3月31日


       室生犀星没後50年記念企画展
  「終の輝き〜われはうたへども〜」がはじまりました。

       

 ずばり見どころは、数々の貴重な原稿です。
 金沢初公開期間限定
 「かげろふの日記遺文」(山梨県立文学館蔵)
 展示期間3月10日(土)〜4月9日(月)

 金沢初公開
 絶筆「老いたるえびのうた」(婦人之友社蔵)

 「随筆女ひと」初めてベストセラーとなった作品
 「私の履歴書」入院先の虎の門病院で書き続けた作品
 です。 

 また、試聴コーナーは昭和36年頃、自宅で同人誌「驢馬」の人々についてのインタビューです。犀星の声、話し方、友人たちとのエピソードをお楽しみ下さい。

 犀川べりの桜も少しずつほころび始めています。記念館のお帰りはお花見などいかがですか。

 ご来館お待ちしています。
  



3月25日


      犀星忌 室生犀星没後50年記念講演
           「室生さんの家」

         歌人・國學院大學名誉教授 岡野弘彦氏

 岡野弘彦氏は折口信夫(釈迢空)に師事し、昭和22年から7年間にわたり生活をともにされています。若き日の詩との出会いや、折口信夫との思い出の中にある犀星との交流のエピソードなどを、100人あまりの聴衆者を前に語って頂きました。そのお話の中から一部を紹介します。

 初めて馬込の家を訪問したのは昭和22、3年頃のことで、朝子さんがお雛様の日のお赤飯を折口家へ届けたことが発端である。届け物の受取を禁じられていた留守役の女性はその言いつけどおりに応接。帰宅しその報告を受けた折口からお詫びに行くように指示され、馬込の室生家を訪れた。中に入るとそこは、石の配置一つ一つ、土の粒子の一つ一つ、湿り具合があり、美女が自分の肌を手入れするような奇麗な庭だった。飛び石から靴のかかとがはみ出さないようにどう足を運んだらいいか、足のすくむ思いがした。
 室生さんの女性に対する心のありようは、作品の中に様々な形で描かれている。生みの親、育ての親、自分の妻、自分の娘など女人に対する室生さんの眼差しは独特で、真似は出来ないが共感する部分はある。私の知る室生犀星は口数は少なかったが、心を許して話せる人で「心と言葉が一緒の人」だった。 雨宝院にて

 その当時を偲びながら犀星との思い出をお話しして下さいました。
 岡野先生、ありがとうございました。