寸々語

寸々語(すんすんご)とは、秋聲の随筆のタイトルで、「ちょっとした話」を意味します。
秋聲記念館でのできごとをお伝えしていきます。





栗の影
 2016.12.28

 きのう展示解説をご依頼くださったお客さまがありまして、もういいです、と仰らないことをいいことに午前中をびっちりついて回らせていただきました(ご希望は40分程度とうかがっておきながら…とんだ大嘘を…)。
 当館の前には岐阜の中津川へちょっと寄りまして~と仰るもので、オヤ藤村ですか?と訊いたら藤村でした。藤村記念館、岐阜県中津川市馬籠の藤村生家跡にございます。そうしてふと蘇りましたいつかの藤村展の記憶…資料調査のため中津川駅からひとりバスに乗りどんぶら向かったこと、馬籠宿場の雪つもる急坂を前にエッこの靴で登れる…?ととても不安になったこと、藤村記念館さんに金沢土産をお渡しして帰りの駅で馬籠土産をぶらぶら見ながら中津川が栗で有名であることを知り、うそだろ…金沢土産、栗のお菓子にしちゃったよ…!!と愕然としたこと…その足で徳田家に借用に上がり、馬籠で栗お渡ししちゃったんすよね…とお話しすると、アァ栗ね。有名よね。と名誉館長よりふつうに常識であることを知らしめられ心の膝をついたこと…記念館の方にはとてもとても親切にしていただいたのに、まるで藤村さんに栗勝負を仕掛けたみたいな形になってしまったことを未だ告解できずに暮らしております。アレは決して金沢自慢の栗をぶつけに行ったわけでなく、まったくの無知による事故だったのだと…せめて今後藤村記念館に行かれるご予定の方をとっつかまえてはあの地域は栗で有名なのだと大きな声でお伝えしたいところです。

 アァ、栗のね…馬籠ですよね…と、オッ藤村!から一転、急降下したテンションを持ち直させてくれるのはやはり秋聲先生その人のみ。秋聲と藤村の関係などお話しするうち栗の暗い影はいつしか霧散し、たのしくなってしまった結果の2時間弱です。長々と申し訳ありませんでした。

 あと、毎年ほっこりポストの濫用もすみません!!

 さて、そんなこんなで本日をもちまして、当館年末年始休館に入らせていただきます。来年4日(水)、ふたたびお目にかかりましょう。どうかみなさまよいお年を!





康成離れならず
 2016.12.27

 石川近代文学館さんから新しい企画展のチラシが届きました!企画展「作家と石川近代文学館―文学館を支えた人たち―」、来年1月7日からの開催です。チラシ表に県ゆかりの数多の作家たちのお名前がスタイリッシュに浮かぶなか、三文豪には特別に朱をさしてもらっております。もれなく秋聲先生にも…!ありがたいことです。
 裏面には、同館が東京の日本近代文学館(昭和42年~)に継いで全国で2番目に古い総合文学館(昭和43年~)であることが記されています。その開設に、誰あろう川端康成の大きな働きがあったにもかかわらず、夏の康成展ではそのくだりをご紹介する余裕がございませんでした。

 昭和42年、金沢へ行ってきたよ~と秋聲長男一穂さんに宛て報告する2メートルに及ぶ長いお手紙、当時初公開いたしましたソレに書かれてこそおりませんでしたが、このとき文学館の開設について日近文の伊藤整理事長(当時)とともに石川県知事に陳情にゆくという驚きの大仕事をしてくださっていたのです。
 また、同じく初公開いたしました昭和45年の一穂さん宛てのお手紙には「展覧会ハ案じてをりましたよりよく出来てゐたでせうか」との報告があり、それは晴れて開館した石川近代文学館主催「秋聲生誕百年記念展」への感想にほかなりません。康成はオープニングセレモニーでテープカットに立ちました。その当時の新聞記事には康成と並んで一穂さんご次女・徳田章子当館名誉館長が写っており、ご本人に当時のことをおうかがいしましたらば、当初名誉館長は登壇の予定でなかったとのこと。康成の気遣いで急遽一緒にテープカットをする運びになったとのことで、周囲にきちんと目を配る康成のお人柄が偲ばれます。
 石川近文さんの展示では、同館の新保千代子初代館長に宛てた康成筆書簡なども出品されるとのことですからこれは当館ならずとも必見です!
 


 


一企画展一座り
 2016.12.26

 今朝館内のクリスマス飾りを片づけておりましたら、ご近所のシャーさんが歳末の挨拶まわりにお見えになりました。じゃっかん気のはやいのは元営業部長も同じでした。
 冬仕様のかなりモコモコになったお姿で、職員への顔見せを済まし、来たついでときちんと企画展タペストリーの前にお座りになって最後の一仕事…朝一番、まだ人通りのない「秋聲のみち」をしばらく眺めておいででした。今年はシャーさんにとっても、営業部長職の解任などいろいろと思うところのあった一年だったかと思われます。けれども憎くて解任したわけでなく、館とシャーさんお互いのために一度距離を置きましょう、という意味の別離でありましたので、こうしてまたふたたびゆっくりと関係を築き直してゆくこの過程を大事にしたいと思っております。タペ下の定位置ながら、これまでより少し前のめり、というかタペとの変に遠い距離感にそんなことを思う本日26日です。すわりがわるいとはまさにこのこと… 
 さて、先日よりもう明日にも休館に入りそうなしめやかさでお送りしておりますが、記念館はあさって28日まで開館しております。そして学生さんははや冬休みとうかがっております。あるいは帰省や年越しを県外で迎えよっかな、とされている皆さま方、是非是非お運びくださいませ。

 企画展「酉TORI/卯USAGI-錦絵で愉しむ向かい干支ー」
 企画展「新年を祝うめでたいしるし」
 企画展「新春を祝う」
 特別展「金沢の獅子舞」
 所蔵展「新年の祝い事」

 当館も所属するわれらが金沢文化振興財団のHPより、上から某K記念館、中村記念美術館、前田土佐守資料館、くらしの博物館、そして安江金箔工芸館と、各館それぞれ新春を意識した企画展を開催するなか、何をどうしたって「秋聲全集物語」展を貫く当館でございます。いったいに空気が読めず、新春感ZEROで恐縮です。



 


ふる年
  2016.12.24

 秋聲忌が過ぎ、生誕祭も終わればなんとなく今年のイベントがすべて終わった感にてクリスマス本番を若干持て余してしまう秋聲記念館です。

 そんなわけで、早くも年越しに向けて身仕舞いをした結果、ちょいとフライング気味に新作「ふる年」、「不定期連載」にアップいたしました!
 その名のとおり、ある年の12月30日の出来事を描く、ちょっと変な感じのする小品です。30日ですからまさに年越し、いよいよ新年を迎えようとする気忙しい一日の様子が描かれておりこの時期にどんぴしゃりなのですが、読み終わるとなんだかちょっと変な感じの残る不思議な一篇(嫌な感じではありません)…ポチポチとテキストを打ち込みながら、いや歳末のご挨拶にはこれじゃないかも?と途中何度か迷いもしましたが、いざ他の作品を選ぶとなると何故か妙に気になってしまい、やはり戻ってきて最後まで打ち込みましてございます。明治42年1月3日、新聞紙上に発表された作品とのことですが、三が日のうちにこれを読んだ当時の読者はどう感じたのやら?それもそれとして、いちどご賞味いただけましたら幸いです。
 ストーリー展開もさることながら、ちょっと自信のない道をなんとかなるだろ、とポクポク歩いていって、結局たどり着けずにトボトボ帰ってくる主人公の描写にもまたなんとも絶妙な味わいがございます。明るいほうへ、明るいほうへとさまよう主人公の耳に届くジクジクする泥濘(ぬかるみ)の道を歩く草鞋の音…これはいい具合の水加減です。わかります。そんなところはただただ楽しい秋聲作品です。
 
 なお冒頭で「柱の暦があともう一枚しか余すところがない」とありますのでお使いになっているのはもしや日めくり?館でも毎年お世話になっております個人デスク設置の日めくり様も残すところわずかです。ちなみに、日めくり様の誕生は明治36年だそう。今日の(ネットから得た)豆知識です。


 
 


H&M
  2016.12.23

 秋聲先生お誕生日おめでとうございます!

 いつもはさすがにそこまでしないのですが、今年は秋聲先生のお誕生会といたしましてケーキを調達してまいりました。何故ならみなさまご存じ石川県立美術館さん併設のかの超有名ケーキ屋さんにて、りんごの秋星を使ったクリスマスケーキ「syuusei2016」が発売されたため!しかも今年限定!?これは秋聲記念館一味がいただかずしてなんといたしましょう。その物体が何であれ、しゅうせいのしゅの字のつくもの決して見過ごすわけにはゆかぬのです。そうしてがっつり予約のうえ入手いたしました、各店舗88台限定品だそうです。

 まぁなんと美しいこと…ふつうにメリークリスマスと書かれてはおりますが、黴フィルターのかかった職員の目にはもはやハッピーバースデイにしか見えません。ありがとうありがとう、こんなにゴージャスにお祝いをしていただいて…と若干ホロリとしながらお三時に職員一同でいただきました(名誉館長、自分たちだけすみません…!!)。
 思いのほか知られていないようで残念至極ではございますが、石川県産りんごの「秋星」の名の由来はうちとこの秋聲先生だものですからこれはもう秋星を経由した秋聲のケーキといって間違いありませんね!秋聲を館でローマ字表記にするときには「shusei」と書きますが、syuseiでもsyuuseiでもそんなこたぁもうほんのわずかな誤差といって差し支えありませんね! 
 ハッピーバースデイ&メリークリスマス。アッ、本日お客さまにお配りいたしました鳩サ○レーに貼られたサンタが唱える「H&M」とはただこれだけの意味であって、某お洋服屋さんとは一切関係ございません。ええ、お誕生日だからといって浮かれ過ぎている自覚はございますけれども、年に一度のことですからなにとぞ…!
 
 



ありがとう名誉館長
 2016.12.22

 今年もとどきました!秋聲令孫・徳田章子名誉館長からのクリスマスプレゼント、いやちがうお誕生日プレゼントです!いつもお心遣いありがとうございます!!
 恒例の鳩サ○レーの大きな缶が東京から送られてまいりました。そろそろかな?そろそろかな?と23日が近づくにつれソワソワしてしまうのです。お誕生日プレゼントですが、おおかたお誕生日ではないであろうみなさまにお配りします。ご来館くださるお客さまへの、名誉館長からの特別な贈り物でございます。

 明日23日、秋聲先生のお誕生日限定で、入館者先着47名様にプレゼント~!!

 47!赤穂浪士かな!?と思わせておいてのふつうに鳩サ○レー缶(大)が48枚入りだった、それ、だけ……。1枚は主役である秋聲先生に差し上げて…残りの47枚をみなさまに…ただ、それ、だけ……。わりかし何事も安直な秋聲記念館です。職員一同元気です。
 そして何故鳩サ○レーかは、3年ほど前からもう訊いてはならぬお約束になっております。なにかしら理由があったはずなのですが、気がつけば忘却のかなたへ…まァ今年は鎌倉方面にたいへんお世話になりましたので、そんなご縁もありながら~と、すでに終った康成展の名残でもって全力で誤魔化してゆく所存です。きっと思い出したところでひどく安直な理由であったにちがいありません。そんな秋聲記念館です。元気です。
 先日勇み足気味にこちらでお伝えしたサンタシールはこのプレゼントに否応もなくくっついてまいります。きのう受付さんに貼る作業をお願いしていて、シール足りました?と訊くと、なんとぴったりだったそう!はからずして!48枚!これぞ天啓、サンタシールは鳩サ○レーに貼付されるべくして生れたといって過言でなし…としばしワナワナいたしました。誰ひとりとしてあぶれなくてよかったです。 
 ちなみに赤穂浪士の討ち入りは12月14日。最後までお読みいただいた貴方に贈る豆知識です(常識の範疇かもしれません、すみません)。
 




ももももこ
 2016.12.21

 きのうろくすっぽご紹介いたしませんでしたが「犠牲者」とは大正5年、長女の瑞子さんをわずか12歳で病気で亡くしてしまった顛末が書かれた短編小説です。当時その書きざまが非情だとして文壇で批判を浴びましたが、秋聲自身それに真っ向から反論するほか、後にアレは泣きながら書いたとも記しており、ひとの悲しみの深さは他人にどう見えたとて本人にしかはかれないものだとつくづく思わされる一品です。そのあたりが読みどころなのであって、牛の目だって!ヒー!とか本来はしゃいではならぬ作品なのです。なかにはその娘さんの赤ちゃん時代のお顔の描写に「こいつの鼻は豚の口のようだ」という牛の目以上に辛辣なセリフもあり、豚の口だって!ヒー!鼻ですらない!となったりもするのですが、それもすべて作品の大事な要素として機能しておりますので、そこだけ取り出してはならぬところです。

 秋聲先生のおうちにははま夫人との間に7人の子どもさんがありまして、上から一穂(かずほ)・瑞子(みずこ)・襄二(じょうじ)・喜代子・三作(さんさく)・雅彦・百子(ももこ)さんの四男三女です。男の子だけ見ましたら、上から一、二、三がついて四男の雅彦さんだけ急に雅彦…アレッ四は??となってしまうのですが、雅彦さんだけ易者さんにつけてもらったそう(そう、まだ占いの話を引きずっていますよ!!)。このくだり、秋聲自身も語っておりますが、八木書店版『徳田秋聲全集』月報36のご遺族座談会でも話題にのぼっており、編集者T氏による「4番目はいろいろ付けるのにも、あんまり縁起が良くない数だからかもしれませんね」との相槌に、なるほど納得するのです。

 ちなみにご本人談によると、喜代子さんの戸籍上の名は「喜代」だそう。それが秋聲もみんなも喜代子喜代子と呼ぶので通称・喜代子さんと館でもお呼びしております。百子さんも「百子」で届けを出したら、「百々子」が正しいといって直されてしまったようで、ご本人がそれじゃあ「ももももこ」だから嫌い!!と仰っているので、館では「百子」さんと表記することにしております。





干支談義
   2016.12.19

 丑年もどっかで見たな、と思えば「犠牲者」なる短編小説に何度か登場しておりました。秋聲をモデルとする主人公の母親と、奥さん側の母親が丑年として描かれています(実際にこのおふたりがどうだったかはまだ計算しておりません!念のため!)。

 その目は丑年の人に能(よ)くあるような目であった。私はちろりと光る其の目の感じを丑年の自分の母親にも感じた。姑は私の母親より、一ト廻り下の丑年であった。細い山路などで出会す真の牛の目のような無気味さが其の目にあった。

 丑年の人によくあるような目!どんな目!?ふつうに暮らしていてこれまで、へぇ丑年っぽい目ですね!とひとさまに対して感じたこととてありませんでしたが、そういう見方もあるのですね。野性の牛っぽい目つきだなんて絶対に言われたくないし、もし言われたならばちょっと距離を置きたくなるくらいの書きっぷりです。
 そういえば巳年はどうとか、他の作品でも書いていらしたように記憶します。星座や血液型による性格占いのように、干支にもそういうのがあるのかな?とネットを繰りましたらいろいろと出てまいりました。
 そのなかからいくつかご紹介…何はともあれ、秋聲先生の未年です。

○一見おとなしそうにみえても、内に秘めるファイトと忍耐力は相当なものをもっている未年生まれの人。礼儀正しく、何事にもひたむきに取り込むガマン強さは誰もが認めるところ。でも、やや消極的なところが短所といえそうです。

 あ、合ってるかも…!

★穏健正直で慈善心に富み、信仰心が厚いが、とかく苦労性で涙もろく、気弱で用心深く、ともすれば厭世的になりやすい人が見られます。

 「とかく苦労性で涙もろく、気弱で用心深く」……合ってるかも…!!
 都合のよいところだけ見がちな感も否めませんが、占いとはそういうもの。秋聲先生もけっこう易者なんかに見てもらっていますので、わりと占いお好きだったかもしれません。





徳田牧場
  2016.12.18

 雪が積もりました!全国的にもたいへんな日になったのでしょうか、金沢にもなんだか急に本格的な冬到来であたふたしてしまったなかなか学習できない金沢市民です。そんななか、中村記念美術館さんに乗っけていただき、ふるさと偉人館さんとともに金沢学院大、最後の授業にでかけてまいりました。
    中村さんのまっしろな庭!雪吊り!→

 学院大さんでは、前回の講評からより練りに練られた学生さんの企画案を聞かせていただきました。上から目線でけっこう身も蓋もないこと言っちゃったな…こっからの方向転換厳しいだろうな…と自分で意地悪を言っておいてちょっとドキドキしてしまっているどうやら根っからの悪人ではないらしい桔梗屋さんよろしく伏し目がちに参加いたしましたところ、なかなかどうして、そこが一休さんの一休さんたる所以。それぞれとんちの利いた解決策に気持ちよく「ぎゃふん!」と言い残してすごすごと、いやすがすがしくお教室をあとにいたしました。学生さん方、すばらしいポクポクポクチーン!をありがとうございました。
 
 そうして帰館いたしましたら、某K記念館さんの新しい企画展チラシが届いておりました。「酉TORI/卯USAGI―錦絵で愉しむ向かい干支」…なんと愉快な企画でしょうか、へええ国芳など…!と目を瞠るいっぽうで、すぐにパクろうとするやはり桔梗屋はどこまでいっても桔梗屋。
 秋聲先生は未年、するってぇと向い干支は丑……えっひつじとうし…?その瞬間、脳内に広がる緑一面の牧草地…!いやべつにわるくないけど、わるくはないけどなんか!なんかアレですね…!!と受付さんとともにブフーッと吹き出してしまったのでした。そう思えばTORIとUSAGI、絶妙に画になる取り合わせです。

 かわいいピンクのチラシに対抗して、そのうちもはや文学館かどうかも怪しい緑一面の牧歌的なチラシをつくりたいと思います。羊と牛のあそぶ徳田牧場…それもまたよし…。数年前の未年はうっかりスルーしてしまったので、少なくとも4年後の丑年のころに。



 

三谷情報フェア2016
  2016.12.15

 本日上記のイベントにお招きいただき、「秋聲文学の今日性―『黴』を中心に」といったテーマでお話をさせていただきました!(館長が!) 恥ずかしながらお声がけをいただいて初めて知りましたこの祭り、今回で第46回を数えるという歴史と伝統ある祭りでございました。館としてもいつもお世話になっております市立玉川図書館さんの真後ろにて、こんな大掛かりな祭りが毎年催されていたとは…ほかにもいろいろな企画満載のうえシフォンケーキなども販売されておりました。ぼんやり暮らしていると何かともったいない金沢です。

 館長からは秋聲の話を、学芸員からは館紹介を、というご依頼だったのですが、持ち時間40分というわりと短め設定だったものですから、あ、もうアレだったら館長使いきってもらってだいじょぶです~せっかくなので秋聲のお話を~と、その背後から館長の語る内容にあわせ適当な画像をスクリーンに送り込むだけの能力をしか持たない弱小スタンドのような顔をして(©ジョ○ョ)人差し指に全神経を宿しポチポチと仕事をさせておりましたらば、案の定館長の魂こもった秋聲トークは40分を軽くはみだし、そりゃあそう、普段2時間3時間を余裕でお話しされる方だもの…とフフフとなりながら感動のフィナーレを見守りパソコンをそっと閉じかけたところに、では最後に館のご紹介を!と司会の方が振ってくださり、アッやる?やります!?と慌ててマイクを受け取りました実はしゃべれるタイプのスタンドです、こんにちは。
 ただ(とにかくてっとりばやく館の魅力を…!)と焦りたおした結果、来月には芸妓さんが来るとか来ないとか!?とまるで品のないセールストークを繰り広げてしまいましたこと、秋聲先生に申し訳なく思っております。芸妓さんのお力、たいそう強力なものですからつい…(来月下旬お座敷あそび開催予定です。そのうち詳細アップいたしますのでよろしくどうぞ~)。 

 三谷産業さん、お時間割いていただきありがとうございました。ご担当の方、開催にあたり『あらくれ』を読んでくださったとのこと、心密かに感動しております。
 

  
 

金沢ボランティア大学校
   2016.12.14

 昨日、小雨降るなか標題の受講生30名さまがご来館くださいました!さまざまなボランティア活動をするための基本的な知識について学ぶ学校で、当館では主に解説ボランティアをするにあたっての実践的な聴講会ということでお引き受けをいたしました。
 要は30名さまを引きつれて学芸員が館内を解説してまわるだけなのですが、いかんせん30名!この狭い館内に…!なかなかの大所帯で1時間半びっちりと…受講生におかれましてはさぞお疲れになったこととお察しします。長丁場におつきあいいただきましてありがとうございました(通常はお客さまのご希望のお時間に合わせて行いますのでご安心をば…)。
 つくづく一昨年のリニューアルにあたり、1階の壁をぶち壊してよかったと思っております。細く仕切られた通路に30人一列に並ばれてはお尻のほうまでとても声が届く気がいたしません。

 終わってから寄せられたご感想によれば、概ね2階常設展示室にある「秋聲をめぐる人々」パネルにご好評をいただけたようです。秋聲の生きた明治4年~昭和18年を基準に、周辺人物それぞれの生きた時代が帯でわかるようなつくりとなっており、はっはーん、川端康成は30近く年下なんだ~紅葉先生は師匠だけども4つしか年上じゃないんだ~などといった見方ができるのです!…できる、はずです……!
 といいますのも解説のときには必ずこのそれぞれ色のついた帯が各人の生きた時代でぇ~とご紹介をするのですが、そうでないときにはそこにとくに何の説明も付しちゃおりませんので今ひとつ伝わっていないんじゃないかとの不安もあり…。
 こちらの説明不足はもはや謝罪するほかないとして、今後ご覧になる機会がございましたら是非そんな目でみてやってください。はっはーん、自然主義仲間の花袋さんとは同い年で、藤村さんは一個下か~!アッでも花袋はわりと早くに亡くなっていて、エッ藤村と秋聲ってば同年に死去!?すなわち自然主義の終焉!?ドラマチック…!!となること請け合いです。
 
 

 


奥歯デビュー
  2016.12.8

 われわれの守り神「奥歯の神様」が本日、中日新聞さんローカル18面に華々しくご登場です!驚きです!
 われわれの、といって別に館職員が設置したわけではありません。いつのまにかそこにいて、いつのまにか見守られていた、というのが正確なところ。そこでふたりして日々何をしているのかはわかりません。
 ただ時々「水門の神様」のような顔をして、トイレの神様よろしくへえ金沢ってこういう風習があるんだぁ~こんなに穏やかでも浅野川って氾濫したりするんだぁ~と観光客の方を騙くらかして遊んでいるのです。と言いながら実は後者のほうは本当で、早いものでかの大水害から8年が経ちました。館内の壁に刻まれた浸水のあとが今もその被害の大きさを物語ります。
 二度とあの悲劇が起こらぬように、との願いが込められているのかどうだか結局のところはよくわかりませんが、そして取材の方に「なんで奥歯なんですか?」と訊かれても「えっ奥歯に見えたから…」としょうもないお返事しか出来ませんでしたが、ともあれ奥歯神ついでに秋聲記念館の名を紹介していただけたことを何よりもシメシメと思っております。なりもふりも構わない秋聲記念館でございます。今後ともよろしくお願いいたします。
 浅野川のことは秋聲先生もちょこちょこと書いていらして、たまに雑誌社の方から、金沢特集をするので浅野川に関するいい感じの文章ないですか??と訊かれて読み直しながら「旧時金沢の繁華の中心は此の浅野川に沿うてゐた。此の川をすこし行くと丘があつて、其の丘――小山の斜面に遊郭がある、其の遊郭から鼓の音が水面を渡つて響くのを聞いた時、鏡花君は京都の鴨川の畔の気分によく似てゐると云つた。」(「加賀」明治44年)とかなんとか、途中まで卯辰山とかひがし茶屋街とかいい感じにローカル臭を漂わせておいて結局京都だとか鏡花さんだとか、ちょっと散らかりますからー!!せっかくの晴れ舞台に〝秋聲を育んだ金沢〟感が薄れますからー!!と悶絶することばかりです。そういうとこがおありです。



 


今年のサンタ
   2016.12.6

 今朝ネットを開きましたら右のほうにいつの間にか住んでいるヘルメットをかぶったちいさい犬のキャラクターが「おはよう!きょうはサンタクロースのモデルとなった『聖ニコラウス』の記念日なんだって」と問答無用で教えてくれましたもので、おおそうか…となりました記念館です。おはようございます。 
 記念日とは?となってまんまと調べに入りましたら、345年または352年12月6日がご命日ということで、そういう意味できっと記念日なのだろうとは思いながら、何せ年のほうの見慣れぬ数量にいったんウッとなってそれ以上詳しく調べることをやめてしまいました。それが西暦であると気付くまでに数秒かかってしまうくらいには20から21世紀にどっぷり浸かって生きております。秋聲先生は19世紀のお生まれですね。もういくつ寝るとお誕生日ですね。

 さて、サンタといえば当館ですからこの記念日を最大限に生かして館内にクリスマス飾りを設置いたしました。またそれだけでは気持ちがおさまりませんで、大量のサンタシールも作成してみました(→)。えっ、正気ですが何か?
 思えばこの数年、サンタポストカード、サンタ缶バッジ、サンタメッセージカードなど好かれと思って毎年いろいろと作って参りました。イベント参加特典として制作したもので非売品のうえ今はもう手に入らない品々…もらったお客さまがほんとうに嬉しかったかどうかを知るには館職員の感覚などもうとうに麻痺しており、まるで役に立ちません。

 今年はなんやかんやでグッズ・イベントともにご用意ができませんでしたので、手作りシールでどうか勘弁してやってください。えっ、とくに待たれてはいないですか?





