犀星つうしん

2016年



12月27日
    
2016年を振り返り

 今年もいつしか年の瀬となりました。
 新幹線開業二年目ということもあって、街中の人出も昨年ほどではありませんでしたが、それでも入館者数を見ればそれなりに維持されており、記念館への関心と共に犀星の認知度が高まりつつあるのかも知れません。
 今年の企画展は、「蜜のあはれ」展、「感情」時代―僕らが一番熱かった頃、「犀星歳時記―秋冬編」の三回でしたが、いずれも充実したもので皆さんにも楽しんで頂けたのではないでしょうか。
 殊に「蜜のあはれ」展は4月から全国一斉に映画が封切られたこともあって、多くの入館者で賑わいました。映画化は不可能と言われた作品ですが、石井岳龍監督が見事にこれをやり遂げました。二階堂ふみ、大杉漣の主役も見事でしたが、田村ゆり子役の真木よう子、芥川役の高良健吾、金魚屋の永瀬正敏とすべてはまり役でした。脚本の港岳彦も中々でした。公開に先立ち、3月23日に21美で持たれた試写会とトークショウには150名の入場者があり、熱気で盛り上がったことも忘れがたい記憶です。
 「『感情』時代」の企画も詩人犀星の原点に迫る意味で何度も確認しなければならない核心ですが、詩人同士の繋がりの深さも知られて、改めて詩的共同体の持つ意味も考えさせられました。
 現在、開催中の「犀星歳時記」は俳人犀星の真骨頂が出ていると同時に、郷土の風物(風景、食、住一切)に深く根を下ろしている犀星の感性を知る上でも、見逃せない展示です。
 その他、モレシャンさんのトークショウや荒川洋治さんの講演会、小島千加子さんからの犀星書簡52通の寄贈、同じく西村俊英さんからの犀星書簡11通の寄贈があり、館を盛り立てて頂きました。
 草ひばりの会の皆さんとの天徳院、福光屋訪問も楽しい一時でした。
 ナイトミュージアムやその他で色々、お世話になった方も大勢、います。それらすべての方々に感謝してご挨拶と致します。

 なお、12月29日より1月3日まで犀星館はお休みとなりますので、ご了承ください。

 皆さん、よいお年を。

  天神堂 旗源平も 子等待てり
                      (館長)










12月24日
    
天神堂

 金沢にはかつて、男の子のいる家でお正月に、天神様を祀る天神堂を飾る風習がありました。

 小さな組み立て式のお社に、泥人形の天神様、太鼓、狐などを置き、子供の手習い上達、出世を願って床の間に飾ったそうです。

 犀星も懐かしく追想しています。

  泥人形をもて菅原公を奥殿に奉り、太鼓打ち
  を初め狐と高麗犬、鳥居、庭松など凡て木細
  工にて作りたる長さ二三尺の台の上にせる
  飾りものなり。(「冬祭」)


 今の企画展のために、この天神堂を金沢くらしの博物館からお借りしてきました。展示するために組み立ててみると、その楽しさと人形のかわいらしさに、時を忘れてしまいました。








12月10日
    
投句箱

 企画展に合わせて、展示室内に投句箱を設けました。短冊に俳句を書いて入れて頂ければ、会期中、掲示をします。

 投句数はじわじわと増え、すてきな句が並びました。小学生もとても上手ですね。

 毎日、どんな俳句が入っているのか、楽しみです。






12月10日
    
蟹とたわむる・・・

 ジイノとのほっこり写真につづき、今度は蟹です。
 今月発売になった「サライ」の1月号の蟹特集に、カニとたわむれる犀星の写真が、どーんと載りました。記事には、金沢の義兄に出した「カニをくれ」の葉書も。

 この写真の蟹は、犀星が大好きだった香箱蟹(犀星は「紅波甲」と書く)でしょうか。






11月29日
    
文学散歩 in 小立野~石引

 今日は草ひばりの会の文学散歩でした。

 まずは小立野の天徳院。
 からくり人形の上演を楽しみ、お抹茶をいただいて、奥にある枯山水の庭園を散策しました。名残の紅葉が苔や岩を彩る晩秋の景色は心に沁みる美しさでした。
 天徳院は、犀星がその寺領を借りて作庭をしたところ。その跡地を訪ね、庭の借景となっていた鐘楼と山門を確認しました。

