過去の企画展

平成24年度

コレクション展「夢二の江戸憧憬」
期間 前期:平成24年12月29日(土)~平成25年2月3日(日)
           後期:平成25年2月9日(土)~4月14日(日)
 明治17年に岡山で生まれた竹久夢二(1884-1934)は、幼少期に巡礼や人形遣い、越後獅子など江戸情趣を伝える風俗に触れ、青年期にさしかかる頃には国際的な港町の神戸に暮らしました。それらの記憶は、夢二のなかで江戸情緒と異国趣味にあふれる独特の世界観を生み出します。
 明治末期から昭和初期にかけて活躍した夢二は、大正期の浮世絵師と評価される一方、文人画家としての側面も持ち合わせていました。主題や技法など対照的ともいえる絵画のジャンルですが、どちらも夢二が憧れをいだいた時代「江戸」を代表する絵画です。
 
 会場では、当館の収蔵品から、江戸情緒と異国趣味が織り交ぜられた世界観をもつ絵画や文章を紹介します。さらに、江戸時代の浄瑠璃や歌舞伎などを主題とした粋な木版画や書籍に加え、 墨跡や詩画一体の妙味あふれる文人画風の作品も展示します。
 平成24年度に当館の新収蔵品となった書幅「青山河」もあわせて公開します。

特別展「デザインの先駆者・夢二」
期間平成24年10月6日(土)~12月24日(月・祝)

  印刷美術分野で活躍した竹久夢二(1884-1934)は、庶民の生活が美しくあってほしいと願い、本の装幀、雑誌・楽譜の表紙、封筒や便箋、手ぬぐい、ポスターなど、暮らしを彩るデザインを積極的に行いました。

 それは、いわゆる「デザイン」の概念が日本で認識される以前の仕事である、「工芸」や「ファインアート(純粋美術)」といった芸術の諸分野を自由に横断する先駆的な試みでした。時代や地域の分け隔てなく、様々な芸術動向を柔軟に吸収し、絵画の粋を越えて行われた夢二の創作活動は、内面からわき出す「抒情」表現の発露でもありました。

  様々な芸術分野を越えて行われた夢二の抒情表現は、大正期における新興美術の芸術家や昭和期に活躍したデザイナーたちに大きな影響を与えています。美人画や素朴な草花をモチーフとしたデザインや抽象的なデザイン、江戸時代への情景がにじむ粋なデザインや都市文化の香り漂うモダンなデザインをご堪能ください。


清水はつ代コレクション新収蔵記念展 「夢二と大槻笹舟」
―京都「清文堂」主人との親交と版画制作―
期間平成24年7月7日(土)~9月30日(日)

  京都にあった印刷所「清文堂」の主人・大槻笹舟の収蔵品と清文堂資料など、あわせて約670点からなるご遺族からの寄贈品 「清水はつ代コレクション」の収蔵を記念する展覧会を開催します。
 
  竹久夢二は大正5年から7年にかけて京都で過ごしました。親友・堀内清を通じて知り合った笹舟は、 夢二の気持ちに寄り添う「好き友人」となり、信頼できる印刷所の主人として、夢二と深い親交を重ねました。夢二が下絵を描き、清文堂が印刷した木版刷りの絵封筒・便箋などは、 大阪「柳屋」や京都「つくし屋」で販売されて人気を呼び、大正9年には名作≪宝船≫も制作されました。一方で、笹舟は印刷技術や浮世絵版画の研究、日本各地の民謡の調査を行い、雑誌『すりもの』を発行するなど幅広く活動しました。清文堂資料からは、笹舟と京都画壇との関わりも伺えます。
 
 会場では、夢二が笹舟のためにその愛嬢・清水はつ代氏を描いたという≪少女の図≫や初公開とみられる≪夏の夕≫、夢二を支えた最愛の女性・笠井彦乃が描いた日本画≪御殿女中≫も展示します。

コスモポリタンの系譜:夢二とその孫・竹久野生
―自然と「いのち」へのまなざし―
期間平成24年4月21日(土)~7月1日(日)

 竹久野生(のぶ)は、30代でコロンビア芸術大学に入学し、70年代から画家としての活動を開始しました。 今ではコロンビアと日本を中心に独自の創作活動をおこなっています。  
 
 野生は、夢二の次男・不二彦に、養女として育てられました(実父:辻まこと)。不二彦を介して夢二の「遺産」を受け継ぎ、自然や「いのち」へのまなざしを養いました。自然を愛し、山を愛し、道端の草花に目を留め、また、か弱きもの、滅びゆくものへと向けられた眼差しも夢二と共通します。夢二は金沢で古びた土塀に心惹かれ、さらに山懐の湯涌では故郷に帰ったようだといい、そのたたずまいを描き、山を歩いて植物などのスケッチを残しています。  
 
 夢二は「コスモポリタン」、つまり当時の「自由人」と自称し、彼の理想像としています。 そうした夢二の作品と、コロンビアの自然と向き合って、今まさに「グローバル」な活動をしている孫・野生との作品を一堂に並べます。さらに夢二の肉筆画4点と書簡1点の新収蔵品を初公開します。