過去の企画展

平成23年度

金沢湯涌夢二館コレクション展
ファッションリーダー〈夢二式〉
-明治・大正、キモノの魅力
期間 平成23年12月23日(金・祝)~平成24年4月15日(日)

 明治・大正時代に活躍した美人画家・竹久夢二が心から愛したのはキモノに身を包んだ女性の美しさであったといわれています。

 長い睫毛の大きな瞳、華奢な体つきが特徴の〈夢二式〉は、粋でモダンな着こなしのキモノ姿をアピールしています。近代的な〈夢二式〉はたちまち多くの女性たちの憧れとなり、夢二デザインの半襟などをあつかう「港屋絵草紙店」は〈夢二式〉を目指す多くの女性で賑わいました。雑誌や画集に発表された〈夢二式〉の女性たちは、現在でいうところの「ファッションリーダー」だったのでしょう。

 当館コレクションの中から、一大ブームを巻き起こした〈夢二式〉のキモノの装いに焦点をあて、その魅力をご紹介します。  

 

大正100年記念 金沢湯涌夢二館特別展
竹久夢二と大正イマジュリィの世界
-デザインとイラストレーションのモダーンズ
期間 平成23年10月1日(土)~12月11日(日)

 大正期に複製技術によってうみだされた、装幀、挿絵、ポスター、絵はがき、広告、漫画などを「大正イマジュリィ」と称します。これは大衆社会の出現、マスメディアの発達、印刷の技術革新に特徴づけられる近代化のたまものです。美術館で鑑賞する肉筆画ばかりでなく、気軽に手にとることができる印刷物をとおして、美術はひとびとの暮らしのなかへと引きよせられました。

 会場では、竹久夢二を中心として、独創的な発想で人気を博した作家による「大正イマジュリィ」約180点を展示します。多彩で豊饒なデザインとイラストレーションの華を咲かせた作品をとおして、若々しく鮮烈な「大正」という時代の息吹に触れていただければ幸いです。

金沢湯涌夢二館コレクション展
夢二の「子ども絵」 ―絵本からすごろくまで
期間 平成23年7月9日(土)~9月25日(日)

 竹久夢二は美人画家として知られていますが、一方で子どもの世界をあらわした「子ども絵」を数多く描いています。子どもを題材とし、子どもの気持ちを代弁する「子ども絵」には、夢二が少年であった頃の思い出がうつしだされており、男手ひとつで息子を育てた夢二の親心がにじみ出しています。

 会場では当館のコレクションから、子どもを描いた水彩画、書籍、雑誌、楽譜のデザインや挿絵、すごろくなど約70点を展示します。さらに、夢二がつづった童話や童謡、詩のほか、脚本から衣装・舞台背景までを手がけた童話劇「春」もご紹介します。

 豊かな表現力と時代を先取りする発想から生み出された多彩な作品を通して、子どもへと向けられた、夢二のあたたかなまなざしを感じていただければ幸いです。

夢二が描いたロス・オリンピックとヒトラーの時代
―中右コレクションの「欧米スケッチ」を中心に
期間平成23年4月9日(土)~7月3日(日)

大正ロマンを代表する美人画で有名な、竹久夢二がその晩年の2年あまりを欧米に外遊したことはあまり知られていません。はやくから欧米への憧れを抱きながら実現せず、人気もかげりを見せ始めていた昭和6年5月になってようやく叶ったのでした。

 はじめに渡航したアメリカ西海岸では、展覧会を開き、オリンピック観戦などもしています。しかし、世界恐慌の影響もあって絵の買い手は少なく、また気候風土もあわずに体調を崩してゆきます。ついに貨物船でヨーロッパに渡り、病身を押して多くの都市を訪れ、スケッチを残しています。とくにベルリンではヒトラー台頭期のただなか、イッテン・シューレ(ヨハネス・イッテン設立の美術学校)において東洋絵画の実技指導・講義を担当しながら、激動する時代の人びとや街のありさまを描きとどめています。

 今回は中右コレクションのなかから晩年の苦難のなかで生み出された「欧米スケッチ」を中心に、当館所蔵の「流人スケッチ」「夕餉の図」などを加えて展示いたします。