 そして、酒蔵福光屋。
 犀星が東京まで取り寄せて飲んでいた「福正宗」の蔵元です。380年前から変わらずお酒の仕込み水としてきた「百年水」、本日絞りたての純米酒、大吟醸「金沢」、甘酒をそれぞれ試飲し、酒造りについて教えて頂きました。

 ゆったり、楽しく過ごしたひとときでした。








11月29日
ジイノが・・・

 『猫の国語辞典』なるものが、この程三省堂から発売されました。

 表紙には、なんと、当館から提供したジイノのポートレートが。とうとうメジャーデビューしてしまうのでしょうか・・・。裏表紙も犀星とジイノのツーショットです。

 内容は猫の入った用語解説と、俳句や短歌。さすがは”辞書の”三省堂、豊富な用例で読み応え抜群です。

 ちなみに、秋声、鏡花の句もあり、ちゃんと金沢三文豪揃っていました。









11月26日
  

「我が愛する詩人の伝記」

 言わずと知れた犀星の傑作評伝をテーマに、上田館長の連続講座が再開しました。

 犀星独特の視点でとらえた、鋭どすぎる評伝。餌食となった12人の詩人達それぞれを、詳しく分析していきます。
 前回は2年前、今回は、あと2回、1月と2月に行います。

 今日は「山村暮鳥」について。その斬新さが難解すぎて詩界から総スカンを食った暮鳥の詩は、どこにその所以があるのか。とても1回の講座では語れません!と、最後は疲れ切ってしまった館長。2時間近くを費やしたのちも、参加者のみなさんと意見交換で盛り上がりました。

 講座に合わせて、常設展示の展示替えを行いました。文人交友のコーナーにて、山村暮鳥、佐藤惣之助、千家元麿を紹介しています。








11月23日
  

椿が咲きました。

 
 犀星は椿の花が一番好きでした。馬込の庭にも沢山の椿があり、丹精込めて育てていました。もちろん記念館の庭にも植えてあります。

 毎年一番先に咲くのが四方仏の傍の寒椿です。段々と他の種類の椿も蕾がふくらんできています。

 紅葉の後は、来年3月まで赤い椿の花が冬の庭に彩りを添えてくれます。










11月14日
  

紅葉

雪で木の枝が折れないように、縄で枝を保護する雪吊り。11月になると街のあちこちで見かけます。特に兼六園の雪吊りは見事ですね。もう少しすると記念館の庭にもお目見えします。

 その前に・・・

今年はニシキギが真っ赤に紅葉しました。灯籠の渋茶色や木々の緑と相まって燃えるような赤がひときわ鮮やかです。

 まだ肌寒さの残る春先には杏の花が咲き、初夏には緑色の実をつけます。秋には鳥や蜻蛉が飛んできて、冬には綿帽子をかぶったように灯籠に雪がつもります。小さな記念館の庭でも四季折々の風情を楽しませてくれます。








11月12日
  

企画展「犀星歳時記~秋冬編~」

 今日から新企画展がはじまりました。

 早速、生花ボランティアさんに、犀星の好きな冬の花から、寒菊、梅もどき、枇杷の花を生けてもらいました。とてもすてきです。

 消炭に寒菊すこし枯れにけり
 梅もどきの洗はれてゐるけさの雪
 枇杷の花ちぢれる家を越しにけり
               犀星


 展示の方も、犀星ならではの季節の見つけ方や歳時の感傷を一緒に感じていただけるよう、沢山の作品を紹介しています。

 今はしぐれの季節。
 犀星の作品に出会うと、寒いだけではない、特別な情緒を感じられるかもしれません。ここ数日は温かいですが・・・。

  十一月初旬
 あはあはしきしぐれなるかな
 かたかは町の坂みちのぼり
 あかるみし空はとながむれば
 はやも片町あたり
 しぐれけぶりぬ
        『抒情小曲集』より