文学概論
  2016.12.5

 本日は金沢大学に出没です!ここ数年毎年この時期に呼んでいただいております人社学域共通科目の「文学概論」の講義ですこし秋聲の作品についてお話をさせていただきました。学域という言葉がただちに変換されない旧式パソコンから今日も元気にお送りしております。
 キャンパスマップを片手にうろちょろりと広い構内をさまよいたどりついたお教室…帰りは案外とすぐそこに出口が開かれていて、アァとんだ回り道をしてしまったぜ…と行きの道のりをまるでふだんなかなか踏み入ることのない構内ですからなんとなく散策してみました、かのようなテイに脳内で修正しつつ、どんどこお邪魔してきた次第です。秋聲先生ならば「無駄道」とばっさりやるところでしょう。人生に無駄なんてない!!と誰かあの先生に教えて差し上げてください。
             帰りのバスの窓から虹!→

 さて今回は、若者がお相手ということで、天下のジ○リ様を引き合いに出しながら秋聲の「リボン」という短編小説についてご紹介してまいりました。テキストに使お!とハッと思いついてから超特急で打ち込みましたもので、もしや誤字脱字なども多いかもしれませんが、現在「不定期連載」のトップにいる作品です。紙ベースでお渡ししてもよかったのですが、若者はスマホかしら?ちょっと空いた時間に読むのにいいかしら?と思い、何の前触れもなく突如更新をいたしました。毎度ルビの処置が甘く読みにくくて申し訳ございません。
 タイトルが「リボン」ですから、ジ○リ好きの方はなんとなくポンと浮かぶ彼女のお顔があるかもしれません。リボンといえば日本一有名なあのまじょこさんの出番です(ちなみに当方の得意モノマネはト○ボ少年の繰り出す「まじょこさぁ~~ん!!」との呼び声です)。
 金沢大学さん、ありがとうございました。かなり強引な反則技やもしれませんが、秋聲作品をすこしでも身近に感じていただけましたなら空にものぼる嬉しさです。
 


 


ギャラリートーク②
 2016.12.4

 全集展、2回目のギャラリートークが終了いたしました。もうずいぶん口も酸っぱいですけれども、当館の展示解説は展示開催初日と毎月第一土曜の午前午後に開催しております。1月だけはお休みします。すみません、正月ぼけを想定しての怠慢です。
 さて昨日のギャラリートーク、午前の部にはずいぶんとお若いお嬢さん方が参加してくださいました。たいへんに稀な現象でございます。先日からちょこちょことこちらでもご紹介しているゲームでもって秋聲にご興味をもってくださったとのこと、テンションがあがっていろいろと張り切りすぎてしまい、あとで急に恥ずかしくなっている昼下がりです。ご来館ありがとうございました。
 いくらご興味が湧いたからとて、さて記念館へゆこうかい、とわざわざ足を運んでくださるそのお心ばえに、館として敬意を払わずにはいられません。リアル秋聲先生のもろもろ、楽しんでいただけましたら幸いです。

 また午後の部にはレギュラーのおじさまがお見えになって、若い頃には秋聲なんか読んだことなかったけども、せっかく金沢に住んでるしね。知れば知るほど、小さい体でたいへんな人だねえ…(秋聲先生は150cm強)としみじみ語られたそのお言葉になんだかこちらもしみじみしてしまいました。たしかにふつうに生きていたら、いかに文学史上の大家とはいえ秋聲の名など知らずに通り過ぎてしまうのでしょう。少なくとも教科書に載るタイプの作家ではありません(便覧には載っているはず!あるいは社会の教科書に??)。

 これから三文豪カフェいってきます!と元気に出発されたというお嬢さん方(香林坊東急スクエア地下階にございます)、時折小さく頷きながら最後までお付き合いくださった午前午後のおふたりさま、今日も白鳥路の秋聲さんに挨拶して帰ります、と言って出られたおじさまの後ろ姿に、ただただ感謝を捧げます。 



 


地域連携プロジェクト
  2016.12.3

 昨日、金沢大学院大さんにお邪魔してまいりました!なんだかんだで3回目です。10月末頃にまたご報告します~といっておいての12月。はやいもので全4回中3回が終わってしまいました。
 内容といたしましては文学部の「地域連携プロジェクト」の一環で、文化施設・文化政策のもつ課題について学生さんに考えていただき、解決策の発表を聞いて現場からの意見感想を申し述べるというものです。中村記念美術館、ふるさと偉人館の館長および学芸員さんとともにうかがい、学生さんの柔らかい頭から繰り出されるプレゼンテーションを聞かせていただきました次第です。

 お受けする際に概要を聞いていたはずですが、何故か勝手に3人一緒にワァワァ言うのかと思いこんでおりましたところ、蓋を開けてみたら別教室!3人別れ別れとなり、秋聲は秋聲クラスでひとりきりという心細さ…!思いのほか責任重大でした(ご説明をよく聞くべし…)。

 当館では「美術品にくらべビジュアル面で弱い文学資料を、文字量を増やすことなくいかに見せるか」という一休さんばりの禅問答のような課題をお出しいたしました。現状まるで解決できていないリアルな課題をお出ししておりますもので、本来講評できるような立場ではないのですが、実際に文学館に在籍する身として、これは面白いけど難しい、これは難しいけどこうならできそう、と逆に相談に乗っていただくような気持ちであれやこれやとお話をさせていただきました。
 すでに別グループでの第1セットが終わりまして、昨日は第2セット目の第1回。上から目線でヤァヤァ言わせていただいた今回を受けて、次回最終プレゼンが行われます。じゃあどうしろっていうのさ…ッ!と今頃みなさまモヤモヤされていることとお察ししますが、そこはポクポクポク、チーン!でがんばっていただけましたら幸いです。東山のアイディア泥棒はせっせと風呂敷にアイロンをかけ、その日をお待ちしております。





三文豪ひとまわり(終)
 2016.12.2

 毎度終ったころに失礼します。去る11月末日をもちまして、二ヶ月にわたり開催してまいりました三文豪月間が終了いたしました。会期中ご参加くださった皆様方に厚くお礼申し上げます。
 この催し、毎秋やっておりますが、今回のキャッチコピー「三文豪ひとまわり」には〝今年で12回目〟という裏テーマが籠められておりました。ひとまわりといえば干支、干支といえば十二支。加えて、三文豪館と石川近代文学館さん、金沢文芸館でスタンプラリーを開催いたしまして、各館を巡って市内をぐるりひとまわりしてみてね、とのダブルミーニング!スタンプ4つで記念品と交換できるというシステムです(ただ、終わっております)。
 
 
 当館のスタンプには、なんと秋聲先生ご本人があしらわれております。描いたのは秋田県出身の画家・平福百穂(ひらふく・ひゃくすい)氏。かの有名な岩波文庫の表紙デザインを手がけられた御方です。この肖像画が描かれたのは明治44年12月22日、秋聲先生が41歳のとき。翌1月発行の雑誌「新潮」の秋聲の随筆掲載ページに、著者近影のような意味合いでしょうか、挿絵のようにして掲載されました。
 実はこの肖像画、2パターンございまして、上が当館蔵の肉筆画(レプリカ展示中)。下が雑誌掲載のもの。文字情報の有無のほか、お顔の感じも微妙に異なります。先に肉筆のほうを見て、なんだか寒そうだな…とは常々思っておりましたが、12月22日でしたか…秋聲先生のお誕生日前日…。
 スタンプになっているのは肉筆画のほうです。押された方おわかりかと思いますがこれがけっこうよくできているのです(アッちなみに記念品となった豆メモ帳の『少華族』も百穂デザインです!)。 
 三文豪月間が終った今、このスタンプは冬眠に入らせますが、また何かのおりにご登場いただくやもしれません。某K花館は兎、犀星館は杏、秋聲館はまさかのご本人。
 




いろいろと瀕死
 2016.11.30

 いそいそと新グッズをつくる前にせねばならないこと、それは増刷。何度も何度も在庫僅少の申し送りを受けておきながら、ついに無くなるまで知らぬふりをしてしまう悪い癖が治りません。先日取材の方と当館グッズについてショップ前でお話をしながらフと気がつき、あれれっ?黴がないよ~??と無邪気に受付さんに確認した際、ごくにこやかに「品切れです」とご連絡くださるその顔の裏に隠された(いやだから無くなったって何度も何度も言ったでしょうが…!)との圧にギャッ!!となりました。

 ついに館自慢のお洒落クリアファイル4種類のうち半分が死滅したというショップの現実を目の当たりにし、ようやく重い腰を上げましてございます。「黴」「爛」「仮装人物」「縮図」、4種揃って再進撃をはかれるのは来月中旬頃になるかと存じます。来館者のみなさまにも申し訳ないかぎりですが、それまで残る「爛」「仮装人物」に頑張ってもらうほかありません。
 この4種はいちおう秋聲の代表作と呼ばれるものから選んでおり、「黴」は明治44年、「爛」は大正2年、「仮装人物」は昭和10~13年、「縮図」は昭和16年に発表と、明治大正昭和の各時代を代表する一軍に属します。ちなみにいま企画展でご紹介している秋聲生前に唯一完結を見た非凡閣版『秋聲全集』全14巻別巻1は昭和11~12年に刊行されており、「仮装人物」をまで収録するつもりであったのが、作者病気のためズルズルと連載が延び、結局未完結で収録できず「間に合わなくてゴメン…」と秋聲自身が詫びるという一幕もありました。
 展示では主に「仮装人物」が入らなかったことでもって不完全な全集…といった言い方をしているわけですが、作家の生前に〝全集〟を編むというのはもともとそういうパラドクスを孕んでいるわけで、作家が生きているわけですから全集刊行後に制作された生涯最後の長編小説「縮図」など当然収録されようはずもなく…。言わば『秋聲全集』(暫定・昭和12年現在)くらいが正確なのでしょうけれども、要は正確・不正確でなく編集委員および出版社の意気込みの問題とお見受けします。
       「縮図」だけ裏にもデザインありでお得!→
       (いま在庫ないですけど!)





ウドじゃなかった
 2016.11.28

 春穂さんの装丁原画がすてきなので、有難いことに「これでグッズ作ったらいいね!」と言ってくださる方が多いのですが、残念ながら秋聲全集のためのものですからそれはそっとしておこうと思っております秋聲記念館です。
 いま企画展で数点展示させていただいておりますのは第三期分および未使用の原画たちで、第一期二期分の30点は全国のどなたかのお手元におありのはず。といいますのも、全集刊行時、春穂さんのご了承を得てその30点は全集購読者プレゼントとされたため。なんという贅沢企画でしょうか、これもプロモーションの一貫だということで、記念館としては惜しいことながら当時の当選者はさぞお喜びになったことでしょう(ちなみに編集委員の先生のおひとりも一購読者として応募した結果、落選したそうです。八木書店、厳正です)。
 展示を構成するにあたって、やはり描かれた動植物の種類を特定せねばなるまいよ、と職員総動員で何の草花であるかを調べたことも今となっては良い思い出です。結局、ウドだ!!ウドに違いない!!とした植物が、後に見た原画の裏側に「イタドリ」と記されていたことによっていとも簡単に覆されたことも良い思い出です。
             41巻イタドリは5人組→

 イタドリ!?イタドリってなんだ!!ほう「タデ科の多年生植物」か!「別名は、スカンポ、イタンポ、ドングイ、スッポン、ゴンパチ、エッタン」ってもう何だソレ…!!となったりしたことすら思い出です。そう、残されている原画によっては裏に書いてくれているものもあったのです。アレですね、写真でもなんでも今はわかると思っても一応おともだちご親戚のお名前と日付を裏に書いておくといいですね。世代を経るとわからなくなってしまうのです。
 単純に植物に無知、というだけの恥をうまいこと言ってウヤムヤにしようとしているわけですが、調査の段階で、職員のひとりがお花なら友達に訊いてみる!といって訊いてくれたお相手がお花屋さんでなく友禅の絵付師さんだったというのも金沢らしくてちょっとイイ話。そしてさすがの正答率。



 


ねぎぼうずたち
  2016.11.26

 開催中の「秋聲全集物語」展のチラシに用いております「ねぎぼうず」は日本画家・徳永春穂(しゅんすい)氏による全集の装画です。八木書店さんの『徳田秋聲全集』別巻も含め全43巻には、その外箱にすべてちがった動植物の絵があしらわれているのです。そういわれてみれば、フーンほんとだね、で終ってしまうお話なのですが、43冊それぞれにデザインを変えるというのは実はすごいこと!それだけ版代が嵩むんだよ~、と編集者T氏に教えていただきこちらも初めてハッといたしました。たしかに…ふつうの全集は全巻共通デザイン…!いつぞや木村荘八展の際に当館でご講演もいただいたブックデザイナーの大貫伸樹氏と徳永春穂氏とのコラボレーションにより、慎ましくもこだわりの装丁が施されているのです。
 すなわち、チラシに使えるモチーフは43点あるということ。しかも気遣いの人・春穂氏は足りなくなったら困るし選べたらいいよね、ということでさらに20枚ほどの予備の原画を用意してくださったそう。すなわち、使えるモチーフは60点強あるなかで、何故第38巻「ねぎぼうず」チョイスなのか?

 答えは7人いたからです。

 同じくチラシに添えている引用文は秋聲生前に編まれた非凡閣版全集の宣伝文句。「今こそ選ばれたる七人の編纂者を得、遂に全集刊行出現」とある七人とは岡田三郎、菊池寛、久米正雄、里見弴、広津和郎、島崎藤村、中村武羅夫といった錚々たるメンバーを指します(後に「金沢の三文豪」のひとり・犀星さんが加わります)。
 ほう!この7人か!と思わせておいての、実は八木書店さん版全集の編集委員もなんと7人!アラ奇遇!

 そんなわけで、ねぎぼうずはこっそり全集編集委員の先生方を表していたりするのです(「ぼうず」との響きがちょっとアレかもしれませんが、悪意は一切ございません!!)。

    11巻の麦だと9人いてしまうので・・・→




 

お詫びのこと
  2016.11.25

 ひとさまにお礼を申し述べておきながら盛大に誤字を混入させてしまいましたこと、文学館として今更ながらに恥じ入っております。アァ興奮のあまりすこし噛んでしまったのだな、と前向きにご理解いただけましたら幸いです。その節はたいへん失礼をいたしました。

 さて、お詫びついでに今ほど二階の大窓に住まうクモ営業課長を梅ノ橋下の土手へと派遣してまいりました。なんといっても梅ノ橋を一望できる当館自慢のサロンですから、クモもクモなりにこりゃいい景観だとばかりモリモリ新居を建てなすっているのにみな気がついていながら一階へ降りるとは忘れてしまうという階段性健忘症が館一帯に蔓延しており(いちどイベント前に撤去したでしょうか、またすぐに建てなさるのです)、ずいぶんと自由にさせてしまっていたわけですが、このたびついに外回りをお願いすることといたしました。それというのも先日、この寸々語の過去記事に間違いがあるよ、とご指摘くださった方があり、そりゃあすみませんでした!と訂正するため開いた該当記事に付されていたのが、二年前に二階大窓のまったく同じところに住みついたクモの写真だったため…(2014.10.23記事参照)。それはもうどうにかなさいという天からの思し召し…。

 その家が芸術的に美しいので、正直まぁいいか、と思わないところもないのですが、二年前、仮に営業課長と名付けた彼(彼女?)と同じやつかその子孫かと気になってクモの寿命をみんなのWikiさまで調べましたら「ゴキブリなど家の中の衛生害虫を食べる天敵としては益虫だが、姿を苦手とする人にとっては不快害虫」と書いてあり、そりゃあそう!!と強く納得してしまいましたのでやはり公共施設としてどうにかすることといたしました。長らく放置させてしまい、苦手な方申し訳ありませんでした。とかいって悪びれもせず写真を載せる、口先ばかりで恐縮です。
 





御礼のこと
 2016.11.21

 あんまり浮かれてはいけない、と日々自戒してはいるのですが、やはり今月に入りましてからにわかに「秋声(秋聲)」の名を呼ぶ声が巷に増大いたしましたことに思わず頬が緩んでしまう今日このごろです。記念館の仕掛けたことでなく、あくまでもひとさまのフンドシでとった相撲…ひとさまのフンドシを高々と掲げて「秋聲の時代キターーー!!」と叫ぼうだなんてあまりにみっともなく情けないことと心得てはおりますが、なんでもわりと働きものらしい秋声くんの奮闘のおかげさまで、秋聲先生ご本人のみならずひいては記念館の存在にまで言及してくださるみなみなさまのお声のひとつひとつが余りに嬉しく有難く「秋聲の時代キターーー!!」と周囲の制止を振り切ってフンドシ片手にドドンと駆け出したい心持ちです。この場をお借りいたしまして、かの秋聲をゲームに登場させようだなんてご英断をくださった「文豪とアルケミスト」制作陣のみなさまと、そこから秋聲に興味をもってくださったみなさま、そして記念館に代わりいろいろとご宣伝くださるみなさま方に心より御礼申し上げます。

 と言いながら、この波を生かすも殺すも記念館次第…。輝かしいフンドシは有難く入口に掲げおくとして、館として魅力ある活動をどしどしお見せしてゆかねばなりません。羊頭狗肉にならぬよう…ちなみに秋聲先生は未年…そのせいだか「羊三(ようぞう)」という名を主人公に使いがち…筆名は秋聲でも秋声でもどっちでもいい・・・来月がお誕生日・・・血液型は不明・・・。

これはちょっともうはかりしれないほっこりポスト!→






あたたかいくらし
 2016.11.20

 先日、学芸員会議のため新生金沢くらしの博物館にお邪魔してまいりました!くらしさまは昨年より長らく館内改装と耐震工事のため休館されており、先月めでたくリニューアルオープンを果たされたのです!
 おめでとうございます!おかえりなさい!うすら暗い写真ですみません!!

 大きな変化といって、まずなんといってもくらしがあたたかい!!というところに衝撃を受けましてございます。いや見るべきはケースであり展示品でありということはわかっているのですが、去年まであんなに寒かったくらしさまが、玄関入った瞬間あったかいだなんて…!!既成の概念の崩壊…!!
 それ以降はどのお部屋に入ってもアッあったかい…!2階に上がってもあったかい…!会議するお部屋まであったかい…!!が先に立ってしまい、置いてあるものものが後回しになってしまいました。すみません…。明治32年に建てられた「石川県第二中学校」(通称・金沢二中)の校舎をそのまま使用しており建物自体が県有形文化財のためなのでしょうか、これまで館内に暖房がなく、訪問するとは学芸員さんが半纏を着込み寒そうに出迎えてくれたことが思い出されます…これからはあの半纏姿がもう見られなくなるのかと思うとそれはそれでちょっと寂しく…。
 そんなわけで今後はあたたかいくらしが体験できますので是非是非お運びください。また今回の展示は「金沢の獅子舞」ということで、ありとあらゆる郷土の獅子頭がずらりと並んでおりました。文化財のものなんかもありながら、どうしても彼らの髪質ばかりが気になってしまい、これは良い毛根、ちょっとコシがない、などと頼まれもしない品評会を開催してしまったこともすみませんでした。
 獅子頭といえば、紅葉先生の息子さんが玩具の獅子頭をほしがっているということを知り、そんなら今度帰省したときに買って送りましょう~と約束しておいてなんとなし買わずにしまったことを後ろめたく思い尾崎家から足が遠のく秋聲先生のエピソードなんかもありましたね。生涯最後の短編小説「喰はれた芸術」です。 





ダブル命日
  2016.11.19

 ほんとうの秋聲忌は昨日11月18日なのでした。イベントとしての「秋聲忌」はみなさまの集まりやすい時期に、ということで石川近代文学館さん菩提寺・静明寺さんとの協議のうえ、毎年18日より前倒しの土日のどちらかで開催させていただいております。ご興味おありの方、毎年の目安としてくださいませ。
 前倒しすなわち、先にひと盛り上がりしてしまって(忌日にすみません…)当の日はスルーというのもなんだか申し訳ない気がいたしまして、毎年この日には『爛』に関するものを入館者先着18名さまに進呈することとしております。何故『爛』か?そこに挿絵をつけてくれている画家・木村荘八さんのご命日が奇しくも同じ11月18日だからです。そんなわけでダブル命日としてふたりの合作がチョイスされまして、今年は去年刊行したばかりの挿絵入り文庫本がプレゼントされました。
           静かな修羅場、絶妙なる三角関係→

 ダブル命日とかいってなんだかダブルでお得感を出しつつ、その実アッ命日かーい!と急にはしゃいだことを反省させられてしまうろくでもない罠が仕掛けられているこの催しにして、結局華々しいことでもないので来てくださった方がちょっと嬉しくなって良い思い出にしてくださればいいな…くらいのささやかなしめやかな企画につきさほど宣伝もしていないのですが、どうしたことか昨日は地元のテレビ局さんが入ってくだすって(先日の「秋聲忌」にも初めてテレビ局さんが…)開館後ごくごくスローペースではけていく『爛』に職員がちょっと気まずい思いをしたとかしなかったとか…秋星りんごほどの勢いがなくてなんだかすみません…まぁご命日ですから…
 きのう知らずにいらした方も、知ってわざわざこの日に合わせてご遠方よりいらしてくださった方もあったそうです。まぁ…そんなことならもっと早くにHPにあげればよかったと申し訳なく思いつつ、たぶん毎年何かしら差し上げることと思われますのでぜひ今後の目安としてくださいませ。
 余談ですが、八木書店さんの『徳田秋聲全集』は平成9年11月18日に刊行された第1巻を皮切りにして、後続の巻の奥付が必ず18日となっているという小技の効かせっぷり…!ヨッ粋ダネッ!!


 
 

いざ鎌倉~返却編~
 2016.11.16

 きのうさらっと流してしまいましたが、せっかく鎌倉まで行ってまいりましたので改めてご報告をさせていただきたく存じます。
 鎌倉の旅、メインは言わずもがな、川端康成旧宅書斎からお借りしておりました遺品のペン皿のご返却です。川端邸にふたたびお邪魔いたしまして、無事、秋聲の甥っ子である加賀蒔絵師・太田抱逸の作にして秋聲が愛用し、その没後長男一穂さんから康成に贈られたという「松喰鶴蒔絵盆」をご返却申し上げました。そう、ペン皿ペン皿言うていてはいけません。「松喰鶴蒔絵盆」という名がついてございます。

  川端邸は徳田家同様ご遺族がお住まいでいらっしゃいますので通常非公開ですが、ちょうど伺った翌日が鎌倉文学館さんの運営によります一般公開日ということで、ちょいフライング気味にその空気に浸らせていただくこととなりました。川端康成記念会さま、ありがとうございました。秋聲と康成の仲ですから、今後とも末永くお付き合いいただけましたら幸いです。
                      ↑お宅の目印はすぐお隣の天縄神社

 また、その後鏑木清方記念美術館、鎌倉文学館さんにわちゃわちゃとすべりこみまして、美と文とにたいへん目が潤った一日でございました。こちらの都合のため快くご同行くださったユメジ館さまにも厚くお礼申し上げます。
 翌日は東京の日本近代文学館にて開催中の企画展「漱石―絵はがきの小宇宙」展を観覧。秋聲先生筆の初公開絵葉書もございまして、展示室の中ほどで発見したおり「で、出た~~!!」と思わず歓声をあげてしまったのです。
 末筆ながら各館の学芸員のみなさま、お忙しいところご丁寧にご案内くださいましてありがとうございました。上記全館とんでもなく親切な人と充実した資料をお持ちですので紅葉も見ごろのいま、鎌倉旅行をお勧めします(大仏さまはユメジ館さんとともにモノの隙間からちらっとだけ見ました)。
 




四十三ヵ年計画
  2016.11.15

 ホームページ復旧しました!!と声も高らかに叫んでおいてのだんまりを決めこみまして申し訳ありません!その後、閉幕した康成展の資料をお返しに鎌倉は川端邸などにうかがっている間にふたたび壊れたというかもうパソコンごとダメになったというかで、また何のご連絡もなくスッとなりを潜めましてございます。パソコン、本日退院いたしましたがまた急に不調を訴え出すのではないかと内心ヒヤヒヤしております。そのうちスッといなくなりましたら決して職員のサボり心のためでなく、パソコンさんが入退院を繰り返しているのだとお察しいただけましたら幸いです。

 さて、そんななかでも今年の秋聲忌、無事に執り行うことができました!共催の石川近代文学館さん、いろいろとお世話ありがとうございました。第二部では当館にて企画展記念鼎談「秋聲全集のつくり方」と題しまして、秋聲全集を刊行された八木書店編集者・滝口富夫氏、編集委員の小林修先生、そして編集の裏方として奔走された当館前学芸員・大木志門先生に当時の思い出とこの全集の意義についてお話しいただきました。ブッキングしたのはこちらですが、お三方で二時間ばかしではやはり全集編集にかかったおよそ10年の歴史を語りつくせるはずもなく…今後毎年1巻分ずつお話しいただくこととする…?いや、この先40年かかりますね。軽く定年です。
 そのあたり滝口さんのツイッターですこし補足いただいておりますので、ご興味ある方はぜひ探してみてください(「八木書店 秋声記念館」で検索!) 
 毎度「なんかいいがにしてください!」と講師陣に丸投げする姿勢を反省しつつ(金沢弁で「良い具合にしてください」「あとうまいことしといてください」の意)今後とも皆々様のお力をお借りできる記念館でありたいと思っております。この先10年20年、何卒よろしくお願いいたします。



 


沈黙の開幕
 2016.11.4

 つづきはまた後日…と振っておいてのだんまりを決めこみまして申し訳ありません!実は数日前とつぜん当館ホームページに不具合が発生いたしましてまるで更新ができない状態に陥っておりました。そのため新しい企画展の宣伝も、日々のアレコレも、いまちょっと更新できないんです!という現状をすらもお伝えするすべなく、その結果誰にも告げぬまま新しい企画展「秋聲全集物語」を開幕させるはめになってしまいました。いつもご覧になってくださる皆さまと関係各位に心よりお詫び申し上げます。そう、それはたとえば携帯電話をなくしてしまったときのよう…携帯失くしたよ!と伝えたくても携帯がなければ伝えられない、そんなジレンマ…(代わりにご宣伝くださった某K記念館さまには黴よりも根深い感謝の念を捧げます…)

 そんなわけでこっそり前回の真っ黒い「康成、秋聲を読む。」展が終幕を迎え、今度は真っ白い「秋聲全集物語」展がこっそりはじまっております。HPにあげていないにもかかわらず、初日の解説に集まってくださった皆さま、ほんとうにありがとうございました。ぜんぜんトップのビジュアル変わらないからもしや初日間に合わなかったんじゃ…!?と遠方よりご心配くださった方がありましたらほんとうにすみませんでした。職員はみな元気、展示も無事、初日に間に合わせることができました。ガイドペーパーも当日朝に勢いよく刷りましてございます。
 トップに晴れ晴れしく「開幕しました!」と宣言することができなかったことだけが今となっては口惜しい限りですが(「開幕しました!」をそっと「開催中です」に修正する悲しさったら……)、日々更新できることそれ自体が当たり前ではないのだと、更新する喜びをこれまで以上に噛み締めて生きてゆきたいと思います。



 


出前三昧
 2016.10.24

 ここ数日やたらと市内各地に出没しております。13日は大野町小学校、19日は馬場小学校、そして21日は金沢学院大学にお邪魔してまいりました。
 大野町さんのときにはちょうど名誉館長が東京からご来沢だったものですから無理を言ってついてきていただきました。出前いろいろ伺うなか名誉館長をお連れしたのは初めてのことです。
 たいへん元気な生徒さんたちと楽しく授業を終えまして担任の先生より名誉館長をご紹介いただき、ひとことご挨拶いただきましたところ、生徒さんたちは「ホンモノだ!ホンモノだ!」との大騒ぎ!「ホンモノ」との言い方が当てはまるのかにんともかんともですが、なんせたいへんに微笑ましく、とりいそぎ徳田秋聲が実在していたのだということだけは体感していただけたことと思います。名誉館長、コーディネートしてくださった金沢文芸館さん、大野町小学校さんありがとうございました。

←こちらちょっと斬新な「会釈」を教える廊下の張り紙
 たしかに何度もすれ違ったときに気まずいから…!!

 馬場小さんは2回目の講座です。東京に無理に押し込めてきた末雄少年を無事回収して参りました。最後に生徒さんより感想や質問を受け付けたところ「前回はよくわからなかったけど今回はよくわかってよかったです」と正直すぎる感想をいただき、アッ、じゃ、よかったです…!というなんとも言えないまごまごした感じになりました。今回分よくわかってもらえたならよかったです。

 学院大さんはちょっとこれまた面白い授業でして、こちらも来月第2回がございますのでつづきはまた後日…。


 
  


歩く走る登る
 2016.10.23

 なんだか城下が賑わっておるな、と謎の殿様目線で町の活気を眺めておりましたらば本日「第2回金沢マラソン」開催でございます!朝からガッツガツに交通規制がかかっておりますのでご来館のみなさま、どうぞお気をつけくださいませ。全国から集まるランナーとその応援のみなさまへのおもてなしとして当館を含む文化施設、昨日今日と21時まで開館しております。クールダウンに使ってやっていただけましたら幸いです。
 おとといは市内で金沢ウォークが開催され、ここ3日城下町を歩いたり走ったりする人たちをたくさんお見かけします。そんななか決して歩かず走らず、車でブゥン!と金沢城のお膝元・広坂は石川近代文学館正門に乗りつけ資料借用の儀式を執り行ってまいりました(ご親切に乗っけてくだすった中村記念美術館さんありがとうございました!)。
 その際すこし早めに伺って、現在開催中の企画展「作家と山山」をちょっくら拝見。名著『日本百名山』で知られる石川県出身作家で登山家・深田久弥の業績を中心に、文学作品に現れる「山」の姿がふんだんに紹介されておりました。なかにはちゃんと秋聲先生のコーナーもあり、そこに展示されていた俳句軸「山僧の山葵(わさび)を植ゑて居たりけり」は当館未収蔵のもの。眼福眼福、とほくほくしながらいつか当館で借り受ける日のため、サイズ感などもさりげなく心に刻んで参りました。こちらの展示、来月27日までです。石川近文さんたいへん長々とお邪魔いたしました。

 そして山といえばでふと思い出されましたエピソード。先日秋聲令孫・徳田章子名誉館長とお話ししていたおり、秋聲が初登場する件のゲームについて「アレなんてタイトルだったかしら?」と仰るもので、そのタイトルをお伝えすると「え?文豪とアルピニスト?」と返ってきたのがたいへんにツボでした。それはもう深田久弥一択!





思い出るまゝ
  2016.10.22

 10月は何かとイベント満載でしてチャカチャカと日を過ごすうちずいぶんと御無沙汰になってしまいました!すみません!!
 あんまりさぼりすぎていて何から手をつけてよいものやらちょっと心の走馬灯が馬鹿になっておりますが、なんとなし思い出るまゝご報告をさせていただきます。

 まずは12日、今度こそドイツはボン大学よりハラルド・マイヤー先生をお招きすることがかない、「ドイツの日本近代文学事情」をテーマに当館上田館長のと対談イベントを開催いたしました!
 ドイツでも、日本近代文学の作者作品名は知っていてもそこに深く関心をもつ学生さんはなかなか少ないとのことでしたが、たとえば川端康成と三島由紀夫の対談映像などを見せると作品への見方自体が随分と変わってくるそうです。三島の語り口、川端の語り口、それらにじかに触れることで、音声としての言葉の意味はわからずともその作家の質のようなものを感じとることが出来る、とのお話が印象的でした。秋聲先生は映像こそかろうじて残っているものの残念ながら音声は残っていません。そう言われてみると、どんなお話の仕方をされたのやら、たいへん気になるところです。マイヤー先生、ご遠方より本当にありがとうございました。
 
 それから16日はいしかわ文化の日ということで、今年もそんな季節になりました石川県産りんごの「秋星」を入館者先着100名さまにプレゼントいたしました!今回は昨年とちがって秋聲のお顔のプリントなしのものですが、勝手にお顔シールを作成いたしまして問答無用で「秋星」「秋聲」ともどもにプレゼント。二つの意味で大人の味わいを100家庭に忍び込ませることに成功いたしましてシメシメです。どれくらいはけるかなーと呑気に構えておりましたら開館から1時間半ですべてなくなりました。おそるべし秋星人気…!






