「『黒猫』と『照葉狂言』」を行います。数ある鏡花作品の中でもこの2作品は館長の十八番。30分程度でコンパクトにまとめてわかりやすくお話ししますので、ぜひご参加ください。申込みは不要です。

小村雪岱 そして、同日14:45からは香林坊109内のシネモンドで映画「白鷺」(島津保次郎監督作品 昭16公開)が上映されます(当日券のみ/1000円)。この映画はなんと!あの小村雪岱が病で倒れて急死する直前まで美術考証に取り組んだ作品。昭和14年の鏡花の死後、雑司ヶ谷霊園にある鏡花の墓石の設計をはじめ、四十九日や一周忌の記念品のデザイン、岩波版『鏡花全集』の編集委員など、鏡花の死から1年後の昭和15年に亡くなるまで、鏡花のために尽くした雪岱さんの最期の仕事として知られています。鏡花&雪岱さんの関係者及びファンの間では思い入れひとしおの一作。ギャラリートークと両方参加しようとすると、とてもタイトな日程で申し訳ありませんが、たいへんレアなフィルムでもありますので、万障お繰り合わせのうえ、ぜひご鑑賞ください。(※「白鷺」は30日にも同時刻に上映されます)

小村雪岱(1887-1940)
学芸員 

「婦系図」@三越劇場に行ってきました!

H25.10.23
 学芸員です。
 尾張町交流で来館してくれた荒子小学校(名古屋)と味噌蔵町小学校(金沢)のみなさん、それから野田中学校、菊川小学校、松岡中学校(福井)……と、たくさんの生徒さんの明るい声と熱気に涌いた昨日とは打って変わり、本日の記念館は鏡花その人にご関心の高そうな方々が入れ代わり立ち代わりゆっくりとご観覧くださっています。やはり、みなさん口をそろえておっしゃるのは新発見の貴重資料が数多く展示されていることと、その状態の良さ! 前期展は27日(日)まで、その後は神奈川近代文学館の前期展で展示されたアルコール脱脂綿ケースや菌譜(きのこ図鑑)、そして鏡太郎・桃太郎の名が刻まれた腕守りなどの遺品が当館に登場、よりマニアック度が増していく予定です。そのかわり、雪岱さんの「日本橋」の校正刷りや尾崎紅葉からの「汝の脳は金剛石なり」の書簡などは後期で神奈川さんの方に移動しますので、ぜひ早めにお立ち寄りいただき、前後期ともに展示をお楽しみください。

婦系図 さて、奇跡の4連休(笑)のうち、神奈川さんの翌日に訪れたのは日本橋の三越劇場で上演中の新派「婦系図」。ここ何年か、新派公演が行われる機会が増えた三越劇場。豪華な大理石仕上げの場内は石膏彫刻の美しい文様に彩られ、天井にはステンドグラスが。500席ほどの小さな劇場ですが、昭和初期の創立だけあって古き良き時代の面影を色濃く残し、鏡花の世話物を味わうには打ってつけの劇場ともいえます。小さい分、舞台が近いので、役者さんがより身近に感じられるのも魅力の一つです。

 「婦系図」といえば、お蔦主税の別れの場“湯島の境内”が有名ですが、原作の「婦系図」には存在しない、ある意味舞台のために作られた見せ場をどう演じるかがこのお芝居の一番の見どころ。その点で今回の「婦系図」は一味違いました。お蔦役の市川春猿さんの美しさはいうまでもありませんが、早瀬主税役の市川月乃助さんのカッコよさは想像以上! これまで見た「婦系図」の中でも、仁左衛門@早瀬に匹敵する素晴らしさで、客席のあちこちからは素敵すぎる早瀬さんに感情移入した観客のすすり泣きの声が。まさに“鏡花の女”を惚れさせる鏡花役者の登場に、これからの新派の鏡花ものへの期待がにわかに高まった一日でした。
 「婦系図」は今月25日が最終日。あと二日しかありません。まだご覧になっていない方はぜひ♪

◇◆追伸◆◇
11月4日(月休)開催の生誕140年記念シンポジウムのことが
金沢市の公式facebookいいね金沢に掲載されています。ご参照ください。
学芸員 

「泉鏡花―ものがたりの水脈―」@神奈文に行ってきました!

H25.10.22
 学芸員です。
 金沢は本日も曇り空ですが、グループ見学の中学生の声があちらこちらで響いてにぎやかな一日となっています。
 さて、少しご無沙汰してしまいましたが、一昨年から着手した『絵本 化鳥』制作、そして昨年の泉鏡花フェスティバル、そして今年の特別展開幕までの怒涛の2年を経てようやく人心地ついた先週末から、もはや何年ぶりかも思い出せない奇跡の4連休をフル活用して首都圏漫遊の旅に行ってまいりました!
 前後2日のプライベートタイムはさておき、まず足を運んだのは鏡花生誕140年連携館の神奈川近代文学館さん。瀟洒な建物の前には「泉鏡花展」の文字が燦然と輝いていました。

神奈川近代文学館 内部の画像は掲載できませんが、展示室に入ると早速、鏡花の下六番町の家二階の書斎の様子を再現した展示物が。例の八犬伝の箱や、当館でも4年前の特別展で展示した兎の置物などがキレイにならべてありました。いきなり書斎かぁ……さすが神奈川さん!と、その広々とした展示室をうらやましく思いながら先に進むと、今度は鏑木清方画「高野聖」の絵看板(屏風)。


神奈川近代文学館 神奈川さん、神奈川さん、まだまだ先は長いんですが……と目線を先にやると、そこには当館とおそろいで名月さんのご遺族からお借りした鏡花の紅葉賀の紋付袴が! 当館ならここで半分以上過ぎちゃってますよー神奈川さん!と後ろを振り向くと、今度は雪岱さんの日本画「春昼」。それでもまだ3分の2以上のスペースが残ってる! これ以上何を展示するの~っとよろめきながら見学し、慶應義塾図書館所蔵の原稿類や書簡などの自筆資料、当館と取り合いの末(笑)、今回は神奈川さんに譲った鏡花愛玩の兎の置物(実物大)など、自身も調査の際に目にした資料を今度はお客さんの目線でしっかり堪能してまいりました。兎の置物といえば、名月さんが所蔵されていた雪岱さんの兎のお軸も今回初公開されていますので、ぜひぜひご覧くださいね♪
横浜中華街 そして、お昼は関係者の方とご一緒に横浜中華街へ! おいしい中華を食べきれないほどいただき、再び神奈文さんに戻って今度は新派の水谷八重子さんによる「義血侠血」の朗読を堪能。新派の舞台と朗読をきちんとわけて考えていらっしゃるのか、いつもとは違った雰囲気で作品を読み進めていく水谷さん。天神橋の場面や裁判所での再会の場面は特にすばらしく、日ごろの忙しさも忘れてすっかり聞き入ってしまいました。
 公演後は水谷さん自ら新派の歴史を語る一場面もあり、「義血侠血」が川上音二郎によって「滝の白糸」として初演されたのち、喜多村緑郎らによって繰り返し上演され、新派の代表作として洗練されていったことを、一般の方にもわかりやすくお話しされていました。

 神奈川さんの現在の展示は27日(日)まで。その後は当館と同じく一部展示替えを行い、後半へと続きます。日本画など、資料保護のため展示期間が限られている作品もありますので、ぜひお早めに足をお運びください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿37~

H25.10.20
お花  
今週のお花(10/19~)

・ふうせんとうわた
・シャガ(葉)
・ケイトウ(赤)

 生花ボランティア「グループ白」今回は森さんの作品です。
先週に引き続き「ふうせんとうわた」がとてもかわいいですね^^
 いつもありがとうございます!


 今日の金沢は一気に冷え込みあいにくの雨。
それにもかかわらず、本日もたくさんのお客様がご来館下さり館内は一時は熱気でムンムン!?しました。     どうもありがとうございます^^
 
 さて、来週27日(日)14:00~より「ピンポイント!ギャラリートーク」が開催されます。
 「黒猫」と「照葉狂言」というタイトルで館長が分かりやすく解説してくださいます。
お申込みは不要ですので、みなさまお気軽にご来館ください!お待ちしております^^

スタッフK 

「山海評判記」のこと

H25.10.17
 学芸員です。
 再びさわやかな秋晴れ!となった金沢。でも気温は低めで朝晩の寒暖差も激しくなっております。ご来沢の際には暖かい羽織りものをご用意された方がよさそうです。
 さて、新発見・初公開の貴重資料が展示室を埋め尽くす今回の特別展。その中の一つである「山海評判記」の草稿について、昨日付の読売新聞でご紹介いただきました!

山海評判記 他の多くの新聞小説作品同様、最終稿が現存していないばかりか草稿の類もこれまで一枚も確認されていなかった「山海評判記」。このたびみつかった30枚は、とびとびではありますがこの晩年の傑作の創作の跡をたどるたいへん貴重な資料といえます。紙面に掲載されたのは、「長太居るか」の章の一部分。しかも、この箇所の草稿は唯一、2種類の草稿(初稿・再稿)が残されているのです。
 つまり、初稿・再稿そして「時事新報」に掲載された活字版を比較すれば、鏡花の推敲の過程がわかるということ。稀代の幻想小説がどのようにして現行の形に彫琢されていったのか―鏡花ファン、そして「山海」ファンにはたまらない資料ですね。


 そして、もう一つ、展示室には同じく新資料となる小村雪岱からの鏡花宛書簡が初公開されています。発信時期は「山海評判記」が掲載される5か月前の昭和4年2月。たいへん美しい雪岱直筆の絵手紙なのですが、その中に気になる挿絵が。
 雪岱といえば、鏡花本の装丁家を代表する日本画家であり、「山海評判記」連載時の挿絵担当者。……これは、果たして、偶然なのかしら?と首をかしげたくなるような気になるイラストがその絵手紙にはあるのです。
 ヒントは上の「続井戸覗」の章の雪岱の挿絵。どこがどう気になるのかは、展示室で実際の資料を見てお確かめください。
学芸員 

泉鏡花と小村雪岱

H25.10.16
 学芸員です。
 台風一過の金沢は朝から雨模様。一気に肌寒くなり、温かいものが恋しい一日となりました。
 たくさんの方のご協力を得て開催中の鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」。100点近い資料の中には前期(~10/27)のみの展示品もいくつかあります。

鏡花と雪岱 その中の一つが先日から言及している小村雪岱装丁『日本橋』の表紙と裏見返しの校正刷り。美しさと状態の良さで高い評価を受けている当館所蔵の鏡花本ですが、やはり本という性質上、少々の痛みや色ヤケは避けられないもの。しかし、鏡花の手元に残されていた校正刷りは別です。ほぼ非公開のまま大切に保存されていただけあって、日本一美しい『日本橋』と言って過言でないほどの輝きを放っています。

 その他、鏡花本の中でも人気の高い『由縁文庫』『鴛鴦帳』といった作品の校正刷りなども目を疑うほどの美しさ。これらは連携館の神奈川近代文学館さんでももちろん展示希望!のため、後半はあちらで公開されます。そのかわり、当館の後期では『雨談集』『愛染集』といった作品の表紙や見返しの校正刷りが。こちらも息をのむ作品ばかりです。ぜひ両方(つまり前後期)ともにご覧ください。
 さて、鏡花本といえば近年人気が高まるばかりですが、文化人の方々の中にも実は雪岱さんのファンの方が数多くいらっしゃいます。11/4の鏡花の誕生日に開催する当館主催のシンポジウムにご出演くださる博物学者で評論家の荒俣宏先生も、とあるサイトで雪岱さんに言及されていましたのでご紹介いたします!

ほぼ日刊イトイ新聞~目眩(めくるめ)く愛書家の世界


 蔵書家でも知られる荒俣先生。11月4日がそんな蔵書のお話も伺えるといいですね♪
 シンポジウムの方は大会場なので、まだまだお席がございます。当日は鏡花関連の貴重資料の画像も交えて開催予定。11月3日の文化の日の振替休日ということもあり魅力的なイベントの多い時期ですが、ぜひこちらにも足をお運びください。
学芸員 

兎ガイドさん本格始動です!

H25.10.14
 学芸員です。
 三連休最終日。各所でイベント満載!の金沢のマチナカは、連日多くの人出でにぎわっています。記念館もその恩恵を受けたのかゴールデンウィーク並みの入館者。超貴重資料はもちろん、鏡花セレクション!のキレイなもの&カワイイものがいっぱいとあって、比較的若い方のご来場が多いのもうれしい限りです。
 さて、館内随所に展示されている鏡花愛玩の兎さんたち。実は連休前から展示室の要所要所でピンポイント!ガイドを本格始動しています。

泉鏡花 コチラは先日もご紹介した“切なすぎる”兎さん。金沢に残された祖母きてが、東京の鏡花に送った書簡について、わかりやすく解説してくれています。そのけなげな姿に、思わず耳を傾けずにはいられません。
 館内では“切なすぎる”さんをはじめ、総勢10名?の兎解説員さんが大活躍! ちょっと難しそうな自筆資料も、兎解説員さんの話を聞くと、とてもよく理解できるから不思議です♪

 
 え?なになに?“切なすぎる”さんから耳寄り情報?……現在展示中の鏡花の兎コレクションの一つである“さかずき”が実は九谷焼で、コレがとっても素敵なんですって! それはぜひ見に行かねばですね。
 その他、展示中の遺品の中には隠れ兎がチラホラ。さすがは文学史上まれにみる兎コレクター。本当にあなどれません。
 尾崎紅葉からの書簡や、『日本橋』校正刷りなどは今月27日(日)までの限定展示ですが、兎さんたちは12月8日(日)の最終日までフル活動してくれます。ぜひひと目、会いに来てください♪
学芸員 

ココロ洗われる湯涌時間。

H25.10.11
 学芸員です。
 明日からの三連休を前にして、本日も「え?」と驚くほどたくさんの方にご来館いただいたようです。ありがとうございました! 11月4日の鏡花の140回目の誕生日を記念して、博物学者で幻想文学研究の大家でもいらっしゃる荒俣宏氏をお迎えして開催するシンポジウム「泉鏡花―美と幻想の光と影」も順調にお席が埋まりつつあります。今回の会場はいつもの土蔵とは異なり、大容量の金沢市文化ホール。まだまだご参加いただけますので、ぜひお申し込みください♪
 さて、そんなこんなで自館がてんてこ舞い?しているとはつゆ知らず、学芸員会議出席のため今回の担当館である金沢湯涌江戸村に行ってまいりました!
 三文豪館そろい踏み!で、文字通り仲良く車で乗り込んだ湯涌地区。アニメ「花咲くいろは」にちなんだ“湯涌ぼんぼり祭り”前夜とあって、何やら目に見えぬ熱気がひしひしと迫るなか、訪れた江戸村でまず最初に目についたのはコチラ。

金沢湯涌江戸村 茅葺きさん、略して“ブッキー”(だそうです)。
 対面するや否や、「今日はこれを見に来たのですっ!」といわんばかりにバシバシと写真を撮りまくる徳田秋聲記念館さんに触発され、こちらは逆サイドからパチリ。……ちょっと目が据わっているような印象を受けますが、ブッキーさん、なかなかの愛嬌です。きっと秋聲さんのブログにもそのうちご紹介されると思いますので、お楽しみに。

 展示物である古民家の一室で心地よい風に吹かれつつ、会議では鬼も笑う来年、再来年の展覧会の情報交換などを行い、終了後は特別展「山名文夫と夢二」を開催中の金沢湯涌夢二館へ。長きにわたり資生堂のトップデザイナーとしてその企業イメージの一翼を担った山名の愛らしくかつハイセンスなデザインの数々が、とても優しい雰囲気のなか愛情たっぷりに展示されていました。展示物の中には貴重な小村雪岱情報も。こちらも一見の価値あり!です。
 江戸村で心地よい自然に、夢二館で香り高い文化に触れることのできた今回の会議。湯涌地区、金沢市中心街からは少し離れてはおりますが、温泉&イベントも含めてそのポテンシャルの高さはさすがのひと言です♪
 本日は少々ぐずついた空模様となりましたが、明日にはお天気も回復する様子。この週末はそれぞれに見どころ満載!の金沢市文化施設に、ぜひ足をお運びください♪
学芸員 

四番町図書館で『絵本 化鳥』のイラスト展がはじまっています!

H25.10.10
 学芸員です。
 10月も半ばにさしかかろうというのに、まるで9月に逆戻りしたかのような陽気の本日、行楽日和とあって遠足や社会科見学の小中学生、その他観光客の方で記念館は今日も朝からにぎわっています♪

絵本化鳥 さて、内も外も展覧会やらイベントやらに追われ、すっかりご案内が遅れてしまいましたが、東京・千代田区の四番町図書館で「『絵本 化鳥』イラスト展」が10月7日からはじまっています!
 四番町図書館は先日まで原画展を開催してくれた千代田図書館さんと同じく、千代田区立の図書館さんですが、こどもさんに特化した図書館であり、しかも!鏡花の終の棲家となった番町の家(跡)にもっとも近い図書館ということで、ある意味『絵本 化鳥』の展示をお楽しみいただくには最もふさわしい図書館といえるかもしれません。
 今回展示されているイラストは、当館所蔵のものとは紙質などの風合いを変えてプリントされた作品。10点程度を入れ替えながらの展示となります。そして今回は、中川さんのたいへん完成度の高いラフスケッチや、苦心の跡が見える構想メモなどの貴重な資料も展示。千代田図書館さんでの展示とは一味違った内容となっております。
 絵本といえば、第47回造本装幀コンクリール受賞に伴い、この10月にドイツのフランクフルトで開催される世界最大のブックフェアに出品されることが決まっていますが、そのフランクフルト行きを前にして、別件で海を越えることが決まってしまったようです♪ さすが現代の鏡花本! みなさん、苦労の甲斐がありましたね。
 公表まではまだ少しお時間が必要なようですが、フランクフルトブックフェア出品へのよいはなむけとなりそうです。この“おめでたい”お知らせについては、またあらためてご案内いたしますので、どうぞお楽しみに♪

学芸員 

荒俣宏氏出演! 鏡花生誕140年記念シンポジウム受付開始です!

H25.10.09
 学芸員です。
 特別展開幕から5日、昨日からは11月4日の鏡花の140回目の誕生日を記念してのシンポジウムの参加受け付けも始まっています。「せっかくなので、鏡花のお誕生日の日に……。」と、ご多忙の中、特別出演いただけるのは、鏡花も登場する小説「帝都物語」で知られる博物学者で評論家の荒俣宏氏。最近はNHKを始め、TVでもご活躍とあって、お席もどんどん埋まりつつあります。通常の当館ならばすでに満員御礼状態ですが、今回は金沢市文化ホールに会場を移してのイベントのため、定員もいつもの5倍! まだまだ受付可能ですので、みなさまふるってご参加ください♪
 さて、無事展覧会も開幕し、ひと息つけたところで、鏡花生誕140年連携“メガネうさぎ三兄弟”の一つで特別展「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」を開催中の横浜・神奈川近代文学館さんに「無事、開けましたか~?(笑)」とお電話をしてみたところ、「初日に市川春猿さんが来てくださいました!」とのお返事が。さすが横浜、すでに著名人の方々が続々です。

泉鏡花 松竹さんのお許しを得て、お写真も送っていただけました!
 春猿さんは同じく連携を結んでいる舞台「婦系図」(10/10-10/25 三越劇場)でお蔦役で主演予定。昨年の京都・南座での「滝の白糸」上演の際も、金沢の当館まで視察にいらしたほど役作りに熱心な方。女形でいらっしゃるので繊細なお体のイメージがありますが、実際の春猿さんはきりりっと引き締まった感じで、背もお高くて、とっても素敵な方でしたよ♪
 松竹さんとは今回、広報連携を結んでいて、「婦系図」のチラシにもメガネうさぎのロゴを掲載するという、格別のご対応をいただいています。また、舞台の半券提示で三兄弟文化施設の鏡花生誕140年特別展の一般観覧料が割引になるサービスも行っていますので、ぜひあわせて足をお運びください。

 そして、横浜の方では10月19日(土)に新派の大女優である二代水谷八重子さんによる朗読会「義血侠血」が開催されます! 聞けば今ならお席の方も間に合うとか。こちらもどしどしお申し込みください♪

学芸員 

特別展図録 本日から販売開始です!

H25.10.07
 学芸員です。
 初日から三日目を迎えた鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」。朝からたくさんの方にご来館いただいています。開催中の金沢三文豪スタンプラリーの効果もあってでしょうか? うれしい限りです♪
 まず皆さん驚かれるのは、鏡花の兎蒐集、潔癖症、深い家族愛などのさまざまなエピソードを裏付ける遺愛品の数々。「あ。これ、たしか『新潮日本文学アルバム 泉鏡花』に載ってた!」や、「『別冊太陽』で掲載されていたのと同じっ!」……というものが所狭しと並んでいます。もちろん、貴重な直筆資料も。鏡花を入水願望から救い励ました尾崎紅葉のあまりにも有名な書簡や、新資料の小村雪岱さんからの絵手紙、そして初めて確認された自筆原稿など、鏡花の研究史にあらたな一頁を加える重要資料が、連携館である横浜の神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」で先に展示されているもの以外はすべてホンモノ。そして、その保存状態がすばらしく、ついさっき鏡花が筆を執ったかのようにどれもこれもがとても美しいのです。展示ケースを埋め尽くす自筆資料がすべておなじに見えてしまう……という歴史・文学系の博物館が共通して抱える問題点を多少懸念していたものの、来館者の方にも資料の貴重さとそこから生まれる迫力が伝わるようで、みなさん1点1点を時間をかけて、ゆっくりと鑑賞して下さっていることが、とてもうれしく思います。

泉鏡花 さて、そんな貴重な新資料や、思わず微笑まずにはいられない、美しく愛らしい鏡花の遺愛品の画像を掲載した特別展図録ですが、ようやく本日から販売開始となりました! 今回の図録の特徴は、新資料に関して詳細なエッセイ風の解説で説明されていること、またすでに絶版となっていて入手困難な泉名月さんによる泉家の聞き書き「羽つき・手がら・鼓の緒」をはじめとする一連のエッセイが全文再掲載されていることです。図録を片手に、名月さんの文章と照らし合わせつつ、数々の遺品を眺めるのもまた感慨ひとしおです。
 図録は税込800円、これにあわせて平成21年の特別展「慶應義塾図書館所蔵 泉鏡花遺品展」図録も1000円から800円にディスカウントして販売中です。ぜひお手に取ってご覧ください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿36~

H25.10.6
お花  
今週のお花(10/5~)

・ふうせんとうわた
・雪柳(紅葉)
・糸菊

 生花ボランティア「グループ白」今回は谷口さんの作品です。
いつもありがとうございます!


 昨日に引き続き秋山館長のギャラリートークが行われました。
(本日やっと休日の学芸員、ゆっくり休養中かと思いきやお客さんとして素敵な着物姿で登場。キレイでした^^)
鮟鱇博士の塗り絵コーナーも盛況でたくさんの方にご来館くださりました。

 10月限定で販売しております「文化得とくパスポート」は大変お得です^^
この機会にぜひご利用下さいませ。みなさまのご来館お待ちしております。

スタッフK 

鏡花生誕140年PRブースもopenです!

H25.10.05
 学芸員です。
 無事開幕した鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」。初日は午後からたくさんの方にご来館いただきました。ありがとうございました!
 まずは、はじめての試みとなるピンポイント!ギャラリートーク。今回の担当は秋山稔館長。「泉鏡花と尾崎紅葉」をテーマに約30分の予定でしたが、案の定長引きました。(笑) これで全点解説していたら、軽く3時間はかかるでしょう。でも人のことは言えません、学芸員もボランティア解説員さんの研修で延々2時間レクチャーしていましたから。(笑)
 館長も原資料を前にお話しするスタイルが気に入ったようで、「いいねー。またやりたいねー♪」とひと言。次回は10月27日、テーマは「『黒猫』と『照葉狂言』」です。ご関心のある方はぜひご参加ください。
 なお、明日13:30からも館長による解説会が行われます。主に展示中の遺品解説と、10月10日から東京・三越劇場でも上演される「婦系図」のお話となる予定です。こちらは観劇ツアー参加者用のギャラリートークですが、飛び入り参加もokですよ。
 さて、鏡花生誕140年PRブース。場所はいつもの土蔵です。

泉鏡花泉鏡花泉鏡花泉鏡花


(左上)ブース全景
(右上)連携コーナー
(左下)連携出版物
(右下)ぬりえコーナー



 左下の「連携出版物コーナー」が気になる方、それはそうでしょう。こちらは人形作家で写真家の石塚公昭氏による異色の鏡花・フォトブック『貝の穴に河童の居る事』のダイジェスト展示コーナーです。
 鏡花をはじめ、名立たる文人たちのリアルな人形を制作、ゆかりの地などで撮影し、独特の世界観を表現する石塚さんの作品は以前から存じ上げていましたが、今回ご縁ができて河童本刊行に合わせて当館で一部ご紹介させていただいております。学芸員お気に入りの鏡花人形のフォトも。ブースでもひときわ異彩を放っています。フォトブックはミュージアムショップでも販売しております。
 そして、本家本元?の鮟鱇博士軍団。こちらは中川学セレクトの千代田区のみなさんの作品と、鏡花の母校・馬場小学校の一年生の作品のコラボ展示です。鏡花生誕の地の金沢と、鏡花終焉の地の千代田区のこどもたちがぬりえを通して交流……見ているだけでほっこりです♪
 まだ本格始動前の連携館もあり、掲示物・展示物はまだまだ増える予定。ご来館の際にはこちらにも忘れずにお立ち寄りください。
学芸員 

秋の特別展いよいよ開幕です!

