当記念館は、浅野川にかかる梅ノ橋のたもとに建てられました。卯辰山のふもとに広がるこの地は秋聲が幼少期を過ごした区域であり、古都金沢の面影を色濃く残す「ひがし茶屋街」と隣接しています。卯辰山公園、主計町茶屋街などの観光名所や、泉鏡花記念館、金沢蓄音器館などの文化施設にもほど近い立地です。
東山の伝統的な建物群の一角に位置するため、黒瓦屋根の採用、格子を取り入れた外観、土塀など、周辺の環境に調和し、金沢の街並みに似合う建物としました。
建物内部は、大きな窓、吹き抜け、頂部の灯り取りなど、明るい空間を意識した造りになっています。とくに2階の映像コーナーでは、全面に切り取られた窓から情緒あふれる浅野川と木造の梅ノ橋の姿が一望できます。
また、敷地内には浅野川に面する展望デッキ(写真)を設置し、周囲の景観をお楽しみいただけるとともに、河川敷から直接上り下りができるようになっています。
自伝的小説「光を追うて」を元に、秋聲の生い立ちから小説家になるまでのあゆみと、近代化する金沢の姿をたどります。
秋聲の代表作に登場する女性を、和紙人形作家・中西京子氏による「和紙人形」で展示。秋聲の生涯と作品を映像で紹介するミニシアターです。
川端康成、広津和郎から古井由吉、中上健次まで、作家たちからの世代を超えた秋聲および作品への賛辞を紹介します。
東京都文京区本郷に現存する秋聲旧宅の「書斎」を再現し、遺品などを展示しています。
【主な遺品】 文机、飾り棚、掛け軸、その他愛用の小物
関連書籍の閲覧のほか、2台のタブレット端末で秋聲作品の朗読をお聴きいただけます。
(音源提供:
朗読小屋 浅野川倶楽部)