10月8日
    
秋は金沢三文豪 荒川洋治氏講演会

 三文豪月間のイベントとして、現代詩作家の荒川洋治先生に「室生犀星と詩と世界」と題し講演して頂きました。
 荒川先生は犀星の故郷金沢のお隣福井県三国市のお生まれです。親近感がわきますね。
 会場は21世紀美術館内のホールでしたが、先生曰く「ここ(会場)だけ20世紀ですね・・」と始まり、いくつもの興味深いエピソードを交えながらユーモラスにお話して頂きました。
 一つご紹介します。中村真一郎が書いた詩論に藤村の時代、白秋の時代、朔太郎の時代、三好達治の時代・・と書かれているが、そこに自分の名がなかったことに犀星は中村真一郎に「犀星の時代はないのか」と聞くところなど・・・犀星の人柄が偲ばれるエピソードをお話し下さいました。会場には笑い声が絶えず楽しい講演会でした。
 また『我が愛する詩人の伝記』で島崎藤村に対する犀星の思いや、『あにいもうと』についても熱く語って下さいました。犀星が身近に感じられた講演会でした。










10月4日
    
映画「煙突の見える場所」

 秋恒例の三文豪映画祭がはじまりました。
 今年は犀星の”見た”映画の中から選んだ、この映画を1日(土)、4日(火)、7日(金)と3回上映します。本日、解説がてら見て参りました。

 椎名麟三原作の小説「無邪気な人々」を五所平之助監督が映画化したもので、田中絹代、上原謙、芥川也寸志、高峰秀子が出演しています。

 突然いわくつきの赤ん坊を投げ込まれ、困惑する夫婦と周囲の人々・・・。
 シリアスながら情けなさとしぶとさとユーモアが入り混じって充実感たっぷりの時間を過ごしました。

 昭和28年という、終戦後10年経たない東京都下の、人々の暮らしぶりもたっぷり満喫できるという点でも、必見です。(個人的には、家財道具や家の構造から、目が離せませんでした)

 上映はあと1回です。ぜひこのチャンスに見てください!

 10月7日(金)12時25分~ 香林坊スクエア シネモンドにて 1000円

 上映日程は、こちらに詳しく載っています。



9月10日
    
朗読『情痴界隈(じょうちかいわい)』

 

 3ヶ月半ぶりの講座「犀星」でした。
 前回につづき、当館ボランティアの押野さんに朗読をしていただきました。
 作品は、犀星の小説「情痴界隈」。
 痴情のもつれが原因で留置所で過ごす羽目になってしまった男の話です。物語の終わりに登場する一匹のカネタタキが今の季節にも合い、清涼剤になっています。

 つづいて、北原白秋の童謡を、参加者も一緒に、少し歌いました。

 最後に、童話「二人のおばさん」を朗読。明治時代の金沢の風景や風俗が思い浮かびました。この中に、着物を着たまま繕ってもらうとき、「ぬぎました」と言う場面があります。着たまま縫うのは、針の神様に悪いからだそうですが、昔の人は、いろんな神様に気を遣ってきたのですね。

 次回は、何を読んで頂きましょうか・・・。






8月16日
    
金沢弁の勝利

 閲覧コーナーにある文学賞のファイルに第5回室生犀星文学賞の受賞作品、山路時生さんの「稲荷道」が加わりました。
 山路さんは岐阜県高山市ご出身。活字にこだわり続けた人生を送られ、受賞された「稲荷道」は「石川県の香りがするような作品にしよう」と金沢市出身の奥様に金沢弁を教わりながら書かれた作品です。選考委員の加賀先生曰く「金沢弁の勝利でしょ」と。見事受賞となりました。

 毎回沢山の応募作がありましたが、残念ながら、室生犀星文学賞は第5回で終了しました。










8月6日
    
ナイトミュージアム第2弾

 現在開催中の企画展「感情」―僕らが一番熱かった頃-」の関連イベントとして朗読会を開催しました。
 マリンバの調べが流れるなか、お客様には8月1日にも披露した杏ジャムを召し上がって頂きました。とても暑い日だったので、酸味の利いている杏ジャムは皆様のお口にあったようでした。

 萩原朔太郎・多田不二・竹村俊郎・犀星と「感情」の仲間達の詩をマリンバの調べにのせて浅野川倶楽部の表川なおきさんに朗読して頂きました。当時四人の詩人達はまだ若く、それぞれに熱く滾るものを持っていました。その想いを表川さんに表現して頂きました。
 石川公美さんには、犀星詩「砂丘の上」や「時無草」などを歌って頂きました。素敵なソプラノの声で犀星詩を高らかに歌い上げて下さいました。
 とても深みのある響きを奏でるマリンバ演奏は神谷紘実さん。マリンバが醸し出す音は朗読・歌に溶け合いながら詩の世界観を広げてゆきます。
 