世帯力
 2016.10.10

 いつも何てことのない日常にちょっとした示唆を与えてくれると(館内で)もっぱらの評判の秋聲作品ですが、先日いやほんとにすごいや・・・!といたく感動した出来事がございましたのでご報告させていただきます。
 先日、文京区からご来訪というお客様をご案内していて和紙人形シアターを一緒に見ていたおり、和紙人形となって鎮座まします五人の作品ヒロインのうち「あらくれ」のお島さんにだけスポットが当たっていないことに気がつきまして(しまった球切れだ・・・!)とたいへんに気まずい思いをしたもののすぐに動くこともできず、お客さまをお見送りしてから交換を行いましょう・・・と心に決めながらもその後二階へ上がって康成展などを解説させていただきましたらもうそのことを気持ちよく忘れてしまい、むしろご来館いただけたことにほくほくとしながら事務室に帰り、スッと外界をシャットアウトのうえ訳あって「新世帯」を一字一句拾いながらの熟読モードに入っておりました(この時期です。その訳、お察しください・・・)。
 「新世帯」とは、東京でお酒などを売る新店を営む若き新吉夫婦の妻・お作が出産のため実家に帰っている隙に友人の妻・お国が新吉宅に入り浸るようになり、そのお国がわりとぼんやり屋さんのお作とちがって大変に気の利くデキる女で・・・といった物語。
 それをもくもく読んでいると中にお国の描写でこんな一節が出てまいりました。

 「新吉の目から見ると、為ることが少し蓮葉で、派手のやうに思はれた。けれど働き振りが活々(いきいき)している。箒(ほうき)一ツ持っても、心持ち好いほど綺麗に掃いてくれる。始終薄暗かったランプが何時(いつ)も皎々と明るく点されて・・・」

 アッ!!!ランプ!!!
 
 すぐさま電球をとりに走りましたことは言うまでもありません。秋聲先生いつもありがとうございます。あわや新吉の激しい舌打ちの餌食になるところでございました・・・





文恋
  2016.10.9

 美しい単語、文恋(ふみこい)です。
 一昨日と昨日、当館にて毎秋の恒例行事となった新内流しを開催いたしました。恒例ながら、今年がいつもとひと味違いましたのは、初日を夜に開催したこと。いつもは16時から夕暮れ時に開催するところ、18時からと二時間繰り下げ、夜の梅ノ橋を舞台にザ・大人の遊びが演出されました次第です。
 開館の翌年から始めた催しですからはやいもので今年で11回目を数えます。当館での開催のいちばんの特典として、近代文学作品を浄瑠璃風にアレンジして上演していただくという、たいへん文学館仕様な内容が売りとなっております。今年の題材は尾崎紅葉原作「南無阿彌陀佛」。病床に伏す若き娘が、顔も知らぬ手紙の主に恋い焦がれるという物語が新内版「文恋」として生まれ変わりました。 

 ふだんの梅ノ橋だってそりゃあ風情満タンなのですが、夜の梅ノ橋の感じがまぁ作品世界とベストマッチング!もう一節あったらみんな泣いてたよ!!というくらいに紋弥さんのお声と千弥さんの三味線の音色とが浅野川のうえを切なく響きわたったのです。
             本編はサロンにて→

 翌日は通常どおりの夕方公演で生憎の雨催い、初日より聴衆も少なめですこし寂しい感じにもなってしまったのですが、東京より秋聲ご令孫・徳田章子名誉館長がご参加くださり、上演後にいただいた一言がまたすばらしかったものですからお客様には+αのよいお土産となったのではないでしょうか。
 梅ノ橋を流していただく際には、音色がよく聴こえるようにとサロンの窓を開放するのですが、職員が地味にいちばん恐れていた虫の大集合も案外に大丈夫でしたもので、ちょっと夜の感じに味をしめてしまった記念館、もしや来年もまた・・・?


 


満を持して
 2016.10.8

 「蟹の形」での経験を生かし、まぁそういう季節だし俳句なんかにも使われるし別に世界に一つだけのソレでもないし、そうやすやすとはもう踊らされないゾ☆と、さいきんにわかにネット上に増殖した「秋声」の文字を横目に見つつ平静を気取っておりましたらば、今回こそはほんとうに「秋声」先生のご登場だったことに動揺が隠しきれません。うちの!うちの秋聲先生が!ゲ、ゲームに…!!
 管見の限りではございますが、いまだかつて秋聲先生が二次元の世界に登場されたことがあったでしょうか?初登場?初登場ですか??(いやありましたね、水木しげる先生の『泉鏡花伝』にご出演ですね・・・)しかしながら、いま若者のあいだでとんでもなく流行っているという文豪漫画やら文豪ゲームからはずっと遠ざけられていた秋聲先生がやはり地味だ地味だとは言われつつもついにきらびやかなお衣装をお召しになって若者の町に誘い出されるこの感じ・・・われわれ記念館一味は黴くさいものの陰から(先生どうぞお気をつけなすって!!!)と涙ながらにそのご無事をお祈り申し上げることしか出来ません。どうか某K花先生と仲良く・・・紅葉先生の仰ることをよく聴かれて・・・

 そんなわけで夢か現か、ちょいと大きめの『あらくれ』を携えた秋聲先生が間もなく巷を練り歩かれるといったウワサですので、見かけた方はどうぞ温かくお見守り願います。いやむしろ今すぐに検索という文明の利器でもって迎えにいってさしあげてください。あんまり愛想のあるほうではないかもしれません。ただ意外と面倒見がよく、そして書かれるものは一流です。
 
←要らぬ世話ながら若いときでこんな感じ!






ふるさとモット学び塾 ふるさと発見出前講座
 2016.10.1

 28日、県で主催する標題のとりくみの一環で、馬場小学校さんに出前授業にでかけてまいりました。馬場小さんといえば秋聲、そして某K花さんの出身校。同じく卒業生の歌人・尾山篤二郎を加えた〝馬場の三文豪〟として校庭に三人を顕彰する「文学の故郷」碑が建てられていることでも御馴染みです。そんなゆかり中のゆかりの深さですから頼まれずとも出前させていただきたい気持ちはマンマンのうえ、おかげさまで頼まれましたもので勇んでお邪魔いたしました次第です。ありがとうございます。

 秋聲の子ども時代についてわかりやすく~ということでしたので、『光を追うて』に沿いつつお話しさせていただいたのですが、いかんせん「文学の故郷」碑が「光を追うて」の一節を刻んでいることと(→)、その一節を揮毫したのが誰あろう川端康成だなんて記念館として旬すぎるお方だったことによりそこばっかりぐいぐいにアピールしてしまった結果、お話のゴールとして設定していた秋聲上京のくだりまでぜんぜんたどりつかず…時計をみて(アッもう時間がない!!)と思った瞬間、スライドをぐいぐいにすっとぱして「てなことで東京をめざしましたとさ!!無事たどりつけたかな!?」と、秋聲をモデルとする主人公・向山等を乱暴に東京へ押し込めてしまったこと、今でも心中モヤモヤしております。ひょんなご縁で今月もう一回うかがうことになっているのですから無理に押し込めなくてもよかったものを、ついつい気が逸ってしまいました。碑に刻む文章について康成が秋聲長男・一穂さんに相談している手紙を展示していること・・・どうしてもかれら後輩たちに伝えたかったのです・・・(本邦初公開です!)。
 いまごろ慣れぬ東京暮らしに「もう牛乳とパンとだけでは生きていけない!!」と秋聲が音を上げ、相棒・桐生悠々に励まされているころでしょうか。来月、回収にまいります。





本の虫たち
 2016.9.24

 昨夜、ナイトミュージアムイベント「BOOKWORM」無事終了いたしました!館としてもはじめての試みであったため、レギュラーのみなさまのほか、おそらくはじめましてであろうお客さまのお顔ぶれが多く見られたような気がいたします。

 ミヒャエル・エンデによる「人は自分の好きな物について語るとき、 とても上手く語ることができる」という一節から生まれたというこの催し。全国各地を巡回し、もう十年以上も続いているそうです。当日は山崎円城さん、滝口悠生さんによる自作詩・小説の朗読(これはとても贅沢なこと!)、Akeboshiさんによる演奏(館がライブ会場になるとは!)につづき、参加者がおのおの持ち寄ったお好きな作品の一節を語るオープンマイクへ!金沢人の気質からいって、正直なところ当初一般参加型イベントでどれほどのお申し込みをいただけるだろうか、との不安がつきまとったものですが、当日はなんと9名もの朗読者が名乗りをあげてくださり、かえって時間が足りないくらいの盛り上がりとなりました。なるほど「好きなもの」を語らせては誰しもが饒舌になるのですね。それぞれに軽く1時間は必要な感すらございまして、それこそ夜通しできる勢いでした。
 後ろから撮影しながら拝聴していて途中背中でエレベーターを呼んでしまってほんとうにすみません!「下へまいります」じゃないわ!!とあのときほどその冷静なアナウンスを憎んだことはありませんでしたけれどもその言葉すら取り込んで語ってくだすった朗読者の方に深くお詫びと感謝を申し上げます(あとサッと閉めるボタンを押してくだすったSさまにも…!男前でした…!!)。
 手前味噌ながら現在の企画展もいってみれば康成による秋聲の好きなとこ語りですから、そういった媒介者の力というのは偉大であるなと改めて感じました次第です。滝口さんによる「町の踊り場」語り、沁みました。





蟹の形
  2016.9.21

 ここ最近急に「聲」の字をよくお見かけするようになりましたもので、てっきり秋聲先生の時代がついにやってきたのかな?などと脳内で新たな物語を生きはじめておりましたら某漫画作品の映画化がちまたで話題になっているのでした。一炊の夢でした。
 そのタイトルに「聲」の字が入っていて、それが何と読むのかわからないということがまたひとつ話題になっているようです。
 その点、当館職員たちには「聲」とあらばすぐに「秋聲」のことだと思ってしまうちょっとかわいそうな回路ができあがってしまっているため(多くの場合で画家の小早川秋聲さんだったりもします。無関係です)、それがふつうに難しい漢字であるという世間一般の認識からはずいぶんと離れたところにいるのかもしれません。ちなみに秋聲先生は自署として「秋聲」とも「秋声」ともお書きになります。すなわち「聲」=「声」、「せい」あるいは「こえ」という漢字。
 それが一般的には一般的でないため、「聲」の字を「せみ(蝉)」「かに(蟹)」などと誤読するケースが多いとのこと。「秋蝉」「秋蟹」、1メートルくらい離れればタテナガの「秋蟹」のほうがフォルムとしてかなり似てくるような気がいたします。そうか…蟹か…とくればアレをお出しするほかありませんね…

 お久し振りの秋蟹先生、もとい秋聲先生による謎の「蟹」色紙です。蟹はこう!蟹はこう!との意気込み…→
 
 「蟹の形」と思い込んでいる多くの方々のために、グーグル先生では「かにのかたち」と検索窓にうちこめば公式サイトがぽこんと出てくる仕組みになっているそうです。残念ながら「秋蟹」とうっても、まだ秋聲記念館公式ホームページは出てきません。もうすこし、もうすこしです。





平成あらくれ会
 2016.9.18

 心を入れ替えた途端にふたたび汚れつちまつた悲しみに……今日は大雨が降りかかっております。台風マラカスが来ております。この強い風に乗せてどこかのアンパンのように、ふやけきった心をブリンッと簡単にすげかけられたらいいのに…と思ったりなんだりしております。
 日々ひねりだします、と言っておいての寸々語、さっそく数日さぼってしまいました。申し訳ありません。3日ほどはさぼりですが、1日ほどはお休みで、あと2日ほどは出張だったのでございます。マラカスの到来に先んじて、東京は八木書店さんにすべりこんでまいりました。
 八木書店さんといえば『徳田秋聲全集』全42巻別巻1を刊行されている当館の強い味方!次回企画展「秋聲全集物語」のもろもろ打ち合わせなどをさせていただき、いよいよ追い詰められております本日の記念館です。八木書店さんありがとうございました。ご支援に恥じぬ企画展にしたいものだという気持ちだけは満々です。
 打ち合わせのその後は「平成あらくれ会」なる会合に参加させていただきました。こちらは昭和に実在した秋聲を囲む会=「あらくれ会」にちなみ、秋聲全集編集委員を中心とした秋聲のお孫さんを囲む会です(コンセプト間違っておりましたらすみません)。秋聲全集が完結して早いもので今年で10年ですから、実はこの「平成あらくれ会」の活動も10年続いているというけっこう歴史ある団体…当日は「あらくれ会」よろしく芳名帳も用意され、アレッこれはいつか「二日会」記録(のち「あらくれ会」と改称)と並んで展示できるのでは…!?と夢想したりなどしたものです。
 次回展示ではまだお出しいたしませんが、そのうち「あらくれ会」にまつわる企画展を開催する際にはぜひともお借りしたく存じます。
 




初心という名の人
   2016.9.11

 シャーさんが来ればとしまえんの彼女もやってくる…金沢に来ればもう自然そういったルートが組まれているかのように必ず当館へ足を運んでくださる方のいらっしゃることにこちらの初心がヅクヅクと刺激されております。なんだかんだでお久し振りでお顔を合わせたもので年甲斐もなくちょっと照れた挙句に平常心を失い、いまここで冷静に考えると舞い上がりすぎてまるで失礼な発言ばかりを繰り出してしまったことを激しく後悔しながらこの文章を書いております。
 としまえんの彼女…どうかお許しください。少し涼しくはなりましたが、金沢の紫外線、いまだけっこう強力ですんでくれぐれもご対策のほど…
 
 中学生のときに「伊豆の踊子」を読まれたという彼女、うかがったご感想の高度さにまたもや度肝を抜かれながら、やはり頭の片隅を駆け巡ったのは『めぐりあひ』の行方でした(今月いっぱい金沢駅に展示してございます)。が、もういい加減馬鹿のひとつ覚えを脱して、あのときほんとうに広報すべきは来月「伊豆の踊子」の映画を上映しますよ…!!という今年ならではの新情報だったというのにもはや後の祭りです。

←実物展示こそしておりませんが、『伊豆の踊子』初版本

 ついでに3日・6日の二回上映の間に金沢21世紀美術館さんで10月2日、山口百恵ちゃん版「伊豆の踊子」が上映されますよ…!こちらの吉永小百合さん版とそのうなじのさま、是非見比べてみては…!?と、つい今朝程仕入れた情報をもさっそく交えて今脳内にてよどみなく再生されましたが、どうあがいても彼女は東京のひとなのですから「次は11月に来ます」との予告だけを恃みに映画云々の告知はひとまず置いて、次回企画展にてお待ちしております。





初心という名の猫
  2016.9.10

 ご無沙汰しております。みなさまお変わりありませんか?秋聲記念館一同、おかげさまでみな元気にしております。こちらの寸々語、べつに利き手を負傷したわけでもとくにパソコンの不調でもなんでもなく、先月末よりただシンプルにさぼっておりました。申し訳ございません。

 今日アッ書こう!!と急に思い立ちましたのにはきのうちょっとした事件がございまして、というのもシャー営業部長改めご近所のシャーさんがほんとうに久方ぶりに当館正面玄関に現れ、招き猫よろしく康成先生タペストリー下にお座りあそばしたのです!!

 人間、欲を捨てると願いが叶うとはよく言ったもので、やはり一度解任したのがよかったのでしょうか。単にちょっと涼しくなったからかもしれません。
 欲まみれの部下はしかし近寄ることができず、一秒でも長くそこに座っていていただきたいとの強欲のままに館内側からそっと隠し撮りをさせていただきました。無邪気な部下たちはこのあとワーワー近寄ってゆき、ワシャワシャとたわむれておりました。すると効果覿面、お客さまが急にじゃんじゃん入ってこられ、一緒にワシャワシャしかけていた受付さんが慌てて席に戻るという懐かしの一幕…。

 でもまだ営業部長とは呼びません。しばらくはご近所のシャーさんです。ご近所のシャーさんの来訪とともに蘇るのはあの頃の初心…。今日より心をいれかえ、なにがなくとも寸々語、当初の声明どおり日々なにかしらひねり出してゆきたいと思います。



 


ナイトミュージアム8月編
 2016.8.27

 きのう某K記念館さんと当館とで21時まで開館延長を行いました。が、あいにくの雨!というか台風!の影響で、急に強い雨がザッと降ったり弱い雨がだらだら降ったりで、あまり外をそぞろ歩く方もいなかった様子…そんななかでもポツポツ訪れてくださったお客さまには心よりお礼申し上げます。以前もこんな流れでナイトをご報告したような気がいたします。季節柄しかたがないのでしょうか…ナイトの日の大雨率ったら…
 せっかく夜開けるのですから夜ならではのちょっと怖いエピソードなどご披露できればよいのですが、残念ながら市内にあるいくつかの館でうかがうようなほんとにあった怖い話を当館持ち合わせておりません(資料の位置が変わってたとか、ラップ音とか、学芸員が階段から落ちたとか…)。たまに展示替えで夜遅くなって、なんか視線を感じる!!とビクッとしても「なんだ菊池寛御大か~!」とガラスに映りこむ肖像写真に結局ウフフとなるくらい…。テレビでみた怖い話を思い出し急に怖ろしくなったときには「いても秋聲」との合言葉を唱えたとたんにほがらかな気持ちになるのです。

 また基本お化けやら妖怪やら羽のはえたねえさんやらは書かない作家のため、夜間だけ展示します!!といった触書にふさわしいモノといって特になく…。「ある夜」とか「夜航船」とか「晩酌」とか?小説を夜しばりで…?(面白いかな…)

  ちょっとだけソレっぽい地中の美人画→

 展示の件はおいおい考えることとして、とりいそぎ次回のナイト9月編は9月23日。この日は素敵イベントが行われる予定ですのでそちらを目当てにふるってお越しくださいませ!
 

 
 


学芸員実習終了
  2016.8.14

 12日、6日間に及ぶ今年度の学芸員実習が終了いたしました。ちょいとこちらの更新をサボっている間に、珍しく今年は当館で受け入れなどしたりもして、若い力に良い刺激をいただきました。
 毎年この時期になるとは書いておりますとおり、当館も所属する金沢文化振興財団での実習は、所属施設十数館中を回遊する形でカリキュラムが組まれています。今日は偉人館、大拙からの秋聲、明日は前田土佐、明後日は湯涌組、といった感じです。それぞれが小さな館で学芸員ひとりなもので、ほぼ一週間にわたって毎日受け入れることは難しく、その代わりにいろいろな分野の館が力を合わせてあらゆる角度からフォローするという方法で、かえってそれが魅力といって応募してくださる学生さんも多いのです。

 最終日は金沢市立中村記念美術館さんに集合のうえ(←この日差し…!)、大学生目線で各館の魅力アップに繋がる企画立案を行っていただきました。発表を聞きながら、すぐにでもやろう、来年にでもやれるかな?とリアルにシミュレーションしてしまうのが悪い癖…若人たちのアイディアをすぐに盗もうとする悪い大人ですみません…

 8人の若人たち、6日間にわたる実習おつかれさまでした。鮭の子のようにいつか帰ってきてくれると嬉しいです。

 蛇足ながら顔をあわせたついでと、他館学芸員さんにアレってどうなってんです??と訊いたことの詳細が翌日すぐにメールで返ってきているのもちょっと感動です。前田土佐さま、江戸村さま、某K花さま、迅速なご対応ありがとうございます。かっこいいです。





イベント中止のお知らせ
  2016.8.5

 ご連絡遅くなり申し訳ございません。本日開催を予定しておりました対談イベント「ドイツにおける日本近代文学事情」は都合により中止とさせていただきます。 お申し込みいただきましたみなさま方には心よりお詫び申し上げます。
 なんせ今回は当館初の海外からの講師をお招きする予定でして、館に新しい風が吹くね!!とたいへんたのしみにしていたわけですが、いかんせんドイツからお越しくださるにあたりもろもろのご事情にてご来日かなわず…。また機をみて改めて開催を計画したいと思います。その節には何卒よろしくお願いいたします。

 マイヤー先生は現在ドイツのボン大学で教鞭をとっておられます。そもそも何故このような企画が降って湧いたかと申しますと、昨年ドイツ語で35館におよぶ日本の文学館情報をまとめたご著書“Literaturmuseen als Stationen der Literaturgeschichte Japans”(近代文学史としての日本文学館ガイド)を上梓されるなかに当館もご紹介いただき、なんならその後書きを当館上田館長が寄せていらっしゃるところからアラアラお知り合いでしたか!となり、かつて金沢大学でご一緒だったとのことで、だったらだったらもう!!といった勢いでこの対談が計画されました。

 万一ご警戒の方いらっしゃいましたらアレなので申し添えておきますと、マイヤー先生たいへん日本語がお上手でいらっしゃいます。メールでのやりとりもふつうに日本語。どうぞご安心ください。





ウォーターボーイズ
 2016.8.4

 季節柄、思わせぶりなタイトルにてすみません。残念ながら当館にはプールがないので、やればきっと人がたくさん来てくれるであろう彼らのパフォーマンスをお見せすることができません。今回は、イベントの告知でなく、今年いちばん「あーうまいこと言ったねー!!」と思われた出来事についてお伝えいたします。
 先日、レギュラーのお客さまから「卯辰山工芸工房さんでウォーターボーイズのお吸い物椀が展示されてるよ!!」とお知らせいただき、盛大に疑問符が躍り狂った脳内、それでも持ちうる限りの想像力を駆使して夏らしい彼らがばちゃばちゃと椀の底やら側面やらを泳ぎまわる絵面を思い浮かべてみましたけれども、へえ斬新なお椀!ただこれが正解だったとして何故当館にお知らせくださる??と謎は深まるばかり…すみません…想像力の限界です…と白旗をあげた結果「太田抱逸だよ!!」とお返事いただき目からパッと鱗がとれたというか、耳からハラッと幕が落ちたというか、「あっなるほどね!!」と鮮やかにシナプスが繋がりました次第です。

 ウォーターボーイズ=おおたほういつ、ああ!こりゃうまいこと言ったもんですね!!!

 太田抱逸すなわち秋聲の甥っ子にあたる加賀蒔絵師。今回の康成展の展示の目玉となっている秋聲没後、長男一穂により康成に贈られた遺品のペン皿「松喰鶴蒔絵盆」が太田抱逸の作にして、これをまさに鎌倉は康成の書斎からお借りして参ったわけです。2メートル近くある康成の自筆礼状(徳田家蔵)を添えて…。

 そんなわけで、それをふまえた高度な言葉あそびなのでした。いやしかしうまいこと言ったもんですね!!



 


黴を語った
 2016.8.2

 秋聲を読む康成の小脇にて、秋聲の書く黴を語るわれわれ秋聲記念館および最強の講師陣!てなわけで去る29日、トークイベント「黴を語る」無事終了いたしました。当初はこんなマニアックなイベント10人くらい来てくれたらいいや、少数精鋭でひっそりこっそり営もう…とさえひそかに思っていた当催事でしたが(講師陣には全力ですみません)、蓋を開けてみれば超満員でサロンがぜんぜん冷えないという密集振り!講師を含め、いったん座ったらもう動けないという密度でございました。おかげさまでありがとうございました。
 今回の催しは文学的黴についてはほとんどお話しません!!との宣言のもと、NPO法人DGC基礎研究所・理事である森川先生に科学的な黴の生態のお話を、そして(一財)石川県文化財保存修復協会の梶先生と小林先生には文化財と黴との関係についてお話しいただきました。

  光る画面に映っているのは黴、とにかく黴→

 お話しいただくなかで客席から上がる感嘆の声に誰よりもニヤニヤしていたのは主催者たる秋聲記念館一味です。ぜんぜん関係ないのに(どうだすごかろう…)というひどいドヤ顔で隣に座っておりましたこと、心よりお詫び申し上げます。
 またとんだ計算違いにて、始まって一時間ほどは鋭い西日に攻撃され、お客さまにはたいへんご迷惑をおかけしました。これほどまでに太陽を憎んだことはありません。太陽光を憎み、黴を愛するわれら秋聲記念館…と思いを馳せるいっぽう、しかし森川先生の黴に捧げる情熱、梶先生、小林先生の黴の生育を十年見守る愛情の深さにはまだまだ敵わないことを実感いたしました二時間だったのです。また講師陣によるこりゃ一生敵わないよ!!といったまさかのお気遣いにより、秋聲の『黴』にうまいこと着地していただいたおかげさまで文庫本が五冊売れました。快挙です。
 

 


康成展オープン!!
  2016.7.24

 おかげさまで本日無事、新しい企画展「康成、秋聲を読む。」初日を迎えることができました!ありがとうございますありがとございます!
 あわせて本日新しくなった当HPのトップページ、企画展のバナーにニヤニヤしーよう!と思って開いた瞬間、……見てるわー康成すごく秋聲を見てるわー…という絶妙なる配置にウッとなってニヤニヤするどころではありませんでした。はからずしも康成先生がすごく秋聲を見ています。
 このごろ企画展のお問い合わせをいただくなかに、これは読書会かなにかですか??とチラシを受け取ったみなさまをひどく困惑させてしまっていることが発覚した出来事を思い出します。「康成、秋聲を読む。」とのタイトルが、何かを読む催しのように誤解を生んでいるようです。たしかにちょっとわかりにくい…それに関してはたいへん申し訳なく思いつつ、このふたりの関係性につきましては、これ以外ちょっと思い浮かばなかったのであります。特別親交があったわけでも、激しく文学論を交わしたわけでもなく、それこそ十代から秋聲作品を読みつづけていた康成が文芸評論家として地歩を固めるなかでずっと秋聲を論じつづけ、秋聲最後の長編小説『縮図』にいたってこれを「近代日本の最高の小説」と賞賛するその経緯はまさに「康成、秋聲を読む。」に他ならなく…

 そんなわけで、展示室も今回は「読む」に徹したつくりとなっておりますので、活字だらけでちょっとしんどいかもしれませんが、是非日本の誇る最高の作家たちの言葉に酔いしれていただきたく存じます。

←学芸員、秋聲を読む康成の語る秋聲をさら
 に語るの図。



 


めぐりあへず
   2016.7.21

 そうか!7月か…!
 てっきり年に一度かと思っていたらいつもの7月にもいらっしゃるという二重に仕掛けられた罠…!!
 先日、二階から降りてきて受付さんから二つ折りにされた白く清楚なメモを手渡された瞬間イヤな予感がしたのです。この感じ…と思いメモを開くと案の定、字のきれいなとしまえんの彼女が来てくだすっていたのでした。今年1月にいらしていたのですっかり油断しておりました。この抜き打ち具合、もう監査か彼女かというほどです。
 イヤな予感というのは来てほしくなかったという意味でなく(アッ書き置き…!?)との予感です。すなわち、またお会いすることがかなわず残された彼女のきれいな文字とのみ対面することになってしまったという残念な心持ちによるものです。本年二度目のご来館ありがとうございました。すみません、おいでいただいたころ、二階会議室でゴリッゴリにマニアックな黴集会もとい今月末の黴イベントの講師陣をお招きしての打ち合わせを開催していたのです。たいへん失礼をいたしました。

 そのメモを受け取ったとき、申し訳ない気持ちと嬉しい気持ちとの隙間からすぐに思い至ったのは『めぐりあひ』の行方でした。何故か彼女が来るときにはいつも展示している秋聲の子ども向け作品『めぐりあひ』(竹久夢二装丁)。今年も例に漏れずお出ししております。当館でなく、なんとありがたいことに金沢駅の観光案内コーナーにです。
 今月から9月まで、三文豪の展示をしてくださっており、そこに秋聲の作品のひとつとして『めぐりあひ』(復刻版)をお貸ししています。

 としまえんの彼女のお目に触れたかどうか…べつだん彼女とセットというわけではないのですが、なんとなく一緒に思い出されてしまうのです。
 
 

 

いざ鎌倉
  2016.7.17

 次回企画展のため、川端康成邸のある鎌倉へ行ってまいりました。康成が終の棲家とした鎌倉市長谷のお宅は現存(通常非公開)、ご遺族がお住まいでいらっしゃいます。まさにそのお宅へとうかがって、数にしては一点だけながら秋聲ゆかりの品をお借りしてくるというたいそう緊張の走る任務をほうほうの体で遂行いたしました次第です。
 いつか資料借用のときの雨は嫌ですね、という記事を書いた覚えがありますが、今回の鎌倉借用の旅は嫌ですねレベルでは片付かないほどの大雨!!まさかの江ノ電が止まるという事態にみまわれ、駅まで送っていただいたりなぞ…もう長谷方面に足を向けて寝られません。
 車のなかで、トンネルのあっちとこっちでけっこうお天気が変わるというお話をうかがいつつ「そう、まさに『トンネルを抜けると…』ですね~」となにげなく仰ったその空気感にいたく感動をしてしまったわけです。川端康成記念会さま、なにからなにまでありがとうございました。また、ついでになって恐縮ですが、ここにいたるまでいろいろとお世話くださった鎌倉文学館さまにも厚くお礼申し上げます。