H25.10.04
 学芸員です。
 怒涛の展示替えも終了し、いよいよ明日から特別展開幕です! “遺品展”と銘打つ通り、鏡花のセンスが光る愛用品をはじめ、未公開の貴重な新資料の数々が所狭しと展示室に並んでいます。「遺品は興味あるけど、自筆資料はなんだか難しそうだな……。」という方、ご安心ください。鏡花愛玩の可愛い兎さんたちが、要所要所でピンポイント!解説をしてくれています♪

泉鏡花泉鏡花泉鏡花泉鏡花








 う~ん、可愛い兎ガイドもいいけれど、もっと詳しく話を聞きたい!という方には、明日14:00~の当館館長によるピンポイント!ギャラリートークがおすすめ。会期中、館長or学芸員が計4回に分けておこなうこの企画、あまりに豊富な貴重資料を前に、語りだしたらとまらない両名(笑)が全部解説しているうちに、とっぷり日が暮れていました……などという事態を避けるために考えた、苦肉の策です。
 今回のテーマは「泉鏡花と尾崎紅葉」。父の死後、家長の重責に耐えかね、入水を考えて百間堀をさまよったという鏡花に対し、「汝の脳は金剛石なり」(おまえの才能はダイヤモンドの原石である!)と叱咤激励した、あのあまりに有名な書簡をはじめ、紅葉と鏡花の師弟愛あふれる資料が満載です。申込み不要(ただし要入館料)ですので、ぜひご参加ください。
 鏡花生誕140年連携“メガネうさぎ三兄弟”の一つ、横浜の神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」も明日5日より開幕! 広い館内を活かしての大型資料の展示が魅力のようです。こちらもぜひ♪

学芸員 

せつなすぎる兎。

H25.10.02
 学芸員です。
 10月5日(土)からの鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」に向けて展示替え真っ只中の当館、パネル等の大型品の設営も終え、本日から展示品の入れ込みが始まっています。
 さて、前回は鏡花愛用の可愛すぎる?お茶碗を紹介しましたが、本日はコレ、やはり鋭意制作中の特別展図録の中から“せつなすぎる”兎さんです。

泉鏡花 鏡花自身は酉年生まれですが、自分の干支から数えて七番目、ちょうど真向かいに来る干支である“向かい干支”(裏干支とも)のモノを集めても縁起がいいと亡き母から教わったという鏡花。彼が生涯で蒐集した兎グッズは数百点ともいわれ、光栄にも平成21年開催の「慶應義塾図書館所蔵 泉鏡花遺品展」と今回の「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」を通して、現存するほぼすべての兎に目を通すことができました! ありがたき幸せです♪

 画像は泉家に伝わる陶器の兎。月明かり並のほの暗さでちょっとわかりづらいかもしれませんが、一番下にいる白いコがそうです。……じーっと見つめるあまり、目が合ってしまったら最後。夢に見そうなその風情は、某テレビCMでブレイクした、せつなすぎるチワワちゃんを思い出しますね。
 そんな鏡花も愛した兎さんに癒されつつ、とにかく初日に向けてがんばるのみ! 一方、当館だけではスペースが足りず、金沢ふるさと偉人館さんに応援をお願いした『絵本 化鳥』の名キャラクター・鮟鱇博士のぬりえ作品展は、とうとう偉人館さんからもあふれ出て、徳田秋聲記念館さんにまで増殖域を広げております。こちらは作品の舞台となった浅野川を眺めつつ鑑賞できるという抜群のロケーション! 有料スペースでの展示ですが、開催中の異色の企画展「徳田秋聲らしからぬ!―しゅうせいとこどもむけよみもの展」とあわせてご鑑賞ください。
学芸員 

可愛すぎるお茶碗。

H25.09.29
 学芸員です。
 おかげをもちまして企画展「『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」も本日で終了。期間中、本当にたくさんの方にご来場いただきました。ありがとうございました!
 当館は明日30日(月)から10月4日(金)までの5日間、展示替え休館に入ります。そして、10月5日(土)からは鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」です。
 新聞等でも掲載していただいているように、鏡花の未公開・未発表の自筆資料はもちろん、あまりにも有名な師尾崎紅葉からの師弟愛あふれる書簡、その紅葉にあやかって愛用した紅葉賀紋入りの着物、そして潔癖症の鏡花のためにすず夫人が千代紙で手作りしたキセルの吸い口キャップなど、鏡花を語るうえでは欠かせない伝説の愛用品の数々、さらには鏡花の絶大な信頼を得ていた日本画家・小村雪岱直筆のデザイン画など、ありとあらゆるものが展示室を埋め尽くします。

絵本化鳥 もはや何からご紹介してよいかわからない展示品の中から、本日ご案内するのはコレ。鋭意最終校正中の図録の中から、鏡花愛用のご飯茶碗(左端)です!
 鏡花の姪で、泉家の養女である泉名月さんが「濃く赤い、濃い朱色の地色に、星が並んでいるように可愛らしく咲く白いりんどうの花のもよう」と書き記した、鏡花お気に入りのご飯茶碗。あの鏡花がこのお茶碗で朝晩麦飯を……と思うと、もう可愛らしすぎて、館内でも大人気です♪
 
 え?そんなものまで展示されるの?と驚かれる方もいらっしゃるかもしれませんが、その他うさぎグッズはいうまでもなく、湯飲みに灰皿、さらには空気消毒できるらしい?お香まで(笑)、飾れるだけお借りしてきてしまいました。
 鏡花の遺品はメガネうさぎ三兄弟の一つ、横浜の神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」でも展示、途中双方で一部交換を行いますが、このお茶碗は当館のみの展示です。
 なお、金沢ふるさと偉人館さんでは、特別展開催を前に『絵本 化鳥』の名キャラクター・鮟鱇博士のぬりえ作品160点を展示中。鏡花のお茶碗にも負けない、色鮮やかな作品がずらりと並んでいます。ほっこりすること請け合いです。ぜひご来場ください。
学芸員 

鮟鱇博士、大増殖です!

H25.09.29
 学芸員です。
 企画展「『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」も明日で最後。山本タカト氏の描き下ろしイラスト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」の展示も本日を含めてあと二日で終了となります。そして、いよいよ10月5日(土)からは、鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」です。千代田図書館さんでのパネル展示を皮切りに、じわじわと輪を広げてきた生誕140年連携事業もいよいよ本格化。メガネうさぎ三兄弟の横浜・神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」、そして鎌倉市鏑木清方記念美術館「清方が描いた鏡花の世界」も、互いに日々励ましあいつつ、準備にまい進しております。モチロン、当館の特別展準備もラストスパート! 今日からは、もはや記念館だけではスペースが足りないほどになってしまった“ある作品”を、金沢ふるさと偉人館さんのご協力を得て、特別展に先んじて公開していただいています。『絵本 化鳥』の名キャラクター・鮟鱇博士のぬりえ作品です。

絵本化鳥 千代田図書館と当館とで募集して、集まったぬり絵は全部でなんと192枚! とても当館では展示しきれないので、偉人館さんに協力をお願いした次第です。
 偉人館さんでは192点中160点を展示。160人の鮟鱇博士が勢ぞろい! はっきりいって圧巻です。
 こちらは10月5日の特別展初日から当館で展示する分。ピンクの台紙が金沢市、ブルーの台紙が千代田区のみなさんの作品です。ん?……真ん中にある黒い台紙のは? よくご覧になってください、ちゃんとお名前が書いてありますよ……中川学クン、そう『絵本 化鳥』のイラストレーター・中川学さんの作品です。(笑)
 自身のイラストのぬりえに挑戦したご感想を伺ったところ、「いや~、こどもさんにはかないません!」とひと言。中川画伯もこどもたちの感性豊かな作品に圧倒されたようです。
 偉人館さんでは現在、開館20周年記念企画展「夏目漱石とその時代―漱石をめぐる金沢の人々」を開催中。ぜひ足をお運びください♪
学芸員 

美しすぎる鏡花。

H25.09.26
 学芸員です。
 山本タカト氏の美しすぎる描き下ろしイラスト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」をメイン展示とする企画展「『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」も29日(日)まで。2015年の新幹線開業PRが功を奏してか、この秋は金沢へ旅行される方が増加傾向にあるようで、記念館も平日の割には来館者が多いように思われます。
 次なる特別展も開催までカウントダウンに入り、日々過酷な現実と闘っておりますが(笑)、そんななか、オアシスとなっているのが“美しすぎる”若き日の鏡花のお写真です。
 鏡花の姪で泉家の養女であった故泉名月さんが受け継がれた遺品をご紹介する今回の特別展。作品の原稿・草稿、書簡など、未公開の貴重資料はもちろんのこと、今まで誰も目にしたことのない若き日の鏡花の肖像写真や記念写真も数多く確認されています。

泉鏡花 幼少時を除いて、現在確認されているもっとも若い鏡花の肖像がコチラ。明治30年、24歳、ちょうど「化鳥」を発表したころですね。
 でも、これからおそらく6年後、ちょうど30代に入った頃かというお写真があるのですが、これがあまりに美しく、というより美しすぎて思わずぼぉっとみとれてしまうほどの御姿・かんばせ。左の20代の鏡花もどこかあどけなさが残って素敵ですが、御年30歳の鏡花は素敵を通り越して神々しいばかりの美しさです。
 明治36年といえば、ちょうど神楽坂で芸者に出ていた桃太郎(のちのすず夫人)と同棲を始めた年。すぐに師・尾崎紅葉の知るところとなり、厳しい叱責を受けて二人は別れさせられてしまいますが、燃え上がる恋が鏡花を磨いたのでしょうか。

 そして、学芸員のイチオシ!はそれより少し前、おそらく20代後半と思われる鏡花の肖像写真。どこかアンニュイなまなざしにはそこはかとない色気がただよい、ただただ美しい!のひと言。実は結構オトコマエで知られているアノ小村雪岱が、鏡花との初対面の印象を〈色の白い、小さな、綺麗な方〉と語っているのも無理はありません。そのうえ、〈天才肌の芸術家といふ一つの雰囲気で、凡てを蔽ってをられました〉というのですから、もう完璧です。(笑)
 いずれも個人所蔵の肖像写真のため、こちらでご紹介できないのが残念ですが、展示室ではもちろん惜しみなくご披露します。そして現在、図録も鋭意制作中。なんとか少しでも早く仕上げようと、日夜がんばってます。
 メガネうさぎ三兄弟の横浜・神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」、そして鎌倉市鏑木清方記念美術館「清方が描いた鏡花の世界」もそれぞれの切り口で見どころ満載! 折角の生誕140年、さまざまな角度から鏡花にアプローチしてその魅力を満喫していただければ幸いです♪
学芸員 

メガネうさぎ三兄弟揃い踏み♪

H25.09.25
 学芸員です。
 特別展開催まであと10日を切り、各連携館での開催準備も着々と?進んでいるようです。横浜の神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」、鎌倉市鏑木清方記念美術館「清方が描いた鏡花の世界」、そして当館の「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」の主要3館のチラシも出来上がり、ようやくメガネうさぎ三兄弟揃い踏み♪となりました!

鏡花生誕140年 ……インパクト大!な兄弟館のチラシに挟まれた当館の可憐なたたずまいが際立ちますね。(笑)
 各館とも展示はいうに及ばず、関連イベントもなかなかゴージャスです。さすがは鏡花生誕140年! みなさん力入ってます。
 特に11月4日にご注目! 鏡花の140回目のお誕生日のこの日、上記三館にうさぎのモノを身に着けて入館すると、素敵なプレゼントがもらえます(先着50名様)。 さらに生誕地である金沢では、鏡花も登場した「帝都物語」で知られる博物学者で評論家の荒俣宏氏をゲストにお迎えしてシンポジウムを開催します!お申し込み方法など、詳しくはイベントページをご覧ください。
 3館のほかにも、「婦系図」を上演する松竹さん、同作のお蔦主税のモデルである若き日の鏡花夫妻が共に暮らして愛を育んだ神楽坂がある新宿区歴史博物館など、ゆかりある施設・団体がそれぞれの視点で鏡花生誕140年を盛り上げます。お近くの方も、そうでない方も、ぜひ足をお運びください。
学芸員 

想像力の礎(いしずえ)

H25.09.24
 学芸員です。
 9月二度目の三連休も終わり、館内はいつものようすを取り戻し、比較的ゆったりと展示をご覧いただける雰囲気となっています。入れ代わり立ち代わりご来館されては、ゆったりとした時間を過ごされていくお客さまをみていると、こちらも何となく気分が落ち着いてきますね。
 さて、本日の北國新聞の朝刊でもお取り上げいただきましたが、鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」の展示資料の調査の過程で、鏡花の構想メモと思しきものが数枚出てきました。いずれも作品の舞台のイメージ図であり、鏡花による作品の構想地図と思われるものです。

雪岱






小村雪岱画
「篇中仮構地図」


 同様の資料としては、『ゆかりのをんな櫛笥集』の口絵「篇中仮構地図」のもととなった鏡花自筆のイメージ画がすでに発見・報告されていますが、このたび確認された資料によって、この図も同じく構想メモであった可能性が高くなりました。「由縁の女」も「風流線」も物語の序盤で舞台となる場所の地名を列挙し、空間的なイメージをふくらませる傾向がありますが、これらはまさに鏡花の構想力の礎となる資料といえます。
 今回の特別展では、ほかにも貴重な新資料を公開予定! こちらでも順次ご紹介していきたいと考えています。ぜひご注目ください♪
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿35~

H25.9.24
お花  
今週のお花(9/20~)
・石化柳
・ケイトウ
・ホトトギス

生花ボランティア「グループ白」今回は野村さんの作品です。
いつもありがとうございます。
 
 さて、先週から金沢三文豪月間スタンプラリーがはじまっております。   
 期間は11月30日(土)までで、泉鏡花記念館、徳田秋聲記念館、室生犀星記念館、金沢文芸館、石川近代文学館、以上5館のうち4館分のスタンプを集められた方にもれなく絵はがき帖を贈呈しております。この機会にぜひ三文豪を堪能していただければと思います。
 受付前にスタンプ台がおいてございますので、みなさまのご来館お待ちしております ^^

スタッフK 

鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」のご案内

H25.09.23
 学芸員です。
 さわやかな秋晴れとなった本日、三連休最終日とあって、朝からたくさんの方にご来館いただいています。今回の展覧会は幅広い年齢層の方にお楽しみいただいているのが特徴ですが、みなさんとても熱心に展示作品をみつめてくださるので、龍神の姫たちのご機嫌も日々麗しいようです。成立100年記念「夜叉ヶ池―泉鏡花と演劇の時代」は今月29日(日)が最終日です。9月からは明治37年(1904)の「高野聖」初演番付(吉田昌志氏秘蔵)などという貴重資料もこっそり追加展示されています。(笑) 未見の方、ぜひぜひご来場ください。
 さて、今日からはいよいよ10月5日(土)に初日が迫った鏡花生誕140年記念特別展「泉名月氏旧蔵 泉鏡花遺品展」のご案内です。
 昭和8年(1933)年に鏡花の弟・豊春(号・斜汀)の娘として生まれ、鏡花の死後の昭和18年に泉家の養女となった泉名月(なつき)氏。鏡花の膨大な遺品を管理しつつ、鏡花の妻・すずから聞いた泉家の歴史や鏡花の人となりを随筆「羽つき・手がら・鼓の緒」にまとめられ、うさぎ蒐集の由縁やこだわりの暮らしぶりなど貴重な証言の数々を今に伝えられた方です。平成11年の当館の開館から名誉館長を務めてくださいましたが、平成20年7月に病で急逝され、その後、ご遺族のご協力を得て今回の特別展を開催することとなりました。
 すでに図録等で紹介され注目を浴びた遺品はもちろん、未公開の新資料も限りなく、調査に数年を費やしましたが、何とか鏡花生誕140年の今年、無事公開にたどり着くことができました。
 詳細につきましては徐々にご案内していきますので、今回は取り急ぎ特別展チラシをお披露目。画像をクリックすると、PDFでもご覧いただけます。

遺品展遺品展 注目はチラシ表面に掲載した資料画像。鏡花を語るうえで欠かせないキーワードがそれぞれに秘められています。初級編から上級編までありますので、「う~ん、コレ、どこかで見たことあるor聞いたことあるんだけど……」と思われた方は、お手元の鏡花関連参考書をもう一度たどり直してみてください。全部わかった方は、“泉鏡花検定”合格間違いなし!です。(注:実施されてはおりません)


 今回の特別展は、以前からお知らせしている鏡花生誕140年記念連携事業のメイン企画。当館のほか、横浜の神奈川近代文学館「泉鏡花展―ものがたりの水脈―」、鎌倉市鏑木清方記念美術館「清方が描いた鏡花の世界」の主要3館の展覧会が中心となって、たいへん貴重な資料・作品の数々をご紹介いたします。鏡花の140回目の誕生日である11月4日には素敵なイベントも開催! 当館は二つご用意しております♪
 特別展チラシは現在、当館のみの設置ですが、10月から順次市内の文化施設や情報センター、また全国の文学館・博物館にも配置されます。例の“メガネうさぎ”のロゴが目印です。みなさま、ぜひお手に取ってご覧ください。
学芸員 

特別講座「岩波書店と泉鏡花」報告

H25.09.21
 学芸員です。
 本日も快晴!のなか、淡々と特別展準備にいそしんでいます。
 さて、展覧会準備の都合でお向かい?の金沢文芸館さんに会場を移して行われた秋山館長の特別講座「岩波書店と泉鏡花」。熱心な観光客の方の飛び入り参加もあって、なかなか集中力の高い、濃密な講座だったようです。
 今年、創業100年を迎えた岩波書店。今から100年前の大正2年(1913)、東京・神田の神保町で古書店としてスタートし、翌3年、漱石の『こころ』を刊行。これが縁となって、漱石の死の翌年の大正6年に『漱石全集』を発刊。以後、漱石門下の作家陣をはじめ、幸田露伴、森鴎外、そして泉鏡花の全集を刊行し、岩波版全集としてその名を知られるようになりました。おなじみの岩波文庫の発刊は昭和2年から。館長の学生時代には★一つ50円の計算で一冊の価格が分かったそうですよ。
 昭和14年9月7日の鏡花の死の直後から刊行に向けて動き出した岩波版『鏡花全集』。鏑木清方、水上滝太郎、谷崎潤一郎、里見弴、久保田万太郎、小村雪岱、寺木定芳、濱野英二、佐藤春夫ら、鏡花と親交の深いそうそうたるメンバーが編纂委員となって、鏑木清方の装丁で刊行されるまでの様子は、この一大事業に関わった多くの人々の回想からたどることができます。特に清方が、後輩の雪岱の装丁家としての類まれなる才能を評価し、「自分は扉絵でいいから、装丁は雪岱さんが……。」といいかけると、雪岱から「上手下手をいうのではありません。」と決然としていわれ、「承知しました。」というしかなかったというエピソードが、鏡花本を支えた二人の日本画家の人柄をとてもよく伝えていて、興味深いですね。

文学講座 もはや一刻の猶予もない(笑)特別展の準備のため館でお留守番をしていたものの、講座終了時刻になってもなかなか戻ってこない館長が心配になり、「次の予定がありますよ……。」と迎えに行くと、何やら熱心に質問を続ける男性が二人。よっぽど興味深いお話だったのだろうな……と様子を見ていたら、なんと!取材に来てくださった記者さんでした。(笑) やはり歴史ある岩波書店と泉鏡花の関係ということで、同じ活字の世界に生きる者として並々ならぬご関心を持たれたようです。
 記念館では、ただいま泉鏡花×岩波文庫フェアを開催中。現在入手できる岩波文庫の鏡花作品をすべて取り揃え、ミュージアムショップにて販売しています。ご来館の際にはぜひお手に取ってご覧ください。

 現企画展開催中のイベントも、これですべて終了。ご参加いただいた皆さま、ありがとうございました!
 「夜叉ヶ池」展も残すところ1週間。10月からは首都圏をも巻き込んでの一大イベントがはじまります! 例の“メガネうさぎ”も順調に増殖中。この秋はうさぎに注目していると、何かイイコト?ありそうですよ。「そういえば、うさぎのストラップ持ってたかな?」というような方、今のうちに探しておいてください♪
学芸員 

明日から金沢三文豪月間スタンプラリーがはじまります!

H25.09.20
 学芸員です。
 連日、青空が広がる行楽日和の日々、記念館は秋の特別展に向けて黙々と準備に励むのみです。
 東京・千代田図書館でのパネル展「泉鏡花―その生涯と作品」も本日が最終日。トークセッションや展示セミナーなどのイベントも好評だったようで、鏡花に初めて触れた方、もともと好きだったけれど、さらに関心が高まったという方、アンケートを通してうれしいコメントをたくさんいただております。ご来場くださったみなさま、ありがとうございました!
 『絵本 化鳥』の原画展示も今日でいったん見納めですが、近々、別の形で鏡花×中川わーるどが都内で次々に出現予定だそうです。早くお知らせしたい気持ちは山々ですが、準備が整うまで少しだけお待ちください。
 さて、東京の盛り上がりに負けてはいられない金沢でも、明日から毎年恒例の「秋は金沢三文豪月間」がはじまります。本日、スタンプラリーの景品の絵はがき帖が納品されました!

三文豪月間 毎回、自慢の鏡花本でお楽しみいただいている当館の今年のイチオシはこれ! そう、鏡花の〈金沢もの〉の集大成とされる自伝的長編小説「由縁の女」の初版本の口絵―『ゆかりのをんな櫛笥集』収録の小村雪岱画「篇中仮構地図」です。
 一見地味なようですが、鏡花ファンにはたまらないこの一枚。なぜかは“ミッション”を果たして絵はがき帖を入手し、実物を手に取ってつくづくご覧いただければすぐにわかります。……ね?あんなトコロからこんなトコロまで、それは詳細に描かれているのですよ。
 なぜこの一枚を今回選んだかは特別展が開催されてからのお楽しみ♪ 展示室に足を運んでいただければ、一目瞭然です。
 明日は13:30から特別講座「岩波書店と泉鏡花」(講師:秋山稔館長)も開催されます。場所は金沢文芸館3F。いつもの倍くらい広いので、当日お越しいただいても聴講可能です。ぜひご来場ください。
学芸員 

秋のチラシ・続々納品♪

H25.09.17
 学芸員です。
 台風一過、さわやかな秋晴れとなった金沢。にもかかわらず、記念館は秋の特別展の準備が佳境に入り、まだまだ嵐の日々が続いております。
 そんななか、ようやく次回特別展チラシが納品されましたので、ちょっぴりお披露目。

鏡花遺品展 毎回、「文学館のチラシとは思えない。」という、とりあえずホメ言葉として受け取ることにしているコメントをいただく当館ですが、今回はあえて“文学館ど真ん中!”なデザインで勝負。かえって新鮮でイイかな?と思うのですが、いかがでしょうか?
 近日中には、きちんとご紹介できると思いますが、このワンカットで「あの写真はもしかして……!」と思える方は、かなりの鏡花通。止めるのも聞かず、うんちくを語りだしたら、もうマニアを超えて(笑)研究の領域です。

 ちなみに奥に見える、これまた秋らしいイチョウ色の黄色いチラシは、21日(土)から始まる「秋は金沢三文豪」のチラシ。今回は“三文豪をさがせ!”をサブタイトルに、泉鏡花記念館、徳田秋聲記念館、室生犀星記念館、金沢文芸館、石川近代文学館の5館のうち、4館に入館してスタンプを集めるという“ミッション”を達成すると、素敵なプレゼントがもらえます!……という毎年恒例のスタンプラリーを、現代版“不思議の国のアリス”風に表現したデザインとなっています。金沢三文豪って、よく聞くけど記念館には行ったことないなぁ……という方、これを機会にぜひ“さがして”みてくださいね♪
 秋は各館イベントも満載!なかにはアッと驚くビッグゲストも。詳しくは各チラシ裏面をご覧ください。
学芸員 

特別講座「岩波書店と泉鏡花」

H25.09.16
 学芸員です。
 台風の影響が各地で報告されていますが、金沢市内は時折激しい雨が降るものの比較的穏やかな朝を迎えています。心配なのはJRの運行状況。ご旅行中の方は十分ご注意ください。
 さて、またまたご案内が遅れてしまいましたが、企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」開催期間内の最後のイベントである特別講座「岩波書店と泉鏡花」が今週末の21日(土)13:30から行われます。

鏡花随筆集鏡花随筆集 今年、創業100年を迎える岩波書店。今年は泉鏡花研究会の協力を得て、鏡花作品の文庫の新刊を続々発刊の予定であったこともあり、7月に出たばかり『鏡花随筆集』には、泉屋宏樹さんデザインの鏡花生誕140年ロゴをはじめ、連携館である神奈川近代文学館、鏑木清方記念美術館、そして当館の特別展の情報を帯に掲載するという、破格のご対応をしていただきました!
(ちなみに表紙画は小村雪岱さんです♪)

 鏡花の生前に刊行された春陽堂版『鏡花全集』に続き、鏡花没後の昭和15年から発刊された岩波版『鏡花全集』は、その後3刷まで発行されて多くの読者と研究者を育て、現代の鏡花研究に大きく貢献しています。
 先日、岩波書店の方が来館してくださいましたが、現在創業100年を記念して立派な社史を製作中とか。刊行が楽しみですね。
 そうそう。特別講座は次回展覧会の準備の都合で、いつもの館内講座室からご近所の金沢文芸館さんに会場を移して開催。毎回窮屈な思いをさせてしまっていますが、今回は広々と(笑)ご聴講いただけます。講師は当館館長の秋山稔です。お申込み・お問い合わせは泉鏡花記念館まで。
学芸員 

山本タカト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」絵はがき/通販開始のお知らせ

H25.09.15
 学芸員です。
 台風上陸の影響か、朝から雨となった金沢ですが、午後からは晴れ間が広がり、昨日から開幕した金沢JAZZストリート2013で街中もにぎわっています。
 企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」も残すところあと2週間。美しく気高き姫たちとも、もうすぐお別れです。来月からは“泉家”と化す記念館。猛暑の疲れをバーチャル“夜叉ヶ池”で癒して、来るべく特別展観覧に備えるため、ぜひ今一度足をお運びください。9月から会場で流し始めたモリ川ヒロトーさん作曲のイメージ曲が素敵ですよ♪

山本タカト さて、お知らせです。当館で展示中の山本タカト氏の描き下ろしイラスト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」の下絵&本画のポストカード。これまで当館のミュージアムショップのみでの販売でしたが、このたび山本タカトさんの公式サイトのオンラインショップからも購入可能となりました! こちらでは下絵&本画のカードをセットでお買い求めいただけます。ほかにもタカトさんデザインの素敵なオリジナルグッズが満載! ぜひ足を延ばして?みてください。
 なお、原画(本画&下絵)の方に関しては巡回等の予定はありません。当面は当館での展示のみ。つまり9月29日(日)の最終日でいったん見納めとなります。まだご覧になっていない方、近郊にお越しの際はぜひご来館ください♪
学芸員 

『絵本 化鳥』サイン会@千代田図書館ご報告

H25.9.11
 学芸員です。
 日々秋の気配が深まりつつある金沢。
 開幕当初は盛夏の様相を呈していた「夜叉ヶ池」展示室も、現在はモリ川ヒロトーさん演出による虫の声が加わり、すっかり初秋の夜叉ヶ池に様変わりしたような感じがします。
 さて、10日に千代田図書館で行われた『絵本 化鳥』イラストレーター・中川学さんのサイン会その他イベントの様子が送られてまいりました!開始前から並んで待って下さっていた方もいらして、なかなかの盛況だったようです。