 しっとりとした夏の日の夕べとなりました。

 表川さん、石川さん、神谷さんありがとうございました。



表川なおきさん


石川公美さん


神谷紘実さん



8月3日
    
手ぬぐい作りました

 企画展「感情」時代に因み、犀星が詩誌「感情」の表紙に描いた智恵の木とねこをモチーフにデザインし、最高級の晒生地に染めて手ぬぐいを作ってみました。
 使い込むほどに風合いがまし肌になじんできます。製作は今回も金沢・ゑり華さんにお願いしました。
 
 これからの季節手ぬぐいは大活躍です。手をふいたり、汗を拭ったり、ランチョンマットやテーブルセンターに、包んでおしゃれな贈り物にしたりと色々な使い方がありますよ。犀星も手ぬぐいの愛好者でした。

 この機会にぜひ一枚どうぞ。








8月1日
  

杏ジャム試食会

 8月1日は犀星のお誕生日です。そして開館記念日。そして杏ジャム。
 昨年はお休みしましたが、6月に収穫した雨宝院の杏で作ったジャムを来館者の方に召し上がって頂きました。甘酸っぱい味ですがなかなか好評のようです。
 杏を描いた犀星の童話「たのしいかな夏」もご紹介しています。ご一読下さい。

 次回の試食会は6日、27日です。ご来館お待ちしています。







7月21日
    
猫のお箸置き お披露目

 猫のお箸置きの生みの親である、遠藤絢子さんに来館していただき記者発表をしました。「緊張しています」とおっしゃる遠藤さん。記者からの質問に丁寧に答えて頂きました。製作する課程で、「出っ張りや引っかかりがあると、使われる方が怪我をする可能性があるので、なめらかにすることを心がけた」と。また「よくみると一つ一つ表情が違うので手にとって好きな猫を探して下さい」と。「犀星はやさしい人だったと思うので、動物に対する犀星のやさしさを大切に作りました」と話してくれました。
 遠藤さんの想いがつまったお箸置きになりました。
 ぜひ手にとってご覧下さい。



遠藤絢子さん





7月18日
    
猫のお箸置き販売!!!

 室生家の猫をモデルに、金沢出身の若手陶芸作家・遠藤絢子さんにお箸置きを焼いて頂きました。
 室生朝子著の「うち猫そと猫」をもとに作成した「室生家の犬猫年譜」(記念館にて配布)を忠実に再現してつくられた猫のお箸置き。
 お腹を向けている猫(大、小)、香箱座りしている猫の三種類。
 一匹 300円(税込)です。
 われものなので、通信販売は承っておりません。








6月15日
    
雨宝院の杏

 杏の実、収穫です。
 今年は雨宝院のご住職にお願いして、杏の実を収穫させて頂きました。今年も豊作です。生い茂った緑の葉陰にオレンジの実がたわわになっているのが犀川大橋から見えました。もうそろそろかな、とワクワクしながら収穫日を待っていました。
 ひょんなご縁から石川県中小企業団体中央会の方にもご協力頂きました。ありがとうございます。
               
 ご住職が高い脚立に乗って竿で枝を揺らし、すぐその下で中央会の方が魚釣りで使うような網を構え、一個また一個と網の中に落としていきます。タイミングと技術が必要です。ご住職は、昨日から取って下さっていたそうです。お忙しいのに申し訳ありません。ありがとうございます。美味しいジャム造ります。
          
       杏の木と収穫した実          ご住職ご夫妻

 いっぱい頂いたので、早速ジャムづくり。
 種を取って、切ってコトコトと煮ます。丁寧に灰汁を取って・・・やっといい感じに出来上がりました!!
            
 雨宝院の杏は樹齢が古く、勿論少年犀星君のことも知っています。犀星君は竹馬に乗って犀川に入り、川につきだした枝になった実を取っていたそうです。
 犀星も食した杏。今年も開館記念日には、・・・・するつもりです。
 お楽しみに。
 



6月9日
    
小島さんからのご寄贈

 犀星晩年の担当編集者であった小島千加子さんより書簡52通をご寄贈頂きました。
 小島千加子さんは、昭和23年に新潮社に入社され、昭和27年から36年まで犀星の担当編集者でした。その後は川端康成、三島由紀夫など当時の文壇の中心的な作家を担当され、今は文藝評論家として活躍されています。
 『女ひと』『蜜のあはれ』などの犀星の代表作も小島さんが担当されています。ご寄贈頂いた書簡には、作品に関するやりとりが多く記されています。「靴音の記者は乙女か夏めける」と俳句が添えられているものもあります。馬込の庭の石畳を小島さんがこつこつと歩いてくる姿を書斎から眺めていたのでしょう。犀星が微笑みを浮かべながら小島さんを待っている姿が想像できます。

