金沢蓄音器館

館長ブログ ほっと物語

2020年4月

その316冷や汗ものの自動停止装置

 

 



蓄音器には、レコード演奏が終わると自動的に回転が止まる自動停止装置(オートストッパー)がついている。
演奏が終わってもレコードの回転が続くと、針の減りが大きくなったり、盤を痛めたりするからだろう。

ドイツ製の蓄音器は手動で止める方式のものが多いのはドイツ人の気質からなのだろうか?

 代表的なコロムビア、ビクターでこのストッパーを見てみたい。

コロムビアは、ターンテーブルを外して中央にある回転軸:シャフトの下に古代生物のアンモナイトのような形をした「カム」が1個取り付けられているだけだ。
簡単な機構で確実にレコードを止められる。

これに対してビクターは、いくつかタイプがある。
1つは、コロムビアはターンテーブルの下(蓄音器本体側)に「カム」がある(写真1)のに対して、ビクターはターンテーブルそのものに「カム」がついている(写真2の上)。

又、1つはクレデンザや卓上型の190などの高級な蓄音器の停止装置はラチェット機構を取り入れている。
そのためレコード盤の演奏が終わりに近づくにつれて「カチ、カチ」とノイズに似た小さな音が出る。曲の演奏途中から出てくるこの音を聞くと、ビクターの高級機種だとわかる。(写真3、アーム側の爪がラチェットのギザギザを下のほうへ進んでいく)


レコード盤の演奏をすると、アーム側についている爪は、スタートレバー側にある爪の左側にあり、演奏が進むと段々右へと進む。演奏が終了するとアーム側の爪はスタートレバー側の爪と離れる(下へ)。
これでターンテーブルが停止することになる。

 通常はこのように作動するのだが、止めてあるネジが緩んだり、スプリングが伸びて弾性が弱くなったり、爪が経年劣化で摩耗したりすると演奏中でも突然停止する。
古賀政男音楽博物館、当金沢蓄音器館内などで体験済みだが、演奏途中で止まったりすると冷や汗ものだ。

 
手動で止まるドイツ製の蓄音器のほうがいいと思ってしまう一瞬だ。





写真:上から
 1、コロムビア(NO.G241)のオートストッパー
 2、ビクター(VV J2-5)のオートスットパー
 3、ビクターの高級器(クレデンザ)のオートスットパー、演奏中の
   爪の位置
 4、ビクターの高級器(クレデンザ)のオートスットパー、演奏後の
   爪の位置

 





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