中川学 写真は、久々に自身のイラストの原画(ピグメントプリント)と再会を果たした中川さん。絵師&住職として風格が増し、その後ろ姿にもなかなかの貫禄が漂っています。
 当日はサイン会の合間に、中川さんと一緒にぬりえを楽しむコーナーや、ラフスケッチを拝見しつつ、絵本作りについて中川さんからお話を聞くイベントなど、結構盛りだくさん!だったようで、中川さんからは早速「楽しかったです~♪」のメールが届いていました。

中川学 こちらは、中川さんに熱心に質問しながら、ぬりえに励む女の子。中川さんも初心に帰って?ぬりえにいそしんだそうですよ。
 そして、泉鏡花×中川学のコラボ作品の展示については、次の、そして次の次のお話も進んでいるそう。詳細が決まりましたら、またお知らせいたします。
 この秋は、東京、神奈川、そして金沢と、生誕140年を記念して、鏡花ゆかりの3都市は大盛り上がり! そして当館の特別展の準備もいよいよ佳境。来場者のみなさんを“泉家”にご招待すべく、目下奮闘中の記念館です。
学芸員 

忙裡閑を偸む(ぼうりかんをぬすむ)

H25.9.10
 学芸員です。
 金沢は昨日にひき続き快晴! ふたたび日傘が必要な日和となっています。
 この時期は秋の特別展と来年度の展覧会の準備を同時に進めなけらばならない、一年で最も忙しい時期。もはや今日が何日で何曜日なのかも思い出せない状況ですが、せめて……と思い、秋の打ち合わせと来年の打ち合わせの合間の時間つぶしに入った和カフェで、こんなつぶらな瞳の金魚に出会ってしまいました。

金魚 ……はっきりいって美人です。(笑)
 あくまでも個人的な見解ですが、美猫とか美犬は見たことがあっても、美魚というのは初めてだなぁ……と、寒天がとろとろに溶けそうな抹茶クリームあんみつに舌鼓を打ちつつ、しばし鑑賞。みつめているうちに、だんだんただの金魚のような気がしなくなり、室生犀星の某小説よろしく“おじさま……”とか言ってくれないかなぁ……と、この上なく魅惑的な金魚を前に、しばし倒錯的な時間を過ごしたのでした。

 こうして忙裡閑を偸み、帰館して特別展の準備のため、ふたたび一字一句たどり始めたのは「山海評判記」。……非日常がすでに日常と化していることを悟った秋の一日でした。
学芸員 

『絵本 化鳥』サイン会@千代田図書館

H25.9.9
 学芸員です。
 久々にさわやかな秋晴れとなった金沢。
 今日も平日にもかかわらず、たくさんの方にご来館いただきました。
 山本タカトさんや波津彬子さん、中川学さんのイラストの魅力もあってか、今回の「夜叉ヶ池」展は比較的若い世代のお客様のご来館が多いのが特徴。古参の方々に加え、新たなファンによってすそ野が広がっていくのはうれしい限りです。
 さて、なかでも絵本という形式を通して、もっともフレッシュ?なファンを着実に増やしつつあるイラストレーター・中川学さんのサイン会が明日10日、千代田図書館で行われます!
 本業は京都の歴史あるお寺の住職である中川さん。夏はお盆でお忙しく、同館で開催中の『絵本 化鳥』の原画展に足を運ぶのも、なんと!これが初めて。……中川さん、何とか期間中に間に合ってよかったですね。(笑)

中川学 展示中の原画(ピグメントプリント)の美しさに、驚きの声も寄せられているという今回の展示。“いったいどんな人が、デジタルでここまで美しく繊細な色彩の絵を描いているのだろう……?”と不思議に思っている方、明日はこんな方(左画像)がマウスをマジックに持ち替えて素敵なサインをしてくれますので、ぜひ千代田図書館に足をお運びください。
 当館から出品中の原画の展示は今月20日までですが、ご好評を受けて終了後も都内で新たな展開がある様子。廉ちゃん、がんばってるね~と、はばたく“わが子”の活躍に胸躍らせつつ、今すぐ飛んでいきたい衝動を抑えて“かあさま”は黙々と次回展覧会の準備に没頭する日々です。
学芸員 

リアル“鳥屋さん”

H25.9.8
 学芸員です。ちょっぴりご無沙汰しております。
 「夜叉ヶ池」展も残すところあと20日ほどとなり、現在は秋の特別展に向けて鋭意準備中です。
 その一環として、鏡花生誕140年記念事業の連携館である神奈川近代文学館さんにお邪魔して、貴重な“里帰り資料”をお借りしてきました! 地元・金沢にも現存していない、アノ貴重資料です。
 秋の特別展は、そのほかにも未公開資料が満載!チラシももうすぐ出来上がります。どうぞお楽しみに♪

 さて、そんなこんなでキリキリ舞いのさなか、たまたま宿泊地が近かったこともあって、鏡花の第二の心のふるさと“深川区”を散策してまいりました!
 え?現在は“江東区”であって“深川区”なんて言い方しない?……いえいえ、鏡花の〈深川もの〉をこよなく愛する学芸員の脳内では、深川界隈は永遠に“深川区”なのです。深川研究の聖典『深川区史』もモチロン持ってます。(笑)
 鏡花の深川散策記「深川浅景」論を書くために、7時間かけて界隈を歩いたのはもう十数年前のこと。セオリー通り永代橋から深川に“侵入”して、鏡花が関東大震災後の昭和2年に探訪したとおりのコースをたどったのですが、富岡八幡宮にたどり着いたところであえなくタイムアップ! 洲崎に足を運ぶことができないまま、長い時を過ごしてしまいました……。今回は出張組の同僚学芸員を無理やり引っ張りまわして、〈深川もの〉の聖地である汐見橋をわたって洲崎をめざし、洲崎神社で“津波警告の碑”を確認。長年の念願を十年越しで果たすことができたのです。そういえば4、5日前に、まるで有名人にでも遭遇したかのように汐見橋や洲崎橋跡地でバシバシ写真を撮りまくるヘンな人を目撃したな……という方、それは間違いなく泉鏡花記念館の学芸員です。(笑)

鳥屋 写真はその途中で発見したリアル“鳥屋さん”。近くにはフクロウを愛でつつお茶が飲める“鳥カフェ”もあって、『絵本 化鳥』の世界も満喫できるという、まさに“深川区”は鏡花天国ですね。 
 『絵本 化鳥』といえば、原画展@千代田図書館でのイラストレーター・中川学さんのサイン会もいよいよです。NHK@首都圏の「ひるまえほっと」でご紹介いただいた影響か、amazonでは品切れになっていますが、版元の国書刊行会さんにはまだ在庫があるということ。絵本はサイン会当日(つまり明後日)、会場でも購入できます。たくさんのご来場をお待ちしております!
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿34~

H25.9.7
お花  

今週のお花(9/6~)

・パニカム   ・ニラの花 (白)
・われもこう  ・千日草
・山ぶどう    ・えのころそう
・ケイトウ    ・ソリダスター

生花ボランティア「グループ白」今回は森さんの作品です。

 猛暑続きのお天気から一転、大雨や竜巻など自然のすごさをとても感じる毎日が続いていますね・・・みなさまのところはいかがですか、大丈夫でしょうか?

 ここ数日は急に涼しくなり今回のお花も秋らしく生けていただきました。
秋の野山にお散歩しにいきたくなるような感じです^^ いつも素敵なお花ありがとうございます。

 さてさて、今日は鏡花の命日です。 
今日は彼を思いながら大イベントでもある次の企画展の準備を一生懸命がんばりたいと思います ^^b
 
 現在の夜叉ヶ池展残り22日です、早いですねぇ。。。^^; みなさまのご来館お待ちしてます!

スタッフK 

文学講座「泉鏡花と演劇の時代~『夜叉ヶ池』を中心に」

H25.09.02
 学芸員です。
 とうとう9月に突入! 「夜叉ヶ池」展も残すところ約1ヶ月となったところでモリ川ヒロトーさんの幻想的なBGMが加わり、ますます盛り上がってきています。
 サブタイトルを“泉鏡花と演劇の時代”と銘打った今回の企画展。1日にはその解説者として最もふさわしい方をお招きして文学講座を開催いたしました。テーマはずばり!「泉鏡花と演劇の時代~『夜叉ヶ池』を中心に」。講師は昭和女子大学教授で泉鏡花研究会の事務局も務められている吉田昌志先生です。

吉田昌志 鏡花作品上演史を近年の研究テーマとし、精力的に調査を進められてきた吉田先生。特に鏡花が「夜叉ヶ池」を発表する前年に上演された郡虎彦作品との類似の指摘は見事で、講座終了後に質問すると、「あれは東京の研究会の時にも報告したよ。アナタも来てたじゃん!」とひと言。……吉田先生のご発表はいつもレア情報満載で、全部記憶しておくなんてとても無理なのです。(笑)

 今回は「夜叉ヶ池」関係に絞ったお話とあって、受講者の方もとても理解がしやすかったのではないかと思います。なかには15年前にNHKで放送された吉田先生のラジオ番組「泉鏡花―“美と永遠”の探究者」以来のファンという方もいらして、シャイでなかなか感情を表に出さない吉田先生も、この時ばかりはさすがにうれしそうにはにかんでおられました。
 その吉田先生が編集を担当された岩波文庫の最新刊「鏡花随筆集」。当館制作の鏡花生誕140年ロゴを帯に記載していただいてることでもご縁の深いこの一冊が、なんと!発刊から約一ヶ月半で品薄状態となり、重版が決定したそうです。その初版部数も重版部数も聞いてびっくり!鏡花&岩波文庫ファンには、世にいう“活字離れ”など無縁のようです。
 昨日は急遽、吉田先生のサイン会が行われたこともあり、当館でも在庫が少なくなってまいりました。初版で手に入れたい方はお早めに。
学芸員 

中川学サイン会@千代田図書館が決まりました!

H25.08.30
 学芸員です。
 朝から降ったりやんだりの金沢。市内では大きな被害は出ていませんが、週末にかけて金沢にお越しの方は天候に十分ご注意ください。
 さて、本日、パネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」を開催中の東京・千代田図書館から速報が入りました。9月10日(火)に同館で『絵本 化鳥』のイラストレーター・中川学さんのサイン会と交流イベントが行われることが決まりました!

絵本化鳥 本業は京都の由緒あるお寺の住職である中川さん、原画展開催中もお盆でお忙しく、なかなか上京がかないませんでしたが、このたびようやくファンの方とのふれあいの機会を作ることができました。当日は会場で絵本の販売も行われます。すでに購入済みの方も、ご持参いただければサインをもらえるようですよ♪
 また、素敵なコンシェルジュさんによる絵本の読み聞かせや、中川さんと一緒にぬりえをして、記念撮影をするコーナーなど、楽しい企画が満載のようです。お子さんはもちろん、大人の方も参加できます!

 詳しくはコチラ→イベント『絵本 化鳥』中川学氏サイン会&親子イベント

 さらにお知らせ。これに先立つ9月4日(水)に、NHK@首都圏の情報番組「ひるまえほっと」の“中江有里のブックレビュー”コーナーで『絵本 化鳥』が紹介されることになりました! 首都圏のみなさま、番組を見て関心をもたれたら、ぜひ10日のイベントにも足をお運びください!
学芸員 

セミナー&ビブリオバトル(@千代田図書館)報告

H25.08.29
 学芸員です。
 本日の金沢は文字通りの残暑。そんななか、残り少ない夏休みを満喫されているのでしょうか、バスは観光客で満員、平日にもかかわらず記念館も朝から来館者が絶えません。みなさま、あと一ヶ月となった「夜叉ヶ池」展を心ゆくまでお楽しみください!
 さて、東京・千代田図書館で開催中のパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」の関連イベント第二弾として昨夜行われた展覧会セミナー「清方が描いた鏡花の世界」と「泉鏡花deビブリオバトル」。定員40名を超える聴講者があり、大盛況だったようです。

千代田図書館 まずは鎌倉市鏑木清方記念美術館の学芸員・宮崎徹さんによる展覧会セミナー。清方館は10月31日~12月4日まで、特別展「清方が描いた鏡花の世界」の開催を予定している、鏡花生誕140年事業の主要連携館の一つです。「鏡花作、清方ゑがく」のフレーズもあるように、両者は生涯深く交友したことでも知られていますが、記念館同士もやり取りが頻繁で、わが泉鏡花記念館の“ココロの姉妹館”といって過言ではない美術館さんです。
 学芸員の宮崎さんは、ちょっととっつきにくい雰囲気(笑)のある人ですが、誠実なお人柄で、とても面倒見のよい方。そのお話しぶりからもお人柄が伝わったのでしょうか、「もっとお話が聴きたい!」というお声も多数あったようです。ぜひ、秋の特別展の方にも足をお運びください。清方の怪作「妖魚」が展示されます。

千代田図書館 そして、ひきつづき行われたビブリオバトル。4名の方がそれぞれの愛読書を熱意をもって紹介、チャンプ本には何と!徳田秋聲記念館編集・発行のオリジナル文庫「郷里金沢」が選ばれたそうです。これは快挙です!
 ちなみに「郷里金沢」は徳田秋聲記念館のミュージアムショップのみでの販売。通販もできますので、ご関心のある方は同館までお問い合わせください。


 千代田図書館での展示も9月20日まで。でも、来場者のみなさまの大きな反響のおかげで何やら新たな展開もあるようです。詳細決まりましたらこちらでもお知らせしますので、もう少々お待ちください。
学芸員 

秋の訪れ?

H25.08.27
 学芸員です。
 朝からさわやかな晴天となった金沢。そろそろ虫の声も聞こえてきそうな、そんな秋の気配も日々深まりつつあるようです。
 ひでりと大雨を経て、当館のバーチャル“夜叉ヶ池”にも秋が訪れたのか、展示室内に虫の声が……いや、耳を澄ますと水の音も……?

 実はこれ、金沢ナイトミュージアム2013の関連イベントとして先日行われた「モリ川ヒロトー×野上裕章『夜叉ヶ池』―音と映像・語りで織りなす泉鏡花の世界」のため、モリ川氏が制作された音響効果。本日から特別に展示室内で使わせていただけることになりました!モリ川さん、ありがとうございます♪

夜叉ヶ池 イベントは定員25名だったため、たくさんのお申し込みをお断りすることになってしまいましたが、モリ川さんのご厚意で音楽だけは展示室でお聞きいただけます。盛夏から秋の雰囲気が漂う空間へとちょっぴり変化した“夜叉ヶ池”も、ヒーリング感たっぷりで素敵ですよ。

←水面(床面?)で秋の気配をさぐるイモリ&オタマジャクシたち。

 話は変わりますが、『絵本 化鳥』もようやく本日、再入荷いたしました!千代田図書館での原画も9月20日まで継続中。明日28日には同館で「泉鏡花deビブリオバトル」も開催されます。鏡花好きの熱き戦いをぜひその目でご覧ください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿33~

H25.8.26
お花  
今週のお花(8/23~)

・アマランサス
・オクラレルカ
・りんどう
・おみなえし
・ドラセナ

生花ボランティア「グループ白」今回は森さんの作品です。

 先週金曜日の大雨はすごかったですね。
そんな中キレイなお花を生けにきてくださり、受付前が華やかになりました。
いつもありがとうございます!
 昨日は、夏休み最後の週末ということもありたくさんの方にご来館くださいました。
どうもありがとうございます。

 私は、土曜日に鈴木大拙館へ行き金沢ナイトミュージアム2013のイベントへ行って参りました。
昼間とはまた違う雰囲気の中で、しかも生演奏!秋の虫の鳴き声もきこえてきて、とっても素敵でした。
まだまだ金沢ナイトミュージアム2013のイベントやっておりますので、皆さまぜひ参加されてみてくださいね^^

スタッフK 

『絵本 化鳥』一時品切れです。

H25.08.24
 学芸員です。
 昨日の大雨のせいか、ほんの少し過ごしやすくなった金沢。週末ということもあって、今日も朝からたくさんの方にご来館いただいています。
 今年の夏休み、特にお盆は金沢への観光客も例年以上に増えているようで、しかもご家族連れが多いせいか『絵本 化鳥』の売れ行きもおかげさまで好調です。「ぬりえもやっているしね♪」と、のんきに構えていたら、とうとう本日、絵本が売り切れてしまいました。

絵本化鳥 大きな書店以外では、なかなか品ぞろえ豊富な絵本コーナーを設けることがむずかしい昨今。街中の書店さんではみつからず、当館でやっと「買えました!」と喜んでくださるお客さまも少なくないなかで、ミュージアムショップで在庫切れとは不覚を取りました。申し訳ありません。
 ただいま追加発注中です。入荷のめどが立ちましたら、またお知らせいたします。
 絵本といえば、東京ローカルですが、9月にNHKの情報番組で取り上げていただけることになったそうです! 千代田図書館で原画も展示中(~9/20)ですので、より多くの方に絵本の魅力に触れていただく機会となれば……と、チーム化鳥の面々も今からわくわくしています。
 放送日等はあらためてご案内いたしますので、都内のみなさま、どうぞお楽しみに♪
学芸員 

文学講座「『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」

H25.08.23
 学芸員です。
 朝から断続的な大雨となった金沢。そんななか、開館前から門の前で待っていてくださった方もいらして、記念館ではいつもとかわらず「夜叉ヶ池」の世界と龍神の姫の妖しい魅力を堪能していただいています。

鏡花 さて、またまた遅れ遅れで申し訳ありませんが、今回の企画展関連イベントの大本命である9月1日開催の文学講座、その名も「『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」の聴講受付がすでに始まっています。
 講師は“鏡花研の生き字引”こと昭和女子大学の吉田昌志先生。前回の英朋展での展示資料である幽霊画について、画博堂の妖怪画展覧会で描き下ろし出品された「襖越」という名画であったことを、豊富な知識と情報を駆使してつきとめてくださったアノ方です。
 研究会の事務局も務められており、左の別冊太陽の「泉鏡花」でも多大な貢献をされています。近年はライフワークである鏡花の年譜作成の一環として泉鏡花作品の上演史に着手され、古今東西、全国津々浦々の“鏡花もの”上演リストも作成されている、鏡花研究の第一人者です。
 穏やかな物腰と明晰なお話しぶりでひそかにファンも多く、今回も東京からわざわざお申込み下さっている方もちらほら。吉田人気、恐るべし。9月1日が楽しみです♪
 別冊太陽といえば、上記の泉鏡花特集、もう版元さんにも在庫がないということで、あるだけ取り寄せて当館ミュージアムショップで販売中です。残り10冊を切っています。
 ついつい買いそびれた!という方はお早めに。
学芸員 

妖しげな朗読会と怪しげな夕暮れ遊び

H25.08.22
 学芸員です。
 金沢は再び猛暑。にもかかわらず、龍神の姫のお導きでしょうか、本日も朝からたくさんの方にご来館いただいています。
 さて、ご報告が遅れましたが、灼熱の東京から戻ると、17日(土)に開催した妖しげ&怪しげなイベントの写真が届いていたので、さっそくご紹介します!

龍潭譚 まずは「朗読『龍潭譚』~逢魔が時にさそわれて」。朗読はナレーターのあざみゆみこさんです。
 金沢市内で行われた『絵本 化鳥』の朗読イベントがご縁となったあざみさん。一度、当館でもお願いしたいなぁ……と思っていたところ、チャンスが巡ってきて今回のご登場となりました。
 とても小柄なあざみさんは、明治・大正を思わせるような昔の着物がよく似合って、まるで鏡花の世界から抜け出たよう! よく通る、しっかりした発音の朗読を聞いているうちに、いつのまにか大人もこどもも主人公の千里くんと一緒に魔境・九つ谺へ! 参加者最年少の6歳の女の子は、終演後も素敵な声の“うつくしき人”にいつまでも見とれていました。……そんなに見ていると、千里くんみたいに九つ谺へ連れ去られてしまいますよ。(笑)

龍潭譚 そして、その後に行われた「神隠しに気をつけろ!魔の空間で夕暮れ遊び」。……おやおや? 千里くんが神隠しに逢ったお社のモデルとされる久保市乙剣宮の境内に、何やら怪しげな人影が!
 実はコレ、記念館周辺の鏡花作品ゆかりの“魔所”をめぐるスタンプラリー。中川学さんの絵草子『龍潭譚』に登場する葉っぱのお面をつけて“四足の魔物”が出たり“のぶすま”が出たりする場所を通過し、おまじないのスタンプ(中川氏デザイン!)を5つ集めると、魔よけのお守りがもらえて無事お家に帰れます……という、ホントはとっても楽しいイベントなのです。
 ご覧の通り、みなさま、とてもよくお似合い。……でも、参加者はともかく、夜道でこの一団に出くわした方は、おっかなびっくりだったかもしれませんね。(笑)
 当館の真夏のイベントはこれで終了しましたが、金沢ナイトミュージアム2013の方は秋までまだまだ楽しいイベント目白押し!ですので、引き続きふるってご参加ください♪
学芸員 

トークセッション「金沢から東京・番町へ」@千代田図書館

H25.08.21
 学芸員です。
 8月19日の夕刻から東京・千代田図書館で行われたトークセッション「金沢から東京・番町へ」。同館で開催中のパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」にあわせて企画されたイベントであり、今回の展示の橋渡しをしてくださった文芸評論家の東雅夫さんとの対談です。

千代田図書館 鏡花生誕の地の金沢と、鏡花終焉の地の千代田区。金沢の浅野川界隈を舞台とし、昨年の泉鏡花文学賞制定40周年を記念して当館で企画編集し、東さんに監修をお願いして絵本化した鏡花初期の幻想小説「化鳥」、そして話題は東京に移り、鏡花が終の棲家となった麹町下六番町の家、通称「番町の家」で罹災した関東大震災の体験記である「露宿」、さらに昭和14年9月7日にその家で最期を迎えた鏡花の臨終にも立ち会った盟友・柳田國男の影響を色濃く反映した昭和期の傑作「山海評判記」へ―と、もりだくさん!の内容で、「化鳥」1時間、「露宿」50分、「山海評判記」10分(すみません……)という、駆け足ながらもあっという間の2時間でした。
 会場の予約席も満席で、終演後、「素晴らしかったです!」と声をかけてくださる方も何人かいらして、記念館と鏡花生誕140年事業のよきPRの機会とすることができました。千代田図書館のみなさま、物販に駆けつけてくださった国書刊行会の礒崎純一編集長とナガシマシゲオさん、筑摩書房の喜入冬子さん、そして東雅夫さん、その他関係者の皆さま、ありがとうございました!
 千代田図書館では今月28日にも今回の140年事業の連携館の一つである鎌倉市の鏑木清方記念美術館学芸員・宮崎徹さんのセミナーや、「泉鏡花deビブリオバトル」が開催されます。こちらはまだ若干空席があるとか。ビブリオバトルの方では出場者も募集中です。現時点での参加者は会社員の方や学生さんなど、ビブリオバトル初体験の方もいらして、なかなかフレッシュな顔ぶれとのこと。「どうしようかなぁ……?」と迷っている方、鏡花へのあふれんばかりの情熱を語るまたとないチャンスですよ。ぜひぜひご応募ください!

  ※ビブリオバトルの出場者は、その後、定員に達しました。ありがとうございました!
学芸員 

一夜明けて。

H25.08.18
 学芸員です。
 本日もあいかわらずの酷暑ですが、涼を求めてでしょうか、連日びっくりするほどのたくさんの方にお越しいただいております。「夜叉ヶ池」のマイナスイオンに癒されていただけたら幸いです。
 昨夜行われた金沢ナイトミュージアム2013関連イベントも無事終了。ナレーター・あざみゆみこさんの素敵な朗読と、そして鏡花作品の魔所を巡る夕暮れ遊び。詳細は後日あらためてご報告しますが、今日は夕暮れ遊びの参加者特典の「龍潭譚」グッズをチラ見せです。

金沢ナイトミュージアム2013 なかなかの怪しさでしょう?みな、神隠しにも遭わず、無事にお守りをGet!できて何よりでした。
 ちなみに台紙に押されたスタンプは、イラストレーター・中川学さんの特別協力を得て制作されたレアな一品。中川ファンにとっては何よりの記念品となりましたね♪
 ナイトミュージアムスタッフのみなさん、そしてご協力いただいたあざみさん、G‐VOICEのみなさん、おつかれさまでした&ありがとうございました!。

 さて、明日19日はいよいよパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」を開催中の東京・千代田図書館でのトークセッションの日。「金沢から東京・番町へ」と題して、9日にも当館で柳花対談にご出演いただいたアンソロジストの東雅夫さんと再び対談させていただきます。テーマは『絵本 化鳥』や鏡花の震災体験記「露宿」、そして「山海評判記」のことなど(の予定)。トークの方はすでに満席とのことですが、展示の方は無料で自由にご覧いただけます。当日は会場で絵本の販売もあるとのこと。担当編集者の礒崎純一編集長との再会も楽しみです!
 なお、図書館では絵本の原画も全点展示しています。絵本といえば、本日、金沢のこどもたちによる鮟鱇博士ぬりえも多数お預かりしました! 明日、千代田図書館のスタッフの方にお渡しして、展示していただきます。
 鏡花生誕の地の金沢市と、鏡花の終焉の地である千代田区、展示とイベントを通して、ゆかりの地のみなさまにより鏡花の魅力に触れていただきたく思いますので、ぜひ足をお運びください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿32~

H25.8.18
お花  
今週のお花(8/17~)

・ばしょう葉
・オニソガラム
・トウゴマ


 生花ボランティア「グループ白」今回は谷口さんの作品です。


 昨日、日中の暑い中たくさんのお客様がご来館くださり、その後夕方からのイベントそして夜間開館とフル回転で鏡花記念館がんばりました^^ 受付前のお花をじっくりご覧になっていかれた方もいらっしゃいました。
いつもきれいなお花どうもありがとうございます。
スタッフK 

今夜の記念館は怪しいかも?デス。

 
H25.08.17
 学芸員です。
 8月もはや後半。この週末は、遊び疲れてお盆休み最後の2日間をお家でのんびり過ごされる方も多いのではないでしょうか?
 でも、折角の休日、家でだらだらしてるのもつまらないし、夜になったらちょっと川べりに夕涼みにでも出かけてみようかなぁ……金沢ナイトミュージアム2013がらみで、今夜は浅野川近くの泉鏡花記念館も17時以降は無料で入れると聞いているし………なんて考えている方は要注意です。今夜の記念館周辺には、何だか大小の“怪しいモノ”が出現するといううわさがあるのですから。

龍潭譚 そう、たとえばこんなカンジ。

 記念館近くの怪しいスポットといえば、あそこです。初期の短篇「龍潭譚」の千里少年が神隠しに遭った神社のモデルといわれる久保市乙剣宮と、その境内奥の暗がり坂。日もとっぷりと暮れたころ、何だか妖しい、美しい人に誘われて、大人もこどもも異空間に連れ去られてしまうとか。

龍潭譚 そう。……暗闇で、こんなきれいなおねえさんに“こっちへおいで―”と声をかけられたりして。

 いったい、今夜の記念館はどうなってしまっているんだ?……とうっかり出くわして怖くなってしまった方は、見て見ぬふりをするのがイチバン! 何か怪しいものがうようよしていても、「きっと気のせい!」と思うようにして、昼間と同じようにご観覧をお楽しみください。(注:怪しいイベントはすでに満席です。)

 ……そうそう。聞くところによると、20時頃がもっともアブナイらしいですよ。(笑)
 怖いもの見たさで「行ってみようかな……?」と思っただけで、冷や汗がとまらなくなってしまった方には、ミュージアムショップで期間限定販売中の山本タカト氏デザイン・髑髏柄手ぬぐい(かまわぬ製)がおすすめです。ただし、紫はすでに売り切れ。黒&茶色も渋くて素敵ですよ。怪しさでは群を抜くタカト氏の手ぬぐいなら、かえってお守り代わりにもなるかも?
 「か、買っておこうかな……っ。」という方は、お早めに。
学芸員 

明日17日(土)は夜間開館いたします!

