金沢文芸館2階では、作家・五木寛之の全著作などの常設展示のほか、様々な角度から五木寛之世界を探求し、毎回様々な角度から五木世界を紹介していくため、年に一度テーマを持って展示替えを行っています。
只今、『エキゾチック・ジャパンとは何か ~日本の中に異国を見た五木寛之によるキャッチコピーが出来るまで~』というタイトルで企画展示中。
現在のJRが日本国有鉄道(国鉄)だった時代、1984年2月に始まった国鉄最後の鉄道旅行キャンペーンが『エキゾチック・ジャパン』。
五木寛之が広告代理店・電通の依頼を受け、そこで生まれたのが、『エキゾチック・ジャパン』というコピーです。
五木寛之がコピーに込めたエキゾチックとは何か・・・・。
異国情緒という意味が思い浮かぶかもしれませんが、五木寛之がこのコピーに込めたエキゾチックは少し違っています。ぜひ展示からご覧になってみてください。
また、このコピーが誕生する前に書いた小説「燃える秋」では、まさに、エキゾチック・ジャパンからストーリが展開しています。
今回は、小説「燃える秋」についての展示に、その取材で訪れたイランで見つけたガラス器を置きながら、そのものについて書かれた文章、原稿なども紹介しています。
「エキゾチック・ジャパン」のキャッチコピーを作った五木寛之の最初の表現の仕事は、CMソングからでした。“のぶひろし”のペンネームで長く愛されたCMソングも書いています。のぶひろしの頃についての展示もご覧ください。
PROFILE
1932年福岡県に生まれる。戦後、北朝鮮より引揚げ。早稲田大学文学部ロシア文学科中退。1966年、『さらばモスクワ愚連隊』で小説現代新人賞を受賞し作家デビュー。翌年『蒼ざめた馬を見よ』で直木賞。以後、吉川英治文学賞、菊池寛賞、NHK放送文化賞、毎日出版文化賞当別賞などを受賞。小説以外にも幅広い活動を続ける。代表作に『青春の門』『風に吹かれて』『風の王国』『大河の一滴』『親鸞』『TARIKI』(英文版)などがある。現在、泉鏡花文学賞他の文学賞選考委員、日本藝術院会員。