 そんなことで鎌倉滞在中はほんとにおおわらわで写真などとても撮っていられる状況でなかったため、今いちまいもないのです。唯一長谷駅に到着したとき(まだ余裕をぶっこいている)に撮った写真がこちら→
 駅の掲示板で緑の秋聲号(金沢城添え)のポスターを発見してちょっと嬉しくなって撮影したこれのみが唯一見返せる鎌倉の思い出…が、帰って冷静な目で見てみると、この緑のバス(大)は「利家とまつ号」という名であって、秋聲号ではなかったです。同じ緑でも秋聲号は小型のボンネット型。緑に騙され迂闊にはしゃいでしまった自分を残念に思います。





今月の和解
  2016.7.11

 おかげさまで去る9日、某K記念館さん主催企画展記念講演「長谷川時雨という人―粋で美人で江戸っ子で―」が無事終了いたしました。講師をはじめ、K記念館のみなさま、おつかれさまでした。ありがとうございました。
 K記念館さんのイベントにつきまして何故当館がお礼を申し述べるかといいますと、以前にも告知いたしましたとおり会場が当館であったため…。

 「えっウチに?べつに来てもらってもいいですけどぉ~?」とSO COOLにお迎えしておいての内心はバクバクでございます。某K記念館さんに行きつけのみなさま方に粗相があっちゃならねえ…!!と出来うるかぎりの準備をしてお待ちした次第…(机と椅子とマイク出しただけ)。
 当日は雨が降ったりやんだりすごく降ったりしてたいへん蒸し暑い日でしたもので気合を入れて会場を冷やしすぎたりなど行き届かぬ点大いにあったかと思いますが、とりあえずは大きなトラブルもなく閉会いたしまして一安心しております。現代のK花会もしくは九九九会のみなさま、当館のご利用ありがとうございました。

 K花会のひとびとをまえにK記念館学芸員が当館サロンで司会をする超レアな絵面↑
 (見せる気のない写真ですみません…)

 また、相変わらずのお美しさと美しい語り口にご自身の半生をも乗せて、時雨をはじめとする女性作家たちの生き様を伝えてくださる尾形先生のなんせトータルでお美しいこと…!副題となった「粋で美人で江戸っ子で」って、えっ尾形先生のこと??と思われるほどに(日本橋のお生まれだそうです)、彼女たちと同じ情熱でもって今と当時とを繋げてくださるのです。軒こそお貸しいたしましたが、かえってこちらがお礼を申し述べねばならぬ濃密な時間をいただいたのでした。改めまして某K記念館さんの素敵企画に感謝申し上げます。
 そんなわけで、時々仲良くすることもある鏡花会と秋聲会。今後ともよろしくおねがいいたします。



 

湯呑みをまわす
   2016.7.6

 次回康成展の進捗状況といたしまして、先日パネルのデータをデザイナーさんに投げ、その間つかのまの自由を謳歌しつつ、いまだダラダラとキャプションの原稿を書いているという進行度的にはあまり喜ばしくない本日はやもう6日です。パネルのデザインが帰ってくるまえに全部投げ込んでしまいたい、デザイナーさんに追い討ちをかけてやっての完全に手ぶらの時間をたのしみたい、そんな悪い心でもって神聖なるキャプションを書いているわけですが、いかんせん実物を見ないことには解説も書けやしないよというわけで今頃になって収蔵庫前室と事務室とを行ったり来たりしています。
 徳田家からお借りしておりますおそらく次回展示の目玉のひとつとなる康成が絵付けをしたお湯呑み(初公開)を改めてまじまじ眺めておりまして、さて写真のひとつでも撮っておこうかい、と撮影をして事務室に帰ってきてデータを確認いたしましたら、デジカメのモードを間違えていたようで何故か動画になっており、ただただお湯呑みを一度くるっとするだけのさまが記録されておりましてそれが妙にツボにはまり、ひとりでくすくすしてしまったわけです。

 なにコレ…いちど湯呑みをくるっとしたよ…それだけのごく短い動画だよ…と何がおかしいんだか自分でもちょっとよくわかりませんが、動画であることを示すフィルム状の縁取りのなかに白手袋でもってお湯呑みをもっているそのサムネイルを見るにつけひとりほくそ笑んでしまうのです。疲れているんでしょうか?これをカチッと再生したところで、お湯呑みがちょっとだけくるっと回される3秒ほどの動画が流れて終了…。ふふ…。
 これはぜひとくに説明もつけずに次世代まで残しておきたい謎動画です。

 せっかくなので今もう誰かに送りつけて共有したい気持ちは満々なのですが、たぶん劇的に面白くないのでやめておきます。



 


秋聲号続報
   2016.7.5

 形式的にブログブログと呼びながら、その実書きっぱなしで双方向でのコミュニケーションを全力で拒否しておりますこちらの寸々語(ただなんとなく始めてしまったので知恵と技術が追いついていないだけ)、さいきんではすっかり職員のための備忘録と化し、どなたかに読んでいただいているという意識とその可能性についての議論は脳みその裏っ側にそっと置いておく程度になっておりましたが、先日記事に関するリアクションをいただきその内容にへ~となる前に(アッ読んでる人いた…!!)というところでたいそうな衝撃を受けてしまったのです。ありがとうございます。ちょっと動揺を隠しきれません。
 いや、気持ちといたしましては全世界に向け発信しているためこんなに有難いことはないのです。とくに現在は次回企画展のためと称しイベントも差し控えるなどの雌伏期間…傍目に何もやっていないように見えては困る(いや似顔絵展をやっています。むしろ展示がメインです)ということで中ではあんなことこんなことがありましたよ、職員はちゃんと働いていますよ、ポストばっかり眺めてはいないんですよ、きのこたけのこ論争を繰り広げた結果4対3でまさかのきのこ派の勝利でしたよ、といった日々のもろもろをお伝えせねばならんという強い意志のもと運営しておりますのでそれがきちんとどなたかに届いているということが知れたのは嬉しい出来事でした。

 いただいたリアクションというのは、おいてけぼりをくらった秋聲号をほくてつさんの駐車場で見たよ!!というご報告でした。なんと鏡花号とふたり並んでいたそうです。そういえば鏡花号もともと1台多かった…?そんなわけでひとりぼっちでないことがわかってとりいそぎほっといたしました次第です。ご親切にご報告ありがとうございました。今後ともどうぞよしなに…!

    在りし日の疾走感あふるる鏡花号、金沢城添え→
    (金沢市観光協会さんより画像お借りしました)



 


杏ジャムあたった
  2016.7.2

 犀星記念館さんより杏ジャムをいただきました!フー!!

 当館がりんごならば犀星記念館さんは杏!杏っ子!!そんなわけで記念館さんブログ「犀星つうしん」6月15付記事にある杏ジャムのお福分けです。いつもありがとうございます。タイトルにある「あたった」というのは「もらった」という意味の金沢弁です。抽選に応募したりなどせずとも金沢人でいる限り、何かしらあたることもあるのです。
 
 蜜のあはれ特製袋に入れられたこのビンの感じもかわいいですね。とりいそぎこのビンに詰まった蜜のすべては当館職員でむさぼりいただき門外不出といたしますが、犀星記念館さんの開館記念日に行かれてみた日にはなにかしらのイベントがありそうな予感です。えっいつだっけ…?と思われた方、8月1日、犀星さんのお誕生日ですよ!親切アピールのうるさい秋聲記念館ですよ!
 あんまりよく知らずに勝手に告知しておりますので何にも起こらなかったらほんとすいません。何がなくとも犀星さんの新しい企画展「『感情』時代-僕らが一番熱かった頃-」がめでたいことに本日より開幕です。今日金沢は気温35度まで上がるそうです。一番暑かった日になりそうですね。なんちゃってね。

 当館には秋になるとわりと秋星りんごジャムが集合しがちですが、いつか新聞で報道された新作の秋星リキュールを購入して黙って冷蔵庫に入れておいたら「このお酒なに!?だれ!?」と一瞬事務室をざわつかせてしまいました。材料が秋星りんごというだけだとちょっと記念館的に危ういですが、ラベルにちゃんと「秋聲にちなみ」という一文を入れてくださっていたため記念館の冷蔵庫にあってもセーフです。職員に知らしめるだけ知らしめたら満足いたしまして、すでに持ち帰り家庭内で消費いたしました(私費です)。今後館のイベントなどで?と思わないこともないですがいかんせん千本限定生産だそうですのでご興味のある方お早めにお求めください。


 
 


出前授業
   2016.7.1

 きのう例によって金沢文芸館さんのコーディネートにより、今年度第1回目の出前授業にでかけてまいりました。館目の前を流れる浅野川をずーっとずーっと下っていったところにある金沢市立浅野川小学校さんです。

(変なフィルターがかかって異次元の学校みたいになってますが直し方わからず…)

 いつもの手口で犀川と浅野川を中心にして地域から三文豪を語ってゆくものですからこれはなんと素敵な学校名!といいながら、パワーポイントの画面には三館を拠点に金沢駅あたりまでの範囲しかご用意しておらず、お教室ではモニターの斜め上あたりをぴょーんと飛んで指差し「みなさんの学校はこのあたりですかね!この川の先のね!!」とすべて生徒さんの豊かなイマジネーションに託す感じにうやむやにしてきてしまったのです。申し訳のないことです。
 しかも生徒さんにはそのふたつの川を、配布したプリントに自分で書き込んでもらうということを授業の目玉としているくせにうっかりマウスを誤操作してしまい、表示していた金沢市街地図に川がニョロニョロ先に流れだしてしまうという痛恨のネタバレ…!「ちょっ…!ちょっと一旦わすれよう!そうしよう!」といって意地でもそれが何かを明かさずニョロニョロ線を書いてもらったはいいけれど、もうこれ川なんですよね?ねぇぼくたちわたしたち、いま川を書かされてるんですよね??と中高生ならたぶん言わないまでもそう思って白けてしまうところ、4年生のみなさんはそれでも楽しげにおのおのの作業に没頭してくれました(やさしさ)。たぶん、気づかれては、いない(こととする)。
 浅野川小学校さんありがとうございました。今度はもうすこし川を延ばしてうかがいます。

 
 


フェスとか言ってみた
  2016.6.27

 いつかこうなるんじゃないかと恐れていた事態がついに起こってしまいました。

 急に増えた足元の青いトマト…はいい、たいへんな技術でもって生みだされた手作りのバッタ…もいい…問題は右のかえるくん…

 かのサングラスを装着~~~!

(写真が陰気味ですみません…)


 ほっこり主の仕業か通りかかった人の遊び心かはわかりません。しかしこれにより最初は誰かの落し物である可能性を孕んでいたサングラスがそっとかえるくんのクロークに入ってしまったのです(最初からかれらのものであった可能性もあります)。
 と言いつつ結果的にはこれでよかったのかもしれません。よく見ると相方はちゃんとした傘をもっていて、右のかえるくんは葉っぱの傘…ちょっと心元ない感じもありましたのでちょうどバランスがとれたようにも思います。こころなしか以前よりテンションも高く…?サングラスをして気が大きくなっているのかフェス仕様なのか、完全に浮かれモードです。
 と書きながら今ふと、先日ある方といたしました「東山の人の入りはどうですか~?」「ん~多いは多いですけど去年のフィーバーに比べたらちょっと落ち着いたんですかね~」「フィーバー…」「なんですか古かったですか、昭和の子どもなんですからしょうがないじゃないですか…」といったやりとりを思い出しました。今回も危うくフィーバー気味のかえるくん…と書きそうになってすんでのことで思いとどまりほっとしていたところ、先日のサンブンゴーゴー記事内にふつうに書いてしまっていることを発見し、アッもうこりゃダメだ、となりました。
 急に恥ずかしくなってしまったわけですが、先方は「なんかほっこりしました」と言ってくださったので、言いなれぬフェスなぞもう捨てて今後も存分にフィーバーしていこうと思います。





カワバタワー
   2016.6.26

 次回企画展「康成、秋聲を読む。」準備のため、例によってぼそぼそと『川端康成全集』を読み漁っております。目を通し終わった全集本をデスク脇に可能な限り積み重ねていった結果、お隣の職員によって「カワバタワー」と命名されたうずたかい全集の塔ができました(緑のほう)。このカワバタワーのおかげさまで左手にある電話がとれずいつも立ち上がったりなどしていたところ、ついにバベルならぬ崩壊の危機が予見されたため一念発起し別の場所に移動させました。今は立ち上がらずともさっと受話器に手が届きます。事務室とは本来機能的にできているのです。

 読み漁った成果であるところの秋聲のしゅの字が登場する文章は企画展でご紹介することとして、企画展にはださないだろうな、だけど面白いな、と思ったところをこちらでご紹介させていただくことといたします。
 
 「舞踏室の床の肌ざはりなんか考へる者はない。」(「都会の手帳」昭和4年7月)

 全集第26巻です。このあとダンス談義がつづくのですが、その書き出しであるこの一文に引っかかったのは(いや、いたな…)と思いあたる方がいらしたため…。当館の二代目館長・故小林輝冶氏は、『町の踊り場』に出てくる秋聲が躍った下新町の水野ダンスホールの床がタタキであったというところからその感触がどうにも気にかかり、とくに当時の女性たちが何を履いて躍っていたのかを追及した結果、フェルト製の「ダンス草履」というものにまで行き着いたのでした。リニューアルを機に展示をお休みしてしまいましたが、以前はその復刻版を常設展示室にお出ししておりました(詳細は館報「夢香山」第3号参照)。

 そういう意味ではないのかもしれませんが、舞踏室の床の肌ざはり、考えた人がいましたよ…と、おそらくこの後展示に使うことはないながら、そっと付箋をしてしまったのです。
         こちらダンス草履と呼ばれるもの→



 


サンブンゴーゴー
  2016.6.23

 やはり気になって秋星記念館の誤字の歴史を繙いてみましたらば、いつかのそれは「秋星記念館」でなく「秋犀記念館」でした(2012.12.13記事参照)。よりどストレートに犀星さんが混入しておりました。そんなこともありますね。三文豪はサンコイチですからね。
 そういえば先日はたと気づいたことに、これまでさんざお世話になっていた「城下まち金沢周遊バス」のうち三文豪号をさいきん見かけないな、と思っておりましたら輪島へ行ってしまったのだそうです。広坂周辺などへゆくとき必ず乗っていたレトロなボンネットバス。たしかに新幹線開通後のフィーバーで、あの小型ではとても収容しきれないほどの観光客の方で溢れかえって何本か見送っていたりなどもしておりましたが、ついにこの4月、大型バスに交替になったとのこと。いわれてみれば、さいきん乗るやつはずっと大きかった…!
 え~え~輪島かぁ~とネットで過去ニュースを検索してみましたら、衝撃の事実が判明しました。以下引用…「わじま周遊バスに活用する小型ボンネットバスは、北鉄が二〇〇七年から今年三月末まで運行していたもののうち、青色の『犀星号』と赤色の『鏡花号』の二台。」……

 ……ちょっ…ちょっと待てーーーい!!緑の秋聲号はいずこへーーーー!!?
 
 まさかのおいてけぼりをくらっております。なんということでしょう、サンコイチだとばかり思っておりました。サンブンゴーゴーからニブンゴーゴーになってしまいました。
 ちいさい秋聲号は今日も当館受付におりますが(そしてちゃんと走る)、おとなの秋聲号のゆくえをご存知の方はぜひともお知らせ願います。どこかで元気に活躍していることを祈るばかりです。



 


徳田秋星記念館様
  2016.6.22

  別にいいんですよ!大丈夫なんですよ!!

 りんごの「秋星」のおかげさまでしょうか、あるいは犀星さんのおかげさま?館長が両館兼任だから?
 こちらわりかし多いタイプの誤字です(いつかもここに一度書いた気がいたします)。


 一般的にコラァひとの名前を~!というところはもちろんありますが、秋聲先生には申し訳ないながらわりと「ウフフ、まちがってら…見て見てコレ、まちがってら…」とヒソヒソ楽しんでしまうことの多い記念館一味です。すみません。ですのでうっかりこの記事をご覧になってしまってアッやっちまった!!と思われたかもしれない差出人の方、どうぞお気になさらないでください(無断でネタにしておりますし)。おかげさまで殺伐とした心にウフフの火が灯ったのでございます。

 りんごの「秋星」につきましては昨年お互いに十周年ということでりんご部会さんに何から何までお世話になったわけですが、せっかく秋聲にちなんだお名前をもつ「秋星」ですから継続的になにか…と思っていたところに何かしらできそうなお話が飛び込んでまいりまして、ちょっとまだ詳しくは申し上げられませんが今年の秋も秋聲×秋星で何かしらできそうな予感がしております。それも先日の狂言をきっかけにして繋がったお話、ほんとに何が何に繋がるやらわかりませんね!!
 また、まったく個人的な事情ながら当館学芸員、名前に「梨」の字が入っており、今年の3月「秋星」サイドの某氏に名刺をお渡ししたところ「オッいい名前だねぇ~」「??」「梨が入ってる!」という反応をいただき、アッさすが果樹系のフレーズには敏感でいらっしゃる!!と思ったものでした。いままでそこに食いつかれたことはあんまりなかったように記憶します。その数日後に、噂の高級ブドウ「ルビーロマン」、われらがりんごの「秋星」につづく石川県産の梨の新品種「加賀しずく」の発表があり、ほうほうちょうど梨が熱かったわけ、か…と合点いたしました。
 
 そのうえイメージカラーも柿色ってもはや果樹系記念館、秋星記念館やむなしです。 
 

 


営業部長解任
  2016.6.21

 先日久々にシャー営業部長が姿を見せました。もさもさの冬毛をまとったまま館の裏口あたりに現れ(息災なるか…)と職員それぞれの心に直接呼びかけてくる営業部長。(おかげさまでみな元気にやっております)という気持ちは心へ訴えかけるまでもなく、おのおのの腕に表れております。もみくちゃにされる営業部長↓
      
 言いたくはありませんがこうなってくるとただの猫……あれっ…?お、おまえさん…よく見たら猫やないか…!
 というわけで、ついいつも営業部長としてしか見ず、いかに営業をしてくれるのか、いつ玄関脇タペストリー前に座ってくれるのか、とそればっかりほぼ強制に近い形でその動向を見守っておりましたが、そうでした。営業部長であるまえに、ただご近所に住む一匹の猫なのでした。営業部…もといシャーさんにもシャーさんなりの生活があることを忘れておりました。
 館の壁に添って寝転ぶシャーさんの体から職員の手櫛により古い冬毛が抜けて飛んでゆきます。その行方を見守りながら、そうシャーさんは自由…どこで何をしたっていいんだ…とこれまでの身勝手な期待をようやく振り落としました次第です。

 というわけで本日をもちまして、シャー営業部長職を解任いたします。これからはただのご近所のシャーさんです。それはそれでよろしくお願いいたします。

 最後にひとつ…片側だけ手櫛を入れられた状態でふらりとご帰宅だったですけどバランスわるくないですか!!
 あともうひとつ…突然の毛の出現に「なんか毛がいっぱい飛んできたよ!!」とせっかくきれいにしていただいたのにお掃除の方びっくりさせてごめんなさい。

 

 
 

梅雨の新作
  2016.6.17

 金沢も梅雨入りしたそうです。梅雨の時期になるとは毎年ほっこりポストのうえにかえるくんたちがやってきます。かれらの姿をみると、ああ梅雨だな…と思うくらいには東山一帯における梅雨時期の風物詩。そんなかえるくんたちがきのうポストの上に現れていたよ、と件の職員から報告を受け「でもなんか変やった」と写真をみせてもらうと今年はこんな感じでした↓

 かえるくんたち…はいい、紫陽花の鉢植えもいい、なんだこの真ん中のサングラス…!!!
 いままでにない意匠です。おとしものかな…?いや、季節を彩るアイテムなのでは…?ほら今時期って意外と紫外線つよいから……などとしばし事務室内がざわざわいたしました。金沢蓄音器館さんで、夏になると看板犬ニッパーがサングラスと麦藁帽子を装着しだすあの感じと思えばそうか…いや、演出にしてはちょっと色(すなわちアイテムの印象)が薄くないか…と、一夜明けて今日いまだにちょっとモヤモヤしておりますが、そんな館内会議が行われたちょうどそのときにおととい付の寸々語を書いていたもので、パソコンのディスプレーに表示されていたのがその記事中で振り返っている2年前の2014年6月18日付記事。その翌日の19日付「ほっこりはつくれる」にいたのが下記のかえるくんです。

 そう、サングラスだなんて今まで見たことなかったもの…(そのかわりなんかとっくり状のものがありますね)。
 あれがレイアウトの一部であるのか、ただの拾い主の親切であるのか、もうしばらく見守りたいと思います。といって気がつけば2012年11月からほっこりポストを見守っておりました。えっもう4年?当館ってば粘着質~…!






黴を語る
 2016.6.15

 じわっと情報解禁いたしました「黴を語る」。文字どおり3人揃って黴について語っていただくトークイベントです。もはや秋聲といえば黴、黴といえば秋聲といったわけで黴関連のイベントは自然系の博物館か当館でしかできまいよ…との自負のもと、基本自然科学のお話に文学をむりくり絡めていこうという強引さでお送りする予定です。そう、今回文学の話はおまけ。わがもののように黴黴言うまえにちょっと一回黴の生態そのものについて知っておこう?という主旨となっております。

 こちら各館などで手に入る
  ナイトミュージアムパンフレットに載ってます→

 そもそもことの起こりは当館のビジュアル担当サンタさんが入院したことから。以前にもご紹介いたしましたサンタの執刀医もとい石川県文化財保存修復工房さんとお話ししていたおり、黴を文化財の修復に使うんですよ~うちにはそれを育てている黴担当の子がいますよ~とのご発言を受け、なんですって!!?とえらく動揺したことに端を発します。黴担当の方(通称「黴の子」)がいるだなんて、それはもう当館の一味といって過言でなく、それはもう当館でお話しいただく運命となっておりますがよろしいですか!!との勢いでもって本来は文化財の敵であるところの黴を使いこなすエキスパート(通称「黴の子」)をお招きすることになりました。
 そうして話を詰めてゆくなかで、でもうちは黴の二次利用的なお話になるのでもっとどストレートに黴についてお話しいただける方がいらっしゃるといいですねーと工房さんのほうからご提案いただきすぐに思いついたのがいつか和傘の山田ひろみ先生からご紹介いただいた黴の胞子をお名刺に刷っていらっしゃるあの方…!!と、急いで名刺入れを繰り連絡をとってつかまえたのがNPO法人DGC基礎研究所・理事の森川さんです。ここまでざっと一息です。
 黴名刺についてはいただいた際の衝撃をはや2年前の寸々語「あらくれる黴」(6月18日付)に記しておりました。
 何が何に繋がるやらわかりませんね。この間和傘の山田先生がお見えになったので2年越しにお礼を申し述べておきました。





力はつかない
 2016.6.14

 過日、金沢湯涌夢二館さんで学芸員会議が開催されました。夢二館さんにいろいろなキャラクターのお人形がいることはこの寸々語でも何度かご紹介してきたかと思います。はつ代ちゃん、チコちゃんにつづく第三弾として、みなさんご存知このたび「黒船屋」のご来航です!

 みるべきはそのモデルが彦乃さんともお葉さんともいわれる女性のほうなのでしょうけれども、どうにも気になってしまったのは膝に乗る黒猫のほう…。このまるんとしたおしりのフォルムといい、身の委ね具合といい、何とも言われぬお顔の表情といい、内側(お腹のほう)の急に雑な感じといい、とにかく可愛いの極みなり!!
 しかもこの猫は別添となっており、女性からはずすことができます。学芸員さん立会いのもと、その腕のなかからそうっと拝借して抱えてみるとなんとも愛らしい重み、そしてフィット感…!!

 うわぁ~うわぁ~もってかえりたぁ~~い!!と館内でたいそうさわぎたてまして申し訳ございません。自分だけ堪能しておいてなんですが、あんまりはずしたり抱えたりまたはずしたりを繰り返すとストレスになるってコアラの専門家がこないだテレビで言ってましたので、そしてあんまり黒猫にフィーチャーしすぎると夢二式美人最高峰の面子にもかかわりますのでそのあたりはよしなにお願いいたします。この黒船屋人形とは一緒に記念撮影ができるのだそうです。
 その後会議もそれなりに行い、今年の学芸員実習は珍しく当館でも何かしら担当することとし、資料についてのアレコレを真剣に話し合いながらも、ずっとあの子のはかない重みと手触りとを思い出すことに神経半分もっていかれていたことをここに白状いたします。
 あと会議の席で江戸村さまに、ブログの「ゆわく」の字まちがってましたよ、とお知らせいただき「アッすみません、力(ちから)ついちゃってましたァ!?」とすぐさま反応できるくらいにはよく間違えます。申し訳ありません、「湯湧」改め「湯涌」です(6月7日付記事、修正しました)。
 




めった汁の件
  2016.6.9

 今朝ご近所の方にテレビ見たよ~と言われハッとしました。こちらで告知いたしませんでしたが、北陸朝日放送さんで秋聲の『縮図』などについてご取材いただいた件、先日放送となったのでした。うかうかと日々を過ごしておりほんとうに申し訳ないことです。ご紹介ありがとうございました。ご協力いただいた犀星記念館さんにも感謝申し上げます。当日新聞のラテ欄に「秋聲」の文字を見つけたときにはこの年いちばんニヤニヤさせていただいたものです。

 そんなわけで次こそ事前告知です。来週15日(水)16時~テレビ金沢さんの番組中、秋聲先生がご登場の予定です。先日ディレクターさんより「突然すみません…秋聲さんがめった汁のことについて書いていらっしゃるとか…?」と訊かれたときには一瞬「えっ…」となりましたが、そう代表作『黴』のなかに書いているのです(※第80回に出てくるわけではないです)。
 「めった汁」といってどこまで通じるのやら?全国的には「とん汁」と呼ばれるお料理と同じものでしょうか。そのあたりも番組できっとご解説くださると思いますのでご都合よろしければ是非ご覧ください。
 
 取材といえば先日高校の新聞部さんが立て続けに二校取材にきてくださいました。
あまりにタイミングよく立て続けだったもので「なんですか、いま高校では三文豪が流行ってんですか」と訊いたら「えっ別に流行ってはないです」と正直すぎるお答えをいただいたこと、今思い出してもニヤニヤします。「あっ流行ってはないんですか」と嫌味のつもりでもなくなんとなく復唱してしまった大人を前に「すみません…」と高校生に気を遣わせてしまったこと、今更ながら申し訳なく思っております。そのうち校内新聞となって発行された暁には、それがきっと新たな流行の発信源となるのです。
 
 
 


場所も変わった
   2016.6.8

 変わったといえば、来月9日(土)に行われるイベント、こちら主催は某K記念館さんですが、会場が当館というすこし変わったものになっておりますのでどうぞお気をつけなさって…。
 きのう主催のK記念館さんのほうで受付開始となり、まちがえてこちらにお電話くださる方もあるかな?と職員一同ひそかに待ち受けていたのですが、みなさんきちんと要項を熟読されているようでこれに関して一本の電話もかかりませんでした。というわけで受付はすべてK記念館さんとなっております。演題に「長谷川時雨」、会場に「徳田秋聲」、主催に「泉鏡花」とけっこういろいろ渋滞しており罠満載でしたけれども、注意深いみなさま、ありがとうございます。
 そもそも何故当館が会場になっているかといいますと、もったいないことにまずK記念館さんの会場キャパがお小さいことがございまして、いつも秘密結社並みの限られた人数で何らかの集会を催されている様子を、それよりは若干大きい会場をもつわれら黴結社は横目に見ておるわけですが、かといって秋聲先生の絡まない集会を当館で開催していただけるはずもなく…といったところに、今回は講師がお馴染み尾形明子先生でいらっしゃること、またお話の内容が長谷川時雨であることから秋聲先生とも絡む!きっと出てくる!!そんならおいでませ!!ってな段取りとなっております。

 と言いながら、ご準備のすべてはK記念館さんでされておりますので、こちらはのんべんたらりとその日がくるのを待つのみ。
 時雨さんと秋聲先生との関係につきましては、以前の林芙美子展ですこしご紹介しておりました。時雨さんは鏡花会メンバーでしたでしょうか。秋聲先生は九九九会に一度ちらっとだけ顔をだしてそれっきりです。
 
 秋聲(左から4人目)、
 時雨さん(直木三十五をはさんで右隣)主宰の
 「女人芸術」座談会に参加するの巻(昭4)→

 

