犀星つうしん

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5月11日

文学散歩

 文学散歩「犀星の旧居と町並み」を開催しました。
 犀川桜橋傍の犀星詩碑に集合し、川べりを歩き、犀星が暮らした旧川岸町~旧川御亭~旧山田屋小路を歩きました。案内は金沢市歴史都市推進課の藤堂さんにお願いしました。
 犀星の家があったところをめぐり、その当時の街並みや用水の様子など、わかりやすく説明して下さいました。犀星が住んでいた頃の道が残っている金沢。配布資料の地図を見ながら、当時に思いを馳せながら歩いてみました。
 途中、鞍月用水の流れを取り入れたお庭も見学させて頂きました。優しいせせらぎの音に癒されました。

 風薫る爽やかな日で、楽しい文学散歩となりました。
       

 
   
      「足軽の家」の家屋の資料   


      

犀星詩碑からスタートしました



散歩中の様子 


用水を取り入れたお庭 



5月2日

叡山苔

 一年ぶりの登場です。
 田端生まれの叡山苔です。今年も、北陸の寒さにも負けず、雪にも負けず、雨にも負けず元気に復活しました。
 昨年よりフサフサ感が増しました。見て下さい!

 木々も芽吹きの時を迎え、葉が生い茂り緑輝く美しいお庭になりました。

 企画展「魚眠洞の時代 犀星のノスタルジア」も7月6日まで。ご来館お待ちしています。
       

 

      

フサフサの叡山苔



すくすく育っています 



3月26日

杏の花

 今日は犀星のお命日です。その日を待っていたかのようにお庭の杏が咲きました。

 今年の冬は、二度の長い寒波襲来で、気温の低い日が続き、梅も杏も桜も開花が遅れていました。やっと杏の開花です。今、街中は、梅、杏、木蓮、ヒメリュウキンカ、水仙と花盛りです。犀川縁の桜も、蕾が膨らみはじめました。

 記念館では、新しい企画展「魚眠洞の時代 犀星のノスタルジア」が始まりました。犀星の金沢での暮らしぶりや心象風景をたどる展示です。お楽しみ下さい。
 そして、犀星初の随筆集『魚眠洞随筆』が記念館のオリジナル文庫として発刊されました。ミュージアムショップで販売しています。
 春の日差しのもとでの読書にいかがでしょうか。
       


 

      

ようやく花が咲きました



もう少しで満開です 



3月19日


犀星忌 講演会「犀星と迢空」
~雨宝院にて~

 例年ならば、犀星忌のころには、犀星が育ったお寺雨宝院の杏は、蕾が綻び、咲き始めているのですが今年は2月の寒波で、気温が低い日が続き、残念ながら咲く気配はありませんでした。
 そんな慈雨の一日、國學院大学教授の石川則夫先生を講師にお招きし、歌人であり国文学者の釈迢空(折口信夫)と犀星との交流についてお話して頂きました。
 大学が所蔵している、迢空宛、犀星の署名入りの献呈本をお持ち下さり、参加された方々に見せて下さいました。

 当日は、國學院大學の院生と引率の先生が参加されました。文学を研究する若い学生さんたちの参加で、活気のある犀星忌となりました。きっと犀星も喜んでいる事でしょう。

 石川先生、ありがとうございました。
       

 

      

石川則夫先生



 署名入りの献呈本



2月9日


冬の朗読会 オカリナの調べとともに

 金沢は、今季最大の寒波が押し寄せ、4日から雪が降り、沢山積もりました。記念館の庭も灯篭や屋敷神が埋もれてしまいました。つくばいの上にもこんもりと白い雪が積もっています。そして、そばには真っ赤な椿の花が咲いています。

 そんな、雪の日の午後、お馴染みの冬の朗読会を開催しました。今年はオカリナとのコラボです。
 朗読作品は、犀星晩年の随筆を4篇。「サイン・パーティー」「かみそり」「耳について」「菓子やの奥さん」。犀星の日常生活の一コマが窺える作品です。
 朗読は、当館朗読ボランティアの押野市男さんです。何時ものように、声色を変え、すぐそこで、犀星が話しているような雰囲気です。
 オカリナ演奏は新谷尚志さん。温かみのある音色で、朗読に華を添えて下さいました。
 最後は、新谷さんのソロ演奏。「浜辺の歌」や「Stand Alone」など4曲ほど演奏されました。演奏が始まると窓の外には日が差し始め、春の気配が感じられ、楽しい朗読会となりました。

 大雪の中、沢山の方にご参加頂きました。ありがとうございます。
 押野市男さん、新谷尚志さんありがとうございました。
       
       

        押野市男さん

 

         新谷尚志さん


      

2月5日の雪



 2月8日の雪



 雪を被ったつくばいと椿




 雪景色の庭




1月19日


講座「『杏つ子』を読む」

 
 
 開催中の企画展「ひろい読み スクラップブックの中の犀星」の関連講座として、犀星文学の頂点的作品と高く評価されている『杏っ子』のテーマについてお話しました。
 自伝的作品の総決算とも言われる『杏っ子』ですが、長篇小説として、自伝的な素材をどのように編集して、どんな意味ある世界を読者に示しているか、について考えてみました。
 従来、実母の問題が重視されている犀星文学ですが、『杏っ子』においては、父親という存在が重要な役割を果たしているのではないでしょうか。実父からも養父からも父としての実感を得られなかった小説家平山平四郎が、娘の杏子の誕生と成長、そして結婚と破婚を見守るなかで、新しく父親と娘という関係を結び直す話として捉えることができるのではないか、という〈読み〉を提起しました。自らの作品としての娘が、試練を経て自立した大人として自らの元に戻ってくる、小説家が生涯を振り返る物語としてもふさわしいテーマなのではないでしょうか。


       
       

      
 
      

参加された皆様



 講師 当館館長




1月12日


新年のご挨拶

 
 
 令和7(2025)年の元日の金沢は、雪がちらついたあとに青空が広がり、それがすぐに曇って雨が降る、というぐあいに典型的な北陸の冬の天気でした。
 まずまず穏やかな新春を迎えることができました。

 記念館では今、企画展「ひろい読み スクラップブックの中の犀星」を開催しています。犀星晩年の姿が、当時の新聞や雑誌の記事から時代の空気感とともに生き生きと伝わってきます。
 今年1月1日、新聞やテレビは、いずれも能登半島地震から1年がたったことを大きく伝えていました。
 犀星晩年の傑作、『杏っ子』の主人公、杏子は生まれて四日目に関東大震災に遭います。その混乱から始まった彼女の人生、彼女の成長とその喜び、悲しみを見守る作家の父。長い小説ですが、途中からどんどん引き込まれ、読み終わると不思議と力が湧いていきます。

 今年もよろしくお願い申し上げます。

              館長 水洞 幸夫

       
       

      
 
      










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