 『蜜のあはれ』に関する書簡の一部は現在企画展で公開中です。

 ご寄贈ありがとうございました。





小島千加子氏
2010.3.6犀星忌にて






6月2日
  

杏の実をさがそう

 杏、実がなりました。
 葉陰の合間を目をこらして見ると1つ、2つと・・・

 まだ熟していないので、葉っぱと同じ緑色。探すのが大変です。犀星が育った雨宝院や犀川ほとりの詩碑の杏はもう沢山実をつけています。記念館の杏は若いからでしょうか。いつも遅いようです。

 あまさ柔かさ杏の日のぬくみ  犀星

 







6月2日
  

紫陽花はこれからが見頃

 今年も紫陽花の季節がやってきました。

 紫陽花は、まだ肌寒い頃から少しずつ少しずつ葉が茂り、4月、5月には青々しく成長し、黄緑色の蕾が綻び花が咲きます。一足先に額紫陽花が咲き始めました。

 紫陽花の枝や葉が、力強くぐんぐんと延びてゆく様は生命力に溢れ、眺めていると明るい気持ちになってきます。濃い緑の葉と鮮やかな青い花は夏の雨によく似合います。







5月28日
  

朗読『鮠(はや)の子』

 講座「犀星」にて、当館ボランティアの押野氏に、犀星の小説を朗読してもらいました。今回で2回目です。

 「鮠(はや)の子」は、犀川の下流を舞台に、メスの美魚「鮠子」とオスたちが真剣勝負を繰り広げる人生(?)譚です。

 魚たちの世界に、しばし引き込まれました。

 朗読のあと、当館学芸員が、少し解説をしました。

 みなさんと一緒に、犀星の知られざる作品を読む時間をつくりたい、という思いから、これからも朗読を続けてくださるそうです。
 次回(未定)もお楽しみに。








5月3日
    
モレシャンさん再び

 一昨年の春、フランソワーズ・モレシャンさんに犀星の詩を仏訳して朗読して頂きました。今宵は第二弾。
「犀川とセーヌ川の岸辺にて」と題してのトークショーです。言葉や文学を通してフランスと日本の文化についてお話しして頂きました。
 今回はモレシャンさんのご主人で音楽評論家の永瀧達治さんにもご登場頂き、ミラボー橋(堀口大學訳)を朗読して頂きました。そしてモレシャンさんがフランス語で語ります。なんと贅沢な朗読でしょう。お二人は犀川、セーヌ川に始まり文学だけでなく様々なことを熱く語って下さいました。

 モレシャンさん、永瀧さんありがとうございました。

      









4月9日
    
おしゃれ犀星

 今月より、1階の遺品コーナーが新しくなりました。
 今度のテーマは、「おしゃれ」。

 実は、身なりにはとても気を遣い、おしゃれだった
犀星。
 中折れソフト帽をかぶり、ステッキを持ってのお出かけが、定番スタイルでした。
 午前中に仕事を終えて風呂を浴び、人に会うのは午後からと決めていました。

 展示品には帽子、ステッキのほかに時計や眼鏡、手鏡やひげそりなど、装いの小物もあります。







4月1日
    
しおりプレゼント!

 映画「蜜のあわれ」いよいよ本日より公開となりました。
 これを記念して、当館オリジナルのかわいいしおりを作りました。
 ショップにて500円以上お買い上げの方に、1枚プレゼントします。
 大杉漣さんのサイン本『蜜のあはれ・われはうたえどもやぶれかぶれ』や、新しいグッズもありますので、ぜひのぞいてみてください。

 お待ちしています。






3月28日
    
杏、咲く。

 杏が咲きました。満開です。犀星が育った雨宝院にも杏の木がありよく眺めていたのでしょう。馬込の自宅にも杏を植えていました。不思議にも犀星は桜の花を好まなかったようです。それは散り敷いた花びらによって、庭の土が汚れるのを嫌っていたからです。散った花は杏も同じだと思うのですが、やはり雨宝院の思い出が、杏をなによりも愛おしい花にさせていたのかもしれません。 