  


色が変わった
  2016.6.7

 今朝いちばんで金沢湯涌江戸村さまのブログ「えどむら日記」に衝撃を受けました秋聲記念館です、おはようございます。
 江戸村さまで栽培しているというサツマイモとアサガオの掛け合わせ品種=サツマオ(勝手に命名)、朝と夕とでなんとその花の色が変わるというのですから驚きのあまり目も覚めました。朝は青、夕方にはピンクになるという…植物界ではべつにふつうのことなのでしょうか?そんな一粒で二度おいしい的な…!ここにサツマイモまで生ったら三度おいしかったのですが、さすがにそこまでのサービスはないそうです。
 ちなみにサツマオとの命名にちょっとサツマイモ要素が強すぎると思われた方、イントネーションを完全にアサガオとして発音してみてください。わりとトントンです。

 色が変わったといえば、当館の『秋聲少年少女小説集』。狂言発表会にあわせて無事増刷と相成りました。すこしだけ改訂もしたし初版と区別できたらいいな、と思ってひそかに帯の色を変えてみました。数年前、初版制作時に緑がいいかピンクがいいかで悩み、結果緑にしたあの葛藤の記憶から今回はピンクを採用。

 一冊で二度おいし…かったのは制作側である記念館だけで恐縮ながら、緑の帯verをお持ちの方、もうしばらくは作りませんのでそこそこレアな初版本ですよ、ということでどうかひとつ…。
 
 あと変わったといえば、本日は似顔絵展一部展示替えのための休館をいただいております。明日より似顔絵公募作の後期入選作品をご覧いただけますので、また前期とは雰囲気のまったく異なる秋聲先生のあらたな似顔絵をおたのしみください。





百万石薪能
 2016.6.6

 4日(土)、金沢城内にて薪能が開催されました。三の丸広場に即席の能舞台がつくられ、暗くなるとこの両脇に薪が焚かれます。
 前座としてわれらが「おかし研祐会」(もうわがもののように…)さんほか、現役子ども塾塾生さん、お能のほうの子ども塾OB「梅鶯会」の出演があり、あ、タイの子、タコの子、カモメの子…!とまた別の演目におけるかれらの勇姿をひそかに見守ってまいりました。
 その後、仕舞「井筒」「船弁慶」、狂言「水掛聟」、能「黒塚」の披露があり、われらが能村祐丞先生は「水掛聟」にお舅さんの役でご登場。舅(しゅうと)と聟(むこ)が、それぞれ我が田に水を引くべく取っ組み合って争うお話で、最終的に互いの顔に泥を塗りあうというはじけっぷり…。いがみ合ってあそこまでやれたらさぞ気持ちがいいだろう…などと思いながらその軽妙な動きとセリフ回しに笑わせていただきました。

 最後の「黒塚」は、山中で宿を貸してもらった阿闍梨一行が、その主が鬼女であったと知り調伏する物語。閨の内を決して覗いてならぬという主の言いつけに背き、阿闍梨の従者がこっそり覗きにいくと死体がゴロゴロ…というところから発覚するのですが、その前に阿闍梨と従者とで、怪しいから見にいきたいんですけど!!いやダメダメ、見るなって言われたろう??でもダメって言われたら余計見たいんですけど!!いやダメダメ、やめときなさい、とのやりとりがあり、従者(間狂言)が何度も「ちょっと見てまいろう!!」と大きな声で宣言するその真っ直ぐな潔さに笑ってしまいました。結局阿闍梨に止められ、かれらが寝た隙に見にいって…というくだりはおそらくクスクスしてもいいところ。
 鬼女が正体を現すあたりはまたうってかわって、薪に照らし出された般若面が夢に出そうなほどに迫力満点でした。なるほど、これが薪能であるか…と、金沢に住んでいながらようやくザ・金沢をエンジョイした夜となりました。



 


うちのこ
 2016.6.4

 きのうはつつがなく燈ろうが流れてゆきまして、おかげさまで記念館夜の部にもたくさんの入館者をお迎えいたしました。ありがとうございました。
 
 この浅野川には七つ橋と呼ばれる七つの橋がかかっております(ほんとはハつ)。上流から①常盤橋 ②天神橋 ③梅ノ橋 ④浅野川大橋 ⑤中の橋 ⑥小橋 (ほんとはここに彦三大橋) ⑦昌永橋となっておりまして、②天神橋が秋聲先生の「甥」や某K花先生の「義血俠血」の舞台、③梅ノ橋が当館の庭、④浅野川大橋が当館と某K花記念館さんとの境界線、⑤中の橋がK先生「化鳥」の舞台、⑦昌永橋ほど近くに旧正田邸というふうになにかと橋につながれているのです。春秋のお彼岸には白装束を着て真夜中にこの橋をじぐざぐと無言のまま決して振り返らずに渡りきるという「七つ橋渡り」なる習わしがあり、現在も行われているそうな(彦三大橋がはずされているのは新しいからでしょうか?)知らず目撃された方にはなかなか怖ろしい光景かと思われますが、願掛けのソレですのでそっとお見守りくださいませ。

 そんな浅野川と浅野川大橋とによりタテもヨコも区切られているはずの某K花記念館さんに、このたびその境界をポーンと飛び越えお邪魔しているうちの子=秋聲著作『犠牲』なる単行本が、現在開催中の企画展「KYOKA MANIA―鏡花会/九九九会―」にて展示されております。

 きのうこちらもタテヨコの境界を越え、こっそりと観覧してまいりました。
美麗なる鏡花本にまざっていたいた…!うちのこ、しっかりよそ行きの顔をして一緒になって陳列されておりました。ふふ、まざってるまざってる…。
 何故そこに混ぜられているかは是非展示をご覧になってご理解いただきたく詳述いたしませんが、まずは境界を越えてちゃっかりいる!!というところの面白みを感じていただけましたら幸いです。


 
 


百万石まつりスケジュール
  2016.6.3

 今年もこの季節がやってまいりました。本日3日(金)は、当館前を流れております浅野川にて恒例の加賀友禅燈ろう流しが開催されます。去年はけっこうぎりぎりまで雨模様で、決行かな?延期かな?と様子をうかがっていたものですが、今年は快晴につき間違いなく時間通りに開催されることと思われます。スタートは19時より。それにともない、右記のように川沿いの秋聲のみち・鏡花のみちともに車両通行止めとなりますのでご注意ください。そして燈ろう流しを特等席でご覧いただけるよう、記念館も21時まで開館延長いたします。川沿いをぶらぶら歩いてお越しのうえ、2階サロンよりごゆるりとご観覧いただけましたら幸いです。アッ入館料は要ります、すみません…!

 また、明日4日(土)は街中にて百万石行列が行われます。こちらイベントによる交通規制はこう→
 この時間帯中、金沢文芸館さんのある橋場町の交差点から近江町方面またの名を金沢駅方面には右折できないということですね。どうぞお気をつけくださいませ。この日、
記念館は通常通りの開館となります。
 ちなみに明日19時~、金沢城公園三の丸広場にて百万石薪能も開催予定です。18時半~子ども能・狂言、19時~21時まで下記演目が披露されるとのこと。能村祐丞先生がお出になると風の噂で聞いたような…ぜひ行かれてみてください。各自敷物をご用意のうえ!

 【番組】
 (仕舞)井筒(いづつ)、船弁慶(ふなべんけい)
 (狂言)水掛聟(みずかけむこ)
 (能) 黒塚(くろづか)





踊り場参り
  2016.6.2

 30日の文学紀行は残念ながら朝からの小雨となってしまいました。昨年のりんご絵付けワークショップで台風をはねのけたてるてる秋聲もそこで疲れ果ててしまったのか今回は威力発揮ならず…。いや、小雨で留めてくれていたのかもしれません。学芸員の首にかけ随行してもらっていた彼、ゴールの踊り場についた途端に首から落ちましたので、そこまで地味にがんばってくれていたのかもしれません。

 いつか「悠々をめぐる道」という名の桐生悠々めぐりを開催したときもこれくらいの小雨でした。ニコイチ、ニコイチ。
 そのときだって、涼しくてかえって金沢らしくていいよ、とみなさん仰ってくださったことが今回と重なりました。秋聲をとりまくひとびとの半分はやさしさでできている…。

 ↑中の橋のうえで写真を撮ろうとする名誉館長に傘をさしかけるやさしい館長…。

 そんなわけで、生憎の小雨のなか、旧「町の踊り場」(旧水野ダンスホール/下新町)から新「まちの踊り場」(旧正田邸/瓢箪町)まで3キロ超の道のりを、当館解説ボランティア兼まいどさんの福岡さんに案内していただきながら散策してまいりました。途中、淺野神社さんにお寄りして、秋聲の短編「穴」に登場する「ひらかな盛衰記」の大絵馬についての縁起を宮司さんにお聴かせいただいたのがなかなかのハイライト。今回秋聲令孫・徳田章子名誉館長のご訪問により、世代を超えての「穴」再現となりました。

 その後、秋聲次兄・正田順太郎旧宅、現「まちの踊り場」まで歩いてゴール。どこまでも踊り場しばりですので、会場で浅野川倶楽部代表・髙輪眞知子さんにすべての発端である秋聲の短編「町の踊り場」を朗読していただくなかで、そう、いま語られているそのお部屋!ここ!!ここの二階…!!!と茶々を入れたくなりながら、当時の空気に浸らせていただいたのでした。

 参加者のみなさま、おつかれさまでした。福岡さんはじめ、かかわってくださったみなさまに心より感謝申し上げます。



 


秋聲狂言発表会
 2016.6.1

 怒涛の月末がおわりました~!!29・30日と、狂言発表会からの文学紀行、ともに無事終了いたしました。ご協力くださったすべてのみなさまに厚く御礼申し上げます。

 まずは日曜の狂言発表会、3月に能楽堂でプレ公演を行った秋聲原作の新作狂言「えらがり鯛と鮹」の本公演またの名を凱旋公演です。

 リニューアルで壁をすべてとっぱらってしまい広い空間となった一階「光を追うて」コーナーを何かに使いたい使いたいと思いながらようやく使えたのがこの狂言発表会にして、結果的にその背景を最も生かし、素晴らしくベストマッチングな使い方となったのではないかと職員一同喜色満面でございます。いい感じ!→

 いえ、何より「なん大丈夫や、ここでやろ。」とご英断くださった能村祐丞先生と、慣れぬ舞台で最高の力を発揮してくださった「おかし研祐会」のみなさまにお礼を申し述べねばなりません。「狂言なんてどこでも出来る」、このセリフどこかで聞いたと思えばここ数年館で開催しております「お座敷あそび」におけるひがし茶屋街の組合長のお言葉でした。「芸妓は呼ばれればどこにだって行くし、どんな狭いところでだって芸は出来る。」…かっこいいです。どうしたって敷居の高く見える伝統芸能、こんなところでやってくれだなんて怒られるかな…さすがに申し訳ないかな…というこちらの恐れ脅えを一蹴してくださるプロの方々!!

 そうして、帰ってきたえらがりとその他伝統的な演目、そのうえ狂言小舞を加え、こちらも予想以上にプロであった子どもたちが生き生きと、そしてゴロンゴロンと舞台を転がり、大いに笑いをとって帰ってゆかれました。

 夢じゃなかろうか!

 ↑いつか折り紙していたものは結果左の隅っこに写るカモメ頭巾になりました。
  かぶってくれてありがとう…!!



 


おやつレポート その15
   2016.5.25

 毎度お世話になっておりますご近所のお茶の先生からもう何度目かもわからぬお菓子を頂戴いたしました!ありがとうございます!

 「かきつばたです」と小箱を受け取り、ハァさすが!季節の!と、かの青紫色の花びらを期待して蓋を開けると真緑でした。

 「あぁかきつばた!かきつばた…?」と一瞬なってしまったことは内緒です。
 葉っぱの感じ…いや、つぼみかな…?これから咲くのかな…?
 いつもいただき甲斐のない残念な職員で申し訳のないことです。しかもお皿にフォークて…不粋ですみません…。

 かきつばたといえば先日、秋聲文学碑のさいきんの様子を見るため久し振りに卯辰山にのぼって参りました。
 今回の目的は主に碑の裏っ側、白壁の後ろに文学碑建設の実働部隊であった加藤勝代氏、宮川靖氏による「おぼえ書」の木板がはめこまれているのですが、そこに川端康成による例の「日本の小説は源氏にはじまって…」が刻まれているのです。けっこうな築山をぐいぐい登り、べつに汚れてもいない板面を掌でサッサッとぬぐってみたのは完全に冒険映画の見すぎですが、なんとなくそうしてみたくなる雰囲気、見に行かれた方はおわかりになるかと思います。
 このとき撮影した写真は次の企画展で使うかもしれませんのですこし出し惜しみをしてみます。使わなかったらそのうちここで使います。

 かきつばたから何故卯辰山のお話かというと、卯辰山公園のかきつばたが見事だったからで、しかし大半はかの青紫色でなく黄色だったのでへぇと思って調べてみると卯辰山のアレは黄菖蒲(キショウブ)というそうで、何ならもはやかきつばたでもなかったです。



 


テリトリー拡大
  2016.5.24

 偉人について率先して学ぶ方々、それは尾張町商店街さん!というわけで高砂さんに引き続き、今度は記念館を出発してものの10分の距離にある尾張町は老舗交流館で、地元商店街さんの歴史と伝統文化講座にお邪魔してまいりました。
 なんとも精力的に一年をかけて全10回開催される講座のうち、第一回で秋聲のお話をさせていただけるとは恐悦至極に存じます。いやタイトルこそ「三文豪を知りたい」となっており、求められているのは三文豪のお話なのですけれどそこはそれ、最初は三文豪のお話をすると見せかけて、だんだんと秋聲にウェイトを傾けてゆき最終的に「いやぁ~秋聲ってほんとにいいもんですよねぇ~!」と締めておいての「アレ?今日は『秋聲を知りたい』」だったかな?という感じにみなさまをぐるんぐるん煙に巻いて帰ってまいりました。(おふたりを語れる立場ではないながらに鏡花さんと犀星さんのお話もちらっとはしました。ええ、しましたとも…!!)

 
 
 尾張町商店街さん、お招きいただきまことにありがとうございました。ほんとにご近所ですから今後ともどうかよろしくお願いいたします。
 ちなみに会場となった老舗交流館さんとは旧商家を復元した大正ロマンあふるる建物だとのことで、なんか見たことあるっぽい電話があったりなぞ…!
 これ「爛」で見たやつじゃない!?荘八が描いてるやつじゃない!?と開始前にずいぶんとテンションがあがりました。


 ←これですね!!

 その他、界隈の古地図やら商家らしい引き札やらいろいろと珍しいものが展示されていて、こりゃ資料借用などまたすぐにお世話になるぞぉ…とひそかに唾をつけて来たのでした。
 電話は修復してなんと一時期使えたそう。
 

 



怠惰な偉人
  2016.5.20

 つい興奮にまかせて叫びっぱなしにしてしまいましたが、ベジタンというのは打木赤皮甘栗南瓜(うつぎあかがわあまぐりかぼちゃ)をモチーフとした加賀野菜のイメージキャラクターです。加賀野菜を取り扱う店舗にしかお出ましにならないというあの伝説のカボチャ…!(と、どこかで見た記憶がありますがちょっと曖昧です)それが偉人館さんにふつうにいたので驚いてしまいました。同館で現在開催中の企画展「金沢の農業に尽くした人びと ―高多久兵衛、本岡三千治・太吉、松本佐一郎―」にちなみ、金沢市農産物ブランド協会から貸してもらっているそうな。レンタルベジタンなのでした。
 おのれの無知蒙昧を棚にあげて上記のラインナップ、お名前ではまるでヒットしない方々ではございましたが、企画展を拝見してアラ~金沢にはずいぶん偉い人がおったもんや~と溜め息がでましたので、ぜひ行ってみてください。偉人館さんのキャッチコピーは「灯台下暗し」だとつくづく感じております金沢市民です。

 さて、地元の偉い人たちを率先して学ぶ方々、それは高砂大学校さん!今年も講師に呼んでいただき、きのう講座にでかけてまいりました。

←去年うかがうこと三年目にしてようやく見つけた正面玄関。


 四年目の今年はもう迷うことなく、なんなら大通りに面していた正面玄関から堂々とお邪魔して、文学コース108名さまに秋聲の魅力についてお話しさせていただきました。こちらの講座では毎年記念館的にいちばん旬と思われる作品をご紹介して帰ることにしているのですが、今年はなんといっても「町の踊り場」です。先日よりしつこいくらいに踊り場参りをしておりますので、これはもうご紹介しないわけにはまいりません。そして現在、7月下旬からはじまる川端康成展の準備をしておりますので、康成先生一押しでもある「町の踊り場」、そこに漂う怠惰の妙味!熱弁をふるってまいりました。
 高砂のみなさま、今年もご清聴ありがとうございました。





似顔絵発見
  2016.5.17

 先日、県立図書館に調べ物にゆくついでに(すみません!)金沢ふるさと偉人館さんで道草をくってきました。偉人館さんでは昨年桐生悠々ご遺族から寄託された膨大な資料の一部が展示されています。当館の感覚からして悠々といえば秋聲、秋聲といえば悠々と言ってよいほど彼らはニコイチですから悠々あるところに秋聲記念館の残像アリ、とすべく執拗にケースを眺めまわしてまいりました。秋聲の回想録「思ひ出るまゝ」を真似して書き始めたという悠々の回想録「想ひ出るまゝ」、その自筆原稿も当館の感覚からしていっちばんいいところ―すなわち秋聲とともに小説家を目指し上京するくだり―の部分が展示されておりちょっともう垂れる涎が止まりません。そのほか、当館のいつかの悠々展でパネル展示していた俳句の自筆短冊や、同級生・日置謙筆悠々宛ての最高に面白いお手紙(秋聲に言及あり)、それから何せ貴重な「他山の石」廃刊の辞原稿など、おそらくは学芸員の方が悠々の展示といって観覧者がいちばん何を期待するか、という点を考えに考えぬかれた結果なのだろうな…と思わせるラインナップに何やら胸が熱くなりました。これはぜったいに見てほしい展示です。

 そうして珍しくただ純粋に熱くしていた胸に、帰りぎわやはり邪念がよぎってしまったことをとても残念に思います。偉人館さんの各所に展示されている偉人たちの似顔絵…悠々の似顔絵…当館の似顔絵展…あ、これ、宣伝に…

             悠々さんの似顔絵こちら→

 添えられた作者の方の一言コメントがエッジが効いていてたいへん面白いのです。

 


 そしてく○モンからのまさかのベジタン!!
 
 偉人館さんにベジタン!!!





 


フォーメーション
    2016.5.14

 川向こうは某K記念館さんの素敵企画展「鏡花本 装幀の美」、早いもので明日が最終日となります。当館なぞに言われなくても!とは思いながら、まだ行かれていない方、慌てて駆け込まれることをお勧めします。いや当館なぞに勧められずとも!とは思いますけれども念のため…。
 きのうは同じ川でも川ちがい、犀川全般をテリトリーとされている犀星記念館さんにお邪魔して、月の一度の学芸員会議に参加してまいりました。犀星さんでは現在実に40年ぶりという新作映画で話題沸騰の「蜜のあはれ」展を開催中。「蜜のあはれ」にて結実するさまざまなお魚談義やお魚作品、犀星さんによるお魚イラストはもちろんのこと、なんせ映画で実際に着用された俳優さんのお衣装が圧巻です。イヤッ目がつぶれる…!!と思われるほどの艶やかさにてこちらも必見です。言われるまでもないでしょうけれども同展は6月26日まで。まだまだと思っているとあっという間に終わりますので今、今、ぜひ行かれてくださいませ。
 ついでに当館の似顔絵展は7月18日まで。いま、ふぅんもうちょっとあるね、と思われた方、意外とあっちゅう間ですので外出されたついでにどうぞ…!!ときどきイベントが重なってしまうことはありますが、とにかく休館だけは重なることのないよう三館で微妙に目配せしつつ示し合わせているのです。仲良くケンカしながらそっとフォーメーションを組んでいる三文豪館、ひとつまとめてよろしくお願いいたします(たまに派手に失敗します)。
 三しばりといえば、きょう久々に見に行ったほっこりポストに忍者が三人おりました。隣にはくま○ン。のような顔をしたなにか丸いものがふたつ、容器に入って並んでいます。館にかえって「くま○ンと忍者でした」と報告すると、「まえもそうやったねー」とすこし残念そうな職員の声。しかし写真をみせてもらうと同じでありながら同じではありませんでした。

 
 


  きょうのかれら。






 
  2月のかれら。


  フォーメーションが変わっています。
 


 2月のときと現在とでは、かれらの遂行しているお仕事の中身がちがうようです。 



 


満員御礼
   2016.5.10

 本日申し込み受付を開始いたしました文学紀行「踊り場参り」、開館から30分で定員に達しました!お電話くださったみなさま、ほんとうにありがとうございました。お受けできなかったみなさまには心よりお詫び申し上げます。常日頃から言いたい言いたいと思っている「申し訳ありません、定員に達しまして…」の言葉、実際言えるとなったらただただ心苦しいだけ、という朗読劇「あらくれ」現象ふたたびです。思い出しました、あの冬の胸の痛み…
 ずっと空き家になっていた順太郎さん宅ですが「まちの踊り場」として生まれ変わったその瞬間に強い力で守られましたので、今後とも何かとお邪魔する機会があるかと思います。踊り場参りパート2開催のおりにはよろしくお願いいたします。
 そしてしれっと使わせていただいている「踊り場参り」とのタイトル、ご存じ古井由吉先生の作品からお借りしております(無断です!すみません!!)。古井先生を当館へお招きしたのは平成23年だといいますからもう軽く5年前…光陰ったら矢の如しすぎますね!(ちなみにご講演録は館報「夢香山」第4号にてお読みいただけます)。
 「踊り場参り」はかつて金沢大学で教鞭をとられていた古井先生が金沢を再訪し、東山界隈を秋聲の短編『町の踊り場』になぞって歩く、その道行きが描かれている作品です。

 秋聲版「町の踊り場」は昭和13年まで下新町の某K花記念館さんの並びで営業しており、残念ながら現在では駐車場に…。そちらも一応コースに入れており、ゴール地点を新生「まちの踊り場」に設定しているため、新旧「踊り場参り」とさせていただきました。
 本日、現地の最終下見にいってまいりました。あとは晴天を祈るばかり…

 


 


みんなちがってみんないい
  2016.5.7

 和紙人形シアター天井の電球が切れました。こちらは一年放置しての結果ではありません。ある日急にぷっつりと消えました。そんなわけで閉館後、五人の女性たちの間を縫ってなんとか脚立を立て、電球交換に勤しみました。この女性たちのステージが思いのほか狭いもので、脚立や人間のお尻がうっかりぶつかりやしないかと終始ハラハラです。そして万が一にもその頭上に電球を落下させたりなどしては命がありません。人形の?いいえ、職員の、です。
 和紙人形作家・中西京子先生のお手によりこの世に生を享けたふたりといない女性たちに指一本とて触れぬよう、細心の注意を払いながら電球を取り替え、よしよしこれで一件落着、と念のため点灯してみましたら、

 アッ両脇暗っ…

 「縮図」のヒロイン銀子さん(左端)と、「仮装人物」のヒロイン葉子さん(右端)に光が当たっておりませんでした。交換する際、スポットを設置する向きを間違えてしまったようです。


 もし今後シアターをご覧になる機会がございましたら是非天井をご確認ください。電球になにか不思議な形をした覆いがついていて、壁に素敵な紗をかけながら、それぞれのヒロインに上手にスポットが当たるよう計算されているのです。それを無邪気に適当にはめこんでしまったために、両脇ふたりが文字通りの脇役になってしまいました。失敗失敗…。
 銀子さんはまぁまぁとして葉子さんはわりと激情家なので、こんな事態になったと知れたらものすごく怒って喰ってかかられることが予想されます。脚立もっかい入れるのめんどくさいな…とか思っている場合ではありません。すぐさま脚立を担ぎ上げ、五人それぞれにそれぞれの光が当たるよう位置を再調整いたしました。こと秋聲作品に関しましては、センターが偉いとかではないのです。

              これはぜったい怒るやつ→
     (左にいるのはお島さん@「あらくれ」です)
 


 


隠れスマイル
 2016.5.6

 事務室の壁掛け時計が止まりました。一年ほど前からちょっとずつ遅れてるね~と職員間で共通認識はあったのですが、気になって辛抱たまらなくなった人がその都度直したり、(5分遅い時計…)とおのおの脳内で調整したりして、だましだましここまでやってきたところ、ついにその秒針が時を刻むことをやめてしまいました。「電池か…」「電池ですね…」と無精のうえにも無精を重ねつづけた職員の重い腰がようやく上がり、定位置から時計がはずされた次の瞬間「ニコちゃんマークや」と言われて見ればほんとにおりました。
 
 





                    ニコちゃん→



  わかりにくいでしょうか、天地逆にしてみたらこう→
  真顔気味のニコちゃん…!

 10年そこにいたという証がまるでニコちゃん…!!(真顔気味の)

 (ニコちゃんを浮き彫りにするため、すこし画像のコントラスト強めにしております)

 ニコちゃんがいたということも衝撃でしたが、ニコちゃんを発見できる職員の心のうつくしさにも脱帽です。誰が想像できたでしょうか、時計の裏に隠れスマイル…。
 当館の自慢は時計の裏に真顔気味のニコちゃんがいることと、壁の汚れにニコちゃんマークを発見できる心のきれいな職員がいることです。そんな当館、今後ともよろしくお願いいたします。


 


ナイトミュージアムvol.1
  2016.5.4

 そう怯えたほどにはパンチないな、と迂闊に思ってしまったあの日から一週間、そろそろ鳩サブ○ー缶式お菓子箱のなかがドリアン臭で満ち満ちてきた秋聲記念館です、こんばんは。
 きのう夕方から今日午前中にかけてたいへんな強風にみまわれた金沢でしたが、午後になってようやくすこし落ち着いてきて、日中きれいな青空のもとたくさんのひとたちが東山界隈を散策してみえたもよう。そんなみどりの日の本日、当館を含む東山ファミリーの6館(安江金箔、鏡花、蓄音器、文芸館、寺島蔵人邸)で夜9時まで開館延長を行っておりますので6館めぐりにぜひご挑戦ください。
 各館どこでも受付にて1DAYパスポートを510円で購入していただくと、通常入館300円の各館を2つまわればもうモトが!ただし文芸館さんは入館料つねに100円というイレギュラーにリーズナブルとなっておりますのでご注意ください。当館と文芸館さんをまわってもまだ400円、もう一声!