 
H25.08.16

金沢ナイトミュージアム2013 みなさま こんにちは^^ 今日もとても暑いですね。

 毎日たくさんの方にご来館くださり本当にありがたいです^^
どうもありがとうございます。

 さて、明日17日(土)は夜間開館いたします。
 画像は先日の夜間開館時のものです。お昼とはまた違う素敵な雰囲気の中開館しておりますよ^^

明日のイベント(朗読『龍潭譚』~逢魔が時にさそわれて/神隠しに気をつけろ!魔の空間で夕暮れ遊び)は
満席なのですが、17時以降は入館が無料となっております。(17時から21時。最終入館は20時30分)
夜叉ヶ池の世界にぜひお気軽にお立ち寄りくださいませ。
 
 スタッフ一同みなさまのご来館を心よりお待ちしております!
スタッフK 

夏の夜の夢

 
H25.08.14

 学芸員です。
 本日の金沢は猛暑もひと休み。朝方は少しひんやりするくらい、過ごしやすい一日となっています。
 さて、ご報告が遅れましたが、8月9日10日と開催された金沢ナイトミュージアム2013関連イベント、両日とも盛況のうちに終えることができました。ありがとうございました!
 金沢ナイトミュージアム2013 9日の「柳花対談 泉鏡花と柳田國男 ~『夜叉ヶ池』から『山海評判記』まで」はちくま文庫の柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』の刊行記念イベント。編者であるアンソロジスト・東雅夫さんとの鏡花×柳田をテーマとする対談です。 前日、東さんから急遽「明日、浴衣着るかも?」のご連絡を受け、こちらもあわてて和服を用意(笑)。客席にもちらほら和装の方もいらして、すっかり夏らしい雰囲気の中、モチロン話はオシラサマで盛り上がり、これを機に鏡花×柳田研究がますます深まることを祈念してのひとときとなりました。
 対談終了後はお約束のオシラサマ?サイン会。なぜか学芸員未見ですが(笑)、噂のオバQになっていないことを祈ります。
 金沢ナイトミュージアム2013 そして、10日のモリ川ヒロトー×野上裕章「『夜叉ヶ池』―音と映像・語りで織りなす泉鏡花の世界」は、満席後もキャンセル待ち多数の人気イベント。モリ川さん制作の美しく幻想的な水辺の映像と鐘の音をバックに、野上さんが七色の声で演じ分ける見事な一人語りを披露。みなさん、超絶コンビが奏でる「夜叉ヶ池」をたっぷり堪能されたようでした。
 実は同い年だったというこのお二人。また鏡花でコラボする機会があるかもしれませんね。

 また、両日は思わぬお客さまもいらして、このうえないプレゼントをいただいたりして、まさに心躍るナイトミュージアムとなりました。
 次のイベントは17日(土)に開催。すでに満席ですが、館は夜9時まで開館しており、5時以降は無料でご入館いただけます。今週末もたくさんのご来館、お待ちしております!
学芸員 

いよいよ今夜・・・!

 
H25.08.09

金沢ナイトミュージアム2013 みなさま こんにちは^^  今日もとても暑いですね。

 さて、いよいよ今夜から
金沢ナイトミュージアム2013 スタンプラリー ~かなざわ燈涼会協賛 東山界隈6施設夜間一斉開館~
がスタートします。 スタンプラリーの台紙は 当館の受付前においてございます、どうぞご自由にお持ちください。
スタンプを集めてぜひ記念品をゲットして下さいね^^



 そして、もうひとつご案内です。
当館お向かいの久保市乙剣宮にて10日(土)正午より復活窪市2013が行われます!
湯涌朝とれ野菜の販売や縁日、和太鼓演奏、蓄音器館コンサートなど盛りだくさんで行われます。
昨日も朝から一生懸命にリハーサルをされているのか太鼓の音がきこえていました。
楽しみですね^^ みなさまこの機会にぜひ足を運ばれてはいかがでしょうか。
 
 スタッフ一同みなさまのご来館を心よりお待ちしております!
スタッフK 

山本タカトさんの手ぬぐい(かまわぬ製)を期間限定販売します!

H25.08.07
 学芸員です。
 本日も酷暑となりましたが、記念館は週末の金沢ナイトミュージアム2013関連イベントの準備で大忙し。打ち合わせやリハーサルも大詰めをむかえ、暑さに負けない盛り上がりを見せています。
 東京・千代田図書館で開催中のパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」、そして同時開催の『絵本 化鳥』原画展も大好評の様子。特に今日は絵本にとっても館にとっても幸先のよいニュースが飛び込んできたりして、化鳥チームの情熱はまだまだ冷める気配がありません。
 そんな熱気とはうらはらに、フォトグラファー・MOTOKOさん撮影の夜叉ヶ池の風景が目にも涼しげな展示室。今日もたくさんの方がバーチャル夜叉ヶ池を満喫していかれたようです。

山本タカト さて、本日のお知らせ。今回の企画展のために、「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」を特別に描き下ろしてくださったイラストレーター・山本タカトさんデザインのかまわぬ製手ぬぐいを、明日8日から当館ミュージアムショップにて期間限定販売(~9/29)いたします!
 髑髏をモチーフとした特製手ぬぐいのお色は、左の茶と黒に紫を加えた3色。使うのがもったいない……という方には、インテリア小物としてお持ちになるのもおすすめです。(もちろん、永久保存版でもokです。)

 そうそう。龍神さまといえば、今日はもう一つ、素敵な贈りものをいただきました! しばらく、うれしくて眠れないかも? 鏡花を愛するみなさまからの度重なる朗報に、“夢の鏡花本”作りへの意欲を新たにした一日でした。
学芸員 

ナイトミュージアムへようこそ♪

H25.08.06
 学芸員です。
 8月に入って約一週間、夏休みも本番!といった感じなのでしょうか。平日にもかかわらず今日は100名を超える方が入れ代わり立ち代わりご来館され、夜叉ヶ池の霊気?に満ちた展示室で姫たちの艶姿を堪能されていたようです。
 さて、スタッフKさんが昨日アナウンスしてくれた金沢ナイトミュージアム2013も、当館が位置する東山界隈は今週末の8月9日‐10日がピーク。当館主催のイベントは両日ともにすでに満席ですが、17時以降の夜間開館時間限定のスタンプラリーでは素敵なブックカバーがもらえますので、みなさんふるってご来館&ご参加ください。暗闇でライトアップされた、いつもとは異なる表情の記念館がみられますよ♪

龍潭譚 また、8月17日(土)に開催の夜間イベント「神隠しに気をつけろ!魔の空間で夕暮れ遊び」が、定員まであとわずかとなりました。!
 お子さまも参加できるおはなし会&スタンプラリー。「いったい、何をするのかな?」と不思議に思っている方、ヒントは“魔所”と“おめん”です。
 ますます怪しげ……? 大丈夫!“お守り”もちゃんと用意しています。(笑) 興味のある方はお早めに♪

学芸員 

8月9日(金)10日(土)は 夜間開館いたします!

 
H25.08.05

金沢ナイトミュージアム  みなさま こんにちは^^

 ★お知らせです★
 8月9日(金)10日(土)
 金沢ナイトミュージアム2013 スタンプラリー
 ~かなざわ燈涼会協賛 東山界隈6施設夜間一斉開館~

 安江金箔工芸館、徳田秋聲記念館、泉鏡花記念館、金沢蓄音器館、金沢文芸館、寺島蔵人邸の6施設でスタンプラリーが開催されます。夜間開館期間中、安江金箔工芸館または寺島蔵人邸のいずれかを含む3館をまわってスタンプを集めると、素敵な記念品を差し上げます!

 先日記念品が届きました… こっそり確認してみると…

 素敵なブックカバーでした^^ (画像左上)

 夜間開館中(17時~21時)は、入館無料です^^b
 ※入館は20時30分まで

 みなさまのご来館を心よりお待ちしております。
スタッフK 

千代田区のみんなの作品・続々と♪

H25.08.03
 学芸員です。
 東京・千代田図書館での開催中のパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」と同時開催の『絵本 化鳥』原画展。中川学さん特製の鮟鱇博士の“ぬりえ”が大注目! 早くも同館で展示中とのお知らせが担当スタッフの方から届きました!

絵本化鳥 ご覧ください。この原画にとらわれない、自由な色彩の鮟鱇博士の数々。ニヒルな笑みを浮かべる、ちょっと怪しげなコウモリ傘もカラフルに変身! なんだか違う物語が見えてきそうな気がしますね。中川画伯、これは負けてはいられませぬぞ。(笑)
 ぬりえ作品は千代田図書館・泉鏡花記念館の両館で随時募集中。金沢のみんなの作品も千代田図書館に送られ、9月20日までは同館で、10月5日から12月8日までは当館などで展示されます。
 まだ開幕からたったの5日。これからどんな鮟鱇博士がこどもたちから生まれてくるのか、とても楽しみです。
 ぬりえ用紙は両館で配布しています。参加希望の方はいずれかの館にお問い合わせください。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿31~

H25.8.2
お花  
今週のお花(8/2~)

・ヒマ(枝)
・アガパンサス
・トルコききょう
・ドラセナ(茎)
・ぎぼうしの茎

 生花ボランティア「グループ白」今回は野村さんの作品です。
いつもありがとうございます!

 さて、既に案内がありましたが鮟鱇博士のぬりえを募集しております!
館内にもぬりえスペースがございますので、小さなお子様はもちろん皆さまのご来館心よりお待ち申しあげております。
・・・先ほど目撃しましたが学芸員の鮟鱇博士は夏らしい爽やかな仕上がりとなっておりました笑、意外に難しいとのこと^^; 私もさっそくぬってみます!

スタッフK 

ぬりえ第1号、力作です♪

H25.08.02
 学芸員です。
 このところ、雨天続きの金沢でしたが、本日は青空が広がり、足元がよいせいか異界の麗人たちの姿を見に、朝からたくさんの方にご来館いただいています。
 東京・千代田図書館での開催中のパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」、そして同時開催の『絵本 化鳥』原画展も好調にスタート、中川学さん特製の鮟鱇博士の“ぬりえ”に挑戦した千代田区のこどもたちの作品も日々集まりつつあるようです。

絵本化鳥 そんななか、当館にもぬりえ第1号が届きました! 参加してくれたのは小学3年生の女の子。鮟鱇博士の微妙な色合いを出すために色えんぴつを駆使して重ね塗りしたとか。その他の色づかいも繊細で、なかなかの力作です。
 当館でも千代田図書館と同じく色えんぴつを常備。その場で参加していただいても構いませんし、お家でとりくんでいただいてももちろんokです。

 やってみると、おとなもついつい夢中になってしまうこのぬりえ。鏡花生誕140年のメガネうさぎとともに、“プチ中川”も増殖中。千代田区と金沢市という、鏡花ゆかりの両都市のこどもたちに『絵本 化鳥』ぬりえを通して交流してもらおうというこの企画。ぜひぜひご参加ください♪
学芸員 

鏡花×柳田な8月。

H25.08.01
 学芸員です。
 東京・千代田図書館での開催中のパネル展「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」、そして同時開催の『絵本 化鳥』原画展、ともに大好評とのご報告を担当スタッフの方からいただいています。より多くの方に泉鏡花の、そして『絵本 化鳥』と中川ワールドの魅力に触れていただければ幸いです。
 さて、今日からいよいよ8月。不安定なお天気が続いていますが、記念館は天候をよそに今夏・今秋、そしてすでに来年(!)の展覧会の準備に向けて大わらわ。特に8月は金沢ナイトミュージアム2013も本格始動ということで、当館も関連イベントの準備に追われる日々が続いています。

山海評判記 そんななか、何件かお問い合わせを受けているのがコチラ。当館でも8月9日(金)に「柳花対談 泉鏡花と柳田國男 『夜叉ヶ池』から『山海評判記』まで」として刊行記念イベント(※すでに満席です)を行う柳花叢書『山海評判記/オシラ神の話』(ちくま文庫)です。“いつ出るの?”とのお尋ねを何件かいただきましたので、関係者に確認したところ、8月7日刊行予定(※地域によって差があります)とのこと。9日の当館のイベントでも無事販売を開始できそうです。
 すでに見本も完成したそうで、編者の東雅夫さんからご提供いただいた左の書影を見て、“そうか……。アノ絵を使ったか……。”と思われた方は、かなりの“山海通”。絵を見て背後に流れる“アノ唄”を口ずさむところまでいってしまったアナタは、もう立派な“鏡花宗”です。


 イベント当日は、刊行間もない同書に東さん特製?のオシラ様イラスト入りのサインをいただける予定。参加申し込みをされたみなさまは、どうぞお楽しみに!
 なお、雪岱全挿絵入りのプレミアムな『山海評判記』は、某社さんがただいま鋭意制作中。“客が長生きを強いられる”ともっぱらウワサの特殊版元さんですが、ちょっぴり関わっている以上、適宜お尻を叩いていきたいと思っていますので、こちらもどうぞお楽しみに♪
学芸員 

名キャラクター? 鮟鱇博士のぬりえ作品募集中です!

H25.07.31
 学芸員です。
 29日からスタートした東京・千代田図書館でのパネル展示「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」、図書館の担当スタッフの方のお話によれば来館者の反響も上々で、8月19日(月)に同館で開催されるアンソロジスト・東雅夫さんと不肖学芸員とのトークセッション「金沢から東京・番町へ」もすでに定員いっぱいとお聞きしています。お申込みいただいたみなさま、ありがとうございました!(※キャンセル待ちで受付中です。)
 なお、8月28日(水)に同館で行われる展示セミナー「清方が描いた鏡花の世界」(講師:宮崎徹・鎌倉市鏑木清方記念美術館学芸員)、そして「泉鏡花deビブリオバトル」は、定員までまだ余裕があるそうですよ。今回の鏡花生誕140年事業の主要3館の一つである清方館と当館とはもはや実質的には姉妹館、講師の宮崎さんは兄とも慕う先輩学芸員さんです。鏡花世界を絵画で支えた鏑木清方の魅力についてじっくり伺えるまたとない機会ですので、ぜひご聴講ください。
 また、ビブリオバトルの方も、鏡花(作品)へのあふれんばかりの思いを披露する絶好のチャンス♪ すでに名著と化した一冊でもよし、発刊ほやほやのお気に入りの一冊でもよし、もちろん、『絵本 化鳥』もokです。こちらもたくさんのお申し込みをお待ちしております!(お申込み/お問い合わせは千代田図書館まで)

絵本化鳥 さて、左の画像。ホントはどちらかといえば悪役だったはずなのに、すっかり『絵本 化鳥』の名キャラクターとなりつつある鮟鱇博士が線画になっています。……これは、何?
 実はコレ、中川学さん特製の鮟鱇博士の“ぬりえ”。ただいま、当館と千代田図書館では、ちいさなお子さんにも『絵本 化鳥』に親しんでいただこうと、ぬりえ作品を募集しています!
 用紙は当館と千代田図書館で配布。両館ともに色鉛筆を常備しているので来館時に作成していただくことも可能です。展示を希望される方の作品は、9月20日までは千代田図書館で、10月5日から12月8日までは当館ほか金沢市の文化施設等で展示予定です。
 鏡花生誕地である金沢市と、鏡花終焉の地である千代田区との、ぬりえを通した地域交流。小学校高学年の方も気軽にとりくんでくださってます。こちらもたくさん、ご参加くださいね♪
学芸員 

行ってきました!「泉鏡花―その生涯と作品」@千代田図書館

H25.07.30
 学芸員です。
 久々のブログ更新ですが、実は奇跡的?に三連休をいただけることとなり、ちょうど泉鏡花研究会が開催されることもあって、一路東京へ行ってまいりました。27日(土)当日は隅田川の花火大会(途中で雨天中止になったそうですが)とのことで、どこもかしこも人でいっぱい。雨と人いきれでクラクラしながら研究会に赴き、秋にピークを迎える鏡花生誕140年連携事業のご案内をさせていただきました。思えば、ここ数年、毎年会員諸氏を金沢に誘い込んでいるような。でもそこはさすがに泉鏡花研究会、「今年も金沢に行ける♪」と喜んでご来沢くださるので本当にありがたいことです。
 さて、無事に役目を終え、翌日はのんびりとプライベートな時間をすごした後、29日(月)は千代田図書館でのパネル展示「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」、そして『絵本 化鳥』原画展の初日に行ってまいりました!

絵本化鳥 千代田図書館は千代田区役所の9-10階に位置する図書館。まず9階の閲覧室に足を運ぶと、みごとに再生かなった『絵本 化鳥』ジオラマがお目見え! しかも、みなさん、お気づきでしょうか?当館では展示ケース内に設置された巨大ジオラマでしたが、今回はケース外。つまり、ジオラマをよりまじかに、直に見ることができるのです。


絵本化鳥
 例えば、こんな角度からも。(笑)
 上からでも、横からでも、下からでも、どこからご覧いただいてもokです。“おもしろいな、おもしろいな……”ではじまる『絵本 化鳥』の冒頭シーンと見比べながら、いかに精巧に名場面が再現されているか、思う存分ご堪能ください。ジオラマの近くでは、アニメーションもモニターで視聴できます。

絵本化鳥
 そして、いよいよ中川学さんによる原画(ピグメントプリント)展示。扉絵を含めた計28点が、館内4箇所に分かれて展示されています。当館では数が多すぎて、3期に分けて展示せざるをえなかった『絵本 化鳥』。千代田図書館では全点を一度に鑑賞できます。はっきりいって壮観です。


絵本化鳥
 会場では葉っぱのお面をつけた不思議なこどもたち?がご案内。……そう、同じく中川さんの絵草子『龍潭譚』に登場するキャラクターです。千代田図書館が中川ワールド一色に染まってます!
 絵本本体ももちろん美しく印刷されていますが、中川さんの独特の色遣いがご本人の監修のもとにプリントされた原画の数々には、やはり得も言われぬ魅力があります。

絵本化鳥
 そして、こちらは泉鏡花の生涯をパネルで紹介するコーナー。図書館のスタッフさんにより、鏡花初心者の方にもわかりやすく簡潔にまとめられています。区内の図書館から集められた参考書・関連図書も驚きの充実度! 鏡花の専門家が在籍している大学の図書館でも、なかなかこれだけ揃っているところはありません。鏡花で卒論書こうかな……という学生さんにもおすすめです。

絵本化鳥
 もはや古典と化した研究書から、最近大注目の“アノ分野”のアンソロジーまで、ありとあらゆるものが揃ってます。図書館ですので、千代田区の図書カードをお持ちであれば貸し出しも可能です。
(詳しくは図書館にお問い合わせください。親切で豊富な知識をお持ちのコンシェルジュさんがご案内くださいます。)

絵本化鳥
 さらに! こちらは『絵本 化鳥』のぬりえコーナー。もはや名キャラクターとなった鮟鱇博士のぬりえを楽しめます。希望者の作品は館内で展示されることになっており、すでにご応募があった作品をみせていただきましたが、原作にとらわれない自由な色遣いが斬新! さっそく中川画伯にお知らせしたところ、とてもうれしそうでしたよ。

絵本化鳥
 こちらは館内随所に展示されている泉屋宏樹さんお手製の鳥籠オブジェ。絵本のあのシーンから抜け出たようで、素敵です♪

 ほかにも地元・神田の古書店さんのご協力で、鏡花の自筆の短冊や美しい鏡花本なども展示。石川近代文学館さんから出品された自筆資料も期間限定で展示されています。
 感激のあまり、ついつい長くなりましたが、展示を通して興味のわいた作品をその場ですぐ読めるのが図書館の魅力。みなさま、ぜひぜひこの夏は、千代田図書館へ足をお運びください!
学芸員 

「泉鏡花―その生涯と作品」@千代田図書館 いよいよスタートです!

H25.07.26
 学芸員です。
 雨空から一変、再び猛暑の金沢。ひでりが続いたかと思えば雷雨になったりと、「夜叉ヶ池」さながらのお天気が続いております。
 先日からご案内しております金沢ナイトミュージアム2013は本日より開幕、徳田秋聲記念館で19:00から始まる「秋聲の聴いた音楽~秋聲愛蔵の蓄音器・レコードの音初公開」をはじめ、バラエティに富んだ催しが目白押しですので、みなさんぜひぜひ足をお運びください。

絵本化鳥 さて、金沢が夜間開館&イベントで盛り上がる一方、東京の千代田図書館では29日(月)から開催のパネル展示「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」、そして『絵本 化鳥』原画展に向けて、ラストスパートに突入! 中川学さんによる絵本の原画(ピグメントプリント)27点+扉絵1点のほか、当館から解体→輸送した『絵本 化鳥』ジオラマや鳥屋さんセット、『龍潭譚』かくれんぼパネルなど、謎の“鏡花オブジェ”が東京のど真ん中にある最新鋭図書館をうめつくします。
 会場では『絵本 化鳥』のアニメーションもモニター上映。お子さま向けの楽しいぬり絵(中川学さん特製です!)企画など、ご家族で楽しめる内容となっています。
 計8団体が連携する鏡花生誕140年事業の幕開きの企画展。地元・神田の古書店の協力で、美しい鏡花本も展示されるようですよ。
 都内のみなさま、週明けからはぜひ千代田図書館へ。たくさんのご来場をお待ちしております!
学芸員 

金沢ナイトミュージアム2013 明日からいよいよ開幕です!

H25.07.25
 学芸員です。
 昨夜からの雨も上がり、今朝から青空がみえている金沢。ちょっと蒸し暑くはありますが、北陸の夏を体感していただくにはうってつけ?の一日となりそうです。
 さて、8月9日(金)の開催の「柳花対談 泉鏡花と柳田國男 『夜叉ヶ池』から『山海評判記』まで」、そして8月17日(土)の「朗読『龍潭譚』~逢魔が時にさそわれて」が、ともに残席わずかとなっております。どちらも残り数席。いずれも中身の濃いイベントとなりそうですので、鏡花マニアの方はお申し込みをお忘れなく。
 ところで、これらのイベントはすべて今年からグレードアップした金沢市の文化施設の夜間開館イベント“金沢ナイトミュージアム2013”の一環として行われます。とても楽しい雰囲気に仕上がった公式サイトがコチラです。

     金沢ナイトミュージアム2013 http://nightkanazawa.com/

徳田秋声 明日26日(金)からスタートのこの一大イベント。そのオープニングにふさわしい催しの準備が徳田秋聲記念館で着々と進んでいます。その名も「秋聲の聴いた音楽~秋聲愛蔵の蓄音器・レコードの音初公開」。ナビゲーターは蓄音器のエキスパートである金沢蓄音器館の八日市屋館長です。
 以前から告知を見て、「“秋聲愛蔵の蓄音器・レコード”って、ホント?」とあらぬ疑念を抱いていたので、昨日、学芸員会議の際に秋聲館の薮田学芸員を直撃したところ、いつもの調子であっさりと「ホントです」。「ホントに秋聲愛蔵の蓄音器で秋聲愛蔵のレコードが聴けるの?」「聴けます」(あっさり)。……ちょっと、それはかなりスゴいことなのでは?
 以下は薮田学芸員のうけうりですが、八日市屋蓄音器館長によれば蓄音器は「ゼニス スーペリア MSA」。昭和2年に発売され、卓上型の名器と呼ばれた「ビクター ビクトローラ 1-90型」をモデルにしており、ラッパ部がリエントラント方式(折り曲げ型)になっていて、1931(昭和6)年に東京、芝の神林工業所から発売されたもの……だそうです。
 秋聲愛蔵の蓄音器が目の前で動いて、秋聲も聴いていたレコードの音色を奏でるとは……。しかも蓄音器専門家の解説付きで……これは、ぜいたく。
 聞けば、平日夜ということもあって、お席にはまだ少し余裕があるとか。入館料・参加費ともに無料のイベントですので、本日中にお申込みすれば、すべり込みセーフで間に合うかもしれません。お問い合わせは徳田秋聲記念館まで。

学芸員 

白雪姫絵はがき好評です!