 あんずあまさうなひとはねむさうな






3月23日
    
公開せまる!! 「蜜のあわれ」

  4月1日から全国公開される映画「蜜のあわれ」の特別試写会を金沢21世紀美術館のシアター21で開催しました。ゲストに石井岳龍監督、大杉漣さんをお招きして、映画「蜜のあわれ」について語って頂きました。「蜜のあはれ」は少女に化身した金魚が小悪魔的な魅力で老作家を翻弄する犀星晩年の幻想小説です。犀星も映画化を望んでいた作品です。主演は二階堂ふみさん。高校生の頃に「蜜のあはれ」を読まれ自身で演じてみたいと思われていたそうです。共演された大杉さんは「二階堂さんの金魚っぷりは見事でした」と。犀星を思わせる老作家を演じるにあたり大杉さんは、犀星愛用のメガネに似たものを探して撮影に臨まれたそうです。
 ロケは昨年4月に加賀市、金沢市、富山県で行われ、多くのボランティアの方々に助けられたそうです。監督は「俳優、スタッフ皆がひとつになりその積み重ねで、自分の能力をはるかに超えて本当によいものができました」と熱く語っておられました。
 とても素敵な作品です。新しい犀星に出会えるかもしれません。
 4月1日により全国公開です。ぜひ映画館でご覧になって下さい。









3月21日
    
新たなオリジナルグッズ誕生

 映画「蜜のあわれ」公開を記念して一筆箋とクリアファイルをつくりました。
 「蜜のあわれ」の主人公はなんと金魚!!!金魚をイメージした赤です。
 題字と絵は犀星の直筆。それをモチーフに可愛らしくデザインしてみました。


 



3月19日
    
犀星グラフィティ・オリジナルポストカード
リニューアル!

 2階の「犀星と私」コーナーにある、オリジナルポストカードの機械が新しくなりました!

 当館所蔵資料や犀星の写真などをタッチパネルで見ることのできる「犀星グラフィティ」と、好きな詩や俳句と背景写真を組み合わせて作ることができる「オリジナルポストカード」。

 開館以来、14年半も頑張りつづけてくれたハードディスクがそろそろ引退することになり、この3月に中の機器を一新しました。見た目は全く変わっていませんが・・・。機器のリニューアルにともない、いくつかのコンテンツを入れ替えました。

 ポストカードのおすすめは、詩「金魚のうた」「ねこのうた」と、犀星の猫の写真、庭の写真です。

 こんなふうに組み合わせることができます。→

 ご来館時には、ぜひお試し下さい。
 (ポストカードは1枚100円です)












3月17日
企画展「蜜のあはれ」

 12日より、「蜜のあはれ」展が始まりました。
 4月1日から公開される犀星原作の映画「蜜のあわれ」に合わせて、作品世界をより深く知って頂こうと、開催しました。

 「蜜のあはれ」は、犀星が69歳のときに書いた風変わりな小説。全編会話文、しかも老作家と、金魚と、幽霊が主役という、奇想天外なお話です。

 映画化については、大の映画好きだった犀星も望んでいた節があります。57年の時を経て初めて実現しました。

 展示は小説「蜜のあはれ」の世界、犀星の「魚」への特別な思い入れ、そして映画について、紹介しています。

 映画に使われた衣装、小道具なども展示しています。
 ぜひご来館下さい。










3月6日
    
ボンタン(直径16cm!!!)

 鹿児島の犀星ファンの方がボンタンを送って下さいました。
 あまりの大きさにびっくりです。甘く美味しかったです。ありがとうございました。

 犀星の詩と一緒にご覧いただいています。







2月18日
    
感謝状贈呈式

 金沢市竪町の西村俊英氏より犀星の書簡11点を記念館にご寄贈いただきました。感謝状の贈呈式を記念館で行いました。
 
 西村さんは竪町で鮮魚店を営んでいらっしゃいます。
 ご寄贈頂いた書簡は昭和18年、19年のもので西村さんのおじい様次吉さんが店主の時代です。昭和19年犀星は軽井沢に疎開していました。軽井沢からも注文しています。鯛、鮭、鱈、海老などの魚介類や酒粕、くるみ、湯葉、鶫など様々なものです。「ツグミは腐敗していて、ざんねん。塩したものをたのむ」と犀星特有の小さく丸い字で書かれています。東京や軽井沢に住みながらも故郷の味を大切に思っていた犀星。金沢からの食材が届いた日の夕餉はご馳走だったのでしょう。

