秋聲の自然主義的出発点に置かれる中編小説「新世帯(あらじょたい)」(明治41年)。本作が発表されたのは、この年「国民新聞」に入社した高浜虚子が、同紙上に初めて創設した文芸欄(「国民文学」)でした。虚子はその最初の掲載作として秋聲を選び、自ら秋聲宅を訪れ執筆を依頼したと言います。結果的に師・尾崎紅葉没後の秋聲の方向性を決定づける名編となったことで、この時のことは双方とも晩年まで繰り返し語る思い出深い一件となりました。
もとは俳句から出発した虚子自身も俳句を離れ、小説に接近していた時期であり、虚子が秋聲に期待し、秋聲が小説で応えたものとは――。
この企画展では、高浜虚子生誕150年を記念して、虚子と秋聲ふたりの文学的交流についてご紹介します。
秋聲自筆原稿 「私と国民の新聞小説」 (初公開) |
高浜虚子『鶏頭』 |
展示替え休館 | 11月5日(火)~11月9日(土) |
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次回企画展 田村俊子生誕140年記念 「『女流作家』―田村俊子と秋聲」 |
11月10日(日)~3月16日(日) |
(会期中) 年末年始休館 |
12月29日(日)~1月3日(金) |