H25.07.24
 学芸員です。
 昨夜から雨空の金沢。でも、龍神の姫がいらしてからは、雨の日は姫をより身近に感じられるような気がして、何となく心が浮き立つ思いがします。

山本タカト その姫が自在に水を操る姿を写した山本タカト氏の描き下ろしイラスト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」の絵はがき(本画&下絵)ですが、さまざまな分野の方からご好評をいただいております。現在、通販の予定はなく、会期中は当館のみの販売となります。ご来館の際には、夜叉ヶ池と化した展示室でくつろぐ姫の艶姿の名残として、ぜひ思う存分(笑)お買い求めください。


 さて、その「夜叉ヶ池」をはじめ、鏡花と柳田の交流から生まれた、昭和期の鏡花作品を代表する謎の長篇小説「山海評判記」の収録したちくま文庫「山海評判記/オシラ神の話」(柳花叢書)の刊行を記念して、8月9日(金)に開催するイベント「柳花対談 泉鏡花と柳田國男 『夜叉ヶ池』から『山海評判記』まで」が、残席わずかとなっております。同書の編者で、対談にもご出演いただく東雅夫さんによると、当日は最新の鏡花×柳田研究の成果を貴重な画像を交えてお話しいただけるようです。参加希望の方はお早めにお電話ください。
 また、昨日から電話受付を開始した8月17日(土)開催のイベント「朗読『龍潭譚』~逢魔が時にさそわれて」も残席わずかとなっております。こちらもお申し込みはお早めに。
学芸員 

メガネうさぎ増殖中。

H25.07.22
 学芸員です。
 朝夕は思いのほか過ごしやすい日々が続いている金沢。新企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」も開幕し、さあ!次は秋の特別展の準備だ!!……と盛り上がっているところへ、待望の“アレ”が届きました。……そう。岩波文庫の新刊『鏡花随筆集』!……に巻かれた“帯”です!

鏡花生誕140年 画面中央に鎮座する、小村雪岱画の露草が涼しげな瀟洒な一冊。鏡花の繊細で豊かな感性に満ち満ちた随筆の名品を収録した“初の文庫版随筆集”ですが、鏡花も愛した紫色の帯の右上にご注目。鏡花生誕140年のシンボルマークである、泉屋宏樹さんデザインのわれらが“メガネうさぎ”が岩波書店創業100年のロゴとともにセンス良く収まっているではありませんか!
 当館のチラシはいうまでもなく、7月29日(月)から9月20日(金)まで「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」と題してパネル展示と『絵本 化鳥』の原画展を開催する東京・千代田図書館さん、それから10月10日(木)から10月25日(金)まで通し狂言「婦系図」を上演する松竹さんでもチラシ等に掲載していただいている鏡花生誕140年ロゴ。その後も次々に増殖し続け、ついには出版界にまで生息域を拡大しつつあります。
 新入りうさぎさんは近日中に全国の各書店に出没予定。店頭で見かけたらぜひ手に取ってみてください。帯の裏面には当館ほか、秋の特別展の連携館の展覧会情報も記載されています。
 もちろん、この随筆集、中身も充実の必携書! 当館ともゆかりの深い関東大震災体験記「露宿」ほか、選りすぐりの随筆・小品が注釈つきで収録されています。ぜひ文庫棚の一冊に加えてください。
 出版界では8月、9月にも新入りうさぎが登場予定。その後も続々と増えるかも。ちょっと懐かしいウォーリーを探せ!ではありませんが、あなたの街にもきっといるはず。みつけられたら何かイイコトがあるかもしれません。

学芸員 

シリーズ~今週のお花✿30~

H25.07.22
お花  
今週のお花(7/19~)

・ひおうぎ
・カルカヤ
・ひまわり



生花ボランティア「グループ白」今回は森さんの作品です。
いつもありがとうございます!

夏らしいお花が揃いとても涼しげです^^

新しい企画展がはじまり、イベントも盛りだくさんです。
暑い毎日が続いてますが、スタッフ一同みさなまのご来館を心よりお待ちしております!

スタッフK 

“夜叉ヶ池”へようこそ!

H25.07.20
 学芸員です。
 新企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」。無事に初日を終え、ほっとひと息の記念館、朝からたくさんの方にご来場いただき、幸先のよいスタートとなりました。姫たちの美しさはさることながら、フォトグラファー・MOTOKOさんご提供の“夜叉ヶ池”画像が好評で、ヒーリング効果も絶大のようです。

夜叉ヶ池夜叉ヶ池








 「まるで水槽みたいね。」といわれた壁面ケースと、思わず本当に夜叉ヶ池を訪れているような気分にさせられてしまうタペストリーの数々。それぞれに「夜叉ヶ池」の一場面を思い起こせるよう、引用文を付していますので、臨場感もバツグンです。

夜叉ヶ池 そして、こちらは山本タカト氏の描き下ろしイラスト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」のための鑑賞スポット。足元をよくご覧下さい……何か泳いでいます。(笑)
 実際に夜叉ヶ池に行かれた方には「そうそう。こんな感じ!」と思っていただけるはず。こうしてタカト氏のイラストとセットで眺めていると、本当に彼らが夜叉ヶ池の眷属のように思えてきますね。


     此の土地、此の里、――此の琴弾谷が、
     一個の魔法つかいだと云うんだよ。――


 猛暑という過酷な現実と闘う真夏の日々、あなたも異界と化した泉鏡花記念館に足を踏み入れて、“もの語の中の人”になってみませんか?
学芸員 

水中異界の白雪姫

H25.07.20
 学芸員です。
 美しき姫君たちをお迎えしての新企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」いよいよ開幕です。泉鏡花記念館“夜叉ヶ池”計画も無事終了、自分でいうのも何ですが、見事に“夜叉ヶ池”化に成功しました! ご協力いただきましたフォトグラファーのMOTOKOさま、ありがとうございます!
 もはやヒーリングルームと化した企画展示室。マイナスイオンが漂うような気さえしてくる空間で、姫たちもゆったりとおくつろぎのようです。

山本タカト そして、何といっても山本タカト氏描き下ろしの「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」。無事額装を終えた本画と下絵を並べて展示し、並べて眺めるこの醍醐味。もう言葉になりません。
 他の姫たちもそれぞれに魅力的! 描き手の皆さんが「夜叉ヶ池」という作品と白雪姫から何を感じとり、表現しているか、本当に三者三様で、その数だけ「夜叉ヶ池」が様々な表情を持っていることを実感させられる空間となったと自負しています。
 またミュージアムショップでは、今回の描き下ろしイラストの絵はがきも販売。本画&下絵ともに素晴らしい仕上がりとなっています。
 姫たちとともに、たくさんのご来館をお待ちしております。


ⓒ山本タカト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」
学芸員 

英朋展閉幕! 次回は「夜叉ヶ池」展です!

H25.07.15
 学芸員です。
 金沢湯涌夢二館との共同開催展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」展は本日をもって無事終了いたしました! 特に最終日の本日は100名を超える来館者がご入場。英朋描く妖艶な美女たちや「襖越」の彼女との名残を惜しんで行かれたようです。東京・弥生美術館さまをはじめ、多大なご協力をいただきました皆様、ありがとうございました!

夜叉ヶ池 さて、当館は明日16日から19日まで、展示替え休館に入ります。そして20日からはいよいよ「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」展です。歴代の「夜叉ヶ池」上演・上映資料のほか、山本タカト氏、波津彬子氏、中川学氏が描く「白雪姫」のイラストが展示室に華を添えます。特に山本タカト氏の「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」は本展のための描き下ろし作品。描きたてホヤホヤの下絵&本画の双方を展示するのみならず、両作の絵はがきまで制作していただいてしまいました! 当館ミュージアムショップでは「夜叉ヶ池」展開催期間限定でのお取り扱いとなります。こちらは販売準備が整い次第お知らせいたしますので、どうぞお楽しみに♪
 今回の展覧会はイベントも盛りだくさん! 開幕間もない7月28日の文学講座はすでに満席となりましたが、ほかにもさまざまな催しをご用意していますので、当館HPのイベントページでご確認の上、お電話でお申し込みください。
 姫たちに気に入っていただけるような、居心地のよい空間づくりに専念するため、ブログも20日の開幕まで休止(予定)です。また16-17日は燻蒸作業のためお電話の対応ができなくなりますので、お問い合わせ等は18日以降にお願いいたします。 
学芸員 

美麗度ナンバーワン! 波津彬子画「夜叉ヶ池」

H25.07.12
 学芸員です。
 東京・弥生美術館さんの全面協力を得て開催してきた「鰭崎英朋―刹那の美を描く」展も残すところ数日。美しくはかなげな幽霊画「襖越」も15日(祝)で見納めです。怪談シーズンを目前に去ってしまうのが何とも心憎い彼女ですが、みなさま、この週末はぜひ名残を惜しみにご来館いただき、その妖姿を目に焼き付けていってください。
 さて、美女といえば次なる企画展「『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」 も、「襖越」の彼女に負けず劣らず美女揃い。今回イラストでご来座された三大白雪姫の中でも、美麗さナンバーワンに輝くのは、やはりこちらの方でしょう。

波津彬子 山本タカトさんの少女の面影の奥に秘めた内なる情念が匂い立つような白雪姫、中川学さんの勇壮で気高く威厳にあふれた白雪姫に対し、もっとも“女性”を感じるのは、少女漫画家・波津彬子さんが描いた白雪姫ではないでしょうか。白山剣ヶ峰の若君への恋心はさることながら、優しく美しい村娘・百合への共感という、魔でありながらきわめて人間的な、女性的な感情の持ち主として説得力が感じられるのは、やはり同じ女性である波津先生ならではの表現といえるかもしれません。
ⓒ波津彬子「夜叉ヶ池」タイトル画

 類まれなる美女に囲まれ、気もそぞろな記念館ですが、7月16日(火)から19日(金)までは展示替えのため休館です。幽冥隔てた「襖越」の美女にひと目会いたい方は15日までに、人知を超えた美しさの龍神の姫に会いたい方は20日以降に記念館にお越しください。
 なお、7月28日(日)開催の文学講座「夜叉ヶ池」(講師/秋山稔館長)も残席わずかとなっております。聴講希望の方、お申し込みはお早めに。
学芸員 

金沢ナイトミュージアム2013のお知らせ

H25.07.11
 学芸員です。
 一昨日から募集を開始しました8月10日開催の映像クリエーター・モリ川ヒロトーさんの演出による超絶!の一人語り・野上裕章さんの朗読イベント「『夜叉ヶ池』―音と映像・語りで織りなす泉鏡花の世界」は、すでに定員に達しました。ありがとうございました。
 7月28日の文学講座「夜叉ヶ池」(講師/秋山稔館長)、および8月9日のちくま文庫版『山海評判記/オシラ神の話』(柳花叢書/東雅夫編)刊行記念「柳花対談『泉鏡花と柳田國男―『夜叉ヶ池』から『山海評判記』へ」(出演/東雅夫氏)の方はまだまだ受付中ですので、みなさんふるってご参加ください。
 さて、その東雅夫さんと不肖学芸員の対談ですが、毎年恒例となりつつある夜間開館イベント“金沢ナイトミュージアム2013”の一環として行われます。このたび、とてもすてきな公式サイトがupされましたので、ご案内いたします。

     金沢ナイトミュージアム2013 http://nightkanazawa.com/

山海評判記 イベントのタイトルからもおわかりいただけるように、昨年度の当館企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』」で注目を集めた鏡花晩年の異色作が、同作に大きな影響を与えたと思われる柳田のオシラ神研究とセットで〈柳花叢書〉として刊行されることになりました!これを記念して、鏡花と柳田、そしてとっても気になるオシラ神について、編者である東さんに直接お話を聞いてしまおう!……という企画です。
 同書には雪岱画の「山海評判記」挿画もところどころに掲載され、ちょっぴり「時事新報」での初出当時の気分も味わえる構成となっているようす。これは発刊が楽しみですね!

 イベントでは刊行間もない同書もモチロン購入可能! せっかくだから東さんのサイン入りで……しかも雪岱にも負けない直筆のイラスト入りで……とお考えの方はぜひ当日、当館でお買い求めください。きっと気さくに応じてくださると思いますよ♪
 ちくま文庫版とは別に、鏡花をこよなく愛する某社による鏡花&雪岱ファンにはたまらないプレミアムな一冊も、風の噂によればただいま着々と進行中。幻想文学界二大編集長による二つの「山海評判記」。今年も同作から目が離せません。
学芸員 

雨をよぶ龍神の姫

H25.07.10
 学芸員です。
 7月20日開幕の次回企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」。作中、村人たちの理性を失わせた旱(ひでり)さながらの焼けつくような天候から一変、未明から滝のような雨に襲われたその日、“あの方”がやってきました。……そう、山本タカト画「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」です。

山本タカト 2008年に都内のあるギャラリーでの展覧会のために描き下ろされた「夜叉ヶ池ノ白雪姫」。しかし、この作品はその後、個人の所有となり、画集にも収録されることがなかったため、実際にその作品を眼にしたのは当時の展覧会に足を運んだ人に限られ、なかば伝説と化していました。このたび、当館の企画展のために描き下ろしていただいた今回の「Ⅱ」は、うずまく水流をあやつる白雪姫を描いている点では前作とモチーフを同じくしますが、微妙な表情や色遣いの違いからまったく別の作品にも見えます。……開幕までのお楽しみ!といいつつ、我慢できずにうすぼんやりとチラ見せです。(笑)
 日本画のようでもあり、版画のようでもあり。見れば見るほど不思議な絵に、特注の額を用意して待っていてくれた画材屋さんと二人して作品につかず離れず、あらゆる角度から眺めまわして、最後に出るのはやっぱりため息。画面の隅にきらりと光る面相筆の毛先の破片を見つけた瞬間、「ホントにホントに本画なんだ……。」と思わず手が震えました。
 灼熱の日の光にあえぐ北陸の地に訪れた天の恩恵。鏡花作品にとって大事な人が最初に記念館に訪れる日は必ず天候が荒れるという、当館にひそかに伝わる伝説を証明したかのような一日でした。
学芸員 

白雪姫そろい踏み!

H25.07.09
 学芸員です。
 7月20日開幕の次回企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」。28日には当館の秋山館長による文学講座を開講しますが、さらに毎年恒例となりました夜間開館イベント“金沢ナイトミュージアム2013”として、8月9日にはちくま文庫版『山海評判記/オシラ神の話』(柳花叢書/東雅夫編)の刊行を記念して「柳花対談『泉鏡花と柳田國男―『夜叉ヶ池』から『山海評判記』へ」と題する文芸評論家でアンソロジスとの東雅夫さんと不肖学芸員との対談(※8/19の千代田図書館での対談とは別イベントです)を、そして8月10日には映像クリエーター・モリ川ヒロトーさんの演出による超絶!の一人語り・野上裕章さんの朗読イベント「『夜叉ヶ池』―音と映像・語りで織りなす泉鏡花の世界」をそれぞれ開催いたします。いずれも定員25名(入場無料)。当館の土蔵内で濃密に?行います。本日から受付を開始しておりますので、イベントページで日時等をご確認の上、当館までお電話でお申し込みください。

中川学 さて、準備も佳境に入った「夜叉ヶ池」展。イラストレーター・山本タカトさんの描き下ろしイラストが特別展示されることはすでにご案内していますが、ほかにも当館ゆかりの“現代の鏡花絵師”お二人の作品を展示予定です。少女漫画家・波津彬子さんと、イラストレーターの中川学さんです!
 つまり、次回企画展は当館流にいえば“三大白雪姫そろい踏み”。まったく持ち味の異なるアーティストさんたちによる、世にも美しき競演です。
 この夏、泉鏡花記念館が夜叉ヶ池と化す―?
 みなさん、姫たちのお怒りに触れてドジョウやフナにされないよう、精進潔斎してお越しください。

ⓒ中川学「夜叉ヶ池」

学芸員 

シリーズ~今週のお花✿29~

H25.07.08
お花  
今週のお花(7/5~)
・ニューサイラン(茶色の葉)
・タニワタリ(緑の葉)
・ユリ


 生花ボランティア「グループ白」今回は谷口栄波さんの作品です。
いつもありがとうございます!

 画像は数日前のキレイな蕾ですが、今は満開に近いです^^

 さて、昨日は七夕でしたね。
楽しいイベントがたくさん行われたかと思いますが、私は金沢湯涌夢二館で行われた「揚琴と二胡」コンサートに行って参りました。
 最初は聴いたことのない揚琴(ようきん)の音色に興味津々でしたが、だんだんその音色が心地よくなり、気付いたらうとうと・・・笑!? いや、最後までしっかり鑑賞しとても優雅な気分になりました。楽しいひとときでした。

 金沢湯涌夢二館との連携事業で展示を行っている特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」も残り一週間です。
みなさまのご来館心よりお待ちしております^^

スタッフK 

『絵本 化鳥』の原画が東京・千代田図書館で展示されます!

H25.07.07
 学芸員です。
 7月3日から6日まで、東京ビックサイトで開催された東京国際ブックフェアも無事終了。5日には同会場で第47回造本装幀コンクールの授賞式も行われ、読書推進運動協議会賞を受賞した『絵本 化鳥』制作チームを代表して国書刊行会の礒崎純一編集長に賞状と記念品が授与されました。国書さん、そして装幀担当の泉屋宏樹さん、おめでとうございました!

山本タカト さて七夕の本日は、鏡花生誕140年にまつわる素敵なお知らせをご紹介します。東京・千代田図書館で『絵本 化鳥』の原画(ピグメントプリント)が展示されることが決まり、首都圏の方にもご覧いただけることになりました!
 生誕140年連携事業の一環として開催されるこの企画。千代田図書館では連携館の鏡花関連展示第一弾として、7月29日(月)~9月20日(金)まで「鏡花生誕140年 泉鏡花―その生涯と作品」と題し、当館監修のパネル展を開催します。『絵本 化鳥』に関しては原画全27点を館内で公開するほか、アニメーションや巨大ジオラマ、アートディレクターの泉屋さんお手製の鳥籠オブジェを展示予定。最先端サービスを提供していることでも知られ、一日の利用者数千人ともいわれる千代田図書館が約2ヶ月間、鏡花そして『絵本 化鳥』一色に染まります! これは反響が楽しみですね。
 なお、8月19日(月)には「金沢から東京・番町へ」と題して、最近金沢ともご縁が深く、『絵本 化鳥』の監修者でもあるアンソロジストの東雅夫さんと不肖学芸員とのトークセッションが、また8月28日(水)には連携館の一つである鎌倉市鏑木清方記念美術館の宮崎徹学芸員による展示セミナー「清方が描いた鏡花の世界」、及び「泉鏡花deビブリオバトル」も開催されます。いずれも要申込み。詳しくは千代田図書館にお問い合わせください。
 とくに大注目はビブリオバトル! 鏡花ファンのみなさま、お気に入りの一作をたずさえて、思いのたけを語ってみませんか? 「ビブリオバトルって、どんなことするの?」という方にはコチラが参考になります。
 鏡花生誕140年事業もいよいよ各地で本格始動! みなさん、カラダがいくつあってもたりない状況で(笑)協力し合ってがんばってますので、ぜひご注目ください♪
学芸員 

山本タカト『幻色のぞき窓』

H25.07.03
 学芸員です。
 7月3日から6日まで、東京ビックサイトで開催される日本最大の「本」の見本市・東京国際ブックフェア。5日は同会場で第47回造本装幀コンクールの授賞式が行われます。『絵本 化鳥』で読書推進運動協議会賞を受賞した国書刊行会さん、装幀担当の泉屋宏樹さんをはじめ、イラストレーターの中川学さん、題字担当の書家・上田普さんなど、ひさびさに“チーム化鳥”が勢ぞろい。会場では『絵本 化鳥』ほか、コンクールの出品作がずらりと展示されています。お近くの方は是非足をお運びください。
 さて、7月20日開幕の次回企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」。28日には当館の秋山館長による文学講座を開講、今なお愛される鏡花戯曲の代表作の魅力について語ります。いつも定員25名と少なめで申し訳ありませんが、お申込みお待ちしております!

山本タカト  新たな展覧会の準備に追われる中、本日は現代の浮世絵師とも呼ばれているイラストレーター・山本タカトさんのエッセイ『幻色のぞき窓』のご紹介です。
 〈平成耽美主義〉様式と呼ばれる、独特の幻惑の世界。その原点・源泉はどこにあるのか―。タカトさんの筆先から生まれる幻妖な世界の深奥を、文字通り“のぞき見”ることのできそうな、そんなエッセイ集です。

 ちょっとドキドキするような(笑)、それでいて瞬時に目を奪われるイラストが満載ですが、読み進めるうちにタカトさんと鏡花、そして絵師として鏡花世界を支えた小村雪岱との共通項を発見。自慢するわけではありませんが、この共通項に気付いた方は、かなり鏡花を読んでいる“証”です。
 “幻視の眼”を持つということは、こういうことなのだろうか……。緻密に自身の幻想世界を筆一本で積み上げていくさまも、鏡花に通ずるものがあるように感じます。タカト氏が鏡花と同時代に生きていたら、間違いなく清方・英朋・雪岱に続く、第四の“鏡花絵師”として鏡花自身をも魅了していたに違いない……と、ページをめくってはため息の梅雨のひとときです。
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿28~

H25.07.02
お花  
今週のお花(6/28~)
・けむりの木
・雪柳
・アレカヤシ(緑)
・パイナップル
・ストケシア(紫)

 生花ボランティア「グループ白」今回は森光和さんの作品です。

 けむりの木は別名「スモークツリー」という言われるそうです。
モクモク、モクモク・・・夏をつげる「のろし」のようですね。
さわってみたい…パイナップルもあるし…何だか誘惑がいっぱい^^;
いつもありがとうございます!


 さて、昨日は氷室の日でした。
 金沢市や石川県の一部の地域では無病息災を願い氷室まんじゅうを食す風習があり、私もしっかりいただきました^^
 新しい企画展の準備や講座の受付など、たくさんのことに追われていますがこれでしっかり乗り越えられそうです!

 みなさまも体には気を付けてお過ごしくださいませ☆
スタッフK 

泉鏡花×山本タカト「夜叉ヶ池の白雪姫Ⅱ」

H25.07.01
 学芸員です。
 今日から7月。「鰭崎英朋―刹那の美を描く」展も残すところ約2週間。展示中にさまざまな発見のあった幽霊画「襖越」や、新発見資料「天人」(仮称)とも、もう少しでお別れです。いずれも個人のご所蔵のため展示機会の少ない作品。折角の貴重な機会、ぜひお見逃しのないようご来館ください。
 さて、次回企画展は7月20日開幕の「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」。“龍神さま”描き下ろしイラストをメインビジュアルとするチラシのデザインが完了しました。
 そして、“龍神さま”の正体は―現代浮世絵師ともいうべき孤高のイラストレーター・山本タカトさんです。

山本タカト  〈平成耽美主義〉様式と呼ばれる独特の画風、そして圧倒的な緻密さで見る者の眼を奪いさる幻想的な美の世界。以前からタカト氏の作品世界と鏡花世界の親和性を感じていたため、思い切ってお願いしたところ、今回の展覧会のために「夜叉ヶ池」の白雪姫を描き下ろしていただけるだけでなく、下絵と本画の両方をご出品いただけることになりました。
 鏡花なみに意を決するのに時間がかかり(笑)、本当に急なお願いだったため、チラシは下絵で作成、本画はただいま制作中という、当館としては光栄極まりない状況となっています。
 鏡花が描き続けた清冽で耽美で、時に残酷な美の世界。これを表現する絵師として、これほどふさわしい方はいないでしょう。
 ご覧いただければわかるように、下絵がすでに作品。まだ見ぬ本画のことを思うと、想像しただけでため息が出て夜も眠れません。


 チラシはただいま印刷中。7月中旬には金沢市内をはじめ、全国の文学館・美術館に配置されます。
 清方・英朋・雪岱に匹敵する、現代の新たな“鏡花絵師”を迎えての新企画展。外気に負けず劣らす、アツい思いで日々を過ごす記念館です。
学芸員 

MROラジオ「鏡花の時間」/6月30日からは「夜叉ヶ池」です。

H25.06.29
 学芸員です。
 『絵本 化鳥』第47回造本装幀コンクールで読書推進運動協議会賞を受賞したのを記念し、金沢海みらい図書館で行われていた特別展示も昨日で無事終了。期間中のたくさんのご来場、ありがとうございました! 7月3日からは東京ビックサイトで開催の東京国際ブックフェアで絵本の展示が、また7月下旬からは東京・千代田図書館で原画展も開催されます。原画展の詳細は追ってお知らせいたしますのでもうしばらくお待ちください。
 さて、4月から担当しておりますMROラジオ「鏡花の時間」。明日6月30日からは5週にわたって「夜叉ヶ池」をご紹介します。
 「夜叉ヶ池」は鏡花にとってはじめてのオリジナル戯曲。今なお鏡花戯曲の中でも人気の高い作品で、現在も新国立劇場でオペラを上演中です。大正2年(1913)年発表の同作は今年で成立100年ということで、当館でも7月20日から企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』-泉鏡花と演劇の時代」を開催します。
フレーム というわけで、本日は“龍神さま”渾身の描き下ろしイラストと下絵を展示するためのフレームを特注しにまいります。
 光栄なことに、描き下ろしイラストの本画と下絵の両方を出品いただけることになった今回の展示。急なお願いだったため、本画はただいま制作中ですが、チラシ制作のために先に送っていただいた鉛筆線の下絵だけでも十分すぎる美しさ。気が付くとため息まじりに眺めてしまい、ちっとも仕事が進みません。(笑) 美しすぎる白雪姫を壁面に飾るにふさわしい額装とは……と考えるだけでもプレッシャーですが、これも思えば贅沢すぎる悩みというもの。万全を期してお迎えするしかありません。
 チラシ・ポスターもおかげさまで昨日無事校了し、あとは納品を待つのみ。週明けにはお披露目できる予定です。
 かつて原画展を開催させていただいた少女漫画家の波津彬子先生、そしてイラストレーターの中川学さんに引き続き、新たな“鏡花絵師”の到来を指折り数える当館です。
学芸員 

「生命のために恋は棄てない。」

H25.06.26
  白雪姫 
 学芸員です。
 金沢は久々の雨。全国的にも降水量ではかなり上位を誇る当地ゆえ、金沢らしい空模様ともいえ、少しも億劫ではありませんが、白雪姫さまがそばにいればなおのことです。
 7月20日(土)から開幕の「夜叉ヶ池」展。“龍神さま”描き下ろしのイラスト(下絵)をベースにしたチラシのデザインが上がってまいりました。本日はちょっとだけ、お披露目です。

 物憂げで、それでいて秘めたる意志を思わせるその口もと。「生命(いのち)のために恋は棄てない」-あの名ぜりふが今にも聞こえてきそうです。

 鉛筆画の下絵をもととしているので、その魅力を生かして表面はモノクロっぽい?仕上がりに。着色した本画はただいま制作中のため、実際に館に足を運んで、その目でご覧いただくしかありません。チラシ裏面の展示品紹介の欄には“coming soon”の文字が。チラシ制作している本人にもどんな作品が送られてくるのか開幕ぎりぎりまでわからない、こんなにどきどきする展覧会は初めてです。(笑)
 まだ見ぬ完成品を想像しながら、どんな額を作ろうか、どんなマットを入れようか……とうれしい悩みが尽きない日々。梅雨の毎日も心躍る楽しいものにしてくれた、白雪姫と“龍神さま”に感謝♪です。
学芸員 

