金沢蓄音器館

館長ブログ ほっと物語

2022年5月

その365金沢で聴いたアナログの音

新年度が始まった41日、金髪で背が高く若い女性がひとりで入館されてきた。
コロナ禍のため、外国人とすぐにわかる方が来館されるのは久しぶりだ。
11時の聴き比べのちょっと前の時間だった。

聴き比べでは、英語、中国語(簡体字、繁体字の2種類)の聴き比べ実演説明書があるので、「どうぞ」とすすめたが彼女はどれもいらないと答えた。
小生が話す蓄音器やレコードの日本語解説に微笑んだり、うなづいたりして十分楽しんでいた。聞くだけでなく、会話も流ちょうだった。

「どちらからお見えになりましたか?」と尋ねると、
「チェコです。1年間の留学で、今は京都の大学生です」という。
「チェコなら『スプラフォン』というレコード会社がありますね。40年ほど前に行ったことがあります。LPレコードも3階で自由にきけますよ」
と、紹介した。

当館は、LP盤も7千枚ほど所有している。
LPからCDへの移行期、市立の図書館が所有するレコードを廃棄するというので当館で引き取ることにした。
これで3階にある2台のプレーヤーで来館者が自由に、好きな盤を聴くことが出来る。

彼女は聴き比べのあと、昼食もとらず3時間余りLPに浸った。

23歳という年齢からするとCDは聞いたことはあるが、スマホ中心のデジタル世代だ。そんな世代の若者が、蓄音器やLPレコードというアナログの音色を満喫した。

来館記念にと小生は写真を一緒に撮り、彼女のメールに送った。

後日、送られてきた返信メールには、母国の家族に一緒に撮った写真を送ったこと、蓄音器やレコードの音色に驚いたこと、その日遅くに食べた近江町の回転ずしの昼食が美味しかったこと、一人で訪れた当館や金沢の雰囲気に感動したこと、将来はチェコと日本の架け橋の仕事を目指していることなど満載だった。
しかもそれはすべて漢字混じりの日本語で書かれていた。

きっと彼女の夢はかなえられるに違いない。


2Fの聴き比べコーナー エジソン~蓄音器の王様「クレデンザ」まで10台余りの音が聴ける

3FのLPコーナー 2台のプレーヤーで
好きな盤を自由に聴ける

メールで送った二人の写真

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