活動内容

過去の展覧会


2022年

企画展「自然を憶う」

令和5年2月23日(木)~令和5年4月23日(日)

仏教哲学者・鈴木大拙(1870-1966)は、先人たちが自然を友人や仲間とみなし深い尊敬を払ってきた、 といいます。「自然は人間にとって決して慈悲のないものでもなければ、人間の力づくで従わせる 敵というものでもない」と述べる大拙は、先人たちがいかに自然を愛してきたのかを語りながら、自然 とのかかわりに問題を抱える現代の私たちに、自然といかに向き合うべきかを示しているようです。 当展は、大拙が語る「自然愛」に加え、私たちがいまを生きるということそのもの ―生(ライフ)― に ついての考えに着目します。当館の3つの空間とあわせ、春を迎える3つの庭「玄関の庭」「露地の庭」 「水鏡の庭」、さらには館周辺の散策路をめぐる中で、自然と出会う体験を提案します。

企画展「大拙のZEN ―霜天編―」

令和4年12月13日(火)~令和5年2月19日(日)

「ZEN」は世界で共通することばです。
欧米において日本の禅が最初に紹介されたため、
日本語音訳である「ZEN」という表記がひろく使用されてきました。
当展は、禅を世界に広めた鈴木大拙(1870-1966)の業績に着目します。
大拙は、たんに禅の言葉を英訳した、または英語で解説したわけではありません。
欧米人との即応即興的な問答において、とっさに大拙のいうことばが、
「Living Zen」として強烈な影響を与えました。
当館では、大拙の語るZENを継続的なテーマとして取り組んでいます。

企画展「語りをつむぐとき」

令和4年9月8日(木)~令和4年12月4日(日)
「ことば」と向きあう

国内外において講義・講演を行った鈴木大拙は、東洋・日本の文化や考えを広く伝えるとともに、 直接的な語り合いによって、さまざまな人々に影響を与えたことが知られています。
先人の業績を伝えるには、その人が語った「ことば」を紹介することは有効です。 その人となりを知る手掛かりにもなります。しかし、「ことば」の大切さとあわせて、 「ことば」に囚われることの危うさを説いた大拙の考えに照らすならば、その紹介だけでは充分ではないはずです。
大拙の考え、さらには生き方をも知るには、「ことば」の意味だけではないことが求められます。私たちはいま、 大拙の「ことば」をどのように受け止め、どのように伝えていくべきでしょうか。
当展は、大拙が果たさんとした役目をあきらかにするとともに、著作を読むことからはじまる大拙との出会いを、改めて提案します。

大拙の語り

「…禅で仏に遭っては仏を殺し、祖に遭っては祖を殺すとか、仏様を殺して犬に喰わせてしまえなどというが、 これはsymbol(シンボル)を壊せということなのだ。…とにかく一ぺんはsymbolを壊してしまい、その壊したその上に超symbolを見ればよいのだが、 とにかく一ぺんはsymbolを壊さなければいかん。そしてその上にものを見る。するとそのものに、本当のものが出てくる。」

企画展「2022 大拙と語る」

令和4年4月28日(木)~令和4年9月4日(日)

金沢生まれの仏教哲学者・鈴木大拙(本名・貞太郎1870-1966)は、日本・東洋の文化や考え方を西洋世界へひろく伝えたことで知られています。
2013年度から継続している当展は、大拙の足跡や考えを体感できる「いまに生きるもの」を取り上げ、大拙をより身近に感じることができる視点から構成します。
あわせて、館内の3つの「空間」と「庭」の回遊に加え、大拙が生まれ育った館周辺の散策を提案します。

平和への願い

「戦争は人格を無視する、人間的威厳を蹂躙して少しも顧みない、ここに戦争の人間行事としての最も嫌悪すべきものがあるのである。
人間には誰でも自己肯定の衝動はある。差別の世界ではやむを得ぬ。ただこれがために他人に禍を及ぼすべきではない。 集団は個人からできているが、この個人もまた集団あっての個人である。 相互に牽制してしかも相互に扶助し合うことによりて、団体は平和の生活を続けて行ける。これは個人の集まりでも国家群でも同じことである。」
                                鈴木大拙

企画展「大拙の姿貌」

Ⅰ:令和3年12月17日(金)~令和4年2月13日(日)
Ⅱ:令和4年 2月16日(水)~令和4年4月24日(日)
死して生きるひと

2011(平成23)年10月18日に開館した当館は、おかげさまで10周年を迎えました。
開館以来、来館者が館内に入ってまっすぐに進んだ「内部回廊」のその先に、この写真が掛かっています。
そこはおひとりおひとりがまず鈴木大拙と出会うところです。
鈴木大拙(1870-1966)は世界的な仏教哲学者です。
令和3年度・企画展「大拙の姿貌」は、Ⅰ、およびⅡとあわせて二期にわたって
当館所蔵品の鈴木大拙の写真を展示します。
鈴木大拙そのひとの魅力と「死して生きる」
その存在の「妙」に着目します。