金沢市立四十万小学校・金沢市立中村町小学校のみなさまご来館

H25.06.25
  泉鏡花記念館 
 本日は金沢市内の2つの小学校からお客様がいらっしゃいました。金沢市立四十万小学校6年生(3名様)と金沢市立中村町小学校6年生(12名様)のみなさまです ^^

 四十万小学校の3名様、玄関で当館の記念スタンプを押しいざ展示室へGO!
 元気よく第1展示室からまわりはじめたのですが、「襖越」を紹介したところ・・・さっきまで「ずっと歩いてきたからあつ~い暑いっ」とおっしゃっていたのに、突然「・・・げ、なんか怖いよ、冷えてきた。。。」とエアコンより即効性のある冷却効果を得られていたようです^^; その後、第3展示室までしっかり観覧してくださいました。ありがとうございました。

 中村町小学校のみなさまも暑い中どうもありがとうございました!
 またのご来館を心よりお待ちしております。

写真: (左上・右上) 四十万小学校様 (左下・右下) 中村町小学校様
スタッフK 

特別講座「画博堂の一夜 ―伝説の怪談会と鏡花・英朋」報告

H25.06.24
  鰭崎英朋 
 学芸員です。
 特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」で展示中の鰭崎英朋の幽霊画が、大正3年7月12日に東京・京橋の美術画廊・画博堂で行われた日本近代怪談史上“最恐”といわれている怪談会ゆかりの作品だということが、昭和女子大学教授の吉田昌志先生の調査で判明したことから急遽企画し、23日に開催した特別講座。怪談専門誌『幽』の編集長・東雅夫氏に講師を依頼したところ、「私でよろしければ身を挺して……。」とご快諾?いただき、運命の日を迎えることと相成りました。さすが編集長、肝が据わっていらっしゃいます。
 鏡花も深く関わって行われたこの画博堂の怪談会、幕末の勤王志士・田中河内介の無惨な最後を語ろうとしたある参加者が亡くなったと噂され、鏡花は演出過多に行おうとするから……とかなり気にしていたともいわれていますが、コトの顛末はともかく、詳細を語ると祟られるという例の田中サマのお話を東さんがどう説明するのか―。かたずの飲んで見守っておりましたが、いわくつきの伝記や稀少な画博堂の出版物などの貴重資料を披露しつつ、なおかつ時折笑いも誘いつつ、微妙に田中サマのお話の核心の一歩手前をゆく東さん。その話術たるやさすが!のひと言で、あっという間の90分でありました。
 当日は今回の調査で「襖越」という画題であったことが判明したこの幽霊画の持ち主の方も来沢され、東さんと懇談するひとときも。お互いにひと目ご覧に入れようと、画博堂関係のまったく同じ稀覯書をそれぞれ見せ合おうとするという、このお歴々でなければおよそありえない(笑)一幕もあり、この画博堂の妖怪画展覧会にまつわる新たな発見もあったりと、おばけ研究家とおばけ蒐集家が揃った記念館は、急遽おばけ研究室と化し、あれはどうでしたっけ?これはどうです?とひとしきり盛り上がったのでした。
 「襖越」と昨日の特別講座の様子は、本日の北國新聞朝刊でもご紹介いただいています。
 幽霊画展示は英朋展の会期末の7月15日まで。そのあとはいよいよ“白雪姫”の登場です。そして“龍神さま”こと、神の手を持つ絵師の正体は―。乞うご期待です!
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿27~

H25.06.22
  お花 
・ユズリハ(枝)
・アンスリウム(赤色)
・トルコキキョウ

 生花ボランティア「グループ白」の野村哲波さんの作品です。
 いつもありがとうございます!久々のお花登場です^^
 南国の香りいっぱいの真っ赤なアンスリウム。
 ハート型の大きなうちわに見える部分は葉の一部(仏炎苞 ぶつえんほう)だそうです。一瞬「ここは異国か!?」と感じてしまう程です(^^;エキゾチックな雰囲気がたまりませんね。

 今週から梅雨に入り、足元が悪いにもかかわらず修学旅行と思われる県外からの中学生や年間パスポートを(去年に引き続き)購入された方などがお越し下さいました。
 「また一年施設めぐりが楽しみだ」とおっしゃってくださり、さっそく金沢湯涌夢二館にも足を運んでみようといっておられました。本当にありがたいです。


 私は先日、お休みを利用して金沢海みらい図書館へ行って参りました。
 入口付近にとても分かりやすく『絵本 化鳥』のことが展示されてますので、鏡花の作品を身近に感じることができます。鮟鱇博士にも会うことができますので、まだ作品をご存じない方もぜひこの機会に足を運んでみてくださいね。(展示は7月28日15時まで)

 そんなこんなで雨にも負けず鏡花記念館頑張っておりますので、皆様のご来館お待ちしております!

スタッフK 

鳥籠届く。

H25.06.19
  絵本化鳥 
 学芸員です。
 今日は朝からどしゃ降りの雨。昨日お越しいただいた“白雪姫”さまもご機嫌うるわしいご様子です。(笑)
 そんな、滝のような雨の中、届いたのが左のオブジェ。あれれ?どこかで見たような……そう、『絵本 化鳥』の鳥屋のシーンから再現した鳥籠オブジェです。製作者はもちろん泉屋宏樹さん。グラフィックデザイナーあらため自ら“鳥籠職人”を名乗っての熱の入れようだけあって、ホンモノ?そっくりの出来ばえとなっています。
  鳥籠は非売品ですが、館内(ミュージアムショップ)の絵本コーナーに展示してあります。東京都内の方は、もうすぐ原画やジオラマ、アニメーションとともにお近くで見ることができますよ。こちらは詳細が決まり次第、お知らせいたします。
学芸員 

龍神さまからの贈りもの

H25.06.18
  鏡花句碑 
 学芸員です。
 まるで真夏のように照りつける暑さの後、しとしと雨が降り続き、金沢もようやく梅雨らしくなってまいりました。鏡花の幼い頃の遊び場・久保市乙剣宮の境内に建つ鏡花句碑と、そしてその傍らで盛りを迎えている鏡花が愛した紫陽花の花も、ひさびさの雨に渇きをいやしているようです。
 さて、雨といえば龍神、龍神といえば「夜叉ヶ池」……ということで、次回企画展「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」の準備がいよいよ佳境となっている記念館に、本日、“龍神さま”から素敵な贈りものが届きました。そう、「夜叉ヶ池」展のポスターのメインビジュアルとなる“白雪姫”の描き下ろしイラスト(下絵)です!
 以前から“龍神さま”の作品に惹かれ、鏡花をテーマとする作品があったらいいのに……と思い描いていたのですが、今回の「夜叉ヶ池」展開催にあたり、まさに池に飛び込む覚悟(笑)でお願いしたところ、快く描き下ろしていただけることに。過密スケジュールの中、展覧会開幕に間に合うように制作していただける上に、ポスター・チラシが作れるように……と下絵をご提供くださったのです。目の前に現れたのは流麗な鉛筆線が生み出すモノクロームの世界で表現された、繊細で、そして鮮烈な美しさを放つ白雪姫その人。……しばし呆然、としたことはいうまでもありません。出張明けで疲れ切ったわが身には、まさに慈雨。土手の芝よろしく“露の情けでよみがえる”思いです。
 わかったから、その作品を早くお見せ……と叱られそうですが、それはチラシのデザインが完成するまでのお楽しみ♪ 当分は学芸員の特権で“ひとり占め”の日々です。
学芸員 

清水三年坂美術館に行ってきました!

H25.06.16
  清水三年坂美術館 
 学芸員です。
 梅雨を通り越して真夏日となった13日、鏡花ゆかりの作品を拝見するため、京都の清水三年坂美術館へ行ってきました。
 清水三年坂美術館は幕末、明治の金工、七宝、 蒔絵、薩摩焼を常設展示する日本で初めての美術館。明治の金工で、鏡花にゆかりがあるといえば……そう、加賀象嵌の名工であった鏡花の父・泉清次の作品が展示されているのです。
 『絵本 化鳥』制作の関係で昨年から今年にかけて、京都には何往復したか自分でも思い出せないくらいですが(笑)、三年坂を訪れるのは小村雪岱展以来、数年ぶりのこと。しかも、この時期、清次作の大杯が展示されていると聞いては、行かずにはおれません。
 バスを降りて、清水坂をゆるゆると登り、中腹で三年坂に折れるとまもなく見えてくる同館。いつ訪れても冴え冴えとした美しいたたずまいが魅力です。
 幕末・明治の工芸品のエキスパートである館長・村田理如氏にご挨拶。村田氏は、まだまだ十分に光が充てられているとはいえないこの分野で精力的にご研究を進められている第一人者であり、最大の功労者でもあります。早速、ご所蔵の清次作品を拝見しましたが、そのすばらしさと言ったら! 当館でも清次作の銀杯を2点所蔵し、常設展示していますが、三年坂さまの大杯の精巧な彫りから生まれる美しさには息をのむばかりで、いかに清次が優れた職人であったか、鏡花作品に描かれた父をモデルとする名工の姿が決して大げさではなかったことを再認識した一日でした。(詳細については同館でぜひ実物をご鑑賞ください)
 なお、同館では常設展示の他にも企画展として8月18日(日)まで 「欧米が愛した輸出蒔絵の華 ― 芝山と杣田」 を開催中です。こちらも超絶技巧を駆使した目もくらむような作品ばかり。夏の京都は暑くてちょっと……と思われるかもしれませんが、随所にみられる“涼”への工夫を目にするのも楽しいもの。京都にお越しの際にはぜひ足を運んでみてください。
学芸員 

「鏡花わーるどin富山」展パネルが金沢ADC年鑑2012に掲載されました!

H25.06.11
  金沢ADC年鑑 
 学芸員です。
 夏の展覧会と秋の特別展の準備を同時進行で進めるという過酷な日々が続いておりますが、そんななか、またまたうれしいお知らせが届きました。
 昨年の春夏の企画展「鏡花わーるどin富山」の立体パネルが金沢ADC(アートディレクターズクラブ)賞に入選し、年鑑に掲載されたのです。(写真があまりにきれいでよその館みたいですね。)

 この、見るも怪しげ?な立体パネル(塩化ビニール板製)をデザインしたのはヨシダ宣伝の吉野武さん。取り上げる鏡花作品からその形がイメージされたパネルの数々は、当館の土蔵造りの展示室の全体の雰囲気や梁や壁の色をも考慮して配色・デザインされており、他館の学芸員仲間にも「……これ、何?」と半ば感心、半ばあきれられたものでした。(でも、その後に『絵本 化鳥』ジオラマというシロモノが登場し、さらにエスカレートしましたが。) その後の絵本制作にも通ずる“ものづくり精神”が、このような客観的な評価を受けたことは本当に喜ばしいことです。パネルはすでに、より活用していただこうと隣県・富山の高志の国文学館にお嫁に出しましたが、こうして記録に残されたことで当館にとってもたいへん思い出&愛着深いパネルとなりました。
 さて、次なる展覧会は「成立100年記念 『夜叉ヶ池』―泉鏡花と演劇の時代」。演劇、映画、少女マンガ、そして新たなアートシーンへと飛翔し続けるこの作品の“裏側”に迫ります。チラシ・ポスターのメインビジュアルには鏡花ファンなら一度は夢見る“あのアーティストさん”の作品が登場です。どうぞ、お楽しみに!
学芸員 

第20回 東京国際ブックフェアのお知らせ

H25.06.10
  東京国際ブックフェア 
 学芸員です。
 6月23日開催の特別講座
「画博堂の一夜 
  ―伝説の怪談会と鏡花・英朋」は、
お申し込みが定員に達しました。
ありがとうございました。

 さて、本日は、7月3日から6日まで、東京ビックサイトで開催される日本最大の「本」の見本市・東京国際ブックフェアのお知らせです。
 書店や出版社だけでなく、読者も入場し(ただし要入場料/webで無料招待券入手可)、欲しい本を購入できるこの催し。なぜここでご紹介するかというと、第47回造本装幀コンクールの授賞式が7月5日に同会場で行われるからです。今回、見事『絵本 化鳥』で読書推進運動協議会賞を受賞した国書刊行会さん、泉屋宏樹さんももちろん参加、ひさびさに“チーム化鳥”の面々がそろいます。会場では『絵本 化鳥』ほか、コンクールの出品作も展示されるとか。お時間のある方は足を運んでみてください。
 また、今回の受賞について、イラストレーターの中川学さん、装幀担当の泉屋宏樹さん、カバーの題字を手掛けた書家の上田普さんが、それぞれのブログでその喜びを語っていますよ。
 なお、金沢市内では6月6日から28日まで、金沢海みらい図書館で『絵本 化鳥』の原画(ピグメントプリント)9点のほか、中川さんのラフや泉屋さんの装幀スケッチなどが展示されています。こちらもぜひ。(無料でご覧いただけます!)
学芸員 

鮟鱇博士@金沢海みらい図書館

H25.06.06
  金沢海みらい図書館 
 学芸員です。
 本日より金沢海みらい図書館ではじまりました『絵本 化鳥』の期間限定提示。原画(ピグメントプリント)9点のほか、中川さんのラフや泉屋さんの装幀スケッチなど、第47回造本装幀コンクール(読書推進運動協議会賞受賞)に関わる資料が展示されています。ぜひ足をお運びください。(無料でご覧いただけます)
 今回は7月下旬から東京・千代田図書館での原画全点展示を控えていることもあり、スペースの都合もあってすべてをご覧いただけないので、代わりにモニターでアニメーションを流しています。すてきなオリジナル曲もかすかに聞こえますよ。閲覧用の絵本も設置してきましたので、記念館内とは異なる、リラックスした雰囲気で鏡花×中川ワールドをお楽しみいただければと思ってます。
 さて、画像は、このたびの展示に合わせ、海みらい図書館に出張中の鮟鱇博士。こうもり傘片手に展示案内のプラカードをさげてがんばってます。鮟鱇博士、絵本の外では結構働き者です。(笑)
 展示は今月28日まで。アニメーションも海みらい図書館の開館時間内でしたらいつでもご覧いただけます。ただし最終日は15時で終了です。ご注意ください。
学芸員 

金沢海みらい図書館で『絵本 化鳥』の原画その他20点を期間限定展示します!

H25.06.05
  金沢海みらい図書館 
 学芸員です。
 金沢は本日もさわやかに晴れています。抜けるような青空を見上げていると、日々の忙しさも一瞬忘れて、なんとなくココロも澄みわたってくるから不思議です。
 さて、左の写真。建築物としても大きな注目を集めている金沢海みらい図書館です。サッカーの中田英寿選手のCM撮影で使われたことでも話題を呼びましたが、明日6月6日から28日まで、この近未来的な図書館のギャラリースペースで、『絵本 化鳥』の原画(ピグメントプリント)他、約20点の資料が展示されることになりました!
 このたびの展示は絵本が第47回造本装幀コンクールで読書推進運動協議会賞を受賞した記念に行われるもの。中川学さんのイラストやラフ画はもちろん、今回の受賞の対象である装幀を担当したグラフィックデザイナーの泉屋宏樹さんのスケッチや、その他造本装幀に関わる資料を厳選して展示します。図書館ですのでもちろん無料! 会場では『絵本 化鳥』のアニメーション(ただし図書館ですので消音ですが)もご覧いただけます。
 原画は当初、7月下旬から東京の千代田図書館において、鏡花生誕140年連携事業の一環として全点展示の予定でしたが、今回の受賞を受け、そのまえにもう一度金沢でお披露目を……という思いで企画されたもの。金沢市の関係各所の皆さまのお心遣いに感謝!です。
 図書館では『絵本 化鳥』の閲覧および貸し出しも可能。ぜひこの機会にもう一度、絵本の世界をご堪能ください。 ※最終日の28日は15時で終了します。ご注意ください。
学芸員 

特別講座「画博堂の一夜 ―伝説の怪談会と鏡花・英朋」のお知らせ

H25.06.03
  鰭崎英朋 
 学芸員です。
 金沢は本日も快晴!行きつけの主計町の町屋カフェもすっかり夏座敷へと変わり、浅野川の川風が吹き抜ける店内でいただくアイスコーヒーが、この上なくおいしい季節となりました。
 そんななか、お届けするのは身の毛もよだつ特別講座のお知らせ。現在開催中特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」で展示中の英朋の幽霊画と深い因縁のある怪談会について、怪談専門誌「幽」編集長の東雅夫氏にお話しいただきます。
 おばけが大好きで、怪談会にもたびたび参加していた鏡花。その中でもとある“事件”が起きたとして近代怪談史上最恐!と噂されるのが、大正3年7月12日に東京・京橋の美術画廊・画博堂で行われた怪談会です。参加者60人ともいわれる会で、そんなに人がいたら怖くもなんともないのでは……と少々疑問に思ったりもしますが、そこは最恐と呼ばれるにふさわしい伝説の怪談会、一度聴いたら眠れなくなるようなことが起きてしまったといわれています。
 この画博堂の怪談会については、直接関わった方、そしてまた聞きの方によるさまざまな証言が残されているのが特徴。“怪談会から出た怪談”として鏡花をも恐怖の底に突き落とした、その出来事とはいったい何なのか、そして英朋の幽霊画がそれとどう関わるのか。詳細を語ろうとすると“とんでもないこと”になるというのでここではご紹介できませんが、怪談史のエキスパートがその身をなげうってお話し下さいます……。

 受講の申し込み受け付けは明日6月4日9:30から。聴講希望の方はイベントページをご確認の上、お電話でお申し込みください。
学芸員 

講演会&ギャラリートーク「挿絵画家英朋」

H25.06.01
  鰭崎英朋 
 学芸員です。
 本日は金沢百万石まつり。街中がお祭りムードに沸き立つ中、館では特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」の講演会&ギャラリートーク「挿絵画家英朋」を開催。午後にはお祭りのメインイベント・時代行列を控えたひととき、心穏やかに英朋の魅力に触れようとするたくさんの方々にお集まりいただきました!
 講師はこのたび英朋作品を多数ご出品いただいている東京・弥生美術館の担当学芸員である松本品子氏。関連書籍としてミュージアムショップでも販売中の『妖艶粋美―甦る天才絵師・鰭崎英朋の世界』の編者で、英朋の伝記もご執筆されている、英朋研究の第一人者。大学の卒業論文から英朋研究に取り組まれ、まるで英朋に呼ばれるかのように弥生美術館の学芸員となられた“運命の人”です。
 はじめの講演会ではパワーポイントを使って英朋作品の画像を見ながらその生涯と作品をわかりやすく解説。その後、展示室に移って松本さん自らギャラリートークをしていただくという、何とも贅沢な90分。英朋に関する豊富な知識と、愛情と、その魅力を伝えたいという情熱で参加者をどんどん引き込んでいくその姿に、最も興奮&感動していたのは、今回の英朋展を共同開催した両館の学芸員であったことは、いうまでもありません。
 久々の再会に英朋作品も気分が高揚したのでしょうか、松本さんがそこに立っているだけで、展示品が一層色鮮やかに輝きだすような、そんな気さえしてきました。
 思えばこの3学芸員、それぞれ自身が専門とする、愛してやまない作家を扱う館に籍を置くという、何とも幸運な3人なのです。その幸運を喜びつつ、誇りを持って仕事をしている松本さんに新たな刺激を受けた一日でした。
学芸員 

鏡花生誕140年ロゴ

H25.05.27
  鏡花生誕140 
 学芸員です。
 金沢は一気に初夏。特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」も中盤にさしかかり、記念館では次の、そして次の次の展覧会の準備に追われています。休む間もなし!です。
 そんななか、秋の特別展に向けて進められている連携事業についてお知らせです。
 今年は1873年(明治6)生まれの泉鏡花の生誕140年。これを記念して当館をはじめ、特別展などを予定している神奈川近代文学館・鏑木清方記念美術館ほか計7団体が連携してこの節目の年を盛り上げようとするものです。
 上のマークはそのシンボルとして使用するロゴ。鏡花が自身の裏干支にちなんでグッズを収集したことで知られる兎にめがねをかけていただきました! ……どことなく似てるでしょう?(笑)
 デザインは『絵本 化鳥』の装幀でおなじみの泉屋宏樹さん。連携団体のチラシやパンフレットなどの印刷物を始め、秋にかけて出版される鏡花関連書籍の帯にもあしらわれる予定です。
 鏡花の魅力を発信するという共通の目的のもと、金沢―首都圏と離れてはおりますが、お互いにアイディアを出し合って様々な企画を検討中です。
 まちでこのロゴを見かけて、「そうだ!今年は鏡花生誕140年だった!」と一人でも多くの方々に思っていただけたら幸いです。
学芸員 

アニメーションで見る「絵本 化鳥」展ご報告!

H25.05.23
  絵本化鳥 
 学芸員です。
 大阪・九条駅近くのカフェ・ハメッシュで行われたアニメーションで見る「絵本 化鳥」展。絵本の装丁を担当した泉屋宏樹さんのブログでその様子が紹介されています。
 『絵本 化鳥』に登場する鳥屋をイメージした店内は、泉屋さんお手製の鳥籠オブジェも展示され、気分はすっかり廉くんに。今回は中川さんと泉屋さん、そして題字を担当した書家の上田普さんによるトークイベント。まさに直前に飛び込んできた第47回造本装幀コンクールでの「読書推進運動協議会賞」を受賞を支えた面々の制作秘話とあって、立ち見もお断りしなければならないほどの大盛況だったようです。泉屋さん、たくさんの方にお祝いしていただけてよかったですね♪ 次は東京、そしてドイツですよ!
 こうして関西イベントを無事に終えた絵本ですが、東京へ行く前に、もう一度地元金沢のみなさまにご覧いただく機会をただいま画策中です。『絵本 化鳥』、まだまだ続きます!
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿26~

H25.05.23

花 生花ボランティア「グループ白」の谷口栄波さんの作品です。
いつもありがとうございます!

【花材】H25.5.18(土)~

・サザンクロス(葉)
・あじさい
・なでしこ
・ハゼの木


 受付窓口に毎日縛られて!?(笑)いるのでなかなか外にでることができないのですが、今回のお花はそんなもやもや気分の私をとてもさわやかな気分にさせてくれます。
 館内にはひまわりも飾られて少し早い夏を味わうことができます。

 今週のお天気も暑くなる予報だとか。
 第二展示室には「幽霊」さんもいますので、皆さまぜひぜひ涼みにいらしてください^^
スタッフK 

講演会&ギャラリートーク「挿絵画家英朋」

H25.05.21
  鰭崎英朋 
 学芸員です。
 五月晴れ!というには少々汗ばむほどの陽気となり、春先の冷え込みに勘違いして紅葉しかけた中庭のもみじもようやくまぶしいほどの新緑となってきました。
 さて、本日から受付を開始した、6月1日開催の講演会&ギャラリートーク「挿絵画家英朋」。講師は今回の展覧会で展示中の英朋作品を管理する東京・弥生美術館の松本品子学芸員です。関連書籍としてミュージアムショップでも販売中の『妖艶粋美―甦る天才絵師・鰭崎英朋の世界』の編者で、英朋の伝記もご執筆されている、英朋研究の第一人者。学芸員として数々の展覧会をこなしつつ、ご著書も多数で、「いったい、いつ寝てるんだろう……。」と不思議なくらいの方です。今回のご講演用に前もって送られてきたパワーポイントのデータも英朋の魅力満載!動作確認と称して職権を乱用し、先に拝見してしまいましたが(笑)、松本さんの解説付きで拝見できるのが楽しみでなりません。
 午後からの金沢市最大の祭典・金沢百万石まつりのメインイベント・百万石行列を考慮して、開催時刻を午前に変更しておりますので、聴講希望の方はイベントページをご確認の上、お電話でお申し込みください。
学芸員 

『絵本 化鳥』が第47回造本装幀コンクールで入賞しました!

H25.05.18
  鰭崎英朋 
 学芸員です。
 大阪・九条駅近くのカフェ・ハメッシュで行われているアニメーションで見る「絵本 化鳥」展も本日が最終日。そのフィナーレを飾るイベントを前に、ビッグニュースが飛び込んで参りました。

  『絵本 化鳥』が第47回造本装幀コンクールで入賞、「読書推進運動協議会賞」を受賞したのです!

 造本装幀コンクールは、出版、デザイン、印刷、製本産業の向上・発展と読書推進を目的として、日本書籍出版協会および日本印刷産業連合会が主催して行われているもので、1966年から開催されている歴史あるコンクールです。本文の文字組み、色使い、レイアウト、表紙カバーの美しさ、機能性、材料の適性、印刷、製本などが審査される、非常にハードルの高いコンクールで、受賞作品は東京国際ブックフェアや日本印刷博物館の「世界のブックデザイン」展で展示されるほか、ドイツのフランクフルトブックフェア、そして同じくドイツのライプツィヒで開催される「世界で最も美しい本」国際コンクールに出品されます。
 そう。『絵本 化鳥』が厳しい審査を通過して、世界数十ヶ国から応募のある国際コンクールに出品されることが決まったのです。これは快挙です!!
 受賞の対象となるのは「出版社」「装幀者」「印刷会社」「製本会社」の4者。つまり版元の国書刊行会さんと装幀を担当した泉屋宏樹さん、そして毎度おなじみ“泉屋・オニの色校正”に毅然と立ち向かった(笑)印刷会社・シーフォースさん、“泉屋・非情のエンボス攻め”に泣いた(笑)製本会社・ブックアートさんがそれぞれ表彰されます。
これは現代の“鏡花本”をめざして同書を企画した当館としても、これをバックアップしてくれた金沢市にとっても嬉しいお知らせ。みなさん、おめでとうございます!