 ご寄贈頂いた書簡は現在開催中の企画展「金沢の料亭・食と犀星」で一部公開しています。

 ご寄贈ありがとうございました。



西村俊英氏(左)      





2月7日
    
お雛様

 室生家ではお雛様と一緒に高坏も飾っていました。先日、その高坏が修復され綺麗になりました。

 どのように飾っていたか朝子さんの文章から

 草餅と紅白の三段重ねの菱餅を、黒い塗りの菱形の台の上に半紙を敷いてのせる。そして蒔絵の高坏に白紙を敷いて、干鱈を一枚飾るのである。
 犀星は孫の初節句のときに、嫁に金沢のしきたりどおりに干鱈を一枚買ってくるようにいった。彼女は乾物屋を何件も探したが、東京で一匹そのままの姿の干鱈を売っている店はなかった。彼女がようやくみつけた干鱈は、マッチ箱の大きさに切られていた。犀星は不満な顔をしたが、しかたなく高坏にのせて供えた。一匹の干鱈なら大きい高坏の両側から、頭と尻尾ははみ出すのであるが、こんもりと切り目が山になっている干鱈は、なんとも妙なものであった。
             『父 犀星の俳景』より

 今は干鱈を飾ることはないようです。
 高坏に干鱈を飾るのは犀星流なのでしょうか。










2月4日
    
金沢の料亭を味わう会

 現在開催中の関連イベントとして石川近代文学館・徳田秋聲記念館・室生犀星記念館の3館合同で料亭でのお食事会を企画しました。
 大変人気があり、73名もの方が参加して下さいました。その料亭とは犀星が親友芥川龍之介をもてなしたつば甚さんです。女将さんにつば甚さんの歴史や加賀料理のことなどお話しして頂きました。
 「加賀・金沢故郷を辞す」を読むと犀星が描いているとおりの金沢の風情が残っていて、涙したと女将さん。ありがたい読者です。
 犀星が好きだった鮴汁も用意して下さいました。ただ鮴の旬は5月から6月。今は獲れないので、なんと中国産の鮴を使われたと。牛蒡の香りよく白味噌仕立てのお汁でした。ご苦労をお掛けしました。旬の先取り、筍の焼き物やホタルイカの酢の物なども並びました。一足早い春を感じました。
 ふと庭の木に目をやるとなんと鳶?が留まっているではありませんか。もしや食いしん坊だった犀星の化身ではと・・・・食事中ずっとこちらを眺めていました。
 
 また、犀星が利用したお部屋を見せて頂きました。地袋には綺麗な帯が使われていました。贅沢ですね。そういえば犀星の馬込の家にも地袋がありました。

 犀星が過ごした頃の金沢にタイムスリップしたような一日でした。
 とても素敵なおもてなしをして下さったつば甚さんありがとうございました。





犀星の愛したごり汁



犀星の化身?


1月25日
    
綿帽子・・・

 全国的な寒波で記録的な大雪のようです。金沢も久し振りの雪です。
 記念館の庭もすっぽりと雪におおわれました。灯籠やつくばいはこんもりと雪が積もり綿帽子をかぶったようです。

 犀星の句をひとつご紹介します。
  かはらの雪はなぎさから消える

 今年は犀星が好きだった椿の花が咲きません。赤い椿の花は白い雪に映えるのですが・・・少し寂しいです。
 昨日はつくばいの水が凍っていました。
 凍った雪道は危ないです。足元にはお気を付けて・・記念館へのお越しお待ちしています。








1月5日
    
初春のお喜びを申し上げます。

 新幹線が開通して初めてのお正月です。北陸とは思えないほどお天気がよく暖かいお正月でした。年末からの賑わいも一段落し街も落ち着き、鉛色の空が戻ってきました。

 12月に常設展を一部展示替えしました。犀星が愛した動物が登場。お楽しみ下さい。

 本年もいろいろな企画を考えております。どうぞよろしくお願い致します。







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室生犀星記念館

〒921-8023 石川県金沢市千日町3-22 TEL:(076)245-1108 FAX:(076)245-1205
saisei@city.kanazawa.ishikawa.jp