 そうしてちょっと足を伸ばして鏡花さんでも寺島さんでも行かれた日には、各館でもらえるポイントが3つたまって自動的に素敵な景品と交換できます。そんなスタンプラリー的なことも恒常的にやっております。
 だんだんと日が長くなってきて、通常閉館時間の17時ではナイトミュージアムの看板を照らすライトもどこを照らしているんだかまるでわからない状態でしたが19時ようやく雰囲気が出てきました。
 三代目梅ノ橋ブラザーズのライトアップもすてきですよ(強いて言うなら犀川にかかる桜橋ときょうだいでしょうか…すみません言いたい口を止められず…)。




 
浅野川鯉流し
  2016.5.3

 月曜と金曜を休めば10連休とうかがっております!みなさまいかがお過ごしですか?記念館は月曜も金曜も間の連休中も変わらず開館しております。すなわち今月休館ございませんのでいつでもどうぞこぞってお越しくださいませ。

 本日3日は朝から秋聲のみち界隈がたいへん賑わっております。きのうからはじまった浅野川の鯉流し、今日がなかでも本番の、実際に鯉のぼりたちが川のなかを泳ぐ日でした。ご覧のとおり、朝一番から無数の鯉たちが浅野川に放流されております。金沢の気温29度まで上がるそうですから朝の時点でもうすでに暖かく、なかなか気持ちがよさそうです。土手には地元小学校さんの手により作られたとお見受けする大きな鯉のオブジェもありました。


  ちょっとはらぺこあお○し感も漂わせつつ、小型犬ならその口からぐんと入っていきたいだろうな、いくだろうな、と思わせる見事な開口トンネルっぷり。
 観光客の方々やご近所の方々がわらわらと川べりに集うなか、祝日なのに何故か制服姿の大量の中学生が梅ノ橋を疾走するのとすれ違いました。さいきんよくお見かけする修学旅行の練習生たちでしょうか、元気いっぱいでたいへんほほえましい映像ながら、木造の梅ノ橋がけっこうバウンバウン揺れますもので落ちやしないか!とちょっと心配になったりもしたのでした。

 と言いながらこの橋、古そうに見えて三代目ですのでたぶん大丈夫です。初代は明治43年架橋、いまの三代目は昭和53年架橋とのこと。なので今年で38歳、中学生からしたら親御さんくらいの世代でしょうか。どんとこい、こどもたち。 





不慣れなもので
  2016.4.29

 先日の休館日、休館であることをいいことに鳩サ○レー缶式お菓子箱(大)の大部分を占めていた黄色い袋…別名ドライドリアンの開封式を行いました。けっこうまえに職員から寄付してもらったこの謎のお菓子、個性的な強いにおいでその名を馳せるドリアン先輩ですからいくら乾かされているとはいえ無防備にあけてしまって館内中ににおいが充満したらどうしよう…お客さまにくさい館と思われては困る困る…と協議をかさねた結果、では展示替えの休館日に開けましょう、ということに落ち着きました。

 そしてお三時をむかえ、いざ開封!「…におい…はさほどないです、少なくとも飛び出してはこないし…館内には充満しない…こっちから迎えにいってようやく…アッまぁそれなりにくさいか…!」そのカサカサの固体を口にいれてみても「…ウン…まぁ…さほどくさくはないし、とりいそぎ刺激はない…けども…ただ、シンプルにまずいです…」
 「シンプルにまずいです。」以上、ドライドリアン試食レポートでした(個人の感想です)。

 ひとまず職員全員に配りまわし、みんなちょっと変な口の形になりながら午後の仕事に勤しみました。「これで全部?」「アッまだいっぱいあります!」そんなドライドリアン先輩ですので、もし食べてみたい方は受付で「アレあるかい?」と小声で訊いてみてください。黄色い袋をそっと差し出します。
 その後いつもお世話になっている金沢蓄音器さんからいただいた差し入れの和菓子をモシャモシャいただき、ありがたいねえおいしいねぇ…といつも以上に深い感謝を捧げたのでした。いや、ドライドリアン先輩だって間もなく癖になるのかもしれません。





《今日の梅ノ橋⑳》
   2016.4.28

 ゴールデンウィークを目前にして本日1日だけ休館をいただいております。金沢は雨です。びちゃびちゃの梅ノ橋です。毎年4月29日のみどりの日改め昭和の日に開催されていた金沢グリーンウォーク改め金沢ウォークは今年10月に開催されるそうです。金沢はあしたも雨。前後を無視してこれだけみればナイス判断だったのではないでしょうか。外での催し、すなわち何より担当者をやきもきさせるお天気との戦いですから、どなたか存じ上げませんが金沢ウォークのご担当の方にまずはよかったですね…とお声をかけたい心持ちです。あとは10月のその日が晴れてくれたらいいですね… 

 そんな感じにややナーバスにもなっている4月末日、来月のお天気はどうなのでしょうか。文学紀行の概要を詰めながら広報担当職員に「雨天決行でOK?」と訊かれ、は~雨のかのうせい~…!とようやくハッとしたりなんかしております。どのくらいの雨までならひとびとは街をお歩きになるものか、判断に困るところです。傘がぶつかったりなんだりしてちょっとアレですものね…
 そんなわけでちょうど一ヵ月後のお天気の心配をしながら本日、秋聲似顔絵応募作からの入選作を展示いたしました。明日より6月6日までご覧いただけます。ご応募まことにありがとうございます。
 展示作業なら雨でも晴れでも構わないのですが資料をお借りしにゆくときには必ずお天気をチェックしてしまいます。きのうも某館と資料借用の日程決めをしていて、○日はどうかしら?とご提案いただいた瞬間天気予報を確認し、「あ、晴れですね、OKでーす」と元気にお返事をいたしました。文学館、基本紙資料だものですから、いくら梱包されるとはいえ雨の日はちょっと…塗れた傘なんかちょっとアレですものね…



 


工作の日
  2016.4.25

 いまからちょっとここでおもむろに折り紙など始めますけれども一応遊びでなくお仕事ですから見て見ぬふりをしてください、と突如事務室内に声明を出し、会期の終わったポスターをもってきてはバッサバサと折り紙を始めなどした昨日の午後です。世の中にはいろんなお仕事がありますね。
 
 結果できたのがこちらです。試作品第一号→

 何に使うか、実際に使うかどうかはこれから各所とご相談のうえ…。もしGOが出ればより精度をあげ、いのちを吹き込み、子どもたちの頭のうえで大空を舞わせたいと思います。どうぞおたのしみに。

 子どもたちといえば『秋聲少年少女小説集』、品切れとなってずいぶん経つ本書の現在改訂作業中です。来月に開催予定の狂言発表会に備え、なんとかそれまでには刊行したい、この機を逃してなるものか…!と水面下でぼそぼそ準備をすすめております。この機というのも、いま狂言化を試みている「えらがり鯛鮹」が本書に収録されているため…。狂言をみて、ふぅん読んでみてもいっかな~…という気持ちになった方を確実に捕まえにゆくためです。せっかく読んでみたい気持ちになっていただいたところに本がないのじゃあ本末転倒。その熱はたぶん図書館までもたない、名づけて鉄は熱いうちに打て作戦!別名、記念館でしか販売してませんよ商法!(市内図書館さんおよび小中学校図書室には納本させていただいております)。
 そんなわけで、館の仕掛けたイヤラシイ罠ではありますけれどもそうと知りつつ一度引っかかってみていただけましたら幸いです。本書と新刊『爛』には挿絵もあります。しかもユメジさんですよ!お得ですよ!! 


 


だんごの人
   2016.4.24

 以前からお伝えしております何故かお菓子の切れない秋聲記念館、3月末には一時底がみえはじめ、これはついに職員から募って購入せねばならないのではないかと恐れおののいたりもいたしましたが(お菓子ゼロで過ごすという選択肢はございません)、おかげさまで4月に入りいろいろな方からいろいろな差し入れを頂戴し、お菓子とともにお紅茶なども頂戴したりなんかして、いただきもののワンセットでおやつタイムがたいそう充実しております。ありがとうございます。

 きょう申し送りのひとつとして、「きのうシアターの部品を交換しました」と同じくらいのテンションで「前にいらした○○さんからまたお菓子いただきました」と朝イチで報告を受け、アラいつか花見だんごの差し入れをくだすった方かな?と思い当たって「あ、だんごの人ですか?」と言ってしまってからなんだかすごく失礼な感じに…!と思いもしましたが「そうそう、だんごの人です」と返ってきたので良しとしました。
 その方のお名前より肩書きより何よりだんごの印象が強く、つい「だんごの人」になってしまうこの現象、名づけて「ハムの人」現象とでもいうべきものでしょうか。チョコの人、クッキーの人、紅茶の人…それぞれに失礼は失礼ながら、「だんごの人」に勝るインパクトの強さったらほかにあまり類をみません。だんご、嬉しかったのです。きのうのお菓子はだんごではなかったですが(かきもちとクッキーでした。この場を借りて深くお礼申し上げます)、どうしたって今後ご来訪のたび(だんごの人…)といったん職員の脳内を駆け巡ることでしょう。
 
 なお、どなたかからお菓子をいただいた際にはその後職員全員でお礼が言えるよう、お菓子をいただいたことの申し送りを徹底している当館でございます。みなさまの差し入れで生かされている職員一同ですからせめてもの…。
 
←ぎっしりお菓子箱!(鳩サ○レー缶(大))
 





大橋向こうの神
  2016.4.21


 今日あたらしい神様を発見しました。

 こちらは東山3丁目の神様です。いかついですね!










婆さんと婆さんと爺さんと新しい爺さんと画家と妻
  2016.4.20
 
 車挽きだった爺さんの急死ののち、お幾は…。
 「二老婆」の話です。危ない危ない、もうすこしで一年放置してしまうところでした、久々に「不定期連載」更新いたしました。前回が去年の9月…!たいへん申し訳ありません。爺さんを失い意気消沈のお幾婆さんをずいぶん長いことほったらかしてしまいました。

 写真は下新町は「町の踊り場」前を疾走する人力車です。
 爺さんでなくイケメンのお兄さんです。左手前の駐車場が「町の踊り場」跡です。 

 さて今回アップした第3回、どんなに悲しくっとも相変わらずその日を食っていくためくるくるとふたたび立ち働きはじめたお幾婆さんのいっぽう、お栄婆さんに新しい爺さんの登場による何やら美味しい話が舞い込んできたようです。すでにお気づきでしょう、この作品「二老婆」との題のとおり、お婆さんがふたり出てきて「お栄」と「お幾」、それぞれ名前で呼んでくれればよいものを「婆さん」としか書かれないことも多くどっちの婆さんやねーーーん!と読みながらついつっこみを入れたくなるそんな第三回です。ちゃんと見ていないとふたりの婆さんがさっと交差してどっちがどっちかわからなくなってしまうという婆さんシャッフルの罠!プリントアウトして各婆さんにマーカーで色をつけていってみてもいいかもしれません。目を離すとすぐに右にいた婆さんがさっと左にゆきますので瞬き厳禁です。
 そんな二老婆の動向を語っているのはお栄婆さんの家に下宿している若い画家夫婦なのですが、そういえば秋聲先生の作品では主人公が画家であることが多いような気がいたします。秋聲の遺伝子を引き継いだ視点人物なのかどうかはわかりませんが、画家という職業に何か思うところあったのでしょうか?さてみなさんお気づきでしょう、この流れから似顔絵展の宣伝に無理やりもっていこうとしていることを…。
 全国の画家のみなさま、秋聲の似顔絵募集締め切りまもなくです…
 

 


文学散歩下見の会
  2016.4.15

 秋聲のみち界隈の桜並木もすっかり緑になり、いまだ空気はやや冷たいながら日差しがとてもあたたかくお散歩にもってこいの季節となりました。そんなわけで来月あたりにやろうかな~とふがふが思っている文学散歩のまずは下見に出かけることにいたしました。

 だいたいのルートを決めて、地図を片手にチェックポイントごとに到着した時間を刻んでゆくのですが、いかんせんひとり下見だものですからただ黙々と、ただ黙々と目的地に向かって歩きつづけ、ついたらついたでハァここだ…と目標物をぐるり見回ししばし無言…

(かわいい道路の模様だな、とか思っている)

ののちまた黙って歩き出し、さくさく歩きつづけた結果ずいぶんスリムな行程となり、早々に帰館しては「やけに早かったね!」と皆に言われながら地図を見直し、いやいやここできっと5分はしゃべるね…ここで10分散策かな…とたいそういい加減に肉付けしてゆくというタイムスケジュール作りにはあまり役立たない下見となりました。
 この日はほんとうにお天気がよく、道行く知らないひとに「いいお天気やねえ」と話しかけられたり、観光でいらした方に主計町ってなんて読むの?と尋ねられたりするうち(「かずえまち」です)なんとなく心もオープンになって、道に迷っているらしいグループのひとたちに「どこに行かれるんですか?」と自分から声をかけて示された目的地がわからず「アッすみません、わかんないっす…」と何がしたかったのかわからない人になってしまったこともこのお日柄といつにない外歩きのテンションとによりなせるわざ…ひとりでわりと満足してしまいましたが、あくまで下見ですのでここから形を整え、もうちょっと暑いかもしれない5月下旬頃にお届けしたいと思います。
 
 



大木志門著『徳田秋聲の昭和―更新される「自然主義」』
  2016.4.13

 館報「夢香山」第8号にて新刊案内をさせていただいておりますそのピカピカの新著が当館へとやってまいりました!当館初代学芸員の大木志門氏(現山梨大学准教授)による秋聲研究書でございます。大木先生、立教大学出版会さん、ご寄贈ありがとうございます!白い表紙が眩しいです!!(そして当館館報のご紹介までありがとうございます!)
 白地に赤を効かす感じ、当館新発売図録とお揃いですね、ウフフ、となって隣に並べてみましたら、大木先生のご著書に比べて当館図録の白地のうすら濁っていること…!いえ敢えてのデザインなのですけれどもウフフ白地♡といった目で見てみましたらぜんぜん白くなかったです。驚きです。ただ秋聲の落款の赤とご著書の帯の赤とがまったく同じ赤みだったので良しとします。帯に記された「秋聲像」と書いて「モダニティ」と読ますその手法があまりにかっこよく、明日からさっそく真似をすることといたします。ありがとうございます。
 こちら手続きが整い次第、当館ミュージアムショップでも販売させていただく予定にしております。当館オリジナル文庫挿絵入り『爛』の表紙にゃ荘八による絵柄はいっそ入っておらず不自然なほど真っ白ですが、かえって真っ白ななかに荘八による『爛』の絵柄が入っている本がありましたらそれが大木先生のご著書です。どっちと言わずせっかくですからあわせてお買い求めいただけましたら幸いです。
 ついでに荘八直筆『爛』挿絵の下絵を二図、どさくさに紛れて似顔絵展で初公開しておりますのでこちらもあわせてご覧いただけましたら幸いです。
 
 



図録(改訂版)新発売!
 2016.4.12

 そういえば図録!つい先日新発売となったことをすっかりお伝えしそびれておりました! 
 紅殻格子柄でお馴染みであった旧図録『秋聲』、開館にあわせて作成したものがついに売り切れまして、ついにといってももう彼是一年近く売れ切れておりまして、そんなけっこうな長期間にわたり「品切れ」表示を出しつつ「近いうちに改訂版を~…」とお客さまにモゴモゴお伝えしていたところのソレがようやく刊行となりました。

 基本的なページ構成は引き継ぎ、そのうえあれやこれやと手を加え、表紙も新たに4月7日は11周年の開館記念日より、ミュージアムショップにそっと加えられております。そう、驚くほどそっと…。開館記念日すらも無言のうちにそっとスルーしてしまっている当館、4月のはじめというのは何かとバタバタするもので…。
 そんなわけで新生『秋聲』、税込み1,300円と以前よりちょっこりお安くなっておりますのでぜひご来館のおみやげにお手にとってみてくださいませ。
 思い返せばコレと挿絵入『爛』刊行と、朗読劇「あらくれ」公演が開館十周年記念三大事業となるのでした。何やかやギリギリの綱渡りでなんとか十周年の年にすべて収まりきり、ようやく肩の荷がおりた思いで一安心している秋聲記念館でございます。各所にとんだご迷惑をおかけしながら無事に十一周年を迎えられましたこと、今更ながら心よりお礼申し上げます。
 ちなみに図録の表紙、しつこいくらいに「秋聲・秋声・秋聲」とその名が三つも列記されておりますが、アレだったらまともに読めるのはひとつだけだね!というのがひそかなチャームポイントです。
 




第6回 桜の季節のおもてなし
  2016.4.10

 きのう好天のもと、無事「桜の季節のおもてなし」を終了することができました。関係各所に心よりお礼申し上げます。

 今回何より嬉しかったこと、それがこちら!!→
 
 「満 員 御 礼」

 昨年の「あらくれ」公演以来でしょうか、満員の文字をみたのは……。本イベントにおける一番最初の記録写真がこれでした。
 なんとうれしやありがたや…。

 そんなわけでおかげさまで13時の開会から16時の閉会まで終始人が途切れることなく賑やかなサロンとなりました。行き届かぬ点等、多々あったかと思いますが花とお茶とお菓子に免じて何卒ご容赦ねがいます。花は終わりがけといえ、それだからこその桜吹雪がなんとも見事でございました。浅野川を吹き抜ける無数の桜の花びら…推定4、5歳と思われる娘さんが「花びらがちょうちょになってるぅ~」となにげなく呟いた瞬間をわれわれは聞き逃しませんでした。会場受付を担当していた職員と思わず顔を見合わせ「聞きました?いまの…」「すごいですね、ちいさい子って…詩人…」と思わず感嘆の声をあげたものです。そう、花びらがてふてふのように集団で韃靼海峡のごとき浅野川を渡っていったのです…

 東京から徳田章子名誉館長もお見えになり、当館(兼犀星館)館長、犀星館名誉館長、鏡花館館長、蓄音器館館長らとたまたま同じ時間に集っていらしたのがなかなかの首脳会談でした。なお開会時に某K記念館学芸員さんも駆けつけてくださり、徳田名誉館長御自ら当館学芸員とのツーショット写真を撮ろうとしてくださったのですが、その途端にデジカメが電池切れになったのも良い思い出です。所詮、某館と当館とは「何ら抵触する筈のない、異なった二つの存在」なのですから急にカメラも曇るってものです。
 とりいそぎ、今年もありがとう桜のかたがた…



 


サンタのご帰館
   2016.4.8

 「このサンタのお面ってどこにあるんですか!?」とクイズラリーの用紙をもったお客さまに訊かれてはじめて気がつきました、サンタにまつわるクイズを出していたことに……。この館のどこかに必ずサンタはいるはずだ、と用紙と己を信じ、いもしないサンタを探させてしまったこと、そのうちサンタなんてほんとはいないんじゃ…と疑心暗鬼にさせてしまったこと、申し訳なく思っております。「ほんとだもん、サンタいるもん!この紙に書いてあるもん!!」とご家族お友達とケンカになっていやしないか、今更ながら心配になったりしておりますが、噂のサンタ、病み上がりにつき収蔵庫に幽閉したまま展示室にはまだ出していないのでした。
 おかげさまで無事修復を終え、身奇麗になったサンタさん、館へと帰ってまいりました。見た目はさほど変わらぬままちょっと屈強になって帰ってきたサンタさんの懐かしい薄ら笑いに一安心です。おかえりなさい、当館のビジュアル担当。

 ひととおり説明を終え、修復の専門家の方が「では…」とスッとそのお顔に四角い薄葉紙をおかけになったのがたいへん面白い光景でした。いやかけた状態でお渡ししたのはこちらですが、その仕草、完全に「ご臨終です」の感じでした。ぐるんとくるみきってお顔を見えなくしてしまうと、高いお鼻の先が知らぬうちつぶれやしないかと不安になり、箱に入れる際お顔の周囲だけを固定し上にフワッと薄葉紙をかけ天地無用の状態で引き渡したのはこちらですし、それに倣ってお返しくださっただけなのですが、その仕草、隣で見守るこちらの遺族感も含めて完全に霊安室のようでした。

 いや、元気になって帰ってきたのです。
 




だいたいいつも第2土曜開催制度を抜本的に見直す時期
  2016.4.5

 おかげさまで今週末に控えております「第6回 桜の季節のおもてなし」、順調にお申し込みをいただき間もなく定員を満たそうとしております。ありがとうございます。このぶんだと当日券はお出しできそうにありません。井奈先生のお茶飲まれたい方、是非今のうちにお申し込みくださいませ。

 いつもは名前の候補を先に提示しそれにあわせたお菓子をつくっていただいたり、いくつかお菓子の候補作から命名させていただいたりするのですが、今回はお茶の先生のほうから「爛漫(ランマン)、ではいかがでしょうか」とご提案をいただき、その真摯なまなざしから覗く菓子名にかける深い思いにこちらの心もドスンと打たれ、爛漫、爛漫、今なにより欲しい言葉です、と熱い握手を交わしなどしたものですが、気持ちがちょっと熱すぎたでしょうか、そののち爛漫がわりとすぐに手に入ってしまい、アッアッちょっ…はやっ…!となったりしています。だって4月2日(土)じゃさすがに、さすがに早すぎると思って…!!
 第1土曜の2日、会場となる2階サロンを経由して館長室から降りてこられた館長の仰った「いやぁいっきに咲いたねえ。」も、ついさきほどの「いやぁ今日がピークだねえ。もうちょっと散りはじめてるねえ。」もさくっと聞こえないふりをいたしましたし、朝明るいうちには「秋聲のみち」の端正な石畳を愛でながら歩くことにしておりますし、「お花見してくれば?」とのストレートな優しさには「花粉症だものですから!!!」とこれ見よがしにマスクをバツンとかけて収蔵庫に閉じこもる……そんな遅れてきた反抗期みたいな数日を送っている賭けに破れた今年の春です。
     
      夕方なら見上げてもいいシステム→


 来年は第2土曜が4月8日、第1土曜が1日だそうな…勝負に出るか…。

 

 
 


病秋聲謹書
 2016.4.2

 久し振りにこの話題を出す気がいたします。書斎のお軸をかけかえました!
 ヌルッと4月に入りましたので心機一転、新収蔵の秋聲自筆歌軸を初お披露目です。万葉集に収録されている長奥麻呂の和歌「大宮の内まで聞こゆ網引すと網子ととのふる海人の呼声」を揮毫したもので、何より貴重なのはその箱書き!秋聲の自筆で「昭和十八年春」と記されており、秋聲が亡くなる年の春に書かれたものだということです。
 自筆の掛軸はいくつか収蔵しておりますが、本人による箱書きがあるものはこれがはじめてでした。そしてそんなレアなお箱、何より貴重といいながらあわせて展示してはおりませんので、詳しくはさりげなくすでに発行されております館報「夢香山」第8号をご参照ください(近いうち本HPにもPDFをアップします!)

 最晩年に書かれたお軸ということで、署名も「病秋聲」と痛ましい感じになっており、ずいぶんと弱弱しい筆跡なのかと思いきやその実けっこうな大作です。筆の力もさることながら、何せソレ自体が大きい!長い!アレッこれ床の間のサイズじゃ無理な勢い…?と一瞬怯えるほどに上から下までびっちり占めることになりました。
 あわやひきずる恐れあり、当館収蔵のお軸中いきなり最長の座に躍り出た大型新人の全貌をぜひその肉眼でごらんください。

 秋聲先生の書斎に秋聲先生の遺品、そして秋聲先生の自筆掛軸…とご満悦で見入ってから、いやよく考えると自分の書斎に自分の自筆掛軸をおかけになることはまずあるまいよ…とも思いいたって現在の似顔絵展で展示しているこの言葉を思い出しました。

「私は自分の顔を余り好きだと思はないことは、自分の文章や字などが好きでないのと略〈ほぼ〉類似した意味に於てゞあるが、好むと好まざるとに拘〈かか〉はらず、因縁の遠いものだから自愛しない訳には行かない。」(徳田秋聲「右顔」より)
 
 自分の字、お好きじゃないそうです!
 


  


文化のかおり
  2016.4.1

 風土展の資料を返却に石川近代文学館さんへ行ってまいりました。石川近文さんのいらっしゃる広坂界隈にはなんせ21美があり、能楽美術館があり、市役所があり、旧県庁(しいのき迎賓館)があり、と町の中心部でありながら文化の香りがプンプンです。またそこからちょいと見上げれば兼六園があり金沢城があり、坂をちょいと上れば県立美術館、伝統産業工芸館、そして能楽堂があるという!どこまでを含むのか、東山ファミリーである当館はしっかり把握しちゃおりませんが、あのあたりを兼六園周辺文化の森と呼ぶそうで、そこに今度は東京国立近代美術館工芸館がやってくるというのですからこいつはよりどりみどりですね! 

 そんな広坂界隈に住まうわれわれの仲間といたしましてはふるさと偉人館、鈴木大拙館、中村記念美術館がございます(ええ、県立であったり市立であったり芸術創造財団であったり文化振興財団であったりみんなおんなじ館仲間とみせかけて実はそれぞれ設置者・運営母体が異なっていたりなんかして、いやぜんぜんそんなこと覚える必要はないんですが覚えてみたらけっこう面白いかもしれません)。

 今の時期なんといっても中村さんのお庭のうつくしいこと!
 右に見切れる中村さんのお庭…か、中村さんに隣接したお庭……先日ちょいと所用でお伺いした際に撮影いたしました。写真では伝わりにくいですが、夕暮れのお庭もまた一興!こちらではそんなお庭を眺めながらお抹茶をいただくことができます。常時です。

 常時ではありませんが当館でもお抹茶をいただくことができます。4月9日です。


 


毛皮と肉球つよい
  2016.3.30

 すったもんだございまして展示を優先、チラシ配りを後回しにしてしまった結果、先日新しいのが始まりまして…とエヘエヘ言いながらようやく茶屋街へ似顔絵展のチラシを配り歩いてまいりました。ポスターなど貼ってくださっているお店のかたがたには特に申し訳のないことです。しばらく会期の終了したポスターとさせてしまったこと、すべて当館の不徳のいたすところ…ちょっとだけ始まっちゃいましたけども7月までやっておりますので新しいものとぜひ入れ替えてやってくださいませ。
 数年前にくらべまぁ茶屋街の人足の盛んなこと!新幹線効果なのでしょう、各店舗内もごった返してとても新しい企画展について雑談を交わす余裕などありません。チラシの詰まった大きな袋がモノやらヒトにぶつからないよう擦りぬけつつ、これここに置きますんでまたおねがいしまぁす!アッ秋聲記念館でぇす!いつもありがとうございまぁす!!とすでに半身去りながら言い残してゆくこと数十軒。しかも一般のお客さんの邪魔にならぬようちょっと声を潜めて吐息をずいぶん含んだかたちでのご挨拶だものですからきっと落ち着いてから封筒を見て、ああ秋聲記念館おまえであったか…と思われていることでしょう。今回もよろしくお願いいたします。

 そうして帰館する途中でシャー営業部長の後ろ姿に遭遇いたしました。
 後ろからお久し振りです!!とお声をかけたらふと振り返り、ニャアニャア言いながら寄ってきてくださいました。チラシ配りの途中で長年愛用していた紙袋の片方の底が裂け、手でぎゅっとしながら一応を廻りきり、それでも何かちょっと悲しい気持ちで伏し目がちになっていたところの営業部長です。部下をねぎらうタイミングが神がかっています。ふわふわの毛皮(ちょっと汚れている)とちらっと見える肉球で悲しい気持ちはすべてチャラです。
 



 


小春日の仏を負ふて人帰る(秋聲俳句)
  2016.3.28

 展示が無事開きましたもので、ご近所の文芸館さんに出かけまして、新年度のイベントの打ち合わせをしてまいりました。この欄でも何度も訴えておりますとおり、ちょっと新年度とやらはヌルッと始まりすぎなのではないでしょうか。もういくつ寝るとさりげなく新年度が始まるというこのシステムに頭がついてゆきません。この3月末で退職される方にもなんとなし新年度のイベントの話などしてしまって、アッもうおいでにならない!?いや知ってたけど!知ってたけどそうかもう来月から…!!と愕然としたりなどしている3月も最終週…なんかこう…ちょっとしたインターバル的な…

 さて気を取り直して、文芸館さんでは昨夏のバトルトークの際に制作した三文豪等身大パネルがお出迎えするシステムを採用中です。われらが秋聲先生はエレベータ下に待機して、なにやらご案内を首から提げてお客さまに知らしめるお仕事をされておりました。ご本人に同じことをお願いしたらたぶんものすっごく嫌な顔をされるでしょうが(そもそも恐れ多くて、ちょっと首からコレかけてください、とは言えませんが)頼まれたら断りきれずなんでもわりと引き受けてしまう秋聲先生のこと、最終的にものすごく眉間にシワを寄せながらやってくれるかもしれません。

 首にかけるといえば、似顔絵展では秋聲先生ご愛用のネクタイを展示しております。眉間にシワといえば、同じく秋聲先生が珍しくものすごく笑顔の写真パネルも展示しております。パネルといえば文芸館さんの秋聲先生パネルも似顔絵ですね、と受付の方とそんなお話もしたりなんかして、今後機を見て当館までお出かけいただくこともあるかもしれません。その場合小脇に抱えるか背に負うか、近い距離とはいえ観光客に溢れた東山のこと、ちょっとシミュレーションしてみては(こりゃひとりは無理だ…誰か道連れだ…)という結論だけ出しました。



 


遅ればせながら続報
  2016.3.26

 ご報告遅れまして申し訳ございません!!先日突如見舞われたトラブルの件、その後急遽業者さんに駆けつけていただいたりなどなど、専門家の手により見事解決となりました!専門家ってばすばらしい…!
 解決したから言えますが、展示ケースの不具合で扉が閉まらなくなってしまったのでした。こりゃあいかん、扉が閉まらぬケースに貴重な資料を入れるわけにはいきますまい…とすっかり途方に暮れていたのですが、その後ぴっちり閉まるようにしていただき、おかげさまで本日予定通り初日を迎えることができました。泣き濡れて寸々語を書けなかったわけでなく、ずいぶんと設営に遅れが生じたため取り戻すのにまるで手があかず…いやかといって心配してくださった皆様へのご報告を後回しにしてしまいほんとうに申し訳ありません。
 人というのは誰かに言うことで心を鎮めようとするのですね。べつに何を期待してでもなかったのですが、おとといとりいそぎ某K記念館さんに「ケースが壊れまして!初日危ういです!!」と訴えたりしてしまったため、きのう「その後どうやい!!手が要るなら行けるぞい!!」とお電話くださったこと…きょう「初日おめでとう!!」と甘いもの持参で朝イチでおいでくださったこと…こりゃあ第二次「和解」記念日どころの騒ぎではありません。改めまして泉鏡花記念館さんに心より感謝申し上げます。持つべきものは川向こうの兄弟弟子…
 今回展示室中いくつか鏡花さんの似顔絵も混じっているのですが、ぐるっとご覧になって「この後ろ姿のがいちばん似てる!」とまさかの後ろ姿にベストワンが与えられたこともなかなか衝撃的でした。

 さっそく午前のギャラリートークでそのネタ使わせていただきましたが、後ろ姿で判別できるその愛の深さったら…
 秋聲先生の襟足…?ちょっと気にしてみたことがなかったです。

←みんなすごくよく見ている…






みたこともないねじ
 2016.3.23

 人生楽ありゃ苦もあるさ、とはよく言ったものですね。きのう嬉々としてツーブロック!ツーブロック!とはしゃいだ罰なのでしょうか、展示替えにトラブル発生です…。
 
 なにこのねじ…

 果たして初日に間に合うかどうか!?