 絵本は7月3日(水)から7月6日(土)まで東京国際ブックフェアの会場(東京ビッグサイト)でお披露目、7月5日には授賞式も行われます。ちょうど7月下旬から都内某所で絵本の原画展示を予定していたこともあり、この上ない大朗報!となりました。
 そうそう。原画展示については、まもなくお知らせできると思います。みなさん、是非会場に足を運んで、この喜びを分かち合ってくださいね♪
学芸員 

英朋先生・怒りの色校正

H25.05.16
  鰭崎英朋 
 学芸員です。
 5月18日(土)まで大阪・九条駅近くのカフェ・ハメッシュで行われているアニメーションで見る「絵本 化鳥」展。最終日には中川学(イラスト)×泉屋宏樹(装幀)×上田普(題字)によるトークイベントが行われます。何やら泉屋さんからうれしいご報告があるとも聞いております。椅子席はすでに満席ですが、立ち見はまだ受け付け可のようです。どうぞ足をお運びください。
 身の毛もよだつ特別展「幽霊・妖怪画大全集」(@大阪歴史博物館)もまだまだ開催中。15日(水)から50点ほどが入れ替わっているようです。こちらも是非。
 さて“身の毛もよだつ”といえば、展覧会チラシにも掲載している当館で展示中の鰭崎英朋の幽霊画。美しいような、怖いような、何とも不思議な魅力を放っていますが、同じケース内にもう一つ、眠れなくなりそうな一枚が飾られています。
 みなさま、上の画像をご覧ください。蝋燭に照らされた青白い美女の顔。その怨念を鎮めるかのように、画面にはびっしりとお経が……と言いたいところですが、お経ではありません。画面左上にご注目。筆書きで大きく“必要再校”の文字が確認できますね。そう、これは天才絵師・鰭崎英朋の怒りの色校正なのです。
 その概要は以下の通り。

・この絵を六色では無理なり而してこの絵に一番入用の極薄鼠をとつては此絵ハ結ゼロなり
・七色を六色にする場合は一度小生迄御相談願たし 六色ならば濃藍をトル才其の当を得たるものなり
・表紙の製版位にやつてもらいたし
・目も目の玉何も薄くボーツト出来ませんか 斯(こ)うはつきりしては凄くも何ともなし
・此処の薄鼠も斯(こ)う際立てはいけぬ かなりこれも極薄鼠のなき為なり

 この後も「この線が濃すぎる!」「ここももっと薄く!」……と、まだまだ続くわけですが、要するに7色刷のはずが無断で6色にされてしまったことが原因であるようです。
 「極薄鼠色がなくては、この絵の世界観は表現できないっ。折角コワく描いたのに!」と怒り心頭。この色校を手にした印刷所のみなさまは、さぞ震え上がったことでしょう。
 印刷美術の世界に生きる英朋の、絵師としての自負とこだわりが十二分に伝わる一枚です。是非その目でご鑑賞ください。
学芸員 

幽霊・妖怪画大全集(@大阪歴史博物館)

H25.05.13
  絵本化鳥 
 学芸員です。
 5月11日(土)に大阪・九条駅近くのカフェ・ハメッシュで行われたアニメーションで見る「絵本 化鳥」展。真っ白の漆喰壁が素敵な小さなカフェは定員20名を上回る数のお客様で一杯に。老若男女問わず、関西を中心に活躍する気鋭のアーティストさんやその活動を支える方々が集まり、あらたなご縁を結ぶことができました。今後の発展が楽しみですね。
 18日(土)には中川さん、泉屋さん、書家の上田さん(題字)のトークイベントが開催されます。椅子席はすでに満席で、立ち見のみの受付となりますが、ご関心のある方は是非足をお運びください。
 さて、カフェでのイベントの前にちょっと気になっていた大阪歴史博物館で開催中の特別展「幽霊・妖怪画大全集」 に行ってまいりました!福岡市博物館所蔵の幽霊・妖怪画160点が展示されている、一大おばけ絵展覧会です。広大な会場は初めから最後まで長蛇の列! 一度は本で見たことのあるそのテの作品が一堂に会し、壮観!のひと言。規模は全然違いますが、鏡花や英朋が関わった画博堂の妖怪画(おばけえ)展覧会も、こんな雰囲気だったのかなぁ? そして例の“事件”がそこで……と、気持ちは大正3年7月某日にタイムスリップです。
 ホールにはこんな楽しげ?な記念撮影スポットも。結構怖い絵もありましたが、小さなお子さんも楽しそうに観覧されていたので、ご家族連れにもおすすめ♪の展覧会です。おばけ絵はもちろんですが、展示のツボは何といっても工夫を凝らしたおもしろキャプション。色々な意味で勉強になった展覧会でした。
 当館で展示中の英朋の幽霊画については、現在、特別講座を準備中。こちらは正真正銘、身の毛もよだつお話となりそうです。どうぞ、お楽しみにぃ~~。
学芸員 

アニメーションで見る「絵本 化鳥」展(in大阪)続々報!

H25.05.10
  絵本化鳥 
 学芸員です。
 好調なスタートを切った大阪のアニメーションで見る「絵本 化鳥」展。大阪・九条駅近くのカフェ・ハメッシュでの展示風景は中川学さんのブログでご覧いただけます。会場には文字通り中川さんお手製の『絵本 化鳥』絵はがきも! 展示は14:00から23:00までご覧いただけますので、お仕事帰りにぜひお立ち寄りください。当館とはまた違った味わいで絵本の世界に触れることができますよ。
絵本化鳥  5月11日(土)にはアニメーションを制作した青木さんと中川さん(&鬼監督?)のトークと山口智さんの『絵本 化鳥』のテーマ曲のライブが、18日(土)には中川さん、泉屋さん、書家の上田さん(題字)のトークイベントが開催されます。ただし、どちらも椅子席はすでに満席、今後は立ち見のみの受付となるようです。
 作品との出会いの“場”は重要なもの。さまざまに変化し続ける「化鳥」の、そして『絵本 化鳥』の魅力が、ひとりでも多くの方々に伝わることを祈っています。
 まずは明日11日大阪で。
学芸員 

アニメーションで見る「絵本 化鳥」展(in大阪)続報!

H25.05.08
 学芸員です。
 金沢は今日も好天! 記念館近くの彦三緑地では「龍潭譚」さながらにつつじが満開を迎えています。
 さて、昨日からオープンした大阪のアニメーションで見る「絵本 化鳥」展『絵本 化鳥』関西チームの奮闘により、大阪・九条駅近くのカフェ・ハメッシュが見事に『絵本 化鳥』の世界に! その様子を伝える中川学さんのブログをみているだけで、もうどきどきしてきます。
 まるでカフェそのものが物語の世界と化しているようで、大阪行きを待ち遠しく思いながらブログを眺めていると……ん? 見たことのない絵はがきが。

絵本化鳥 これは、ひょっとして、中川さん直筆の『絵本 化鳥』絵はがき?!
 あわてて中川さんに電話すると、「いや~、アートディレクター(注:泉屋さん)にいわれて、がんばって作りました~。」とのこと。これは素敵です。
 会期中のみ取り扱う絵はがきだそうで、数量限定。『絵本 化鳥』は墨絵の世界でも十分魅力的なようです。
 つつじで思い出しましたが、「龍潭譚」をきっかけに始まった不思議な縁(えにし)。中川さんの『絵本 化鳥』墨絵バージョンの素晴らしさに息をのんでいるうちに、次なる新たな展開を思いついてしまいました。
 でも、まずは大阪。次は東京。そして……と、稀代の“鏡花絵師”との出会いに、夢はふくらむばかりです。
学芸員 

アニメーションで見る「絵本 化鳥」展(in大阪)本日開幕です!

H25.05.07
 学芸員です。
 後半は金沢でも好天に恵まれたゴールデンウィーク。みなさま、有意義に過ごすことはできましたか?
 今年は浅野川界隈の風情を楽しみながら散策される方も多く、記念館も例年以上にたくさんの来館者がありました。信念の挿絵画家・鰭崎英朋の魅力により多くの人に触れていただくことができ、うれしく思います。
 さて、連休明けのこの日、大阪某所では『絵本 化鳥』関西チームが午後から開場予定のアニメーションで見る「絵本 化鳥」展の準備に大わらわ。ただいま鋭意搬入&設営作業中です!

絵本化鳥 ←“鳥屋”に変身中のカフェ・ハメッシュ。[14:00-23:00/日曜休]




 店内には噂の“鳥籠”も! こんな素敵な空間に迷い込んだら、すっかり廉クンになりきって、「はねのはえたうつくしいねえさんはいないの?」と思わず近くのお客さんに聞いてしまいそうですね。(笑)



 開催期間は5/7(火)から18(土)まで。期間中は青木香さん制作の『絵本 化鳥』アニメーションが上映されており、ハメッシュさんご自慢のフードやドリンク(美味です!)をいただきながら、ゆったりと絵本の世界を堪能することができます。版元の国書刊行会特製の絵はがき付きの絵本も販売。週末(5/11&5/18)にはトークイベントやライブも♪ 5/11のトーク&ライブには学芸員も友情出演し、絵本制作の裏側(の裏側?)もたっぷりお話しする予定です。特に、アニメーションのテーマ曲を山口智さんのライブで拝聴するのはこちらも初めて。文学館内で鑑賞するのとは異なる雰囲気で絵本の世界にトリップできそうで、とても楽しみにしています。
 まだ内緒?ですが、数か月後には東京都内でも形を変えて出現予定の『絵本 化鳥』わーるど。まずは、中川&泉屋の名コンビを生んだ関西からのスタートです。たくさんのご来場をお待ちしています!
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿25~

H25.05.07

花ボランティアグループ「白」さんの作品です。
いつもありがとうございます。

【花材】H25.5.2(木)~
・ギンバ(枝)
・ハラン(葉)
・スターチス
・ちどり草(ピンク)



 この枝(ギンバ)生きているみたい…今にも動きだしそうです(^^;
 そして、優しいピンクがかわいいちどり草。花言葉は「私の心を読んで下さい、信頼、軽快」。

 私の心…
 はじめての月末締めにゴールデンウィーク。
 どうなることやらと思いましたが、毎日が楽しく!?忙しく!?過ぎ、あっと言う間でした。
 たくさんの方にお越しいただいてとてもうれしく思います。
 前回お伝えした両館(当館と湯涌夢二館)のスタンプを集めると素敵なプレゼントをお渡しする企画もまだまだ継続中です!

 来週は母の日、お母様はもちろん、ご家族やお友達とお誘い合わせの上ご来館お待ちしております^^

スタッフK 

MROラジオ「鏡花の時間」/5月は「身延の鶯」より「除虫菊」です。

H25.05.04
 学芸員です。
 ラ・フォル・ジュルネ金沢も本日が最終日。記念館周辺はというと鏡花ともゆかりの深い町の氏神・久保市乙剣宮の春祭り。氏子の家々が注連(しめ)で繋がれる、この界隈ならではの風俗に触れられることもあってか、朝からたくさんの人がそぞろ歩きを楽しんでいらっしゃるようです。
 さて、4月から担当しておりますMROラジオ「鏡花の時間」。4月の「山海評判記」を終えまして、5月からは「身延の鶯」より作中作の「除虫菊」をお届けします。
 「除虫菊」はある作家(鏡花がモデル)が参加した、何とも不可解な怪談会の様子が写された作品です。発表は大正11年ですが、素材となっている怪談会は大正3年7月に鏡花も参加して実際に開催されたもので、この時の体験が多分に反映されていると指摘されています。

おばけずき  大正3年7月といえば、とある“事件”が発生したことでも知られている東京・京橋の美術商・画博堂で妖怪画展覧会と怪談会が開催されたのとほぼ同じ頃。当館で展示中の英朋の幽霊画も制作時期は同年7月。……何やら“因縁”めいたものを感じる、ということで選んだ作品です。
 ちなみにこの画博堂の展覧会については、自ら「妖怪画展覧会告条」を記すなどして鏡花も深く関与しており、もちろんそこで開催された怪談会にも参加しています。
 作品とその背景については、『絵本 化鳥』のイラストレーター・中川学さんが装画を手掛けている『おばけずき―鏡花怪異小品集』を参照。絵本の監修者でもある東雅夫さんの編集。絵本と同時進行で作られた本でもあります。

 そうそう。前記の“事件”と“因縁”については、現在、特別講座を開催すべく準備中。詳細が決まり次第お知らせいたします。ちょっと怖い?かもしれませんが、どうぞお楽しみに。
学芸員 

museum+51%キャンペーン

H25.04.29
 学芸員です。
 ゴールデンウィーク真っ只中の本日、ラ・フォル・ジュルネ金沢が開催中ということもあり、より芸術の街と化している金沢。 しかも、金沢グリーンウォークの参加者の方は市の文化施設に無料でご入館いただけるとあって、 記念館でも朝から200名を超えるお客様に英朋作品をご堪能いただきました。参加者以外の方も、本日は祝日のため65歳以上の方は無料でご入館いただけます。お散歩がてら、是非お立ち寄りください。

museum+51% さて、左の画像。金沢市ではただいま2015年の北陸新幹線(仮称)開業に向けて“ミュージアムプラス51%”キャンペーンを実施中。新幹線開通により石川県への観光客が51%増加するという試算のもと、 文化施設もより多くの方に自館の魅力を発信していきましょうという、意識向上の取組です。写真のリストバンドと缶バッチはそのキャンペーングッズ。デザインは……なんと! 毎度おなじみ『絵本 化鳥』のブックデザイナー・泉屋宏樹さんです。素敵ですよね♪
  新幹線開業を前に関東方面のお客様へのPRはモチロンですが、関西チームとのご縁も大切に京都・大阪のお客様にも鏡花の魅力を知っていただきたいと思います。
  まずは大阪のアニメーションで見る「絵本 化鳥」展。たくさんのご来場をお待ちしております!
学芸員 

おしらせ色々♪

H25.04.28
 学芸員です。
 ようやくお天気も安定したせいか、週末からたくさんの方々にご来館いただいています! うれしいかぎりです♪
続風流線芙蓉  特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」の連携館である金沢湯涌夢二館とのスタンプラリー企画の方は、プレゼントにご用意した図録の方は終了してしまいましたが、先着1000名さままでのポストカードセット(左の画像参照)はまだまだ継続中ですので、 ぜひご参加ください! 湯涌はこれから新緑の美しい時期。当館が位置する浅野川界隈でひがし茶屋街や主計町の歴史ある雰囲気を堪能したのち、湯涌温泉で身も心も癒される……そんなゴールデンウィークの過ごし方も、きっと素敵ですよ♪
 さて、英朋展。6月1日(土)には今回たいへんおせわになっている弥生美術館の松本品子学芸員をお迎えし、「挿絵画家英朋」と題してご講演&ギャラリートークを開催する予定なのですが、6月1日といえば……そう、金沢市最大の祭典・金沢百万石まつりのメインイベント・百万石行列の日なのです! 東京からお越しいただく松本さんにも、より金沢を満喫していただけると喜んだのもつかの間、よく見ると……なんと!ご講演と時間がかぶってしまいました。これは聴講希望のお客様にもたいへん不親切っ……ということで、当館でのご講演&ギャラリートークは当初の予定から時間を変更して、6月1日(土)10:30‐12:00の予定で開催させていただきます!
 受講の申し込み受け付けは5/21(火)から。詳しくはイベントページをご覧ください。
 松本さんは今回の展覧会の関連書籍としてミュージアムショップでも販売中の『妖艶粋美―甦る天才絵師・鰭崎英朋の世界』の編者で、英朋の伝記もご執筆されている、英朋研究の第一人者でもあります。貴重な機会ですので、たくさんのお申し込みをお待ちしています!
 英朋展では、“おばけずき”の鏡花&英朋にちなんで展示中の幽霊画にちなんだ特別イベントも計画中。こちらは詳細が決まり次第、お知らせいたします。お楽しみに♪
学芸員 

大阪で『絵本 化鳥』イベントが開催されます!

H25.04.25
 学芸員です。
 久々に再開した「シリーズ~今週のお花」。新人スタッフKさんが担当します。よろしくお願いいたします。
 さて、学芸員からのお知らせはというと……おまたせしました♪『絵本 化鳥』イベントのご案内です!

      アニメーションで見る「絵本 化鳥」展←詳細はコチラ

絵本化鳥 毎度おなじみ泉屋宏樹さんから素敵なDMも届きました!
 イラストを描いた中川学さんによれば、大阪・九条駅最寄りのカフェが、廉くんが“羽のはえたうつくしいねえさん”をさがしに行った“鳥屋”に変身するとのこと。…鳥屋? さっそく泉屋さんに電話すると「今日、鳥籠が届いたんです~。」と例の関西弁でひと言。鳥籠???……なんだかこちらが英朋展に追われているうちに、関西チームはずいぶん楽しいことになっているようです。
 開催期間は連休明けの5/7(火)から18日(土)まで。期間中は青木香さん制作の『絵本 化鳥』アニメーションが上映されるほか、週末(5/11&5/18)にはトークイベントやライブも♪ 5/11のイベントには不肖・学芸員も出演いたします。
 原画展いけなかった! アニメーションも見たかったのにー…という方、アニメのテーマ曲を作曲した山口智さんのライブもあって、さらにグレードアップしてます。……お得です。(笑)
 会場では絵本も販売。版元の国書刊行会特製の絵はがきもついてます!(文責・礒崎純一国書刊行会編集長)
 久々に結集するチーム化鳥。鏡花絵本の新たな展開のはじまりを、ぜひその目でご覧ください!
学芸員 

シリーズ~今週のお花✿24~

H25.04.25
 はじめまして。スタッフKです。
 今回から「シリーズ~今週のお花」を担当します。よろしくお願いいたします。
 新年度に入ってはじめてのお花紹介です。
 さっそく… ご覧ください!生花ボランティア「グループ白」さんの作品です。
 (ご紹介が遅くなり、お花が開いてしまいました。申し訳ありません。)

花 【花材】H25.4.20(土)~

 ・夏ハゼ(ツツジ科)…緑色の葉のついた枝
 ・シャクヤク(ボタン科)…濃いピンク色の花
 ・アルストロメリア(ユリズイセン科)…白い色の花



 この見事なシャクヤク(ピンク色)を。 なんと鮮やかな色なのでしょう、アルストロメリア(白色)との紅白でまた華やかです。 新しくはじまりました特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」(泉鏡花記念館・金沢湯涌夢二館連携事業)の幕開けにふさわしいお花ですね^^ 「グループ白」さん、いつも素敵なお花をありがとうございます。
 さて、特別展において両館のスタンプを集めていただきますと先着で記念品をお渡しする企画もやっておりますので、ぜひご来館お待ちしております!  
 ※記念品のうち、図録は本日終了しました。特製ポストカードはまだまだ継続中です!
スタッフK 

夢二と英朋

H25.04.23
 学芸員です。
 怒涛の展示替えを経て特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」を開幕し、やっと手に入れた2連休。その休みを利用して共同開催館である金沢湯涌夢二館に行ってきました!
 当館最寄の停留所である橋場町(金城楼前)から湯涌温泉行きバスに乗ること30分、車窓から見える緑に癒されながら、のんびりプチ旅行気分に浸っているうちに目的の湯涌温泉街に到着です。
 湯涌温泉は現在、アニメ「花咲くいろは」の舞台として大人気!年間通して週末には多くの「いろは」ファンが聖地探訪に訪れています。この日も20名ほどのファンの方々に遭遇。みなさん、とても楽しそうです。
 竹久夢二 さて、今回の英朋展。当館では「鏡花と英朋」という、鏡花好きの方にとっては直球ど真ん中のテーマで展示を行っていますが、夢二館の方では「夢二と英朋」という、いまだかつてない変化球でこの特別展に臨んでいます。ほぼ同時代を生きながら、その生い立ちも人生も作風も全く異なる夢二と英朋。しかし、夢二館の学芸員さんの類まれなるアイディアで、とても興味深い展示内容になっています。
 たとえば、英朋展チラシの裏面に掲載した、屏風を前に読書する2つの作品。女性のポーズもほぼ同じでありながら、その世界観は全く異なるものになっています。さらに面白いのは左の絵。白波立つ水面に描かれた二人の男女の姿……あれ?一見全然違うけど、この取り合わせはどこかで見たような。そう、本展のメインビジュアルに使用している英朋の『続風流線』。描かれたものの組み合わせはほぼ同じなのに、とことんリアリティーを追及する英朋とわが道をゆく夢二でこんなにも作品世界が異なってくるのですね。
 夢二館ではほかにも両者の美人画や人生双六を並べて展示。同じようなテーマでも、人間性や画家としての方向性の違いで、こんなにも作品世界が異なってくるものか……と、見た目はのんびりさんですが実は鋭い観察眼を持つ夢二館学芸員の面目躍如な展示に脱帽!なひとときでありました。
 もちろん、きちんと両館に入館して自ら企画したスタンプラリーにも参加。 無事、図録とポストカードセットをゲットしてきました。(笑)
 もう5月も近いというのに、肌寒い日々が続く今日この頃。ゴールデンウィーク中にも冷え込む日があるとか。ぜひ湯涌の湯であたたまることもコースに入れて、ちょっと知的なスタンプラリーを楽しんでみてください♪ 
学芸員 

英朋展開幕です!

H25.04.20
 学芸員です。
 本日から開幕の特別展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」。今回は以前からお知らせしているように、金沢湯涌夢二館との共同開催展です。
 いうまでもなく“文学館”である当館ですが、〈鏡花本〉をメインの収蔵品の一つとする関係から、今回お世話になっている弥生美術館、鎌倉市の鏑木清方記念美術館、そして雪岱作品を多く収蔵する埼玉県立近代美術館とも交流が深く、印刷美術を扱うという点では弥生美術館さんに近い性格を持っています。今回コラボを組んだ金沢湯涌夢二館もやはり竹久夢二作品という印刷美術を扱う美術館。じゃあ、一緒にやりましょうか?……という、学芸員同士の話し合いから発展したのが、この特別展です。当館では鏡花とゆかりの深い英朋作品を、そして夢二館では美人画という観点から英朋と夢二を比較するという、これまでにないたいへんユニークな展示が行われています。
鰭崎英朋 当館が位置する浅野川(東山)界隈と夢二館がある湯涌温泉は、一見遠いようですが、実は湯涌温泉行きの路線バスで回ることができ、意外と便利なのです。そこで、せっかくの連携展、少しでも多くの方たちに両館を回っていただき、英朋の魅力に触れてもらうため、スタンプラリーを企画しました!英朋展チラシ裏面にあるスタンプ欄に両館の入館印を集めると、先着50名様に鏡花館or夢二館の図録をプレゼント、さらに先着1000名様に非売品のオリジナルポストカード(2枚セット)をプレゼントしています!(画像参照)
 そうはいっても、どうまわっていいかわからないなぁ……という方への耳寄り情報。(笑) 県外の方むけのモデルコースとしては「金沢駅→ひがし茶屋街→泉鏡花記念館→橋場町バス停から湯涌温泉へ→金沢湯涌夢二館→湯涌温泉で一泊♪」がおすすめです。
 では翌日?という方には、来た道を戻って「湯涌温泉→兼六園下で下車、兼六園散策→徒歩で21世紀美術館などの広阪界隈の文化施設を観覧→香林坊から武蔵が辻にバスで移動→近江町市場でお買いもの→金沢駅でゴール!」などがよいですね!名づけて「金沢まるまる満喫コース(案)」。……いかがでしょう?(笑)
 ゴールデンウィークの有意義な過ごし方の一つとして、ぜひご検討ください♪
学芸員 

『絵本 化鳥』のページをupしました♪…さらにっ!

H25.04.16
 学芸員です。
絵本化鳥 昨日から展示替え作業が始まり、『絵本 化鳥』ジオラマもまるでパズルのように見事に解体されました。パーツの一つ一つが本当に美しいです。職人さんたちの心意気ですね!次はどこでみなさまとお会いできるのでしょうか?楽しみです♪
 さて、展示替え中はブログもお休み!と宣言したにもかかわらず、急きょ更新のその理由は?というと……。

 お待たせしました!『絵本 化鳥』ページをオープンしました!

  Topですでにお気づきの方も多いはず。あれあれ?見たことのないお部屋が一つ、増えている…。そう、そこが入り口です!デザインは『絵本 化鳥』アニメーションを制作した青木香さん。青木さんらしく、とってもかわいらしい、そして雰囲気あるページに仕上がりました。
  生まれたてでまだまだシンプルな内容ではありますが、『絵本 化鳥』情報を随時更新しつつ、皆様に愛されるページに、そして絵本に育てていきたいと思います。
 幸先の良いことに、本日付の「読売新聞」でも絵本の増刷について大きく取り上げていただきました!感謝です♪
 さらに、もう一つお知らせが。本日から当館HPがスマートフォン対応になりました!記念館の情報を、外出先からも気軽にチェックしていただけます。PCサイトの方も、ウインドウを細長くするとスマホ画面が体験できますよ♪
 新企画展「鰭崎英朋―刹那の美を描く」展の開幕は4月20日(土)から。当館と、そして共同開催館の金沢湯涌夢二館の2館を観覧してスタンプを集めると、素敵なプレゼントがもらえます!詳しくは英朋展チラシをご覧ください。
学芸員 

「山海評判記」展は今週末まで!…そして。

H25.04.12
 学芸員です。
 "春の嵐"の後は、文字通りの"花冷え"の日々。  時折あられ(!)混じるお天気の中、不思議なくらいたくさんの方々にご来館いただいています。 ご好評いただいている企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』」、そしてジオラマやアニメーションなど一部展示を継続していた「絵本『化鳥』原画展」も 今週14日(日)まで。 大人気の『絵本 化鳥』ジオラマも、名残惜しくはありますが同日までの設置(その後の展開については、いずれまた。)となりますので、是非この週末も足をお運びください。

続風流線 4月15日(月)から19日(金)までは、展示替えのため休館となります。 そして、その後は……特別展「鰭崎英朋-刹那の美を描く」を開催します!
 東京・弥生美術館の全面協力を得、金沢湯涌夢二館との共同開催で開かれるこの展覧会。 おそらく、西日本側では初となる大英朋展です。 鰭崎英朋といえば、泉鏡花『続風流線』の口絵。 数ある英朋の画業の中でも、今なお代表作と目されているこの口絵を、今回の展覧会でもモチロン、チラシ等のメインビジュアルとして使わせていただいています。 鏡花・夢二の両館をご観覧いただいた方には、素敵なプレゼントもご用意しておりますよ。 ただし、プレゼント獲得にはこのチラシが必須。 詳細についてはチラシ裏面をご覧くださいね。

 展示替え作業に没頭するため、記念館ブログもしばしお休みをいただきます。 みなさま、よい週末を! 
学芸員 

弥生美術館にいってきました!

H25.04.09
 学芸員です。
 "春の嵐"と表現するにはあまりに強烈だったこの数日。
 そんななか、次回展覧会の準備のため、東京・弥生美術館にいってきました!
 平成25年度最初の展覧会は、金沢湯涌夢二館との共同開催による特別展「鰭崎英朋-刹那の美を描く」。弥生美術館さんの全面協力を受けての 西日本側初の大規模英朋展です。 爆弾低気圧をくぐり抜け(?)這うようにしてたどり着いた弥生美術館。 前日までの嵐が嘘のように晴れ渡った穏やかな天候の中、担当学芸員の松本品子さんがいつもどおりの明るい笑顔で迎えてくれました。
  4月20日(土)からの展覧会に向けて、"刹那の美"というにふさわしい、匂い立つような美人画や躍動感あふれる挿絵の数々を点検させていただき、すっかり英朋ワールドに浸っていたその時。
 あ。当館からお嫁に行った「高野聖」タペストリーが!

橘小夢 そう。弥生美術館では現在、「『魔性の女』挿絵(イラストレーション)展-大正~昭和初期の文学に登場した妖艶な悪女たち-」と題して、 橘小夢や小村雪岱らの挿絵原画などを展示中。そこで、昨年11月に開催された金沢泉鏡花フェスティバルの「大人鏡花記念館」で展示した橘小夢の版画「高野聖」を原版とする 当館制作のタペストリーを、展示物の一つとしてご提供させていただいたのです。 まるで、最初からレトロな雰囲気のただよう弥生美術館さんの装飾の一部であったかのように、すっかりなじんでしまっています。(笑)



 弥生美術館さんでの上記展覧会は6月30日(日)まで。 特に幻の挿絵画家ともいわれる小夢作品は必見! 発表まもなく発禁処分を受けた「水魔」も展示されています。 この機会にぜひ足をお運びください♪
学芸員 

MROラジオ「鏡花の時間」を担当します!

H25.04.06
学芸員です。
今日の金沢はあいにくの曇り空。
浅野川折角の桜もこの週明けにかけての爆弾低気圧のため、ところによっては本日で見納めとなるかもしれません。

さて、4月1日から新館長に秋山稔氏(泉鏡花研究者/金沢学院大学長)を迎え、新たなスタートを切った記念館。
実は、秋山館長が3月まで担当していたMROラジオ「鏡花の時間」を4月から引き継ぐこととなりました!

アナウンサーさんたちの朗読をメインに月替わりで鏡花作品をご紹介、その解説を担当します。
放送日時は毎週日曜日のam9:00-9:15、交代後の第1回は明日4月7日(日)から、
選んだ作品はなんと!「山海評判記」です。(笑)
自分でもちょっと無謀かなぁ……とは思いましたが、そこは『絵本 化鳥』の編集作業で磨いた腕?で何とかクリア。
冬に予定している「雪岱挿絵で読む『山海評判記』~特別編」(仮称)に備え、今回は前半部分を超ダイジェスト版でお送りしています。
最初なので、さすがにやや緊張気味。みなさま、よろしければあたたかいキモチでご試聴ください。
学芸員 

『絵本 化鳥』第2刷が入荷しました!

H25.04.05
学芸員です。
金沢は例年より早いお花見のピークを迎え、春爛漫♪
しかし、桜の花と同じくらいうれしい、当館の"春の使者"は何といってもコレ!
そう! 『絵本 化鳥』の第2刷が到着したのですっ。

絵本化鳥 昨年11月4日の初版発行から5ヶ月。
奥付には"二〇一三年四月四日 初版第二刷発行"の文字。
「ほらっ、ちょうど5ヶ月で重版できたよんっ。
がんばったよね~♪(い)」
…といわんばかりの国書刊行会の礒崎さんの声が聞こえてきそうです。(笑)
本日はとりいそぎ10冊ほど。もちろん、ぞくぞく入荷予定です。

原作「化鳥」の舞台である浅野川の桜も満開! 是非、『絵本 化鳥』を片手にお出かけして、橋を見ながら"おもしろいな、おもしろいな、……"と口ずさんでみてください。 いつもとは違う風景が見えてくるかもしれません。
学芸員 

『絵本 化鳥』サイト、鋭意制作中です!

H25.03.31
学芸員です。
平成24年度も本日かぎり。 おや? そういえば、『絵本 化鳥』サイトは3月中にupの予定だったのでは……とのお声が聞こえてきそうですが、 すみません、ただいま鋭意制作中です。

絵本化鳥←途中ですが、チラッとだけ。

シンプルな構成のサイトですが、『絵本 化鳥』のご紹介のほか、メディア掲載や関連イベントなどなど、最新情報を随時お届けしていく予定です。 デザインはアニメーション制作もお願いした青木香さん。青木さんらしいしっとりした、それでいて可愛らしいページに仕上がりそうですよ。 4月上旬には公開予定ですので、みなさま、もう少々お待ちください。
絵本といえば、当館ミュージアムショップは増刷分の入荷待ちですが、Amazonの方では少々在庫を確保できているようです。 お急ぎの方はチェックしてみてくださいね!
さて、実は長年にわたりブログを始め、当館HPを運営してくれていたスタッフTさんが本日でご卒業です。Tさん、ひと言お願いします!

「こんにちは!スタッフTです。(笑) ホームページリニューアルに携わり、ブログも書く機会を頂き、とても楽しかったです!読んでくださった皆様、ありがとうございました。 今後とも記念館HPをよろしくお願いいたします♪私もチェックします!!」

というわけで、ちょっぴり切ないこの季節ですが、さらなる展開に向けて気持ちも新たに奮闘中の記念館&『絵本 化鳥』です。
学芸員 

鏡花ゆかりの宿・新井旅館に行ってきました!

H25.03.29
学芸員です。
何かとあわただしい年度末。
加えて次年度企画展の準備に追われる中、所属研究会の研修旅行で伊豆・修善寺温泉の名宿・新井旅館に行ってきました!

新井旅館 明治5年開業の新井旅館は安田靫彦、横山大観、尾崎紅葉、正岡子規、芥川龍之介、岡本綺堂など、多くの画人・文人たちに 親しまれた宿として知られています。 鏡花の滞在が確認できるのは大正期以降。特に大正14年4月にすず夫人と訪れた際には芥川龍之介が逗留中であり、 かねてから交流があった龍之介から菓子を届けられたり、仕事ばかりしている龍之介をすず夫人がたしなめたりという、 ほほえましい逸話も伝えられています。

宿の主人たちと梅林でワラビ採りを楽しむ写真も残っている鏡花ですが、鏡花は修善寺の梅林の梅がお気に入りで、 毎年新井に頼んで梅を取り寄せ、すず夫人が丹精した梅干しを賞味していたようです。
宿には鏡花が小説「斧琴菊」(よきこときく)にも登場させた"桐の三"のお部屋(作中では"霧の三")も健在、 その他にも鏡花作品を思わせる様々な気配に満ちたお宿です。
建物のほとんどが国の登録文化財に指定されている新井旅館。作品を片手に館内の散策をするのも素敵ですよ。 新生活が落ち着いた頃に、一度訪れてみてはいかがでしょうか。
学芸員 

ビブリオバトルでもがんばってます♪

H25.03.20
 学芸員です。
 入館者25万人達成から一夜。  本日は祝日ということもあって、朝からたくさんの方たちにご来館いただいています。
  さて、そんななか、4月初めの重版を首をなが~くして待っている『絵本 化鳥』。  実は今、本好きの間で話題のビブリオバトルでも密かにがんばっているのです!

「ビブリオバトル公式ウェブサイト」
http://www.bibliobattle.jp/

 ビブリオバトルとは。
    1.発表参加者が読んで面白いと思った本を持って集まり、
    2.順番に一人5分間で本を紹介した後、
    3.参加者全員でその発表に関するディスカッションを2~3分行い、
    4.最後に「どの本が一番読みたくなったか?」を投票し、『チャンプ本』を決定!

ビブリオバトル……という“知的書評合戦”のこと。 2月15日に行われたビブリオバトルin紀伊國屋【新宿南店】では、『絵本 化鳥』をきっかけに 鏡花の世界にハマってしまった!という稲川綾乃さんのご紹介で、栄えあるチャンプ本に輝きました! その後、紀伊國屋・新宿南店さんでは、『絵本 化鳥』を話題の本として平積みで置いて下さったようです。 絵本がこんなに早く重版されることになったのも、こうした愛読者のみなさんのおかげですね。
  そんな『絵本 化鳥』の継続展示(原画など一部/ジオラマ&アニメーション)も4月14日まで。 あと1ヶ月を切ってしましました。 ほどなく大阪や都内でもイベント等の予定がありますが、それまでちょっとだけひと休み。 巨大ジオラマをひと目みたい!という方は、お早めにご来館下さい。
学芸員 

入館者が25万人を突破しました!

H25.03.19
 学芸員です。
 予想以上の早さの『絵本 化鳥』重版に沸く記念館。本日、もう一つ、嬉しい出来事がありました。
 開館以来の入館者が25万人を突破しました!
  25万人目のお客さまは愛知県在住の女性の方。 春先のぐずついたお天気の中、ちょっと日が差しはじめたお昼ごろに当館に足を運んでいただきました! 記念品は、鏡花の父方の親戚にあたる針商・目細八郎兵衛商店で近年大注目の加賀毛針アクセサリーと、 中川学さんの直筆イラスト&サイン入りの『絵本 化鳥』、そして当館の図録やオリジナル文庫、絵はがきなどなど。 特にシェルの土台にわらび?をイメージした細工を施し、中央に毛針をあしらった、春らしい新作のペンダントがぴったりのとても素敵な方でした。 Oさん、おめでとうございました!
  今年は鏡花生誕140年のメモリアル・イヤー。 度重なる明るいニュースに力を得て、新年度への気持ちを新たにした記念館一同です。

北陸中日新聞
http://www.chunichi.co.jp/article/ishikawa/20130320/CK2013032002000054.html
学芸員 

文学講座「『山海評判記』と鏡花・能登の旅」報告 その他

H25.03.16
 学芸員です。
 早春の穏やかなお天気の中、同志社大学教授・田中励儀先生の講座に多数ご参加いただき、ありがとうございました!
  山海評判記文学講座 昭和4年7月からの新聞連載開始を前に、同年5月、妻すずと金沢市在住の又いとこ・目細てるとともに和倉を訪れた鏡花。 作品には当時、鏡花が宿泊した旅館・和歌崎館をモデルとする湯宿も登場し、雪岱さんの挿絵にも和歌崎館そっくりな 旅館の姿が描かれています。
 ……あれ?雪岱さんも一緒に和倉へいってスケッチしたの?と、企画展パネルを見て疑問に思われた方も多いはず。 その辺りの作品の成立背景を、まるで図録のように詳細で、しかも美しい資料を手作りして、やさしくお話しして下さいました。
 前回と同じく、早々に定員に達したため、キャンセル待ちもお断りしなければならない状況で、ご参加いただけなかった方には たいへん申し訳ありませんでしたが、これも「山海評判記」へのご関心の高さの表れと考え、冬に予定している超マニア編の際には さらに講座等も充実させたいと考えています。
 さて、『絵本 化鳥』ですが、とうとう本日、記念館でも完売いたしました!応援して下さったみなさま、ありがとうございました。  重版は4月初めの予定。しばらく品切れが続き、ご迷惑をお掛けしますが、購入希望の方はお近くの書店でご注文・ご予約ください。 国書刊行会さんの代金引き換え便(送料無料!)でもご購入いただけますよ。
 新年度からは県外でのイベントも予定されている『絵本 化鳥』。こちらは詳細が決まり次第、お知らせいたします。
学芸員 

『絵本 化鳥』の重版が決まりました!

H25.03.14
 学芸員です。
 本日はホワイトデー。 実は、当館も国書刊行会さんからホワイトデーのプレゼントをいただいております。 それは……『絵本 化鳥』の重版が決まったのです!

絵本化鳥昨年11月4日(鏡花の誕生日)の発行から4ヶ月、たくさんの方々にご愛読いただき、特に3月に入ってからは品薄状態が続いていた絵本。 とうとう国書さんにも在庫がなくなったとのことで、絵本としてはびっくりするような冊数の重版に踏み切って下さいました!担当の礒崎純一編集長をはじめ、みなさまに感謝です。
 今後も、金沢市内をはじめ、大阪、そして東京でも関連イベントが予定されている『絵本 化鳥』。 鏡花をこよなく愛するメンバーで作り上げた本ですので、少しでも多くの方に読んでいただけるとうれしいです。
 ただし、重版されるのは4月に入ってからとのこと。 その間、しばらく品切れが続くかもしれません。 当館の在庫も残り数冊。 初版で入手したい方はお早めに。
学芸員 

青山前館長からの贈り物

H25.03.07
おしらさま 学芸員です。
 啓蟄を過ぎた金沢は、すっかり春。 当館の青山克彌前館長が急逝して、はや半年が経ちました。 先日からお知らせしている、オシラサマを“遊ばせる”(=お世話する)イタコさんの貴重なお写真。 約45年前に撮影されたこの写真は、実は若かりし頃の青山館長のアルバムの中にあった写真なのです。 恐山に関心を持ち、数年間、毎年のように学生さんを連れて青森を訪れていたという前館長。 同行した学生さんから記念にいただいたのでしょうか、金沢からまず弘前入りして“オシラサマの寺”として知られる久渡寺[くどじ]へ、 そして恐山に至る行程がきちんと整理されていました。 当館で開催中の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』」でオシラサマを紹介していることを知った青山館長のご家族が、 参考になれば…と、大切なアルバムを貸して下さったのです。
 鏡花は「山海評判記」の中で、盟友・柳田國男をモデルとする邦村柳郷博士から教わったとして、 オシラサマについて次のように記しています。

  七重、八重、十襲[とかさね]、二十襲、その上にも、布なり絹なり包んである。
         (中略)
  男神に三つ、女神に四つ、黄金[きん]もあろうし、銀もあろうし、
  その頸[えり]の紐に鈴をつけるのが為来[しきた]りになっている。

 鈴の数は違いますが、写真は鏡花が描いたオシラサマによく似ています。
 桑の木を削って作られるというオシラサマの御神体には二つの型があり、一つは“オセンダク”と呼ばれる幾重もの布に 穴を開けて、御神体の顔を見せる“貫頭型”と、御神体そのものが見えないようにすっぽりと布を被せた“包頭型”。 これまでは御神体の様子がわかるようにと“貫頭型”のオシラサマの写真パネルを展示していたのですが、 まるで青山前館長に「こっちのオシラサマの写真も展示した方がみなさん喜ぶよ!」といわれたような気がしました。
 そんなわけで、包頭型のオシラサマの写真パネルとアルバムを9日(土)から展示します。 そして、雪岱さんが描いた、まるで“元祖オバQ”な衝撃(!)のオシラサマの挿絵パネルも。 ますます深みにはまりつつある「山海評判記」展です。
学芸員 

「山海評判記」ブーム到来の予感…?

H25.03.06
 学芸員です。
 あれよあれよという間に3月に入り、はや6日。
16日(土)開催の文学講座「『山海評判記』と鏡花・能登の旅」も、受付を開始してまもなくあっという間に定員に達しました。ありがとうございました。
 そして。待望の書籍化のうわさもチラホラ。「山海評判記」への関心の高さがうかがえますね。
 先日の山下久夫先生の講座のご報告の際にも触れた、40年以上前のオシラサマとイタコさんの写真パネルも9日(土)から記念館内で展示予定。こちらについては、またあらためてお知らせいたします。

絵本化鳥さて、『絵本 化鳥』ですが。
なんと!とうとう版元の国書刊行会さんでも品切れとなったようで、当館の在庫も残り僅少です。


絵本化鳥具体的な増刷時期については現在のところ未定ですので、ご希望の方は当館もしくは各書店の店頭でお早めにご入手下さい。
5月の関西でのイベントまでには、ふたたびみなさんのお手元に届くようになればいいなぁ…と思う、今日この頃です。
学芸員 

金沢市内で中川学さんのイラスト展が開催されます!

H25.03.03
中川学イラスト 3月17日(日)~24日(日) 金沢市内の徳法寺さんにて“中川学イラスト展”が開催されます。中川さんのイラストは勿論のこと、当館でも放映中の~化鳥アニメーション~もご覧になれます。
 期間中には『絵本 化鳥』の朗読も催されるようです!興味のある方、要チェックです!!!!
「徳法寺 春彼岸 中川学イラスト展」
期間:3月17日(日)~24日(日)
場所:徳法寺(金沢市野町2-32-4)TEL:076-241-5219
「朗読」
日時:3月20日(水・祝) 午後4時より
朗読:あざみ ゆみこ氏  泉鏡花原作 『絵本 化鳥』

 なお、明後日3月5日(火)は野々市市のコミュニティラジオにて上記イラスト展のPR及び中川さんの絵本の朗読が放送されます。こちらも合わせてお楽しみ下さい!
 FM N1 76.3MHz  13時30分~14時30分
スタッフT 

シリーズ~今週のお花✿23~

H25.03.03
花23 生花ボランティア 「グループ白」 森光和さんの作品です。
[花材] H25.03.01(金)~
 ・山茱萸さんしゅゆ(ミズキ科)…黄色の花の付いた枝
 ・オクラレルカ(アヤメ科)…真っすぐ長い葉
 ・ストック(アブラナ科)…紫色の花
  
 春風が吹き向けるような作品!風を感じさせる枝の名前は山茱萸(サンシュユ)。花は黄色ですが、秋には“グミ”の実に似た赤い実をつけるそうです。
 今日は雛まつりですね!昨年のブログにも書きましたが、金沢は4月までお雛さんを飾ります。兼六園横にある成巽閣でも4月15日(月)まで前田家伝来の雛人形や雛道具を特別展示しているようです。ぜひ立ち寄ってみて下さい!成巽閣特別展ページ
スタッフT 

『絵本 化鳥』ふたたび

H25.03.01
 学芸員です。
 とうとう平成24年度最後の月に突入。
 思えばこの一年は「化鳥」にはじまり「化鳥」に終わった一年でした…と、書きかけたところへ、中川さんからメールが。 朝日新聞(京都版?)に『絵本 化鳥』をご紹介いただいたとのお知らせです!

   鏡花の幻想世界 絵本に  http://www.asahi.com/culture/articles/OSK201302280129.html

 先日の北海道新聞にひき続き、かなり大きく、しかもカラーで掲載されています。 こうしてメディアで取り上げていただくことで、よりたくさんの方に愛読してもらえるとうれしいですね♪
  しかし、心配なのは在庫。 当館でも先日やっと20冊が入荷。Amazonでは再び品切れになっているようです。 折角なので初版で手に入れたい!でも記念館は遠い!…という方は、版元の国書刊行会さんにご注文下さい。 送料無料の代引き便で購入可能です。
 当館HP内に開設予定の『絵本 化鳥』特設ページの方も、少しずつ準備を進めています。 5月に関西で開催予定のイベントの他、今後もさまざまな展開が待っていそうな絵本です。  
学芸員 

全国文学館協議会 共同展示「文学と天災地変」

H25.02.28
 学芸員です。
 怒濤の出張月間も本日で最後。
 おそらく全国の文学館が来年度の展覧会の準備に追われる中で、この2月最後の日、ある取り組みに力を注いでいます。 明日3月1日からスタートする全国文学館協議会共同展示「文学と天災地変」です。
 東日本大震災から2年。被災地の住民の方はもちろん、われわれ全国文学館協議会の加盟館でも大きな被害を受けたところが少なくありません。 そこで協議会が中心となり、〈文学が天災地変をどう表現してきたか〉をテーマとする共同展示を加盟館中39館が一斉に開催することとなりました。
 展示規模や開催期間は各館によって異なりますが、泉鏡花記念館、徳田秋聲記念館、室生犀星記念館の金沢三文豪館では、 鏡花・秋聲・犀星のすべてが経験した大正12年9月1日発生の関東大震災をテーマとする展示を実施、 「関東大震災―その日の三文豪」と題して、9月1日、彼らがどのように未曾有の大災害に遭遇し、自身の文学に反映したかがひと目でわかるパネルを設置します。

  妻とともに自宅で被災、二昼夜を公園で野宿した鏡花。
  出産で入院中だった妻と我が子の身を案じ、奔走した犀星。
  縁者の結婚式のため帰沢していて、2週間家族と再会できなかった秋聲。

 三者三様のあり方とその後の作品への影響を通して、非常時だからこそにじみ出る三文豪の人としての、そして作家としての本質に触れ、 より理解を深めていただけたら幸いです。
「文学と天災地変」開催館一覧
※上記一覧の37館に武者小路実篤記念館・徳島県立文学書道館を加えた39館が参加しています。
学芸員 

文学講座「『山海評判記』と〈幽冥界〉」報告 その他

H25.02.23
 学芸員です。
 しんしんと雪が降り積もる中、行われた山下久夫先生の文学講座。 絵本化鳥 当日、先生はレジュメ4種+おまけ1の計5種(!)のレジュメを作成されてご来館。 資料も圧倒的ながら、巧みな話術で30名を超える聴講者を一気に〈幽冥〉の世界へ。 伝説・伝承の存在をどうとらえるか、またそれらを記録する、文学に描くことの意味など、 菅江真澄や平田篤胤、そして鏡花と親交の深かった柳田國男らを例に挙げつつ、 近代化の中の伝説・伝承という視点から「山海評判記」にアプローチすることの可能性を わかりやすく示唆して下さいました。山下先生、ありがとうございました。

 そんななか、不思議なご縁で聴講者の方から40年程前のオシラサマとお世話するイタコさんの貴重なお写真を入手! ただいま当館でパネル展示しているのは桑の木の顔が見えるオシラサマですが、ご提供いただいたのは 布を頭部からかぶせた包頭型のオシラサマで、鏡花が「山海評判記」の中に描いたものに近いタイプ。 雪岱さんもオシラサマに関してはかなり驚き!の挿絵を色々描いています。 これらは準備ができ次第、会場でパネル展示させていただきますのでお楽しみに。
 約1年後の企画展「雪岱挿絵で読む『山海評判記』~超マニア編」にむけての準備も密かに進行中。 鏡花×柳田×雪岱の世にも稀なるコラボ作品の復権に燃えている記念館&鏡花をこよなく愛する某社さんです。
学芸員 

『絵本 化鳥』をめぐるもろもろ

H25.02.20
 学芸員です。
 本日の金沢はうっすらと雪化粧。 もう少し降った方が折角いらした観光客の方は喜ぶかなぁ……と思いつつ、 来年度の展覧会準備で出張続きの身としては、このくらいで降りやんで欲しいかも……と 何ともフクザツな思いに駆られる毎日です。
  先日、大阪での『絵本 化鳥』関連の打ち合わせに地元のテレビ局の取材が入ったことに触れましたが、 放送日が決まったようなのでお知らせいたします。

   2/22(金)朝5時15分頃~ 朝日放送 おはようコールABC

 残念ながら関西限定! しかも早朝番組で該当時間は5分ほどですが、撮影スタッフが非常に熱心で、かなりこだわりの映像が見られるかも?だそうです。 関西方面のみなさま、早起きの際には是非ご覧下さい。
  『絵本 化鳥』といえば、放送日決定のお知らせが来た同日、発行元・国書刊行会の礒崎純一編集長からもメール便が。 かさこそと開けると、中からは第17回読売出版広告賞のパンフレット。 そう。国書さんの創業40年記念フェア用の配布物……というにはあまりに豪華な新書版の特製小冊子が、今回大賞を受賞したのです! けれども受賞者が発表されたのは1月下旬。そういえば年明け以降もばたばたで、まだ“おめでとう!”を言ってなかったなぁ……催促かしら?(笑)と 意外にお茶目でいたずら好きな礒崎さんを想い浮かべつつ、さらにかさこそ中身を取り出すと、2月10日付の「北海道新聞」が。
絵本化鳥  付箋を貼り付けたページを開くと、そこには本体裏表紙の画像とともに『絵本 化鳥』の紹介記事がデカデカと載っているではありませんか! 全国紙や地元紙で取り上げたことはありますが、遠くはなれた北海道でもこのように注目していただけるとは喜ばしい限りです。 いつもと同じく、メール便の中にはメモ紙一枚入っておりません。きっとお忙しい中、時間をみつけて送って下さったのでしょう。 礒崎さんも同じように嬉しく思っての“贈り物”と解釈しました。

 そんなこんなで「山海評判記」に負けず、『絵本 化鳥』もとても元気です♪ ただ、当館で確保してきた在庫も残り少なくなってまいりましたので、初版で手に入れたい!という方はお早めに。
学芸員 

鬼も笑う来年度の話

H25.02.18
 学芸員です。
 最近すっかり「山海評判記」づいているこのブログ。 現在開催中の企画展ですから当然といえば当然なのですが、実は約1年後にも切り口を変えて再度開催する予定があるのです! それには鏡花×柳田YEARというだけでなく、実はもう一つ大きな理由が。それについては……すみません。もうしばらくお待ちください。
  今回の展覧会は、いわばこの“大難物”の入門編。盟友・柳田國男との関わりをはじめ、作品を10のパートに分けて、雪岱さんの挿絵付きであらすじをわかりやすくご紹介しています。 来館者からは「山海評判記」の存在をはじめて知って「読んでみたいんだけど……。」というご相談や、あまりに“怪しげ”な挿絵に、「あの雪岱さんがこんな絵を描くのか……。」という、驚きの声も。 1年後の超マニア編(笑)に向けて、みなさんウォーミングアップにいらしてください。
絵本化鳥 話は変わりますが、2月某日、大阪市内のカフェでイラストレーター・中川学さんをはじめ、ブックデザイン担当の泉屋宏樹さん、 展覧会用の原画プリント担当の今泉浄治さん、アニメーション制作担当の青木香さん、オリジナル曲担当の山口智さんという、 『絵本 化鳥』制作メンバーと当館HP内に増設予定の特設ページの打ち合わせをしてまいりました。 鏡花原作「化鳥」の解説をはじめ、絵本制作に関わったスタッフのご紹介、『絵本 化鳥』関連イベントのご案内など、 じわりじわりとたくさんの方々に愛されはじめている絵本の情報をよりスムーズに発信する拠点となればと思います。
 まだ先の話ですが、5月には同じカフェで『絵本 化鳥』のイベントも開催されるそうです。打ち合わせには地元大阪のテレビ局の取材も入り、なかなかの注目度。 声をかけられ、記念館のPRを兼ねてちょっとだけご協力してまいりました。 絵本制作に関わったクリエーターさんたちによるトークやライブが企画されているようで、金沢でのイベントとは異なるかたちで『絵本 化鳥』の世界にアクセスできそうですよ。 こちらについては、『絵本 化鳥』ページが完成したあかつきに詳細をお知らせいたします。
  いずれも鬼も笑う来年度のお話で恐縮ですが、どうぞお楽しみに!
学芸員