 明日あさってと泣き濡れていなければ何かしらの続報をお届けします。
 (念のため、資料はみな元気です!)



 
 

しゅうせいにがおえてん
 2016.3.22

 おかげさまで昨日をもちまして風土展閉幕でございます!早い早い!

 本日より4日間ほど休館させていただき、次回似顔絵展の設営に入ります。先日無事チラシが納品されまして、もはや発送のプロであると言って過言でない職員たちの手により各所に送られてゆきました。すでにご覧になった方はおわかりのとおりその裏(表?)にはなんだか急に当館初となる企画・似顔絵の募集要項が記されております。そう、次回展示会期中、みなさまによる秋聲の似顔絵を大募集!!偉人館さんのひともじてんの真似といってはいけません。こちとら対象は秋聲先生に限定されているのです。誰が描いてもどう描いても秋聲先生しか受け付けない、だって秋聲記念館なんだもの!!というわけでご自分のお顔を描きたい方もぐっとこらえて秋聲先生のお顔にしてください。秋聲先生の輪郭にご自身の顔のパーツをこっそり入れてみてもそれはそれで構いません。全体として、あぁ秋聲を描いたんだな、とわれわれを騙くらかすことに成功すれば、まんまと館内にて展示されることでしょう。
 そんなドキドキの企画ですが、実はもうすでに一件応募がありました。

←こちら。どこよりも情報の早い金沢市広報欄です。
 モノによりカットがついたりつかなかったりするのですが、アッ今回なんか似顔絵っぽいカットつけてくれてる!と思った次の瞬間、これ秋聲先生の似顔絵では…!?よもやオリジナル…!!?と事務室騒然。ご担当の方がわざわざ描いてくださったのか、似た人が描いてある似顔絵っぽいカットを選んできてくださったのか…いや、これにはたまげました。第一号の宝物のうえ、もし1点も応募がなければこちらの原画を展示させていただくことといたします。
 



  ツーブロック!! 










紀要発行
  2016.3.19

 先日、金沢ふるさと偉人館さんにて今年度最後となる学芸員会議を行いました。といって今回は先日発行されたばかりの研究紀要の発送作業がメインです。
 ラベル貼りときいて異常にテンションのあがる前田土佐さま、3部って書いてある封筒は抜けといわれているのに元気いっぱい「抜くのわすれました!!」と手をあげるユメジさま…持ち場についたらただ黙々と己に与えられたラベル貼りの仕事に没入するあまり周りが見えず、ラベルを貼った封筒の数と紀要を封入した封筒の数が合わず結局やり替えるハメに陥らせたのは紛れもなく当館のなせるワザ…そういえば一心にラベルを貼るその傍らで、くらしさまが(封入済み封筒ここ置いときますね…)と言っていたような…そんな声が遠くに聞こえたような気がします。
 そんなこんなで各館にわたった研究紀要、秋聲の件は載っちゃいませんが間もなく各ショップにお目見えすることと存じます。その他書籍とあわせてよろしくお願いいたします。

 会場となった偉人館さんでは恒例の「なまえひともじてん」を開催中。最近ではお習字にも色を使うようで、墨のみならずいろいろな色にて元気なひともじ、たくさん展示されておりました。なかに「十」のように見える作品があり、名前のどこをとったのかな?と制作者のお名前を見るとどこにもその文字が入っていないように思われたのが今となっても気がかりです。写真もなくお名前を控えてくるのも忘れてしまいましたが、入って右の掲示板の下のほう…漢字で書いたときに「十」が部品としてどこかに入るのか…。「徳田秋聲」から好きな一文字をとって「火」と書いてくるくらいに斬新な作品だったのかもしれません。
 
 


 


秋聲作品狂言化プロジェクト第一弾終了!!
 2016.3.14

 何か壮大にはじまりそうでいてわりとすぐ第一弾が終わりました!ありがとうございます!しかしもうちょっとひっぱるつもりの企画ですのでよろしくお願いいたします!

 おとといはユメジ館、きのうは能楽堂、どこにでも現れる秋聲記念館でございます。秋聲狂言の初お披露目、開場5分前に乗り込んで張り切って観覧してまいりました。他の演目も練習から見せていただいていたもので、本番になって子どもさんたちがいかに臆すことなく、練習よりさらにパワーアップした姿を見せてくれたかがよくわかります。声よく出てる~~~!あそこあんなにモタモタしてたのにスマート~~~!と、何様目線かまたも勝手な親心にて見守ってしまいました。

 そして「えらがり鯛と鮹」(狂言版)です。ヨッ!待ってましたァッ!!と叫びたい気持ちをおさえて、スススとやってくる鮹(祐丞先生てづくりの頭巾ちょっとオシャレ)の姿、重そうな鯛のお頭(こちら知る人ぞ知るの小道具だそう)、かれらの一挙手一投足をひたすら見つめ瞼の裏にじりじりと焼き付けてまいりました。ええ、なんせ写真が…!下手なものですから…!!
 何度も申し上げますがこちら正真正銘の能舞台なのです。能舞台で秋聲作品が上演されているのです。こんなに有難いことがあってよかろうか…イヤあった…きのう!実際に…!!

 そんなわけできのうのはあくまでもプレ公演という位置づけにより内容について多くは語りませんが、いや能舞台でプレだなんて前言と矛盾する恐れ多さにてちょっとびくついてはおりますが、本公演は5月頃、記念館で開催する予定にしております。いやどっちが本なんだか、能楽堂さんを本といい、館での開催を凱旋公演といったほうが正しいのかもしれません。
 どちらにせよ、秋聲先生の生み出した鯛と鮹がまもなく記念館にお戻りだぞーい!!
 




リニューアルオープン!
 2016.3.13

 奥歯の神様がお戻りだぞーい!お戻りだけれども道中ケンカをしてしまったか、あるいは新規に狛犬ごっこをお始めだぞーい!!

←水門の両脇に分かれていらっしゃる白くちまいソレら。


 ということをまさかのリニューアルオープンとして華々しくお伝えしたいわけでなく、約3ヶ月にわたる沈黙を破り、昨日めでたくオープンいたしましたのは金沢湯涌夢二館さんです!おめでとうございます!ユメジ館さんのお戻りだぞーい!!

 きのうさっそくオープニングにお邪魔いたしまして、大きくさまがわりした展示室を隈なくみてまいりました。隈なくみるついでのような顔をして横目に何より気にかけておりましたのは秋聲先生のお名前のありやなしや……杞憂でした。いましたいました。以前の展示でいらした場所のお近くに…リニューアルを経てその存在が割愛されなくてよかったです。以前当館で開催したユメジ展で詳しくご紹介いたしましたとおり、秋聲のお弟子さんである山田順子さんとの微妙な三角関係のくだりでご登場で、ご本人はいやもうええわー!と仰るかもしれませんが、どんな文脈であれこの世の中に秋聲のしゅの字はひとつでも多いほうがよいのです。
 ユメジさん装丁・秋聲序文の山田順子著作『流るるまゝに』、当館で展示しているものとはまた違った装丁のものが展示されておりますので広い展示室のどのあたりに登場するのやら、ぜひ探してみてください。

 二階もまた大きく変わっておりました。ぱっと見さほど変化がないように見えるかもしれませんが何せ可動壁!!可動壁ができていて、今後企画展が変わるごとその壁を動かし違った展示構成を展開することができる予感!(だけれども写真は外観!!)
 リニューアルも見慣れてしまえばなんとやら…リニューアルからちょうど一年経った当館が言うとやけにリアルになってしまいますが、そのあたりを実にうまいことリニューアルなさって、きっとこれから何度行っても新しい、そんなユメジ館さんに今後とも当館全力をあげて絡んでゆきたいと思います!おかえりなさい!





秋聲作品狂言化プロジェクト始動!!
  2016.3.10

 何か壮大にはじまりそうでいてわりとすぐ終わる、そんなプロジェクトのようでいて本当は2年半越しなうえもうちょっとひっぱるつもりの企画です。ありがとうございます。ようやくこの日を迎えることができました。

 このたび秋聲先生の作品が狂言になります!!
  
 ことの初めは平成25年夏、秋聲の子ども向け読み物ばかりを集めた通称「らしからぬ展」会期中に開催した輪読会でのこと。つい先日絶滅したけれど当時は刊行したてであった『秋聲少年少女小説集』に収録されている作品を読もう、という企画にて「えらがり鯛鮹」を取り上げました。そのおり参加者から「これって狂言みたい!」というお声が上がり、えっ?あれっ?狂言にしてみちゃう?と、本だけもって餅屋に駆け込み、すなわち金沢能楽美術館さんにて厚顔無恥をさらけだしつつ狂言師・能村祐丞先生をご紹介いただくという幸甚に与り、「これって狂言になりませんかねえ?」と乱暴に投げっぱなしでその後はや2年…やっぱり無理だわねえ~…と、完全になかったことにしようとしていたところ、アンタ投げた球は回収なさいな!ほっちらかすんじゃないよ!!とこの2年のうち流れ玉にあたったさまざまな人たちのご支援を受け、ほんとうに驚きの展開ですがこのたび形となりました。夢じゃなかろうか…!
 
 13日(日)11時~、県立能楽堂にてその初お披露目がございます。演じるのは祐丞先生率いる加賀宝生子ども塾の卒業生「おかし研祐会」の生徒さん。子ども塾さんの成果発表会午前中の部から一枠お借りして、とつぜん秋聲先生原作の謎の演目が…。時間にしてわずか5分ではございますが、この貴重な5分、涙なしには見られません(いや泣いちゃだめでしょ狂言でしょ?と隣の職員から華麗なツッコミが入っております)。

 ぜひ来て見て笑ってください。
 手前味噌ではございますが、これはもう手放しで申し上げましょう。金沢ったらすごい土地で、すごい人たちがいるのです。
 
←きのうの最終稽古の様子。
 敢えての遠景、指導するお姿がちょっとかわいい祐丞先生(すみません!!)。 



 


ゆかりの地ウォーク
  2016.3.9

 本日よりまた冬型の気圧配置…先週はもう春だねーというお日和だったのにお天気ったら気まぐれですね。そんな気まぐれなお天気だって味方につけたのが地元のウォーキング団体のみなさまです。
 ギリギリ雨に降られず暖かだった7日午前に設定したその強運!しかもその日は秋聲しばりで市街をめぐって歩かれるという有り難さ。「徳田秋聲ゆかりの地ウォーク」と題されたコースにて、「まちの踊り場」(秋聲次兄順太郎旧宅)から、菓子舗「たなべ」(秋聲次姉きん旧宅)、そして馬場小学校(秋聲の通った旧養成小学校)、「まつ本」跡地(秋聲が鮎を食べにいった旧料亭)、静明寺(徳田家菩提寺)、そして当館がゴールです。
 スタートが「まちの踊り場」だけあって、各所各所がなにかと短編小説『町の踊り場』にちなむ場所。きんさんのお葬式に秋聲が帰省し、順太郎さん宅に泊めてもらって鮎を食べそこなったりダンスをしたりするのです。事前にコースのご相談をいただき、また事後にはコースの記されたペーパーをご奉納くださる丁寧さ、そのうえペーパーの最後には「詳細は徳田秋聲館で学んでください」とまで…!なんということでしょう、それでもってゴールに設定してくださっているわけですね、なんというお心遣い…!当館の損得は別として、そのお心栄えだからこそお天気だって味方をするわけです。

 残念ながら秋聲ゆかりの建物はどんどんとその姿を消しつつあり、このたび正田邸がそのままの形で残されたのは本当に奇跡と言って過言でありません。完全に春を迎えた暁には、当館でも「秋聲ゆかりの地ウォーク」を開催する予定です(現在地図とにらめっこ中!)
 
 
 
 

家族に乾杯(改訂)
   2016.3.7

 いつぞや同題の記事を書いた覚えがございますが、そのときにほんとうに書きたかったのは決してあんころの話ではなく下記のお話だったことをふと思い出しましたので改めてご案内申し上げます。

 つ○べさんが宇多須神社の豆まきに登場された回のNHK番組「鶴瓶の家族に乾杯」は3月21日(月)19時半~特番として放送だそうです!

 というわけで、決してあんころの話から、あんころを分け合える家族という不思議な共同体についての話をしたかったわけではないのですが、あんころについて話すとき、それすなわちあんころを分け合える家族のボーダレスさを語らないわけにはいかないので結果的に家族に乾杯です。といって、すべての家族があんころを分け合えるわけでもないのでしょう。いかに家族といえあんころを分け合えないご家庭もあれば、あんころを分け合って食べたことのないご家庭もあるでしょう。あんころで有名な圓八さんは元文2年(1737年)創業ということですからなんと279年つづく老舗!余裕で秋聲の時代を含む!!

 さて徳田家はあんころを分け合えたご家庭であったのかどうだか…某K先生ほど潔癖であったというお噂は聞きませんが、わりと食事は雰囲気でたのしむタイプっぽいので姉や兄に突きまわされぐちゃぐちゃになったあんころにはちょっと引いてしまったかもしれません。なにせ兄弟姉妹が計7人もいるからたいへんです(そういえば秋聲先生のお子さんも7人ですね)。しかしそこは現在にもつづく老舗の圓八、いろいろと進化を遂げさいきんのパッケージでは9粒入がオーソドックスのようですからご両親を含めてちょうど食べきりサイズです。

  ↑ そう、タイムリーに新聞にも載せていただいたのです!東先生に感謝!





いたちごっこ
  2016.3.6

 きのう展示解説午後の部のため息を切らせて二階展示室に上がってゆきましたら、思わぬお客さまに遭遇しました。

 たくさんのこどもたち…!

 たまたま学童のお散歩コースに入れてくださっていたところ解説の時間とぶつかったようです。子どもさん向けにはそれ用の解説をご用意しているつもりではありますが、ありがたいことに大人の方もいらっしゃるため中間を心がけながら解説をさせていただきました。

 とはいえ、途中から完全にいつもの調子…最後にケースとさほど変わらぬ高さから注がれる無数の視線にハッと気がつき「秋聲先生は卯辰山が好きだったってことだけ覚えて帰ってね!!」と乱暴なまとめをしてしまったこと…申し訳なく思っております。45分もの長丁場、最後までお付き合いいただきましてありがとうございました。

 これまで展示解説と銘打った場面でお子さんに遭遇することがなかったものであたふたしてしまいましたが、ふつうに小学生さんの社会科見学の受け入れをすることもこちらから出前授業に赴くこともございます。そんなときには先生を丸無視して(すみません!)完全にターゲットを子どもさんに絞って解説を行いますのでそれ用のスイッチを入れていくのですが、異種混合となるとなかなかの難題でした。
 また、秋聲作品を小学生に!?どれを教えればいいのさ!!との現場の声にお応えするつもりで制作したのがオリジナル文庫第7弾『秋聲少年少女小説集』。大人の文学を得意とする秋聲の本領でこそありませんが、こんな接近の仕方もありでしょうよ、という気持ちから生まれた子ども向けの作品集です。
 子どもたちには是非これを!とオススメしたいところですが、なんと昨日で完売したという…完売してしまったという…!!!う、うそだろ…と膝から崩れおちました一階受付前…。坪内先生の後押しを受け、いい感じに注文が相次いでいるここ数日…ようやく『爛』の復刊を果たし、ヨシこれでひとつ埋まったわい、とほくほくしていたこの数日…これじゃあまるでいたちごっこだよ!!でもそれだけ売れたってことか!!ありがとう!!でももうないってことか…!!と計画性のなさを棚に上げ、悲と喜の間でぐらんぐらんに揺れながら「品切れ」の文字を打ち込みました次第です。





お孫さんのお孫さん
  2016.3.5

 としまえんのわかき人にほっこりしている間に、先日関西方面からもうらわかき女性のお二人組がご来館くださいました。ど、どうして当館へ…?と、平素そんな女子高校生だなんて層に不慣れな当館職員がどぎまぎしてお尋ねしましたら、なんとおひとりの方が秋聲先生の玄孫(やしゃご)にあたられるという…!これはこれはようこそおいでくださいました!お友達さんもようこそようこそ!じゃあ5時に茶屋街集合ね~という選択肢もあるなかでなんとすばらしきかなその友情!!
 事前に解説予約までしてくださってありがたいことです。秋聲先生もさぞお喜びかと存じます(自分の作品は子どもたちには読ませたくない、と仰っていたかと思いますがそこはもう玄孫さんですから割り切って良い頃合でしょうか…)。
 そんなわけでおふたりをお連れして館内をぐるりひとまわり。作品名や登場人物名など、初耳かと思われたものは何度でも申し上げそうになるところ、さすがはわかき脳、すぐに吸収して自分のものにされており「あ、さっきの」と繋がるあたり感動です。また、ぐるりして一階に下りてきて、もっかいガイドペーパー回収してこ~よう、と一階各所を再度回られている間に二階のものは事務室控えからご用意しようかとゴソゴソしていると受付さんから「もう二階上がられました」とお声がかかり、脳のみならず身体というかその思考回路の若さにもずいぶんと感銘をうけました。

 に、二度も階段を上がるだなんて…!こちとら二階で行う展示解説で冒頭ハァハァ息切れ当たり前ですが何か!?…さすがに職員ですからエレベータこそ使いませんが、何度でも階段を上り下りする習慣をつけることといたします。

圧倒的に酸素が足りてない展示解説本日11時→

 おふたりさまありがとうございました。ガイドペーパーを二人分とったかとらぬかで押し問答するその感じにシュウセイズムを見いだしましてございます。

 

 

お内裏さま×3=
 2016.3.3

 6人ですね!知ってます!!
 さて、本日おひな祭りでございます。奥歯神かほっこりポストか、困ったときの東山オブジェの双璧!というわけで夜な夜なほっこりポストを確認にゆきましたらちゃんとなってる~~!さすがです~~!

  さいきんちょいとポストに行く用事がなく(そう、あくまでついでです。ポストだけ勇んで見に行ったりはいたしません)、3月に入ってからついぞ確認にゆきませんでしたが、きのうのポスト20時の様子が写真のこちら(定期清掃対応で帰りがちょっと遅くなりました)、定時に退勤した職員によれば18時時点でもうこれが設置されていたとのことでしたので、ほんとうは本日3日にそなえてオブジェが切り替わったポイントを押さえたかったのですが残念でした。
 今回は男雛女雛ふたりで一組で知られる内裏雛が3組設置されておりました。3月に入った段階ですでに変わっていたのでしょうか。ぬかりないお仕事ぶりに毎月脱帽です。しかも同じものの使いまわしはせず、昨年はウサギさん熊さん雛と別のヒト科雛と2組いたかと思いますが今年はヒト科が3組……ん?3組…?いや、ちがう…4組だ…!!透明の球体のなかにふたりずついる…!!

 というわけでお内裏さま×4=8人ですね!知ってます!! 

 ちなみにきのうで館報と次回企画展チラシが校了となりました。それから、何かしらメールの不具合で少なくとも2通、学芸員アドレスにメール不着との事態が発覚いたしましたので、オイオイ返事はまだかい?と随分待たされているとお感じの方おられましたら申し訳ありませんが076-251-4300までお電話ください(突然のお仕事アピール)。
 
 




紛れ込むパターン
  2016.3.2

 いつも最初に見つけるのは件の職員、でお馴染みの秋聲記念館です。こんにちは。さて、今回はなにを見つけてしまったかといいますと「奥歯の神様なくなっとる!!」です。ないことを見つけるというとても哲学的な本日のお題…数日前にはしれっと縦になっていた奥歯の神様が水門のまえから忽然と姿を消したというのです。
 こ、こりゃあいかん神さんがお怒りじゃあ…災害の前触れじゃあ…!!と村の長老がおびえたのも束の間、ご近所までお使いに行って戻ってきた職員が川原の土手で無事発見しました。
 
   奥歯の神様をさがせ!→→→

 見つかりましたでしょうか?壁と保護色の石々に紛れ、白い奥歯がちんまりふたつ…。あんなところにしれっと…。場所を移しても吹きさらしであったため、雨避けでもないようです。というか、よく見ると何故そこに並んでいるのか仲間の石たち…謎の川庭師の仕業でしょうか、思わぬところで思わぬレイアウトを発見してしまいました。

 なんにせよ奥歯の神様の安否が知れたことと、土手下に新たな世界を発見したことは館職員にとって灯台下暗しの大事件でしたが、傍目にはなんだ働いていないのかいこの館は!と思われてしまうほどに奥歯の神様のお話ばかりで恐縮です。さいきんじゃあ図録の校正、館報の校正、チラシの校正などなどの校正祭りでして、字面にしてもさほど面白くはないのです。



 


ただれを売る館
  2016.2.27

 きのう館にお電話くださった方がありまして、「今日発売の「週刊文春」に秋聲さんのこと載っとるよ!アンタ知っとるけ??」というわけで早速購入してまいりました昨日発売の同誌3月3日号。坪内祐三先生が当館の新刊『爛』の紹介記事を書いてくださっておりました!
 坪内先生といえば昨年1月16日付記事でご紹介させていただましたとおり、「本の雑誌」誌上にて当館文庫本との出会いについて書いてくださった大恩人。一年めぐってふたたびお目にかかりました、ありがたやありがたや…。その当時の寸々語は次のように結ばれております。

(前略)現在品切れとなっている第一弾『爛』の増刷もしなければなりませんし、出したいものが列をついて待っているというこの状態。何から手をつけてよいのやら…と、いまだアレコレしていてタイトルこそ未定ですが、必ずや、今年のタスキも繋いで参ります。

 …第一弾『爛』の増刷…もとい増補改訂版…荘八挿絵の追い風を受け、他の候補よりぐんと頭ひとつ抜けてきましたのでお約束のとおり刊行いたしましてございます。ずいぶんと足ももつれもつれでしたが、おかげさまで今年度のタスキも無事繋がりました。
 坪内先生ありがとうございました。そしてご親切にお電話くださった方もありがとうございます。それからそれからつい先日、『爛』のお礼にと立派なデコポンを箱いっぱいお送りくださいました木村荘八ご遺族さまにもこの場を借りて深くお礼申し上げます。
 「ただれって売ってます?」とお電話でお問い合わせくださったお客さま、これよりは大きな声でお答えできます、「ただれ、売ってますよ!!」

  これはただれでなく「不知火」という名のデコポン→



 


縦というパターン
  2016.2.26

 外にて閉館作業をしていた職員から「奥歯の神様タテになっとる!」との報告があり「タテに!?タテとは!!?」と言いながらカメラをひっつかんで見にゆきましたら確かにタテになっておりました↓

 罰当たりな…!!

 いつ誰がしたのかはわかりません。気がついたらそっと体勢を変えているそんな奥歯の神様…以前よりちょっと薄汚れてこころなしか風化して丸みを帯びてきてさえいるかのようなお姿でうまいことバランスをとっていらっしゃる…。
 そりゃ日がな一日ふたりきりでそこにいればちょっとタテになってみたい気分のときもあろうよ…と直しはしませんでしたが、というか、直すといって横に並んでいるのが正しいのかどうかもわかりませんが、横に並んでいればそろそろお内裏さまとお雛さま仕様にされたりしちゃうかな、とふんわり思ってはおりますが、そうしてお内裏さまで思い出しましたが、先日寺島蔵人邸さまとお話ししていたおり「うちも雛人形だしたんですよ。昔のだからお内裏さまだけだけど。」と仰るそのお言葉をいったんスルーして後々「ん?お内裏さまだけ?男雛だけってこと??独身??」となって調べましたら「お内裏さま」って男雛・女雛の一対を指すんですってね!!ご存知でしたか!!常識ですか!恥ずかしい…!!
 この季節になると、お内裏さーまとお雛さまー♪とつい歌ってしまうあの言い回し…みんなのウィキさまによりますと、

 男雛を「お内裏様」、女雛を「お雛様」と呼ぶのは、サトウハチローが作詞した童謡 「うれしいひなまつり」の歌詞から広まった誤用である。サトウハチロー自身はこの 誤りを恥じ、後々まで気にしていたという。

という…。恥ずかしながら知りませんでした。そう内裏雛っていいますものね…。寺島さまの仰ったのは三人官女とか五人囃子とかはいないけどって意味なのでした。うっかり「えっピンなんですぅ~?」とか訊かなくてほんとうによかったです。





猫の日
 2016.2.22

 ご記憶の方がいらっしゃるかどうか…きのうご紹介した秋聲先生パネル(そこそこ硬くて冷たい)、実は数年前にシャー営業部長とセットで制作したものでした。シャー営業部長?えっ誰?赤い彗星?そんなやりとりを今もういちどしなければならないくらいには遠い思い出になってしまったことを残念に思います。
 いっときは新聞を賑わし雑誌を賑わし顔がみえないのにラジオにも出演され、ついにはテレビさんが定点カメラを設置してその動向を観察するだなんて話まで出ていた営業部長のご活躍っぷりでしたが最近ではとんとなりを潜めて職員すらそのお姿を目にすることが叶いません。どこまで営業に出ていってしまったのやら、あるいは知らぬうちにとことんと出世されすでに会長の域なのか、たまにふらりとやってきては新人社員にあのお年寄り誰?と言われながら気ままに釣りに出かけるポジションなのか(いろいろと混線しています)…きのう「新世帯」を読み返していて、何かと気の利かない新妻に「お前なぞ飼っておくより、猫の子飼っておく方が、どのくらい気が利いてるか知れやしねえ」とのご亭主の絶妙なる暴言にふと営業部長のことを思い出し、いまごろどうされてるんですかね…と事務室で話題にのせた翌日の今朝イチで、さっき営業部長そこおったよ!!と件の職員より報告を受けカメラ片手に慌てて飛び出しその角に茶色い影がサッと消えてゆくのを見咎め追いかけていったらおばあちゃんのコートの裾だったというコントみたいな展開に脱力して帰ってデスクにつけば例の日めくりさまが「2月22日」を示していて(ニャンニャンニャンの日!シャーちゃんったら…!!!)と口元をばっと押さえるところまでがワンセットです。いやニャンセットです。

 そうしたサービス精神は今でも変わっていないようですが、いかんせん最近ではすっかり幻の猫。といってすぐに手離さず、なんか心のきれいなひとにしか見えないみたいです、と、真顔でお客様にお伝えせんとする部下どもは最大限に良く言って七転び八起きです。
 

←イベント等の記録写真フォルダにこっそり営業部長用もあったり・・・



 


思い出ミュージアム2016
   2016.2.21

 昨日今日と「思い出ミュージアム2016」を開催中です!入館パスポートをご購入いただいた方を対象に、各館内で記念撮影のうえその場でお写真をプレゼントというもの。東山界隈の某K記念館、蓄音器館、文芸館、安江金箔工芸館、寺島蔵人邸の6館で実施しております。
 当館では普段は撮影をご遠慮いただいている秋聲先生の書斎縁側(再現)にて、煙草をくわえたチョイワル秋聲(パネル)と写真を撮ることができます。ご家族・ご友人など複数での撮影はもちろんのこと、仮におひとりさまでも寂しくないというムー○ンカフェシステムを採用しておりますので、ぜひ秋聲先生とのツーショットをおたのしみください。
 書斎自体は再現ながら、置いてある品々はすべて秋聲先生の遺品につき上がっていただくわけにはまいりませんが、そこはザッと想像力を働かせて、予告なくちょいと遊びに来た気の置けない友人風を演出してみてはいかがでしょうか?

 「どうですか?書けますか?」「どうかな、まぁぼちぼちだね…」など、煙草をふかし一息ついてリラックスした秋聲先生と縁側でお茶飲み話…そこへご夫人がやってきて「あら、そんなところで…どうぞお上がりになって」「いやいやいいんですよ奥さん!しかしいいお天気ですなぁ…」てな具合に脳内で演出してみたらたのしいですね!痛々しいですか?大丈夫です、心身ともに健康です!

←とか言って、秋聲先生がまさかの地べたでした。

 なおパネルにはお触り自由です(冷たいしそこそこ硬いです)。

 





家族に乾杯
  2016.2.18

 昨日なぜ急に天狗の話をもってきたかといえば、石川近代文学館さんの食レポ展に秋聲先生の天狗談が登場しているからでした。このあいだ展示を見にうかがった際にもオッと思いましたが、その後館長よりこれウチ持ってる?とその天狗談が載った昭和7年のアサヒグラフのコピーをいただき、シュールすぎるレイアウトのうえ飛び出す秋聲先生のご尊顔(直径4.5cm)がデスク小脇より今もこちらを見ているのです。石川近文さんがコピーしてくださったのでしょうか?だとしたらありがとうございます。館長独自ルートで入手されたのかもしれません。

 ただ「アッうちにも収蔵あります!」と残念な返答をしてしまったこと、あわせて申し訳なく思っております。幼少期の奇妙な天狗体験を描いた「屋上の怪音 赤い木の実を頬張って」。なんならそこに中村一朗氏による挿絵があり、天狗に怯える少年が描かれているのですが、ムムこれは秋聲子ども時代の似顔絵か!?いやちがう、赤の他人だ!!ということで次回似顔絵展に出すのを断念したという経緯すらある記憶に新しさ。
 随筆では天狗にさらわれた近所の子のお話とともに、天狗のお告げのおかげで繁盛したという圓八(えんぱち)のあんころ餅に言及があり、その件によって石川近文さんに展示されているのでした。圓八のあんころ餅といえばたしかに石川県民のソウルフード。餡子好き、餅好きの秋聲にはたまらないお菓子です。伊勢の赤福に似たつくりですが、なんせそれより取り分けにくい構造をしており(今はちがうかもしれません。昔はいちおう切れ目はあるものの餅が一枚板のようになっていて、そのうえ隙間なくあんこで覆われ添付の黒文字で切り分けるのに随分と苦労したものです)絶品にはちがいないのですが、こりゃ家族以外と分け合うにはちょっとアレかもな…というほどに一度手をつけたあとは見るも無残な姿になってしまうのです。いい思い出です。家族ってすごいのです。そんなお話です。





《今日の梅ノ橋⑲》
 2016.2.17

 今年はもう降らないのかな?このまま春までいくのかな?と思わせておいてのいやいやそう都合よくさせてなるものか!とばかりにようやくエンジンをかけてきました雪のやろう。おとといから降りやまず、サロンの大窓によって切り取られた梅ノ橋一帯の風景がまっしろしろの別世界です。

 1月頃、ご遠方のとある先生と電話でお話をしていて、「2月って雪たいへん?そっち行くなら3月にしたほうがいいかね?」と訊かれ、あ~あ~2月なんてたいへんなものですよ!!交通が麻痺しますよ!!!と力いっぱい主張したことをちょっと後悔なぞしていた青空つづきの2月上旬。大丈夫でした!積雪量こそ今年は少ないのかもしれませんが、ここ数日交通はそれなりに麻痺しております!!
 きちんと冬を迎えないと桜も咲いたり咲かなかったり個体差が激しくなるということですから、そろそろ4月の花見茶会の準備などしだしている当館といたしましても有難く迎え入れるべきなのかもしれません。今年もありがとう雪…ちょっとくらい渋滞したってへっちゃらさ…

 いつぞや現在の風土展で秋聲先生が古里の雪について描いた文章をご紹介しています~とこちらにてご報告した覚えがございますが、そのなかでもハイライトといえば静かな雪の夜を描くその筆で「雪女郎がさまよひ出るのもかうした夜であろう」と書かれているその部分…雪女郎…すなわち雪女……ごっ、ご乱心じゃーーッ!!秋聲先生がご乱心じゃーーーッッ!!と脳内でどこぞかのご家老が叫び出すほどには衝撃的な文章です。リアリズムの権化・秋聲先生の口から雪女だなんてそんな馬鹿な…!
 といいつつ、そのあたりが雪のもつ力。秋聲先生ですらもちょっとそんな幻想的な気分にさせてしまうのでしょう。そして秋聲先生、天狗とか雪女といった伝承的なUMAにはその実けっこう寛容なのです。



 


きのこ生えた
  2016.2.16

 記念館前庭で育てているヤブコウジが西日にやられてちょっと痛々しいのはもはやずいぶんと見慣れた光景でして、いやなんとかせねばと思ってはいるのですが、いかんせん西日があまりに強力で打つ手なく、時折造園業者さんに見に来てもらったり、(がんばれ!!)とひそかに念を送ったりするばかりで最終的に植物の底力に頼るしかないわれら無力な人間ども……と、ヤブコウジはヤブコウジでなんとかがんばってくれている傍らでこちらは紛れもなくヒトの手により作られしヤブコウジがヤブコウジであることを証明するプラカードが朽ちて見るも無残になってきたのでさすがにこれくらいは取り替えましょうよ、これくらいなら出来るのだもの…と遅まきながら引っこ抜きましたら根元にコレ→

 きのこが生えていました。

 「こわー!!!秋聲こわー!!!!」と、一緒に目撃した職員とともに夕暮れの東山一帯に響きわたるほどの叫び声をあげてしまったのです。いつか某K記念館さんからいただいたメロンに黴を生えさせ、出張みやげの人形焼のワ○メちゃんの頭に黴を生えさせ、今度は超西日が当たるんですよ!と言っているところのヤブコウジの看板根元にきのこを生えさせるという恐るべき胞子力…(初出紙で「黴」という文字のうえにきのこが生えているタイトルカットを見て以来、職員の頭のなかでは「黴=きのこ」の方程式が成り立っております)。当館職員みな秋聲先生の子分にして敬愛する親分ながら、さすがに空恐ろしくなってしまったのでした。

 秋聲先生のデビュー作「藪かうじ」にちなんで植えたヤブコウジ、その根元にきのこすなわち出世作「黴」をぐいぐいに生えさせる秋聲先生のおそるべき成長っぷり…。ご出世のほどお喜び申し上げます。



 


 何故お顔ちがいでふたつ持っていたのかは謎
 2016.2.12

 石川近文さんにお邪魔したついでに、やはりものさびしくなってこちらのサンタさんにも面会をしてきました。入院中のうちのサンタさんの経過はいかがなものか…夜ひとりでめそめそしてやいないかと思いを馳せながらせめてこちらサンタさんにその面影をみようと思いきやぜんぜん似ちゃいませんね…!いや知ってたけど、知ってたけども改めてみるとやっぱりちょっとうすら怖…きっと目のところが全部くりぬかれてがらんどうになっているから怖いのだと思われます。
 うちのサンタさんはちゃんと白目があって、黒目の部分だけくりぬかれているので黒い背景におけば画竜点睛、たちまち命が宿り、そして何より目全体がくにゃりと笑った形をしているのでちょっと道をきいても教えてくれそうな親しみやすさを持ちあわせております(ただ教えてくれて別れた後にもずっとこちらを見ていそうなうす気味わるさも…ウワッ!まだ見てる!こっち見てる…!!)。

 近文さんから正式に画像を借用するほどの
欄でもありませんので似顔絵を書いてみました→
 
 (右)石川近代文学館蔵
 (左)当館蔵(いずれも秋聲遺品)

 わりと上手に描けたと思います。

 そして石川近文さんのサンタさんにこそ髭にチリッとした焦げ痕があり、『仮装人物』冒頭の名場面、秋聲をモデルとする主人公=「庸三はその後、ふとしたことから踊り場なぞへ入ることになって、クリスマスの仮装舞踏会へも幾度か出たが、ある時のダンス・パアティの幹事から否応なしにサンタクロオスの仮面を被せられて当惑しながら、煙草を吸おうとして面から顎を少し出して、ふとマッチを摺ると、その火が髯の綿毛に移って、めらめらと燃えあがったことがあった。」を体現しているというまさにその…!?当館のサンタさんのふかふかの白髭はきれいなもので、明らかに燃えてはおりませんので件の小道具ではないのでした。
 当HPの収蔵品紹介のページのサンタ解説が端折りに端折ってしまっていたため、ちょっと丁寧なものに差し替えました。これまで疑問に思われていたみなさま方にお詫び申し上げます。





料亭でほろ酔い
   2016.2.9

 「金沢の料亭を味わう会」の前になんとしてでもその母体であるところの企画展を観覧せねばなりますまいよ!!と先日、犀星さんと石川近文さんの展覧会に押しかけてまいりました。犀星さんの「金沢の料亭・食と犀星」展では、これが小説家という生き物か!!というほどにその食材の魅力から料理法から口にいれたときの食感から、持てるあらゆる言葉の限りを尽くしてご紹介してくださっているその見事さに舌を巻きました。イクラを食して「ルビーを食ふ人」だなんて…さすが小説家…の前に詩人…あまりに詩的…。に比べて秋聲先生の食レポったらずいぶんとあっさりなこと・・・。とにかく食へのこだわり満載で、もしかするといつもより観覧時間を多く見積もっておいたほうがいいかもしれません。あれは時間をわすれますので、お後のある方ご注意ください。
 石川近代文学館さんの「ほろ酔い文学展」では、作家と食+作家と酒に焦点をあて、たくさんの作家さんが紹介されているなかでも、当館の今年度のヒロイン・林芙美子さんが、石川のウニがちょっとうますぎる、と書いた随筆が目をひきました。焼いたトーストにウニを塗って食べるんだそう。おい…しいのかな…?ちょっとやってみたことはありませんが、ウニトースト、メジャーなたべものなのでしょうか。是非どなたかお試しのうえご感想をおきかせください。
 展示のなかには秋聲先生の書簡も一通ご登場でした。犀星さんに宛てたものでウィスキーのみすぎて調子わるいわー!と書いたもの(実際にはもっと上品な書きぶりです)。秋聲先生お酒はあまりお強くないよう。

 犀星さんにはわりと素直にいろいろ書き送っていて素敵なお手紙が多いように思います。題材が重なっているというに、石川近文さんから強奪してきた犀星さん宛て書簡が当館の風土展の目玉のひとつでもありますので、会期中どうぞ三館ハシゴしてくださいませ。

←チラシデザインクリアファイル。200円也!



 


展示解説
  2016.2.8

 5日(金)、当館企画展示室よりMROラジオさんの生中継。そして6日(土)、風土展の展示解説を行いました。よく考えてみれば茶屋街だったり下新町だったり尾小屋鉱山だったり&秋聲という展示はしたことがあっても、「金沢と秋聲」という大きな、かつど真ん中のテーマで企画展を開催したのはこれが初めてかもしれません。その割に蓋を開けてみればけっこうピンポイントのローカルトークで恐縮ですが、いつもより地元メディア、地元住民の方のご関心が高いような気がいたします。

 展示解説には、もう二回目だから少ないかな?との予想を裏切って午前午後とも10名前後のお客様が集ってくださいました。
             ギャラリートークの様子→
 嘘です。今回展示されずお蔵入りになった秋聲の小説
     「さか浪」(兼六園が舞台)の挿絵面です。

マンツーマンになることも少なからずある会期中頃の展示解説。ちょっとおひとりになっちゃいますけど聞いてくださいます~…?とお伺いしたりなんかしながらなんとかいつも成り立っております。

 今回は、ラジオをはじめ、3日(水)の朝日新聞さんに本展の紹介記事が掲載されたことで解説を聞きにきてくださったお客さまや、同日の北國新聞さんに掲載された「町の踊り場」にまつわる論説を読んで駆けつけてくださったお客さまなど、まっことメディアの力とはたいしたもんったい…!と思わず感嘆の声を漏らしてしまうほどの効果覿面ぶりでございました。いつもありがとうございます。やっていても知らしめられなければやっていないのと同じこと…お力添えに感謝申し上げます。
 中にははじめて来館されたというお客さまもあり、2時から始まった展示解説、2時45分に終了してのち(5分はみ出しました♡)5時の閉館までがっつり3時間を館内で過ごしてくださるなど、館にとってこのうえない喜びに溢れた土曜となりました。
 




金沢の料亭を味わう会
 2016.2.5

 昨日、室生犀星記念館、石川近代文学館と当館との三館合同企画「金沢の料亭を味わう会」を開催いたしました。計らずして三館とも重なった時期に金沢の食と文豪をテーマにした企画展を開催することとなったため、こちらの企画も合同でやりませんか、ということから開催にいたった次第です。
 といいつつ、事前準備やら当日の運営やらすべて犀星さんと近文さんにお任せして、当館はたのしみですね~ウフフ~と言いながらやおら開会10分前に会場に現れるというこの始末…その節は二館のスタッフのみなさま、おつかれさまでございました。おかげさまで完全ゲスト気分で楽しませていただきました。

 犀星さんが仲良しの芥川龍之介をもてなしたという料亭「つば甚」。申し込みが殺到し、定員30名予定だったところが総勢80名の大宴会となりました。急遽の変更にも対応できるつば甚さんのキャパ…さすがです…。
 当日は女将さんのお話を伺いつつ、犀星さんの愛した「ごり汁」を再現したお料理など金沢でしか味わえない品々をいただきました。

 途中、鳶のような猛禽類が、お部屋の窓からみえる木の枝にとまり、ずいぶん長い間こちらをガン見してくる一幕もあり、東京からお越しくださっていた当館名誉館長と「あれきっと犀星さんよ~」「見にいらしたんですかねぇ~ウフフ~」とほんわりほっこりしたりなどいたしました。その後犀星さんが芥川ほか客人をもてなすのに使用したという「月の間」を見学させていただき解散です。
 ご参加くださったみなさま、つば甚さんありがとうございました。そして乗っからせてくださった二館にも、厚くお礼申し上げます。





節分
  2016.2.3

 本日、節分でございます。例年通り宇多須神社さんで節分祭が開催され、朝から心なしか当館の客足もじんわり伸びていたもよう。ご近所の祭事、有難いことです。
 秋聲ゆかりの神社ということもあり、前々からお知らせはいただいておりましたが、近くにいすぎるとついついうっかりしてしまうもので、春のお茶会のお願いにご近所のお茶の先生のおうちにお邪魔し、きなこの餅菓子をいただいて「節分ですからね」(※大豆菓子)と仰る奥様のお言葉をきくまで思い出しもしませんでした。

 「アッきょう豆まきでしたね!!そんなときにすみません!!」といえば先生のほうも「ほら、あのお軸をご覧。鬼は外、福は内だよ」と、いやさすがのお茶室空間、季節の移り変わりとともにあり…!
 その後、供されたお茶碗を見ると、内側のフチのところに黒い点点…これはもしや、とズズッといただけば、その底からお多福さんの笑顔が現れるという何とも粋な…!!眉毛だけチラ見せ…!!
 写真でお伝えできないのが残念です。さすがにあの粋なお茶室空間でちょっとこれ写メっていいですかぁ??とは言えませんでしたので、ズルズルと言葉でお伝えしております。
 その後館に戻ってちょこちょことお仕事などしておりましたら、受付さんの口から今回○べさんがゲスト出演したらしいよ、と芸能人の名前がとびだしなんてこったい!参加されたお客様が教えてくださったそうです。お多福さんにも負けない福顔のあの方…お目にかかれた方はきっと良い一年になることでしょう。



 


お誕生日のわけ
 2016.2.1

 いちおう本日も秋聲先生のお誕生日、すなわちオリジナル文庫第9弾『爛』の発売日でございます。本日よりどうぞよろしくお願いいたします。
 さて、お誕生日。実は明治4年12月23日としているものもあれば明治5年2月1日としているものもあり、わかりやすいところでみんなのWikipediaさまには「1872年2月1日(明治4年12月23日)」とあり、いやいやカッコって!で、どっちが本当なんですか??と時々質問いただくことがあります。
 Wikipediaさまにおいて、前者を西暦表記、カッコ書きの後者を和暦表記にされているのがヒントといえばヒントといいますか、実際に秋聲が生まれた明治4年の翌年に暦の改正が実施され、明治5年12月3日が明治6年1月1日になってしまったところからこんなことに……12月23日生まれの秋聲は明治5年のうちに満1歳のお誕生日を迎えることができませんでした。そうするとややこしいのは満年齢でのカウントで、1歳をとばして明治6年の12月23日に満2歳のお誕生日を迎えることになり、いやそれはもう満ではない、満が満でなくなってしまうということに……そんなわけで当館では原則数え年を採用しており、明治5年のうちにお誕生日は来なかったけれども一応2歳になる年…として数えていくと、没年である昭和18年は73歳になる年。享年73歳と書いてあるのはそういう意味なのですが、これもこれまた面倒なことに秋聲は11月18日に亡くなっていて12月23日のお誕生日を迎える前だったことから実際には72歳…そしてそもそも1歳がなかったわけですから厳密には71歳…と9ヶ月…。満71年9ヶ月の人生を歩まれたことになるのです。
 この数字から逆算していくと、忌日である昭和18〈1943〉年11月18日の71年9ヶ月前が明治5〈1872〉年2月1日。Wikiさまが1872年と西暦表記されているのは、新暦での計算ですよ~との示唆、というわけ…ゴリゴリの文系にはなかなかキツイ課題です。先日某K記念館さんと雑談していて、年齢の計算たいへんですよねー、と言ったら「うち大丈夫。明治6年生まれ。」…アッなんとギリギリ良い年に…!!





わかき人三訪
  2016.1.31

 としまえんから参りました…と相変わらずのきれいな字で奥ゆかしく記されたお手紙とお菓子を残してくだすったわかき人!お懐かしや、一度目は一昨々年の7月、二度目のご来訪は一昨年の7月、…つい夏休みの7月にいらっしゃる御方と心得ておりましたら不意に1月にやってくるパターン!とんだ抜き打ち…!!

 そんなわけで、書いておくものですね寸々語。秋聲先生ご所蔵の「豊島園御家族優待入園券」を展示したことからそのご縁ができましたわかき人がみたび来館してくださいました。ありがとうございます。この場を借りて深くお礼を申し上げます。たぶんご本人が想像されているその三倍は嬉しいのだということ、なんとかしてTSUTAETAI、そんな職員一同です。冬の金沢、足元がわるいのですからどうぞお気をつけなすって…。
 わかき人がいらっしゃるときには何故か二度とも秋聲先生の子ども向け読み物『めぐりあひ』が展示されていたものですが、残念ながら今回はお出ししておりません。次回の似顔絵展で出そっかな、いい加減しつこいかな、と思い巡らしている最中でしたので、なんとなく見透かされたような気がしてドキリといたしました。アレってば何かと便利なものですからついヘビーローテーションをしてしまうのです。
 

←『めぐりあひ』並にポップだけれど意外に出しどころのない豊島園…(画像は使い回しです)




 おかげさまで今回は豊島園と『めぐりあひ』の穴を埋めて余りある「蟹」色紙がございますので「ニヤニヤしました」と書いてくださっているくだりでアッおんなじですね!ニヤニヤしますよね!っていうか、全体的にニヤニヤしますよね、そんな展示ですよね!!と思わずお手紙に詰め寄りました。秋聲先生が真面目なお顔で書いていらっしゃるもので、つい真面目な顔をして読んでしまうのですが、よく考えるとニヤニヤさせるような内容のため全体的にニヤニヤしても良いのです。そんな展示です。





あと3日
  2016.1.29

 サンタはなくとも館報は刷らねばならぬ!ということで、今年も館報「夢香山」発行に向けて、原稿締め切りをめぐる事務室内での攻防戦が始まっております。職員それぞれ担当執筆分を抱えており、昨年末の段階で「1月末締め切りで~す」とざっくり声明が出されていたその期日が迫ってきているのです。そんなら攻防戦とやらは31日午後くらいから勃発するのでは?という気もしつつ、館報編集担当が早々に自分の担当分を書いてしまったため、他の職員分もなんとなく早く欲しくなり、よく見たら30・31日が土日だからコレ本日29日(金)までに上げてもらえば印刷業者さんに投げてスッキリするんじゃない??という恐るべき身勝手を発揮し20日を過ぎたころからジリジリと攻め込んでいるのです。「夢香山」とは名ばかり、編集担当のドス黒い利己心から編まれているこの館報…週末に投げ込まれたって印刷業者さんだって迷惑千万…。3月中旬、攻防の痕すら見せず無事発行のおりにはぜひお手にとってご覧くださいませ。

 さて夢香山。秋聲が愛した卯辰山の別称であるところからその名を館報にいただきました。そんな卯辰山紹介で締めているのが今回の風土展でございます。

 町の東北にある卯辰山(中略)そこへ大紙鳶〈おおだこ〉を揚げに行く町の若いものゝ姿が、山裾を流れる川の上流に架かつた天神橋を渡つて(中略)やがてその山麓の青みわたつた松林の間から、梅や桜が白々と見えはじめると、長いあひだ雪に閉籠められてゐた北国の町にも、曇りがちな春の日影が行き渡つて、紅い桃の花や、萌黄色の李が、廃れた屋敷町の築地のなかに咲乱れ、紙鳶の唸りや羽子板の音に人の心が浮立つて来る―――
            
 短編小説「暗い町」より名文ご披露。いままだ金沢は暗い町ですが、2月3月ともなれば秋聲先生の描くこんな光景につつまれるはず。
 
 
←天神橋からの卯辰山(戦前絵葉書より)



 


サンタさん休養中
 2016.1.28

 当館のマスコット兼守り神兼ビジュアル担当のサンタさんが緊急入院されまして、館内の火が消えたようです。もう先週のことになるでしょうか…経年劣化が気になるね心配だね、とかねがね言っていたところ急に入院することが決まり、満身創痍でずっとがんばってもらっていた常設展示室よりそっと引き上げ、身支度を整えなどして修復の専門家のもとへ送り出しました。思えば当館に来て十年、いちども外出することのなかったあのひと…他館などから貸してください、と言われた記憶がありません。
 ほかの資料は時々実物なり画像なりをお貸ししたりと何かと需要がございましたが、アレこのサンタさんちょっと使いにくい…?見てくれが特殊に過ぎたでしょうか。ずっと館内にいて、冬になるとは職員にその存在をいじりたおされ、それでもニコニコニヤニヤと館を見守りつづけてはや十年。
 そういえば、昨年12月23日、秋聲先生のお誕生日に名誉館長からのプレゼントを入館者のみなさまにお配りする際、Happy Birthday Dear Shusei!の文字とともにこのサンタをあしらったシールを作成しすべてに貼るといういったいどこに力を割いているんだかといった地味な活動を行ったことがありましたが、ハッピーバースデーのメッセージだけなら特にサンタと一緒でなくてもいいところ、もうなんだか職員の頭のなかでは秋聲先生もサンタのお面もお誕生日もクリスマスもぜんぶが一緒くたに考えられているようで、自然サンタと誕生日がセットになるというこの無意識のおそろしさ…。
 そんなわけでおそらく春まで自慢のサンタさんをご覧いただくことができません。
 館きってのビジュアル担当の穴は次鋒『黄昏の薔薇』が埋めてくれております(これはこれでなかなかの…)。

 
 


『爛』復刊!
  2016.1.17

 あけまして、とか元気いっぱいにご挨拶しておきながら、ここいらの数字がずっと2015年となっておりましたこと、その節はご指摘ありがとうございます。きもちを昨年に残したまま…ぜんぜん新年を迎えられておりませんでした。失礼をいたしました。

 改めまして、十周年の今年度中にあとふたつやらねばならないことのひとつ、『爛』の復刊を果たしましてございます~!!
 当館のオリジナル文庫の記念すべき第1弾として刊行したこの『爛』。初回500部、その後200部を増刷してなお売り切れて久しかった本書をようやく復活させることができました。この間に徳田家より木村荘八の挿絵原画が新たに見つかったことなどもあり、いっそ十周年を記念して挿絵一挙掲載だ!!ということで、今回新しく刊行いたします『爛』は豪華挿絵入り。各所のご協力を得て、カラー口絵含む60枚の挿絵が収録されております。
の割に表紙がどシンプルですが、帯をはずすとちょっとクスリ→

 さて、これを第何弾といったらよいものか?第1弾…というと実情とちがうし、かといって第9弾というと今から全部揃えようとして全8冊…きもちわるい…新旧で区別つける…?第1弾の旧版と9弾…ってややこしいわ!!など、ずいぶんと悩んでいる間に印刷会社さんが淀みなく「9」とさっくり入れてきてくだすったもので、ウンいっか!9で!となりました(もちろん校正の余地はありました)。そんなわけでオリジナル文庫の第1弾は殿堂入りの永久欠番といたします。この十年ほんとにおつかれさまでした。
 第9弾で新版の『爛』は2月1日より当館で発売予定です。新暦でいうところの秋聲先生お誕生日。何度でもおめでとうございます!(追って通販の準備もいたします~)





「左義長」(平成28年1月)
 2016.1.14

 11日、ひがし茶屋街にある宇多須神社で左義長が行われるのに、館の注連飾りは例年この神社で燃やすことにしているため、今年はやや風邪気味の事務職員がいつのまにかはずしていた注連飾りを小脇に抱え、その日もう陽も傾きかけた頃おもむろに出かけていった。「やっぱり外は寒い」と軽く息をつきながら戻った職員によると、神社までのみちみちで出会った人びとがみな「こんにちは」と気軽な様子で声をかけてくるといい、祭事のおかげで気が緩んでいるものか、いつになく土地の連帯感のようなものを感じたという。撮影された写真をみると、すでに終わりがけだったせいか火を囲む人は疎らで、火災防止のため配置されている消防員たちの姿ばかりが目についた。こんななかで餅は焼けない――低く横這いの炎と、ピークを過ぎ「もう何事も起こるまい」とでもいいたげにやや後ろに体重をもたせた消防員たちの姿勢とが、そんなことを思わせた。幼いころには棒の先に家から持参した餅をさし、甘くも辛くもない、ただ焦げ臭いだけの餅をそれでもきょうだいと競い合って食べたものだ。しかし今年の炎で餅は焼けそうにない。餅が焼けるのを待つあいだ、きっといたたまれないだろう。

 画像をパソコンにとりこみ、混線するUSBケーブルをはずしながら「おつかれさまでした」と隣で上着を脱ぐ職員に声をかけた。

 寸々語がマンネリ化してきたため、今回はすこし小説風にお届けしてみました。
 アッ暇ではないんですよ! 



 


見られていた
  2016.1.13

 ここ数日無言のうちにじわりじわりと次回企画展の準備を進めております。次回は「秋聲似顔絵展」、なんだかとっても愉快そうなタイトルです。内容はタイトルの通り秋聲先生の似顔絵ばかりを集めた目で見てたのしい展示(になる予定)です。といってまだ概要しか固まっていないのです。これから急いで詰めてゆくのですが、とりいそぎ使いたい気持ちの固まっている肖像画の使用許可をとるため、とある漫画家の先生に申請のお手紙を出しましたらばすぐに承諾のお返事がきて、あぁ有難い…と中をあらためると「(去年)貴館を見学させていただきました」と書き添えてくだすっているではありませんか…!おえええ!いつうううう!!?と心の底から驚きました。
 そんな不思議なご縁に思いを馳せるとともに、いつ、誰に見られているかわからない、と気の引き締まる思いもしたものです。いや、見られている、というと悪さ前提…気づかぬうちにいろいろな方がご観覧くださっているということ…。
 見られている、といえば、記念館に行く道の浅野川大橋のたもとにとてもとても短い横断歩道があって、いちおう信号もついているけれどもほんとうに短くて、見通しも悪くないのでなんだったらピャッと渡ってしまってもさほど差し支えなさそうな雰囲気を醸しているのですが、その目の前がザ・交番だもんですから、何だコレ何試し??といつも一瞬ウッとなってしまいます。
 そしてやはり一瞬でもウッとなる以上、どれほど安全そうに見えても(じゃんじゃん人に追い抜かされても)几帳面に信号が変わるのを待つのですが、青になって歩き始め、ふと後ろからお母さんと手をつないだ小さなお子さんにワァーッと元気よく追い抜かれたりなどしたときにハッとしてホッとするのです。

   ちょっともう横断歩道かどうかも怪しいわずか二本→ 



 

あけましておめでとうございます
 2016.1.4

 羊に乗って華麗にやってきた秋聲先生の後姿を見送りまして、今年申年。申年に関しては特筆すべきこともなしですが、全国の年男年女さんおめでとうございます。本年もまた、秋聲記念館をよろしくお願い申し上げます。
 さて、年末年始にかけてポチポチと書いているとあるテキスト。いくつか画像を使用するうち、グループごとにその画像にアルファベットなり数字なりの番号を振っているのですが、鏡花さんにうまいことKが割り振られたことにオッとなり、別のグループの通し番号がちょうど100で終わったことにワッとなったりしている今年も平和な記念館です。ねえねえちょっと、と仕事の手を止めさせてまで人に言うほどでもない、でもちょっと嬉しい出来事を伝えてゆくのが寸々語。さしてネタのないときに重宝するのがほっこりポスト。

 今年もいい仕事をしています。

 これにならって当館でも何かお正月らしいものを…と思いながらさほどきらびやかなものもご用意できず、あーあ、結局いつもとおんなじだよ…と展示室を眺めなどしておりましたら、ふと目に留まりました。ある…あるではないですか、お正月らしいもの!雑煮腹の句…!!
 

 風土展にて、2010年のお好きな俳句選手権で堂々の2位にランクインした雑煮腹の俳句短冊を展示してございます。雑煮腹(ぞうにばら)、すなわち雑煮を食べ過ぎた腹。フードのケース…でなく、海のケースに入っておりますので是非さがしてみてください。おかげさまで赤字に金模様のめでたい感じの短冊です!
  
 

 

 

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